<お財布と相談ね!>の巻

ジニー(以下J)「こんばんはぁ〜!」

あき(以下A)「あら、ジニー、いらっしゃい!・・・オシボリどおうぞぉ〜。」

J 「ねえ、ねえ、アキさん、もう観ました?<レ・ミゼ>。」

A 「う〜ん、先週観てきたわよ。」

J 「誰ヴァージョン?」

A 「アッシはスペシャル・キャストだけど・・・。」

J 「やっぱりねぇ〜。」

A 「ジニー、先に注文聞いていいかしら?」

J 「あっ、いけねぇ〜。え〜と、今月のお勧めで。」

A 「あいよっ!・・・・はい、お待たせ〜。」

J 「色が綺麗ですね〜。何ていうドリンクだっけ?」

A 「<ライク・ア・フラミンゴ>よ。」

J 「色がフラミンゴ色だぁ〜。・・・ふ〜む、飲みやす〜〜い。」

A 「でしょ。」

J 「で、さっきの話なんですけど・・・。」

A 「あ〜、<レ・ミゼ>ね。ジニーはどのヴァージョンだったの?」

J 「オイラもスペシャル・キャストなんですよぉ〜。一度観たかったんですよね、 岩崎宏美のファンテーヌと島田歌穂のエポニーヌ。」

A 「で?どうだったの?」

J 「もうジニー感激ぃ〜〜〜!ってな感じかな。噂通り。みんな凄かったよぉ〜。」

A 「凄い感激の仕方ね。ははは・・・。」

スターちゃん(以下S)「ジニーは感激屋さんなんですよね、きっと。」

J 「スターさんの言うとおり。オイラって意外に感激屋!な〜んて。」

S 「でも、良かったじゃないですか。今回で最後になるって言うしね、最初の演出が。」

J 「そ〜なんですよぉ〜。もう最後のチャンスじゃん。行かなきゃって。」

S 「で、アキちゃんはどうだったの?」

A 「そうね〜・・・。」

J 「えっ?えっ?えっ?な〜んかイマイチな反応なんだけどぉ〜。」

A 「まあ、何時も思うんだけど、本当に良く出来てるわよ、<レ・ミゼ>って。 だけどさぁ〜・・。」

J 「だけど・・・何なんです?」

A 「初演からもう24年。新鮮さがないのよねぇ〜、やっぱり。」

S 「というと?」

A 「もう理解し過ぎっていうかね。それと声がやっぱり太くなってるのね。まあ、 年齢から来るものだから仕方ないとは思うんだけどさ。」

S 「なるほどねぇ〜。」

A 「でも、悪くはないのよ。特に、ジャベールを演じた鹿賀丈史は、今までにないくらい良かったのよね。 数年前にやった<ジキル&ハイド>の時はちょっとキツイわぁ〜な〜んて思ったんだけど、 今回はいいわよ。」

J 「そうやって話を聞くと、やっぱり初演を観たかったな〜。」

A 「何言ってんのよぉ〜。ジニーまだ生まれてないじゃないの、ははは・・・・。」

S 「そ〜んなに若かったんだ、ジニーって。」

J 「まぁ〜、そうなんですよぉ〜。今年で22なんですぅ〜。」

S 「まあ、僕らにもありましたよ、22歳の時がね、アキちゃん。」

A 「そうね。あの頃はさ、ミュージカルなんて高値の花だったわよね。アッシなんか、 寺山や唐、鈴木忠、つかなんかの芝居ばっかり。それでも大変だったから一所懸命バイトして、 やっと越路吹雪のリサイタルに行ったものよねぇ〜。今の子はいいわよね、本当に。」

S 「経済的には豊かになったからね、本当。」

J 「そんな事ないですよぉ〜。結構大変なんだから、さ。」

S 「ジニーは結構行くの?お芝居。」

J 「そうですね、結構行く方だと思うけど、まだまだ芝居は高いから・・・、映画の方が多いかな、 やっぱり。」

S 「<レ・ミゼ>の他に最近は?」

J 「行きたいと思うのは沢山有るんですけどねぇ〜。やっぱり財布と相談しないとぉ。で、 ここに来てアキさんに聞くんですよ、ほかの芝居がどうだったか。」

S 「な〜るほどぉ〜。で、アキちゃん、<レ・ミゼ>の他には何か観た?」

A 「え〜とね、<ぼっちゃま>と<愛の讃歌>と<スウィニー・トッド>。」

J 「あ〜、全部行きたかったぁ〜。」

S 「<愛の讃歌>って美輪さんのですよね。彼っていうか、彼女っていうか、まあ、元気ですよねぇ〜。」

A 「本当よね。もう70代半ばよぉ〜。今までのレパートリーを一つづつやっていこうとしてるみたいね。」

J 「で、どうでした〜?」

A 「もう何時も通り。美輪ワールド全開っていう感じよぉ。」

J 「エディット・ピアフの生涯をやるんだから歌も沢山出てくるんだよね。あ〜、聴きたかったぁ〜。」

A 「そうなんだけど、美輪さんの歌を聴きたい人には良かったとは思うんだけどねぇ〜。」

S 「またまた出ました、アキちゃんの辛口批評が・・・。」

A 「あら、スターちゃん、アッシは評論家じゃないから辛口批評なんてしないわよ。 ただ感想をいってるだけ。」

S 「まあ、いいとして、どうだったの?」

A 「う〜む、歌と時代が合わないのが気になったのよね。」

J 「合わない?って・・・。」

A 「そうなの。もうみ〜んな知ってる通り、 ピアフって街角で歌ってた所を見出されてどんどん大きくなっていくでしょ。でも、 その街角で歌っている歌が、その時代の歌じゃないのね。有名になってからの歌なわけ。」

