<観てきてよかったぁ〜>の巻

ゴッチ(以下G)「こんばんは〜。」

竜二(以下R) 「こんばんは〜。」

あき(以下A) 「あら、非二人して。いらっしゃ〜い。」

G 「そこで会ったんですよ、竜二君と。」

R 「ゴッチさんは向こうから、僕はこっちから来たんですよ。」

A 「あら、そう。・・・はい、オシボリどうぞ。」

G&R 「有難うございます。」

A 「何にしましょうか、今日は。」

G 「え〜とオイラはボトルをソーダ割りで。」

A 「竜二は?」

R 「僕はお勧めにしようかな。もう3月だからあれですよね。」

G 「何々?あれって。」

R 「ほら、何時もここは3月、4月で桜の花が入った飲み物がお勧めじゃないですか。」

G 「あっ、そうかぁ。それじゃ、オイラもそれにしようかな。」

A 「ゴメ〜ン。今月はね、前半が先月と同じ<モスコミュール>なのよ。 後半が桜の入った<スプリングバード>なのよね。

R 「え〜、残念。でも出来ないんですか?桜のドリンク。」

A 「まだ桜の塩漬け用意してないのよね。あと1週間待ってて。」

R 「あ〜、本当に残念だなぁ〜。それじゃ、僕はモスコミュールにします。」

A 「アイヨッ!」

G 「アキさん、観てきましたよ、今日。」

A 「はい、お待たせ。・・・で、何行ったの?ゴッチは。」

G 「<上海バンスキング>ですってば。アキさん、絶対に観なさいって言ってたじゃないですか。」

R 「え〜!行ったんですか?羨ましいなぁ〜。アキさんも行って来たんですか?」

A 「勿論よ。初日に行きましたとも。」

G 「良かったですよね〜。初めてだったんですけどね、オイラは。」

R 「僕も行きたいんですけどぉ〜、切符がね〜。」

A 「ははは・・・。切符ってぇ。竜二さぁ、電車やバスじゃないんだからさぁ〜、ははは・・・。」

G 「竜二君、今どき電車やバスだって切符じゃないよぉ。スイカやパスモだからね。」

R 「酷いな〜、みんな。いいじゃないですかぁ〜、切符でも。」

A 「まあ、そうよね。間違いじゃないわよ。ゴメンゴメン。」

R 「当日券って言っても相当早めに行かないと取れないだろうしなぁ〜。」

G 「頑張ってみればいいじゃん。ダメだったらまた次の日に行ってさ。ねぇ、アキさん。」

A 「そうね。アッシも本当に観たい舞台でチケットが取れなかった時には何度もトライしたわよ。」

R 「そうですよね。行ってみようっと。」

G 「でもさ、本当に良かったですよ。アキさん、あの舞台の思い出って結構あるんじゃないですか?」

A 「有る有るぅ。」

R 「聞かせて下さ〜い。」

A 「アッシがね一番最初に<上海バンスキング>を観たのは、もう30年くらい前ね。 記憶が間違ってなかったら冬だったと思うわ。心臓を悪くする前だったかっら、1979年の冬ね、きっと。」

R 「生まれてないやぁ〜。」

A 「あら、そうなの。も〜う、嫌なのよね、最近。昔の話をすると生まれてないって子が結構いてさぁ〜。」

G 「仕方ないじゃないですか、それは。竜二君だってアキさんと同じ年齢になったらそういう子もいるわけだから。」

A 「まあ、そうよね。で、凄く仕事が忙しかったんだけど、アルバイトの子の都合をつけて夜観に行ったのよ、 六本木と言うか西麻布にね。」

G 「自由劇場ですね。」

A 「そう、自由劇場ね。でもね、今と違ってそんなに観客がいなかったのよ。」

R 「え〜、今は取るのも大変だっていうのに。」

A 「まあ、数日したら大変な混み方になってたらしいんだけど、アッシが行った時は2/3くらいだったかなぁ〜。」

G 「キャストは今と一緒だったんですか?」

A 「それがちょっと違ったのよね。吉田日出子さんは変らずマドカ、笹野高史さんも変らずバクマツ、 リリーも今回出ている田辺さつき(現・さつき里香)だったんだけど、今串田さんが演じている四郎を今ガチャンコ・ラリーを演じている真名古(現・真那胡)敬二が、弘田を大森博(現・博史)が、今弘田を演じてる小日向が新米の宮下を、それから串田さんは当時演じるときには藤川延也って名乗ってたんだけど、確か方を演じてたと思うのよね。」

R 「そんな前からやってるんですか、みんな。」

A 「そうね。自由劇場自体はそれより更に10年以上前に結成されてるからね。」

G 「そうなんだ。」

A 「で、何しろ100人位なんだから、詰め込んでも。そんな小さな劇場でスタートした訳よね。 その後、博品館で数回やって映画も作って90年代に入って今回やっているシアターコクーンで数回やったのよね。」

G 「その最後の公演にも行ったんですよね、アキさん。」

A 「そう、行ったのよ。それも楽の日にね。」

R 「良くそんな日が取れましたよね。」

A 「まあ、当時はちょっとしたコネがあってね。でも悔しい思いをしたの、その時。」

G 「悔しい思い?」

A 「そうなの。本当は楽だったんだけど、実は最初に楽日って言ってたその後に追加公演が入っちゃったのよね。 アッシもう予定入れてたからその追加公演、本当の最終公演は観る事が出来なかったのよ。」

