あき（以下A）「いらっしゃ〜い！寒いのに有難うね。はい。オシボリ。」
H 「あ〜、ホッとしますねぇ〜。だけど、本当に寒いですね、今年は。」
マッチャン（以下M）「ほんとうよねぇ〜。もうアタシなんか齢じゃな〜い、寒いの堪えちゃってさぁ〜。」
H 「マッチャンさん、そうなんですかぁ〜？」
M 「アンタ、そうなんですかぁ〜、って可愛子ぶっちゃってねぇ〜。」
H 「いやいや、マッチャンさんみたいに何時も鍛えてる人は寒さもそんなに感じないのかな、って。」
M 「関係ないのよ、そんな事は。まあ、ヒー君みたいにひ弱じゃないけどね、ははは・・・。」
H 「そこまでひ弱じゃないですよ。見ます？」
M 「結構よ！ははは・・・。」
A 「何言い合ってるのよぉ〜。で、ヒー君、今日は何にします？」
H 「あっ、そうそう。頼まなきゃですね。え〜と、今月のお勧めはぁ〜・・・。」
A 「今月は＜ラム・コリンズ＞よ。」
M 「結構美味しいわよ。ヒー君、ちょっと飲んでみる？」
H 「マッチャンさんが飲んでるのがそれなんですね。いいんですか？じゃ、ちょっと・・・。甘いんですね。 でも美味しい。」
A 「でしょ。ちょっと甘めだから飲み易いんだけど、ソーダがちょっとしか入ってないから結構強いのよ。」
H 「強そうですよね。でも、それお願いします。」
A 「あいよっ！・・・・・はい、お待たせ。」
H 「有難うございます。」
M 「ところでさ、ヒー君珍しいじゃない、平日なんて。」
H 「そうなんですよ。今日はミュージカル観てきたんです。コンサート形式だったんですけどね。」
A 「もしかして＜チェス＞？」
H 「アキさんも行ってきたんですか？」
A 「当然行ってきたわよ。アッシ、このミュージカル好きなのよね。アメリカではフロップしちゃったんだけどね。」
M 「フロップって何なの？」
A 「簡単に言ったら、失敗しちゃったってことよね。これ、アバの男二人組が作ったミュージカルなのよ。」
M 「あら〜、アバぁ〜！でもさ、アキちゃんってアバあんまり好きじゃないかったんじゃない？」
A 「そうなの。アッシ、アバってそんなに好きじゃないのよね。それよりも、 この二人がアバを結成する前に＜ビヨルン＆ベニー＞っていうグループを作ってたんだけど、 その時の音楽の方が好きなのね。」
H 「そんな時代があったんですか。」
A 「そうなのよ。で、早くアバ解散しないかな、って思ってたら離婚じゃない。 そしたらミュージカル作るってニュースが入ってきてね。 それからアルバムがまずはじめに作られるっていうじゃない。もう早く聞きたいって。」
H 「あ〜、それでなんですね。何か聞いたことのある音楽だなって。」
M 「それはさ、ヒットした曲があるからよぉ〜。ほら、 ホイットニー・ヒューストンと彼女の母さんがデュエットした曲あったでしょ。あれよ、あれ。」
H 「あ〜、あれですか。」
A 「＜I know him so well＞ね。でもね、あれはミュージカルが上演した後なのよ。 日本ではあんまり有名じゃないんだけど、ミュージカルの世界ではとっても有名な エレン・ページとバーバラ・ディクソンのデュエット盤がイギリスで何週かにわたって１位を続けたのよね。 それと＜One night in Bangkok＞って曲がその前にヒットしてるのね。 確かマレー・ヘッドっていう人だったと思うけど。」
H 「へ〜。」
M 「で、どうだったの？そのコンサート版は。」
H 「もう凄く興奮しちゃって。ねぇ、アキさん、良かったですよね。」
A 「う〜む、残念ながらアッシはガッカリしちゃったのよ。」
M 「ほらほら来ました、アキちゃんの辛口批評。わぁっははは・・・。」
A 「批評なんかしないけどね。だってさ、歌がイマイチだったのよね。コンサート形式じゃない。だから、 歌がちゃんとしていないと・・・。」
H 「そうですかぁ〜。僕は上手いな、って思ったんだけどなぁ〜。」
A 「コンサート形式だからって言っても、観る方はちゃんと出来上がってるのを観たいわけじゃない。あれじゃ、 ちょっとね。まあ、聴けたのは、中川晃教くらいじゃない。安蘭けいは不安定で今年やる＜サンセット大通り＞ のノーマ・デズモンドを出来るのかしら？って心配になっちゃうくらいだったもの。でもね、やっぱり好きなのよ、 このミュージカル。ちゃんとした舞台版を観たいわね。」
H 「それは僕もそう思いました。舞台じゃどうなるのかな、って。」
M 「アタシは観たことないから、やっぱり観たいわね。曲好きだから。」
H 「いい曲多いですよね。さっきアキさんが教えてくれた＜One night in Bangkok＞や＜I know him so well＞。 本当にいいですよね。」
A 「それに、＜You and I＞ね。アッシ、これが一番好きなの。」
M 「所で、いい舞台に最近出会ってないの？アキちゃん。」
A 「そんな事ないわよ。蜷川幸雄が唐十郎の芝居に臨んだ＜下谷万年町物語＞。これは良かったわよ。 もう宮沢りえが美しくて、格好良くて。」