S 「あ〜、なるほどねぇ〜。その時代にヒット曲が有るわけないからねぇ。」

J 「そうですね。 歌っていた所を声掛けられて色んな人と知り合ってどんどん大きくなっていくわけだからぁ・・・。」

A 「その辺はちゃんとして欲しかったって思うのよね。」

S 「で、例の相手役はまたあの子?」

A 「スターちゃん、安心して。今度は変わって佐藤雄一っていう子。まあまあかなぁ〜。」

S 「じゃ、安心して観られたんだね。」

A 「ははは・・・・。」

J 「え〜、そんなに酷かったんですね、以前のキャストは。」

A 「キャスト全部じゃなくて、テオ・サラポっていうピアフ最後の恋人の役の人ね。 スターちゃんが言ってたみたいに、ちょっとホッとして観ることができたわね、ははは・・・・。」

J 「それから気になっているのが<ぼっちゃま>なんだよね。SMAPの吾郎ちゃんと白石加代子だよね。」

S 「それは興味でるよねぇ〜。アキちゃん、どうだった?」

J 「どんな話だった?」

A 「はいはい・・・。舞台は第二次世界大戦後の東京郊外の旧家。 そこに住む世帯主の<ぼっちゃま>とその世話をする<ばあや>を中心としたほのぼの劇。 母親の各々違う姉と妹とその婚約者、間借りのピアノ弾き、 八百屋や骨董屋などを巻き込んで起こるあ〜んな事や、こ〜んな事。」

S 「何か昔の<デン助劇場>を思い出しますね。」

A 「そうなのよ〜。大宮敏充の<デン助劇場>や藤山寛美の<松竹新喜劇>を観ているみたいなのよね。 ほわ〜んとした舞台でそこそこ楽しめたのね。」

J 「何か、全く分からないんですよねぇ〜。」

A 「ゴメンごめん。またまたジニーが生まれる前の話になっちゃって。」

J 「吉本新喜劇とは違うんだよねぇ〜。」

S 「まあ、笑いの質が違うっていうかねぇ、アキちゃん。」

A 「そうね。笑って笑って涙して、っていう感じかな。」

J 「へ〜。観てみたかったなぁ〜。」

S 「まあ、それは仕方ないね。でも、私も観たかったですね、その芝居。まだやってるんですかね。」

A 「まだやってるわよ。6月の最初の週までだったかな。でもさ、9000円なのよね。 ちょっと高いかな?って。あの手の芝居は、もっと手頃な値段で観せて欲しいと思うわよ。」

J 「ひえ〜〜、9000円ですかぁ〜。<レ・ミゼ>で10000円以上使っちゃったからここで9000円は・・・。」

S 「アキちゃんも大変だよね。」

A 「大変よぉ〜。だから全部が全部高い席で観る訳じゃないのよ。最近は色々観たいから、 席種が多くある時は、その芝居によって席を選ぶようにしてるの。」

S 「<スウィニー・トッド>はアキちゃん好きだからいい席で観たんだろうね。」

A 「まあ、ソンドハイムのミュージカルの中でも特に好きな作品だから、 奮発しちゃったんだけどぉ〜・・・。」

J 「ちょっと不満そう。」

A 「う〜む、全回と殆ど同じキャストだったんだけどねぇ〜。」

S 「何か違ったって事ですよね、その言い方じゃ。」

A 「そうなのよぉ〜。前回は結構良いかな、って思ったんだけどね。まあ、悪くはないのよね。 でも、な〜んか違うのよ。」

J 「映画は観たんだけどな〜。一度舞台も観てみたいと思ってるんだけどぉ〜。」

A 「一度は観たほうがいい舞台だとは思うけどね。」

S 「で、アキちゃんはどんな所が不満だったの?」

A 「平均点は取れてると思うのね。でも、歌が前回よりも良くなかったかなぁ〜。 特にラヴェット夫人の大竹しのぶとジョアンナのソニン。前の方が良かったかな〜。」

S 「いい人はいなかったの?」

A 「そんな事はないわよ。 ドバイアスを演じた武田真治と謎の女乞食を演じたキムラ緑子ほ二人は良くなってたと思ったわね。 武田真治は本当に良かったわよ。当たり役かしらね。」

J 「へ〜。武田真治って歌えるんですね。」

S 「そうだよ。結構出てますよね、ミュージカル。」

A 「そうよ、結構出てるかも。」

J 「それにしても、こう観たいものが沢山あると、やっぱり財布と相談しなきゃなぁ〜。」

A 「そうね。何でも観たいけど、やっぱり財布と相談よね。」

S 「そんな事なんで、そろそろ私も財布と相談して帰りま〜す。」

A 「あらら・・・、ははは・・・・。」

S 「何事も財布と相談から、で・す・よ、ねぇ〜。」

A 「そりゃそうよ。」

J 「そうですよ、ねぇ〜。ははは・・・・。」

一同 「ははは・・・・・・。」

おわり

* 登場人物は全て仮名です。

* 今回紹介したお芝居は、

   1) <レ・ミゼラブル>    帝国劇場
           上演中〜6/12

   2) <愛の讃歌>    公演終了

   3) <ぼっちゃま>    PARCO劇場
           上演中〜6/5

   4) <スウィニー・トッド>  青山劇場
           上演中〜6/5
   以上です。どうぞ足をお運びくださいね。
2011.5.22


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