<あんなのやりた〜い!>の巻

神ちゃん(以下J)「今度はぁ〜・・・。お勧めで。」

ワンちゃん(以下W)「今月は何だっけ?」

あき(以下A)「今月は、今週までが<スプリング・バード>で、来週からは<春霞>。 どっちも桜リキュールを使ったカクテルなのよ。」

J 「オイラ、来週のが本当は好きなんだけどなぁ〜。」

W 「<春霞>ってやつ?」

J 「そうそう。今週のはさ、ジンがベースだからちょっと不得意なんだよね。 <春霞>はウィスキーベースだし、ソーダで割るから飲み易いしさ。」

A 「神ちゃん、できるわよ、<春霞>。」

J 「えっ!出来るの?じゃぁ、お願いしちゃおうかなぁ〜。」

A 「了解しました!・・・・はい、お待たせ。」

W 「へ〜。ちょっと変った色だね。」

J 「ウィスキーの茶と桜リキュールのピンクが混ざってるからね。」

W 「あれ?これは?」

A 「桜の塩漬けを戻して入れたのよ。な〜んか春っぽくな〜い。」

W 「そうですね。これ八重桜ですよね。」

A 「そうよ、八重桜。アッシが去年新宿御苑にいって摘んできて塩漬けにしたものなのよぉ。」

W 「そんな事、バレちゃったら大変ですよ。良く摘んでこれましたねぇ。」

J 「馬鹿だなぁ〜、ワンちゃんは。冗談に決まってるじゃん。ね、アキちゃん。」

A 「ゴメンゴメン。勿論冗談よぉ。ははは・・・・。ほら、これ。」

W 「何です?これは。」

A 「桜茶って言ってね、桜の塩漬けが入っているのよ。お茶屋さんで売ってるのよ。ほら、こんなの。」

W 「へ〜、これがぁ〜。何に使うんですか?」

A 「お祝い事なんかの時ね、主に使うのは。」

J 「ほら、茶を濁すって言う言葉があるじゃん。祝い事でさ、茶を濁すって縁起でもないじゃん。 で、これよ、これ。この桜の塩漬けにお湯を注ぐと花が開いてさ。」

W 「あ〜、なるほどねぇ。アキさん、僕も同じやつ、いや、違うの、もう一つの<スプリング・バード> の方お願いしちゃおうかな。入りますよね、これも。」

A 「勿論よぉ〜。・・・・はい、お待たせ。」

W 「凄く綺麗ですね。・・・・うっ、結構強〜い。でも美味しいですね。何か桜餅の香がしますね。」

A 「それが桜リキュールの香よ。」

J 「春だな〜って感じでしょ。」

W 「本当ですね。春といえば、皆、行動し出しますよね。」

J 「やっぱり陽射しじゃないかな。強いもんね、春の陽射しって。それに乗せられて動いちゃうって訳よ、 体がさ。」

A 「確かにね。ひと月ほど前に啓蟄が過ぎて一足先に虫も動き出してるしね。これからは人が動き出す季節。」

W 「確かにイヴェントも多くなるし、心がウキウキしだしますよね。アキさんなんか、 お芝居の数がグ〜ンと増えるんじゃないんですか?」

A 「そうね。やっぱり増えるわよ、この季節と秋は。 やっぱり冬と夏は外に出たくないっていう人も多いからね。」

J 「で、何か行ったの?最近。」

A 「まあ、ほぼ毎年の様に行ってるんだけど、この前<ダウンタウン・フォーリーズ>っていう ミュージカル・レヴューって言うのかな、それを観に行ってきたわよ。」

W 「島田歌穂の出てるやつですよね。あれ、面白〜い。」

J 「なんだ、ワンちゃんは観た事あるんだ。今年は?」

W 「今年は行かないんです。ちょっと仕事が忙しくて。」

A 「あら、こんなご時世なのに仕事が忙しいなんて羨ましいわぁ〜。」

J 「まあ、仕事が忙しかったら読めないしね、時間が。で、アキちゃん、どうだったの?」

A 「何時も思うんだけどさ、本当に面白くてあっと言う間に時間が過ぎちゃうのよねぇ〜。」

W 「今年も例によって歌って踊ってパロディーもありで、ってな感じなんですかね。」