M 「アタシ、もう３０年以上前に観たと思うんだけど、西武劇場よね、渋谷の。」
A 「そうそう。あの時は、李礼仙（当時）が今回宮沢りえが演る役、キティー・瓢田。 今回藤原竜也が演る青年の洋一役を当時全く無名だった渡辺謙、当然唐十郎も出てたしね。」
M 「そうそう。もうドキドキしちゃったわよ。それにあの池ね。もう水バシャバシャでさぁ〜。ヤダぁ〜、 アタシったらちょっと興奮してきちゃったわ。」
H 「マッチャンさんも興奮することあるんですね、ははは・・・。」
M 「ちょっとぉ〜、アキちゃん、この子どうにかしてよぉ〜。んもう〜アタマきちゃうんだから！」
A 「でもさ、本当にあの時代はまだ芝居に餓えてたもんね。興奮してたわよ、アッシも。」
M 「だけどぉ〜、ちょっと不安じゃなかった？今回のキャスト。」
A 「そうなの。アッシ、宮沢りえって良いけど今度のこのキティの役はどうなのかな？って。 李礼仙は決して美人じゃないけど、出てくるとオーラが凄かったじゃない。 もうあの頃彼女が出てくるだけで拍手が起こったし、凄く引き込まれていったわよね。でもさ、 このアングラの世界で宮沢りえがそのイメージを覆せるか、って。」
H 「で、アキさん、さっき美しくて格好良くて、って言ってましたよね。」
A 「そうなのよ。もうそれはそれは美しくて、それに格好良くて。更に滑舌が良くてね。確かに彼女、 テントの芝居を観に来てる所に出くわした事はあるんだけど、ここまでアングラの世界に浸れるのかって。 もう大ファンになっちゃったわぁ〜。」
M 「ねえねえ、他の役者はどうだったのよ。」
A 「みんなそれなりに良かったわよ。相変わらず石井ケン一がいい味出してるし、初演と同じ役の大門伍朗、 流石の沢竜二、アングラ劇団の金守珍、今や売れっ子の六平直政、蜷川芝居の常連、大石継太などなど、 もうアングラの匂いがプンプンしてて本当に興奮しちゃったわね。」
M 「あれぁ〜、観に行きたくなっちゃったわよ。もう無いわよね、チケット。」
A 「そうね。でもさ、立見席だったらあるかもよ。文化村に問い合わせてみたら。」
M 「そうしようかしら。」
H 「僕も観たくなっちゃいました。早速明日にでも電話してみよう〜っと。所でアキさん、 今年もやるんですか？＜アカデミー賞予想クイズ＞。」
A 「勿論、やりますよ。もう受付開始してるのよ。はい、これ。これに○してね。はい、マッチャンも。」
M 「あらあら。今年は難しいわねぇ〜。」
H 「実は僕、もう決まっちゃってるんですよ。」
M 「ヒー君、全部観てる訳ないのに？」
A 「まあ、人気投票みたいなもんだからね。日本で上映してるのって少ないしさ。」
M 「で、ヒー君は何なのさ。」
H 「僕はですね、断然＜アーチスト＞だと思っているんですよ。」
M 「＜アーチスト＞って話題の無声映画でしょ〜。アタシはアカデミーには嫌われちゃうと思うのよね〜。 だから、アタシは、あの凄く長いタイトルのぉ〜・・・、これこれ、＜ものすごくうるさくて、 ありえないほど近い＞ね。９１１関連の映画。これアメリカではウケるわよ、きっと。」
A 「中々いいところ突いてるじゃない。」
H 「アキさんはどうなんですか？」
A 「そうねぇ〜、難し〜〜い。前哨戦って言われているゴールデン・グローブ賞じゃ、 作品賞が＜ファミリー・ツリー＞と＜アーチスト＞、主演男優がジョージ・クルーニーと ジャン・デュジャルダン、主演女優がメリル・ストリープとミシェル・ウィリアムズでしょ。混戦よね〜。」
M 「でもさ、アタシ、この人には絶対あげたいのよ、アカデミー賞。」
H 「マッチャンさん、誰なんですか？」
M 「助演にノミネートされてるクリストファー・プラマー。彼、 サウンド・オブ・ミュージックのトラップ大佐よね、アキちゃん。」
A 「そうそう。アッシも彼にはあげたいわね〜。でも、助演部門も大混戦よ、今年は。」
H 「本当に悩んじゃいますよね。」
A 「まあ、〆切は２６日だから、良かったらもう少し検討してから投票してよ。」
M 「そうよねぇ〜。アタシはもう少し検討してからにするわぁ。」
H 「僕はもう出しちゃいますよ。あんまり悩んでると、余計に決められなくなっちゃいますからね。」
A 「それもそうね。直感って結構当たるからね。」
H 「それじゃ、これでお願いします。」
A 「はい、受け付けました。」
H 「所で、全問正解するとプチプレゼントがある、って書いてありますけど、何をくれるんですか？」
M 「まさか、アキちゃんが付いてくるって事はないわよねぇ〜、ははは・・・。」
A 「ちょっと！あるわけないでしょ！ははは・・・・。」
全員 「はははは・・・・・」
おわり
＊ 登場人物は全て仮名です。 ＊ 今回紹介したお芝居は １） チェス・イン・コンサート 公演終了 ２） 下谷万年町物語 公演終了 ３） ミュージカル＜サンセット大通り＞ 6/16〜7/1 赤坂ACTシアター以上です。アカデミー賞予想クイズは、現在Webとお店で受付中です。 〆切は、日本時間で２０１２年２月２６日（日）２４時まで。皆さん、どんどん投票して下さいね。
2012.2.12