G 「アキさんにしたら本当に悔しかったんだろうね。」

A 「そうよぉ〜。で、それから16年振りでしょ。もう今回もとりあえず初日と楽日を押さえた訳よ。」

R 「また行くんだ。」

A 「行かない訳にいかないじゃない。」

R 「今の洒落ですか?」

A 「違うわよぉ〜、ははは・・・。」

G 「でも、何度も言いますけど、本当に良かったですよ。話がちゃんとしてますよね。適度に笑いもあるし。」

A 「でしょ。本当に良い脚本だと思うのよ。ジャズマン達を通して戦争や薬物の恐ろしさ、愚かさを訴えている。 本当に素晴らしいのひと言よね。」

G 「役者さん達も良かったですよ。」

A 「本当ね。色々な噂があって日出子さん大丈夫かな?って思ってたんだけどぉ〜・・・。」

G 「出演者の発表が開演1時間前だって言うしね。でも全く問題なかったですよね。」

A 「って言うか、周りの日出子さんに対する気の使いようが凄くて。 もう皆で彼女を盛り上げようとしているのが分かるのよぉ〜。」

R 「あ〜、行きた〜〜〜い!」

A 「何回も言うけど、本当に素敵な舞台よねぇ。ただ、やっぱり皆歳をとったわね。設定とのギャップがね。でもね、 それを差し引いても本当に素晴らしい舞台よ。ず〜っとやっていって欲しい舞台よね。」

R 「もう絶対に行く、絶対に。」

G 「何か凄いじゃないの、その意気込み。若いっていいね〜。」

R 「からかわないで下さいよ。」

G 「ははは・・・。ところでアキさん、アカデミー賞予想クイズの用紙もらえますか?」

A 「あら、ゴッチ、まだ投票してなかったっけ?・・・はい、どうぞ。」

R 「僕はこの前しちゃいましたよ。」

G 「何か今年から作品賞が10作品に増えたみたいですよね。」

A 「そうなのよ。やっぱりアメリカも映画業界厳しいのよね、きっと。」

R 「あ〜、だから作品賞を増やせば観客動員が出来るってことですかぁ〜。」

G 「中々じゃん、竜二君。アキさんは最近何か観ました?映画。」

A 「この前、ようやっと<ドクター・パルナサスの鏡>を観にいったのよ。」

R 「あれですね、ヒース・レジャーの本当に最後の作品ですよね。途中で亡くなっちゃって、 完成が危ぶまれていたのに、彼の親友3人が残った撮影に代役で参加して完成させたんですよね。」

A 「そうなのよ。でも良く出来てたわよね。鏡の中に入ってから代わってるから、そんなに違和感もないしね。」

G 「で、肝心の映画のほうは?」

A 「アッシは好きね。元々テリー・ギリアムってちょっと変った映画を撮るじゃない。今度も一見そうなんだけど、 メッセージはちゃんとあるし、何しろパルナサス博士の瞑想の世界に入って、そこにある二つの道を選ぶみたいな話でしょ。」

G 「ギリアムらしいですよね。」

A 「ね。でも、これが映画の世界の一つなんじゃないのって思うのよ。な〜んか、3Dもいいけどさぁ〜。」

R 「彼の世界って魔法の様なものですよ。」

A 「そうね。アッシ達が映画を観た瞬間に彼の魔法にかかっちゃうのよ。 本当に観て良かったぁ〜って思わせる映画よね。」

G 「それじゃ観に行かなきゃね。」

R 「僕も行きたいんですよ。」

G 「はい、アキさん、これ。」

A 「どれどれぇ〜。ふ〜ん、ゴッチは監督賞にキャスリン・ビグローを選んだのね。」

R 「<ハート・ロッカー>ですね。でも、ケチ付いちゃいましたよね。」

G 「何かあったんだっけ?」

A 「ほら、プロデューサーの一人が<アバター>に投票しないでほしい、ってメール送ったのよ、アカデミー会員に。」

G 「え〜〜〜!それじゃダメかも。」

R 「でもですね、送った時にアカデミー会員が既に投票してたら分かりませんからね。」

A 「そりゃそうだわね。でも、ケチが付いたのには変わりないわよぉ。」

G 「まあ、でもこれに賭けますよ、オイラは。」

A 「主演がサンドラ・ブロックとモーガン・フリーマンで、助演がペネロペ・クルスとクリストファー・プラマーかぁ〜。 結構良い線いってるかも。アカデミーの本番は向こうで日曜日。こっちでは月曜日の朝から昼過ぎまででしょ。楽しみだわね。」

G 「オイラ、実は観ちゃったんですよ。今週2本も観ちゃって、映画。」

R 「それですね、投票したの。結構自信があるんでしょ。」

A 「観て良かったっていう結果になればいいけどねぇ。」

G 「何かその言い方イヤだなぁ〜。」

A 「まあ、結果は月曜日に判るんだからさ。期待しましょ。」

G 「そうだよねぇ〜。観てて良かったってなりますように。」

R 「僕も祈らなきゃ、っと。」

G 「それじゃ、アキさんもう一杯。」

R 「僕も頂きます。同じので。」

A 「あいよっ!」

                                                           おわり
*登場人物は全て仮名です。

*今回紹介したお芝居などは

1) <上海バンスキング>  上演中〜3/14
    シアターコクーン

2) <ドクター・パルナサスの鏡>
    新宿ピカデリー他で上映中
以上です。どうぞ足をお運び下さいね。
2010.3.6


Back Number!