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<哀しいけど面白い>の巻
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タマちゃん(以下T)「こんばんはぁ〜!」 あき(以下A)「あら、タマちゃん、いらっしゃい。はい、オシボリどうぞ。」 T 「あ〜、ホッとするぅ〜・・・。」 由紀夫(以下Y)「タマちゃん、オジンくさいよ、ははは・・・。」 T 「ヤダなぁ〜、由紀夫さん。まだまだ20代ですよ、僕は。」 A 「チョットぉ〜、イヤミ?アッシと由紀夫ちゃんに。ははは・・・。」 T 「もう、アキさんたら。え〜と、今月はまだやってるんでしたっけ?」 A 「お勧め?やってるわよ。とりあえず今月いっぱいね。」 Y 「あれ、結構キツイよね。」 A 「まあね。お酒だけだからねぇ〜。」 T 「でも、美味しいですよね。え〜と、何でしたっけ・・・。あっ、そうだスプリング・バードでしたよね。 お願いします。」 A 「あいよっ!・・・・・はい、お待たせ。」 Y 「色は綺麗なんだよねぇ〜。本当に強いのが難点なんだよな、俺にとっては。」 T 「う〜む、美味しいですね〜。」 Y 「それにしてもタマちゃん、珍しくない?平日に。」 T 「今日、新井薬師で芝居観てきたんですよ。」 A 「もしかして<劇団可燃物>?」 T 「やっぱりそうですよね。アキさんの知り合い出てましたよ。」 A 「って言うか、アッシも今日行ってたのよ。どの辺に座ってたの?」 T 「えっ!そうなんですか?もう会場が分からなくてギリギリだったんですよ。だから一番前で観てました。 アキさんは?」 A 「アッシは後ろの方の真ん中で。」 Y 「面白かった?」 T 「面白かったですよね、アキさん。」 A 「そうね。とっても面白かったわよぉ〜。」 Y 「どんな話なの?」 T 「宇宙旅行に行くダーリンとハニーの話なんですけどね。」 Y 「宇宙旅行かぁ〜。って言うことはSF?」 A 「まあ、宇宙だからね、その部分は沢山あるんだけど、でもぉ〜・・・。」 Y 「でもぉ・・・、って?」 T 「まあ、今日が千秋楽だったから言っちゃても大丈夫ですよね。で、言っちゃいますけど・・・。」 Y 「その前に、簡単な筋を教えてよ。」 T 「そうですね。ダーリンとハニーの宇宙旅行の話なんですけど、 その途中でハニーが話す兄妹の物語が中心なんですよね。」 Y 「兄と妹の話ね。」 A 「その兄と妹を演じる役者がまた良いのよねぇ〜。」 T 「続けますけど、その兄妹が何処か高いところで遊んでいる時に足を踏み外してしまうんですよ。」 A 「で、気が付いたら、そこは宇宙。何だか訳の分からない人たちがどんどん出てきて・・・。」 T 「どうやら宇宙賊を探しているみたいなんですよね。」 Y 「宇宙賊?なんだそりゃ。」 T 「この芝居では宇宙最強の男っていう設定なんですよ。」 A 「で、その宇宙賊と対決する優しい宇宙の人々に兄妹が絡んいくっていうね。」 Y 「何か演じてる子達、結構若そうじゃない。」 A 「それがさ、そうね、見た目平均40歳前後かな。」 Y 「えっ!そうなの?」 T 「そうでしたね。」 A 「特に良かったのが兄妹。兄を演じたラバウル幸子と妹の浅倉万莉藻。 何と言ってもこの二人がとってもいいのよね。」 Y 「兄が女優かぁ〜。」 T 「良くありますよね、こういうの。まあ、子供の役ですからね。」 Y 「で、結局どうなるの?」 T 「宇宙賊との戦いに勝った兄妹と優しい宇宙の人々は、其々に次の道へと進んでいくんだけど、 ここで兄妹の別れがあるんですよ。」 Y 「どんな?」 A 「兄は月に行ってくるけど、妹には地球に帰れ!って言うのよぉ〜。」 T 「それで泣く泣く妹は地球に帰るんだけど・・・。」 Y 「気になるなぁ〜。」 T 「その妹って言うのがハニーなんですよね。」 A 「そうそう。二人はビルの上から落ちて妹だけが生き残るのよ。で、 その妹が気が付くまでさ迷っていた宇宙の話をダーリンにしていたって事なのよね。」 Y 「う〜む、ちょっとウルってくるかも。」 A 「そうでしょ。哀しいわよね。でも楽しいのよ、この舞台。役者さんも、特に上手い!って事はないんだけど、 これって何て言うのかな。総合力の勝利?かしらん。」 T 「そうですよね。観終わってから、何て言うのかなぁ〜、爽やかな後味とでも言うんでしょうか。 そんな感じでした。」 A 「そうね。話自体は全く違うんだけど、それと同じ様な、何て言うのかな、 哀しいけど楽しかったっていう舞台がこちらはベテラン3人の <3軒茶屋婦人会>第5回公演の<ブライダル>ね。」 Y 「敦っちゃん、篠井さん、大谷さんの出てる。チラシ有ったよね。」 A 「え〜と、あ〜、これこれ。もう綺麗でしょ、3人とも、ははは・・・。」 