A 「そうね。まあ、マンネリって言えばそうなんだけどぉ、でも、楽しいのも事実だからね。」

J 「ちょっとぉ〜、二人だけで分かってないでさ、オイラにも教えてよ。」

A 「ゴメン、ゴメン。そうよね。神ちゃんは観てないんだもんね。」

W 「そうでした。」

A 「まあ、さっきも言った様に、歌あり、ダンスあり、お笑いありってな感じなのよ。」

W 「例えば、福山雅治のTVドラマで<ガリレオ>って言うのがあったじゃないですかぁ。 その福山の役のパロディーとか・・・。今思い出しても笑っちゃいますよぉ〜。」

A 「今年もやったわよ。ほんの数分のコントだけど、本当に笑っちゃうわよね。 黒板に何だか分からない数式を書いて、その内床にも書き出して、そしてお決まりの台詞。」

W 「<実に面白い>、ですよね。」

A 「そうそう。ただそれだけなんだけどね。な〜んか笑っちゃうのよ。」

W 「それに色々なミュージカルの替え歌や落語をミュージカル風にしたり。」

A 「最後には出演者が夫々のソロを披露して、アンコールまでもが計算された作りは本当に素敵なのよ。 あんなのやりたいわぁ〜。」

J 「面白そうだよね。日本てさ、まだまだじゃん、ミュージカル・レヴューってさ。宝塚くらいだよね、 SKDも無くなっちゃったしさ。」

A 「そうねぇ〜。まあ、宝塚は豪華そのものでしょ。あれはあれでとっても良いんだけど、 もっと小規模で楽しめるものが本当に少ないし、お客様も集まらないしね。ホントに楽しいんだけどなぁ〜。」

W 「アキさんだったら企画できますよ。」

A 「アイディアは沢山有るわよ、そりゃね。でもさ、やるとなると、著作権とか色々面倒くさいし、 それよりもまず資金の問題がぁ〜・・・。」

J 「なんだよおぉ〜、アキちゃん、本当にやる気じゃん、ははは・・・・。」

A 「馬鹿ね、神ちゃん。本当にやる訳ないじゃないよ。でも、やってみたいな、 っていう気持ちは一寸だけあるわね。そしたら本当に楽しめる脚本書いちゃうんだけどなぁ〜。」

W 「まあ、何時か実現できる事を祈って、って所ですかね。」

J 「まあ、そうだよな。でさ、今月はそんな楽しめる様な芝居とかライヴとかある?」

W 「そうですね。俺もゴールデン・ウィークは絶対に休み取るんで、何かあったら教えてくださいよ。」

A 「そうね。さっきも言ったけど、春だから沢山有るのよねぇ。」

J 「これはどうなの?」

W 「あ〜。スタッグ・パーティー・ショーですね。結構いいですよ、これ。」

A 「でもね、残念な事に、既に予約でいっぱいみたいなのよぉ〜。で、 後は当日券が若干出るらしいんだけどね。並んでみたら。ねらい目は昼の部よ。」

J 「そうかぁ〜。他には?」

A 「まずは美輪さんの芝居、<葵上>と<卒塔婆小町>ね。」

J 「もう歳だしな、美輪様も。一度くらい行ってみようかなぁ〜。」

W 「そうですよね。もう70歳超えてるんですよね、美輪さんって。」

A 「そうよぉ〜。とってもお美しいわよね。見えないもん、70超えてるなんて。と言うか、 60歳でもおかしくないと思うわよ。でもさ、今回ね、アッシにはちょっと不安なところがあるのよ。」

J 「何?それ。」

A 「ほら、今回相手役が木村彰吾君じゃない。彼が不安なのよねぇ〜。」

J 「このポスターの彼?わりといい男じゃん。」

A 「見た目は本当にいいのよ。だけど、芝居がねぇ〜・・・。」

W 「酷いんですか?」

A 「まあ、今回は分からないけど、もう結構長くなったのよね、役者になって。でもさ、相変わらずなの。 大根って言うけど、彼のためにあるような言葉よね。ただ、 今回どれだけ成長しているかも見たいと言えば見たいんだけど。」

