<あなたも音楽家>の巻

智ちゃん(以下T)「こんばんは〜!」

あき(以下A)「あら智ちゃん、いらしゃ〜い!」

マーク(以下M)「久し振りじゃん、智ちゃん。」

T 「あ〜、マークさん、お久しぶりですぅ。」

A 「はい、オシボリ。」

T 「漸く暖かくなってきましたね。え〜と、もうアレあります?」

M 「何よ、アレ、って。」

A 「今月のお勧めでいいのよね、智ちゃん。」

T 「そうです。桜のドリンク。」

M 「あ〜ぁ、<春霞>ね。結構イケルよね。」

T 「それじゃ、その<春霞>。宜しくお願いします。」

A 「あいよっ!・・・・・・・はい、お待たせ。」

T 「これこれ。この時期はやっぱりこれですよねぇ〜。」

A 「でしょ。この時期はやっぱり桜のドリンクよ。」

M 「中に入ってる桜の塩漬けがまたいいよね。」

T 「そうですよね。ドリンクの中で桜が咲いてて。もうグラスの中で花見、 って感じですかね。」

A 「この時期だけだからね、やるの。勿論、他の時期でもできるんだけど、 やっぱり季節感を味わうにはこの時期じゃない。」

M 「やっぱり季節に合ってた方がいいよね。ほら、 アキちゃん何時も季節ごとにコースターも変えてるじゃん。これもいいんだよね。」

T 「そうなんですよね。すぐには気付かなかったりするんですけどね。」

A 「そうなの。あんまり気付いてくれないのよ、ははは・・・。」

T 「所でアキさん、今日はずっとピアノ曲なんですか?BGMが。」

A 「今はね。マークが芝居観にいって、ホロヴィッツ無い?って言うからホロヴィッツ。」

T 「それでぇ〜。で、マークさん、何観てきたんです?」

M 「<ホロヴィッツとの対話>っていう芝居だよ。」

T 「そうだと思いましたよ。三谷幸喜のですよね。」

M 「そうそう。智ちゃんも観たの?」

T 「いえ、観てないです、っていうより、チケットが取れませんでした。 当日券も会社が何時終わるか分からないし・・・。土日は他に用があるし。 まあ、中々社会人になっちゃうと芝居行けませんよね。アキさんは観たんですか?」

A 「勿論、観たわよぉ〜。」

M 「で、その話をしようと思ってさ。」

T 「なるほどね。僕も聞きたいな。マークさん、どんな話なんですか?」

M 「ホロヴィッツ夫妻と彼のピアノ調律師モア夫妻との話なんだよね。」

A 「モア夫妻の所にホロヴィッツ夫妻がディナーにやってくるんだけど、 そこでのやり取りを中心に描いていくのよ。」

T 「とても有名ですよね、ホロヴィッツのピアノ調律師って。」

M 「そうみたいだよね。 彼はミケランジェリやルービンシュタインやグールドなんかの調律もしてたみたいだね。」

T 「とっても有名です。 彼の名前は知らなくてもそうそうたるピアニストの調律をやっているのが同じ人だって。」

A 「ピアノは調律が命だもの。大物が次々とフランツ・モアに調律を頼むんだからね。 まさに裏方の鑑だわよね。」

T 「何しろあの奇人、ホロヴィッツを納得させるんですからね。」

M 「本当に奇人だったらしいよね。俺はさ、 実はホロヴィッツって聴いたことなかったんだよ。で、 芝居観て彼の奇人さが分かったっていうか・・・。」

A 「そこを上手く三谷幸喜が物語の中に取り入れてね。面白かったわね。」

M 「ホント、面白かったよ。」

T 「渡辺謙さんが出てるんですよね、確か。」

A 「そうそう。あと彼の妻役エリザベスに和久井映見、ホロヴィッツに段田安則、 彼の妻ワンダに高泉淳子。皆適役だったと思うわよ。」

M 「俺が観たときは渡辺謙さん、ちょっと噛んでてイマイチだったけど、 ホロヴィッツの段田安則が面白くて面白くて。」

A 「そうね。アッシは後半の高泉淳子が抜群に素晴らしかったわね。 ワンダが心の奥から離れない娘のソニアの事に触れられた時の苛立ちというか何というか・・・。 その演技の素晴らしさ。本当に良かったわね。」

M 「確かにあの演技は素晴らしかったね。」

A 「今回の作品、脚本が良く出来ててね。 中心はホロヴィッツとその調律師モアなんだけど、 そこに舞台には出てこないホロヴィッツの娘やモアの子供たちの話を入れた所に成功があったと思うのよね。 特にホロヴィッツの娘、ソニアが出てくるあのシーンは絶品ね。」

T 「あ〜、話聞いたら観たくなってきちゃった。でも終わってるよね。」

A 「東京はね。今大阪で上演中よ。」

T 「大阪かぁ〜。ちょっと無理かなぁ〜。」

M 「何かWOWOWで放送するみたいだよ、それも生中継だって。」

A 「あら、そうなんだ。」

T 「じゃ、それでも観ますかね。」

M 「ホロヴィッツはピアニストだけど、これは?」

A 「あ〜、<音楽家のベートーベン>ね。これブルー&スカイ作のコメディーなのよ。」

T 「ベートーベンがコメディー?」

M 「ベートーベンが、じゃなくて、ベートーベンを、だよね。」

A 「ははは・・・・。」

T 「で、どんな?」

A 「松木君を中心に彼と不倫している涌井さん、二人がバイトしている中華屋の店主、 そこに来る客の姉妹、そして何故かモンゴルからの使者。この6人が織りなすコメディー。 これが笑っちゃうのよね。」

M 「いいじゃん、いいじゃん、笑っちゃうってさ。」

A 「それもね、わっははは・・・、っていう大笑いじゃなくて、クククゥ・・・ っていう笑いね。」

T 「あ〜、何となく分かりますぅ。ありますよね、そんな時。」

M 「タイトルがいいじゃない。<音楽家の・・・>でしょ。」

A 「あたかもその音楽家のベートーベンが登場人物の6人を指揮しているみたいでね。」

T 「なるほどね。面白そうじゃないですか。これはまだ・・・?」

A 「今週の火曜日までよ。駒場東大前だし、 開演が7時半だから上手くいけば間に合うかもね。」

M 「それより智ちゃんの場合は、音楽家としていい音鳴らせたいんじゃないの?誰かにさ。 ははは・・・。」

T 「何言ってるんですか、いきなり。」

A 「まあ、ソチラの方が優先かもね、ははは・・・。」

T 「アキさんまでぇ〜。」

A 「あなたも音楽家、って訳だ!」

T 「もう勘弁してくださいよぉ〜。」

一同「あはははは・・・・。」

おわり


* 登場人物は全て仮名です。

* 今回紹介したお芝居は

   1) <ホロヴィッツとの対話>
       東京公演終了
       大阪公演  上演中〜3/31まで シアター・BRAVA!
       3/30(土)午後5時50分からWOWOWで生放送あり

   2) <音楽家のベートーベン>
       上演中〜3/26まで 駒場アゴラ劇場
以上です。いい陽気になりました。是非足をお運び下さいね。
2013.3.24


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