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<酒とつまみ>の巻
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ヒロッチ(以下H)「いやぁ〜〜〜、面白かったぁ〜。」 たっチャン(以下T)「ホント、面白かったよねぇ。」 あき(以下A)「でもさ、やっぱりプロは違うわね、って。」 H 「アイタタ・・・・。」 A 「やだ、ヒロッチの事言ってるんじゃないのよ。アンタは素人の割にはいい方じゃない。」 H 「それはどうも。」 T 「へ〜、ヒロッチさん、お芝居やるんですね。」 H 「そうなのよね、これでも。ミュージカルもどきなんだけど。」 T 「へ〜、尊敬しちゃうなぁ〜。」 H 「まあ、それほどでもぉ〜・・・。」 A 「着いたわよ。」 H 「ちょっとぉ〜、下北にこんなお洒落な喫茶店あったんだぁ〜。」 T 「アキさん、色んな所知ってるんですね。」 A 「まあね、大学時代から来てるから、この街には。でもさ、大分変わっちゃって〜。」 店員 「いらっしゃいませ。今日もモカマタリのダークローストでよろしいですか?」 A 「うん、自分はそれで。ヒロッチとたっチャンは?」 H 「え〜と、アタシは・・・カプチーノ。」 T 「オイラはロイヤルミルクティーにします。」 店員 「はい、かしこまりました。」 T 「それにしても、良く来るんですね、アキさん。」 H 「ほんと。注文聞かなくても店員の方から言ってたもんね。余程の常連ね。」 A 「だって、もう30年以上通ってるんだからね。昔から同じ注文なんだもん。そりゃ覚えてくれるわよ。」 H 「そうなの〜ぉ。それじゃね。」 店員 「お待たせいたしました。モカマタリのダークロースト、カプチーノ、ロイヤルミルクティーでございます。」 T 「う〜む、美味しいです。」 A 「たっチャンて紅茶派だったのね。」 T 「はい、そうですよ。珈琲より紅茶です。」 H 「意外ね。」 T 「そうですか?へへへ・・・・。」 H 「そうそう、話戻しましょうよ。」 T 「あのタイトル、<もうひとり>っていうのが分かりましたよね。」 H 「そうよねぇ〜。閑静な住宅街に住む桐江と居候、浜子の二人芝居なのに見えない誰かが舞台上にいるのよね。」 A 「まず、婚約者のカツラヤマさんでしょ、それからお隣のマスダさん、そしてツルコさん。」 H 「ツルコさんの所って笑ったわぁ〜。」 T 「まず、あれですよ、背が異常に高い女性じゃないですか。」 A 「二人のアクションがねぇ〜、もう可笑しくて可笑しくて。」 T 「それに嫉妬ですよ、嫉妬。」 H 「あ〜、嫉妬ねぇ〜。何か居候の浜子さんを取り合うっていうかね。」 T 「何かそこにちょっと怪しい関係っていうかぁ〜・・・。」 A 「それは無いんだろうけどね。浜子さんが特別な存在だって事は明らかよね。」 H 「それはさ、隣人のマスダさんとの会話?にも表れてたわよね。」 T 「そうそう。最初は浜子さんの存在自体を訝しげていたマスダさんも、 浜子さんと話していく内に何となく理解して家へ帰っていくじゃないですか。 そして芝居の最後にはマスダさんの中で何かが爆発してお姑さんの家庭菜園を破壊していくんですよね。」 A 「浜子さんて洗脳師みたいにも思えるしさ。」 T 「そうですよ。だって最後のシーン。」 H 「あれねぇ〜。あれは桐江さんの婚約者、カツラヤマさんが来るシーンよね。」 A 「確かにあのシーンの前にカツラヤマさんは桐江さんの家へ向かってるわよね。でもさ、 あれがカツラヤマさんかどうかっていう確信は持てないわよね。」 T 「確かに。」 H 「いやだぁ〜〜〜。怖〜〜〜い。」 A 「でしょ。アッシさ、この舞台はホラーだと思ってるの。」 H 「ホラーね。そうかもぉ〜。」 T 「確かに!」 H 「まあ、怖かったけど面白かったわね。あの二人の呼吸って凄く合ってたしね。」 T 「でないとあの芝居は出来ませんよね。」 A 「村岡希美さん、池谷のぶえさん。本当に美味しい酒と抓みを有難う!って感じ。」 T 「これからそんな美味しい酒と抓みを感じられる舞台って有りますか?」 A 「そうねぇ〜。」 H 「アタシも知りたいわ。」 A 「6月で言えばぁ〜、そうねぇ〜・・・。村岡さんは出ないんだけど、 所属しているナイロン100°Cの傑作って言われている舞台、<わが闇>。 それから橋爪功と大泉洋のコンビが観たいと思う心をくすぐる<ドレッサー>。芝居じゃないんだけどね、 去年大ブームになった由紀さおりのドラマチック・コンサート<PANDOEA>。こんなところかしら?」 T 「オイラ<PANDORA>観たいんですよね。オイラの母親に聞いた話なんですけど、 昔の人で越路吹雪さんていう人が日生劇場でドラマチックコンサートをやってて、 それが本当に素晴らしかったって聞いてて・・・。」 H 「あれねぇ〜。観たかったけど、アタシはまだ子供だったからねぇ〜。ビデオでしか観たことないのよね。 でも、良いわよ、本当に。」 T 「アキさんは、ご覧になってるんですか?」 A 「これね、実はアッシ、初めてチケット買うのに並んだやつなの。」 H 「へ〜。そうだったんだぁ〜。」 A 「そうなのよぉ〜。当時は今みたいにコンピューターも無い時代じゃない。チケット買うんだって、 YAMAHA、赤城屋、プレイガイドなんていうチケット発売所しか無かったし。後は会場で発売なのよね。で、 越路さんの舞台は前日から並びましたよ。まあ、あの時は、体力もあったし、餓えてたのよね、芝居やコンサートに。」 H 「そうかもね。アキちゃんなんてまだ東京だからいいけど、アタシなんか田舎でしょ。 そういった芸能関係にはトンと疎くて。」 A 「そうでしょうね。今だからアッシも分かるけど、本当に恵まれてたと思ったわね。 越路さんの他にはジョン・デンバーの来日公演のチケット確保にも並んだわね。カーペンターズなんか、 ハガキで応募して当選したらチケット買えるのよ。ま〜あ、大変だったわね。」 T 「本当に大変でしたね。今でも人気の公演は大変ですけど、 インターネットで優先予約なんか有るからまだ楽ですよね。」 A 「今考えると、チケット取りの時点から美味しい酒と抓みを求めてたのかもね。」 H 「でも、何と言っても美味しい酒と抓みと言えばペンギンよねぇ〜。」 T 「本当にそうですよね。」 A 「ちょっと、アンタ達、おちょくるのもいい加減にして!ははは・・・・。」 一同 「ははは・・・・・・。」 おわり * 登場人物は全て仮名です。 * 今回紹介したお芝居は 1) 酒とつまみ<もうひとり> 公演終了 2) ナイロン100°C <わが闇> 6/22〜7/15 下北沢本多劇場 3) 三谷幸喜演出 <ドレッサー> 6/28〜7/15 世田谷パブリックシアター 4) 由紀さおり ドラマチック・コンサート<PANDORA> 6/18〜23 赤坂ACTシアター以上です。これから梅雨時期に入りますが、どうぞ足をお運び下さいね。 2013.5.25
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