W 「そんなにぃ〜?」

A 「でも、美輪さんのお芝居を観るっていうのがまず第一よね。」

J 「他には?」

A 「今月から新国立劇場で始まったんだけど、井上ひさしの東京裁判3部作ね。今月はその第一部、 <夢の裂け目>。彼の戯曲の中でも傑作って呼び声が高いのよね、これ。」

W 「でも、ちゃんと始まるんですか?」

J 「井上ひさしの芝居って、初日に脚本が間に合わないっていうんで有名だもんな。」

A 「今回は大丈夫よ。っていうのはね、2001年にやってるのよ、この芝居。だから全く問題ない・・・、 って事もないかぁ〜。」

W 「今度はどんな問題が?」

A 「チケットが完売なのよ。アッシも発売初日に頑張ってみたんだけど、結局取れなかったのよねぇ。でも当日Z席の確保に頑張ってみようかなってね。」

J 「アキちゃんがそこまでするって、本当に良さそうじゃん。」

W 「しかし、チケット取れないのが多いですね。こんな経済不安なのに。」

A 「でもさ、全般的には売れてないのよね。」

J 「そりゃそうだよねぇ〜。何に使うか考えちゃうもんなぁ〜。 アジアの中でこんなに経済不況から立ち直れないのって、日本だけみたいじゃん。 オイラも色々行きたいんだけどね。だからアキちゃんに聞いてから選んで行こうってさ。」

A 「それじゃ、色々勧めちゃおうかな。」

W 「教えて下さ〜い。」

A 「永井愛が3年半振りで書いた町おこしの話<かたりの椅子>。再び東京に戻ってきた <ブルーマングループ>。文学座の定番<わが町>。井上ひさしの大ヒット作、 渡辺美佐子の一人芝居でのファイナル公演<化粧〜ニ幕>。渡辺えりのコンサート<悪い夢>。 倉庫を利用して出来た劇場のこけら落としとして行なわれる劇団桟敷童子の<厠の兵隊>。 5月に来日するミュージカル<ドリームガールズ>の作曲家、 ヘンリー・クリーガーが再びブロードウェイにかけた<サイド・ショー>。 とうとう幕を下ろす歌舞伎座の最終公演<御名残四月大歌舞伎>。もう挙げてたらキリがないわよね。」

J 「ねぇ、アキちゃんさぁ〜。沢山挙げてくれたのは嬉しいんだけど、ほら、この世の中には <決定回避の法則>ってのがあるじゃん。だからさ・・・。」

W 「多過ぎると選べないって事ですよね、神さん。」

A 「あら、そうだったわね。まあ、春だし。」

J 「って、どんなよぉ〜・・・。」

A 「ちょっと多すぎたかしらね、ははは・・・・。」

W 「そうですよぉ〜。ははは・・・・。」

J 「それじゃ、教えてもらったからもう一杯もらおうかな?」

W 「じゃ、俺もください。」

A 「あいよっ!」

おわり
 *登場人物は全て仮名です。

 *今回紹介したお芝居などは

1) ミュージカル・レヴュー<ダウンタウン・フォーリーズ Vol.7>
  上演中〜4/13    青山円形劇場
2) スタッグ・パーティー・ショー <好きな人>
  4/18,25,29      スナック九州男
3) 近代能楽集 <葵上><卒塔婆小町>
  上演中〜5/6     ル・テアトル銀座
4) 東京裁判3部作のうち第一部<夢の裂け目>
  上演中〜28日    新国立劇場小劇場
5) 二兎社 <かたりの椅子>
  上演中〜18日    世田谷パブリックシアター
6) <ブルーマン・グループ>
  4/29〜6/27      六本木ブルーマン・シアター
7) 文学座   <わが町>
  上演中〜18日     新宿全労済ホール・スペース・ゼロ
8) 渡辺美佐子ひとり芝居<化粧〜ニ幕>ファイナル公演
  4/30〜5/9       座・高円寺 1
9) 渡辺えりコンサート <悪い夢>
  4/16           座・高円寺 2
10) 劇団桟敷童子   <厠の兵隊>
  4/16〜26        すみだパークスタジオ
11) ブロードウェイ・ミュージカル <サイド・ショー>
  上演中〜18日     池袋芸術劇場中劇場
12) <御名残四月大歌舞伎>
  上演中〜28日     歌舞伎座
以上です。どうぞ足をお運びくださいね。

2010.4.11


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