<うっとりぃ〜・・・>の巻

マサ君(以下M)「こんばんは〜!」

あき(以下A)「マサ君、いらっしゃ〜い!」

トニー(以下T)「あらら、久し振りぃ〜!」

M 「あれ〜、トニーさんですか?・・・本当に久し振りですぅ〜。」

A 「はい、マサ君オシボリ。」

M 「有難うございます。」

T 「元気だったの?」

M 「もうご覧の通りです。トニーさんこそ如何ですか?」

T 「まあ、ね。歳が歳だからねぇ〜、アキちゃん。」

A 「そんなぁ〜、まだまだですって。・・・マサ君は何にしましょうか?」

M 「あっと、いけない、いけない。え〜と、まずはビールですかね。」

A 「あいよっ!・・・・・・はい、お待たせしました。」

T 「でも本当に久し振りよねぇ〜。何年振りかしら〜。」

M 「もう5年は会ってませんよ、きっと。」

A 「あら、そんなになるかしらねぇ。」

T 「そうかもねぇ〜。でもさ、元気そうで安心したわよぉ〜。」

M 「それはこっちの台詞ですよぉ。何してたんですか?」

T 「ちょっと入院しててね。でも、もう大丈夫よ。この通り元気が戻ってきたのよぉ〜。」

M 「結構長く?」

A 「トニーさん、どの位だったかしらね。2年くらいだったかしらん。」

T 「まあ、それくらいねぇ、二年弱よ。まあ、重なっちゃったんだけどね、色んな事が。で、 トータルで二年弱。全然2丁目にも来られなかったのよぉ〜。今日が復帰して2回目だったかなぁ〜。」

A 「うちは2回目だけど・・・ね。」

T 「本当だってばぁ〜。ははは・・・。」

A 「所でマサ君、今日は何かの帰り?」

M 「そうなんですよ。今来日してるじゃないですか、<コーラスライン>。」

T 「あらぁ〜、来てるの?」

A 「トニーさんお好きですもんね、<コーラスライン>。」

M 「そうなんですか?アキさんはもう観ました?」

A 「う〜ん、この前の火曜日に行ってきたわよ。」

M 「良かったですよねぇ〜。トニーさんは何時ごろご覧になられたんですか?」

T 「アタシはもう何十年も前よ。ブロード・ウェイでね。流石にオフの時は観てないけど。」

M 「え〜!!!本場で観たんですね、凄〜〜っい。」

A 「やっぱり日本人が外国物をやると違和感が出てきちゃうから、本場物を観るのが一番。勿論、 可能ならだけど。」

T 「でもさぁ〜、時々酷いのもあるのよね、本場でも。」

A 「あった、あった。もう何年前かしらね。久しぶりに<オペラ座の怪人>を観たくなって行ったのね。 でも、酷かったのよ、その時のキャスト。日本の劇団四○の方がまだまだマシ!な〜んて感んじたもの。」

M 「やっぱりあるんですね、そんな事。でも、<コーラスライン>はやっぱり来日物に軍配が上がりますよ。 やっぱり全然違う。」

T 「何処なの、劇場は。」

M 「赤坂の赤坂ACTシアターです。」

T 「あ〜、TBSの所ね。で、役者さん達はどう?」

M 「特にこの人が凄いっていう感じじゃなかったんですけどね、でも、其々が良かったです。アキさん、 どうですか?」

A「そうねぇ〜。まあまあかな?」

T 「何か不満そうねぇ〜。」

A 「不満じゃないのよ。アッシもブロード・ウェイで観てるじゃない。 やっぱりその時の印象が強すぎちゃってねぇ。まあ、 今回はシーラ役のスザンナ・デュプリがとても良かったかしらね。ちょっと歌が弱いかな、って思ったけど。 ポールもそうね、歌がちょっと弱い。でも、気になるほどじゃなくて。 キャシーはもうちょっと踊りに迫力があったら良かったんじゃないかな、って。 でも気になるほどじゃないのね。結構平均点の役者が集まって作ったって感じの舞台だったかなぁ〜。 だから全体として観ると凄く良かった、とまでは言えないけど、脚本や音楽の良さと相まっていい舞台には仕上がっていたと思うわね。」

T 「なるほどね〜。席埋まってた?」

M 「今日はそれなりに埋まってましたけど、明日以降のチケット販売してたから、 ちょっと空席があるんじゃないですかね。」

A 「そうね。アッシ、センター・ブロックの真ん中だったんだけど、隣の隣が最後まで空いてたわね。 まあ、この時代、中々埋まるのは難しいかもね。」

T 「景気悪いし、あの地震に原発だものぉ〜。まだまだ芝居に行こうかな、 って気分にならないじゃないかしらねぇ〜。」

A 「まだまだそうなのかもね。ペンギンだってそうよ。震災以降いらっしゃってないお客様もいるからね。」

M 「そうなんですかぁ〜?」

A 「そうよ。昨日も震災以降初めてっていうお客様いらっしゃったもの。」

T 「ま〜ねぇ〜、仕方ないわよ今年はね。」

M 「耐える年なのかもしれませんよね。」

T 「でもさ、行きましょうよ、劇場にも。アタシも<コーラスライン>行ってこようかしらん。」

A 「久しぶりに行ってくれば?」

M 「そうですよ〜。もっと元気になるかも!」

T 「そうねぇ〜。他に何かある?」

M 「僕も聞きたいなぁ〜。アキさん、何か教えて下さいよ。」

A 「まあ、凄く楽しいって訳じゃないんだけど、渡辺えりさん率いるオフィス3○○(さんじゅうまる)の <ゲゲゲのげ〜逢魔が時に揺れるブランコ〜>なんかどうかしら?」