T 「何ですか?これ。」 Y 「もう5回目だよね、この企画。」 A 「そんなになるんだぁ〜。でも2年に一回くらいだから、そうね、5回目かも。」 T 「どんな話なんですか?」 A 「高校の同級生だった陽子、真由美、香織の3人。篠井さん演じる陽子はブライダルサロンのコンサルタント。 順調に見える彼女の仕事、実は行き詰まってる。大谷さん演じる真由美は自身が隠しているその性。」 Y 「って事は、もしかしてレーズー?」 A 「まあ、そういうことね。で悩んでるの。 そして深沢敦っちゃん演じる香織は降って湧いた幸せに戸惑いを隠せないの。」 T 「何か、ドキドキしちゃいますね。」 A 「彼女らが、やはり高校の同級生義男をめぐってあ〜だぁ〜、こ〜だぁ〜ってね。」 Y 「凄く合ってるよね、あの3人には。ははは・・・。」 A 「アッシも今回の舞台は今までで一番ピッタリ!って思ってるのよね。」 T 「へ〜。で、どんな相関関係なんですか?」 A 「陽子と義男は大学時代の恋人。真由美と義男は友人。香織と義男は婚約者。真由美と陽子、 真由美と香織は親友。さっきも言ったけど、真由美は秘密を持ってるの。それは、香織に対する恋心。」 Y 「益々面白そうじゃん。」 A 「それにも増して、そこに義男の前の女の存在で物語はゴチャゴチャ。 起死回生を狙って香織の結婚式を成功させたい陽子。香織に本当の気持ちを打ち明けちゃう真由美。 それを拒否する香織。結婚式直前に乱入した義男の前の女。刺される義男。」 T 「TVの2時間ドラマみたいじゃないですか。」 A 「でしょ。それに香織の前の亭主の親族が乱入して・・・。」 Y 「もう滅茶苦茶だね。でも面白そう。」 A 「まあ、最後は其々が旅立っていくっていう話なんだけどね。」 T 「まあ、哀しい話ですよね。」 A 「そうね。でも、何故か可笑しいのよね。」 Y 「あの3人のキャラのせいじゃないかなぁ〜。」 T 「そう言うのって有りですよね。」 A 「今回ね、篠井さんが本当に綺麗でキャリア・ウーマンそのもの。何度も変える衣装も素敵。 敦っちゃんはとっても可愛いし。ちょっと大谷さんの衣装と鬘(カツラ)がイマイチだったのが残念だったけど、 今までで一番可笑しくて、楽しくて、そして哀しい物語だったと思うのよ。是非観てほしいわね。」 T 「他に有りますか?お薦めの舞台とか。」 A 「5月は何と言ってもユニット・酒とつまみの<もうひとり>じゃないかしら。」 Y 「どんなやつ?」 A 「ナイロン100°Cの村岡希美さんとNHKEテレのショート・ドラマ<高梨さん> で主役の高梨さんを演じている池谷のぶえさんの二人芝居。 目当ての客の到着を待ち続けながら次から次へ来る招かざる客を追い返す二人の女のはなし。」 T 「面白そうじゃないですか。」 A 「でしょ。今回アッシもチラシで参加させて頂いたんだけどね。」 Y 「えっ!どれどれ?」 T 「これですか?」 A 「そうそう。この裏に彼女たちが行く飲み屋さんの応援メッセージがあるんだけど、 そのひとつにペンギンもメッセージを贈っているのね。」 T 「あ〜〜、これですね。」 Y 「ホントだ。キョンキョンの上にあるじゃん。」 A 「ふふふ・・・。」 T 「それじゃ観に行かないわけにいきませんよ。」 Y 「そうだよなぁ〜。」 A 「是非是非。」 Y 「他は?」 A 「5月は沢山あるのよね。寺山修司最後の舞台公演だった<レミング>、 大方斐紗子の独り舞台<エディット・ピアフに捧ぐ>、鄭義信の新作<アジア温泉>、 桟敷童子の<風撃ち>・・・・。もう沢山あって。」 T 「お金も続きませんよね。ぜ〜んぶ観たいですけど。」 Y 「そこが問題だぁ〜。ははは・・・・。まず<酒とつまみ>でしょ。」 A 「そうそう、宜しくよ!」 T 「5月も目が回りそうですね、ははは・・・・。」 A 「ホント。ははは・・・・・・。」 おわり * 出演者は全て仮名です。 * 今回紹介したお芝居は、 1) 劇団可燃物 <月に歩けば> 公演終了。 次回公演は、2014年春の予定 2) 3軒茶屋婦人会 <ブライダル> 上演中〜5/2 池袋・東京芸術劇場シアター・イースト 3) ユニット・酒とつまみ <もうひとり> 5/7〜21 下北沢・OFF・OFF劇場 4) レミング 上演中〜5/16 渋谷・PARCO劇場 5) 大方斐紗子独り舞台 <エディット・ピアフに捧ぐ> 5/19 三軒茶屋・世田谷パブリックシアター 6) <アジア温泉> 5/10〜26 初台・新国立劇場中劇場 7) 劇団桟敷童子 <風撃ち> 5/17〜29 すみだパークスタジオ○倉以上です。季節も良くなりました。どうぞ足をお運び下さいね。 2013.4.29
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