M 「何か鬼太郎みたいですね。それに、お逢魔が時だなんて。」

T 「あれでしょ、昔やったやつでしょ、岸田國士戯曲賞を獲ったやつよね。アタシ、 25年以上前に観に行ったと思うわよ。考えさせられる舞台だったわね。」

M 「って言うのは?」

T 「記憶が確かだったらだけど、この芝居、イジメがテーマよね。」

A 「そうね。主人公のマキオがイジメにあうのよね。」

T 「で、登場するのが鬼太郎。」

M 「え〜!面白そうじゃないですかぁ〜。」

A 「そう。笑える場面も沢山あるんだけど、色々考えさせられちゃうのよ。この舞台ね、 死の淵にある老女と池袋の小学校でイジメにあっているマキオ、それに東北の林の、 ある場所を掘るオジサンと少年との話が中心になってやがて一つに纏まっていくという構成になってるのね。」

M 「ちょっと複雑かも。」

T 「そうねぇ〜。こういった芝居を観慣れてないと、少し難しいかもね。」

A 「それで鬼太郎がマキオにかわってイジメている子らを懲らしめるのよ。」

T 「実はその鬼太郎、マキオの事を助けてくれたある同級生なのよね。」

A 「そうそう。まあ、全部言っちゃうと観ないかもしれないからここまでにするけど、 場所や時代が交差して繰り広げられる<ゲゲゲのげ>。逢魔が時に起こる事件。いいと思うけど。それに、 鬼太郎。そっくりなのよ、漫画に。 その出来に鬼太郎役の中川晃教もうっとりしちゃってるんじゃないかしらね、ははは・・・・。」

M 「面白い、っていう点では何かありませんか?」

A 「そうねぇ〜・・・。鹿殺しなんてどう?」

T 「何?それ。そんなツアーがあるの?」

A 「違うわよぉ〜。劇団鹿殺し。今ね、夏の女優祭りって事で<岸家の夏>っていう芝居をやってるのよ。」

M 「どんな内容なんですか?」

A 「結婚相談所に登録している柔道場を経営している岸家3姉妹。どこか不器用で、 正直者の3人があ〜だ、こ〜だと繰り広げるドタバタ劇。」

T 「な〜んか、スカっとしそうじゃない。」

A 「でしょ。今注目の劇団、鹿殺し。東京公演は終わっちゃったんだけど、大阪で来週から始まるから、 もし夏休みと重なって大阪行くことがあったら行ってみたら?」

M 「丁度来週から夏休みなんですよね。」

T 「あら、お盆終わってからなの?」

M 「そうなんですよ。正確には今週の土曜日から来週一杯なんですけどね。 だからお盆の時期は入っているんです。」

A 「そうよねぇ〜。お盆が入らないと地方の人はご先祖供養できないもんねぇ。 アッシは東京だから7月でしょ。どうも8月のお盆てピ〜ンとこないんだけどね。」

T 「他には?」

A 「ちょっと前だったらねぇ〜・・・。」

M 「何なんですか?」

A 「<ヴィクター・ヴィクトリア>。」

T 「あのジュリー・アンドリュースがやった?」

M 「あれ好きなんですよ〜。やってたんですね。」

A 「そうなの。まあ、舞台自体は大したことなかったんだけど、 トディを演じてた岡幸二郎を観に行くだけでも価値があったわよ。」

T 「どういうことよ。それに、トディでしょ。彼じゃ若すぎない?」

A 「だから、舞台は大したことないって言ったじゃない。」

M 「じゃ、どこが良かったんです?」

A 「良かったっていうよりね、ほら、みんなも知ってるでしょ、最期の場面。」

T 「あれよね、今までヴィクトリアがやっていた役をトディが代わりにやるところよね。 映画のロバート・プレストンが汚くて面白かったわよね。」

M 「あの場面、ホッとするっていうか、素敵ですよね。で、どうなるんです?」

A 「それが、ヴィクトリアを演じる元宝塚の貴城けいより岡幸二郎の方が綺麗だったのよ。」

T 「そりゃ笑える、って言うより価値があるって分かるわねぇ〜、ははは・・・。」

M 「きっと本人もう〜〜っとりしてたんじゃないですかぁ〜、ははは・・・。」

A 「でしょ!でも綺麗だったぁ〜・・・。」

M 「僕もうっとりしたいですねぇ〜。」

T 「ちょっと久しぶりに会ったらマサ君も変わったわね、ははは・・・。」

A 「まあ、立派なオネエさんに進行中ってことかしらね。」

M 「そんなんじゃないですよぉ〜・・・。」

一同 「ははは・・・・・。」

おわり

 * 登場人物は全て仮名です。

 * 今回紹介したお芝居は、

   1) 来日ミュージカル公演<コーラスライン>

         上演中〜8/21 赤坂ACTシアター

   2) 劇団3○○<ゲゲゲのげ〜逢魔が時に揺れるブランコ>

         上演中〜8/23 座・高円寺1

   3) 劇団鹿殺し 夏の女優祭り<岸家の夏>

         東京公演は終了
         大阪公演 8/19〜21 ABCホール

   4) <ヴィクター・ヴィクトリア>

         公演終了
  以上です。毎日暑い日が続きますが、どうぞ劇場に足をお運び下さいね。
2011.8.7


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