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<分からないけど何か好き!>の巻
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ター子(以下T)「久し振り〜〜〜。」 あき(以下A)「あら〜〜、ター子さん、お久ですぅ〜。」 T 「ほ〜〜んとご無沙汰しちゃって。」 A 「はい、オシボリどうぞ。」 T 「う〜む、気持ちいいわぁ〜。」 ヒロちゃん(以下H)「ター子さん、こんばんは。」 T 「こんばんはぁ〜。・・・え〜〜っとぉ、え〜〜〜っとぉ、誰だっけ?」 H 「ヒロですよ、ヒロ。」 T 「あ〜〜〜、ヤダ、も〜〜う。何年振りよぉ〜。まあ、アタシが出てきてないからね。」 H 「10年以上ですよ、多分。」 A 「うちだって10年振りくらいじゃない?」 T 「そうかも。それより、何にしようかしら、・・・・え〜〜とぉ〜・・・。」 A 「ター子さん、前はタンカレーのヴォッカ飲んでたわよ。」 T 「あら、良く覚えてるわね。アタシ、ヴォッカはタンカレーじゃなきゃもうダメなのね。でもさ、 今無いでしょ、タンカレーのヴォッカ。」 A 「そうなのよぉ〜。本当に困っちゃうのよね。少し多めに仕入れたからまだ大丈夫ですけど。」 T 「あ、そう。それじゃ、お願いね。そうそう。トニックで割って。無し無しでお願いね。」 A 「アイよっと!」 H 「何なに?無し無しって。」 A 「レモンもライムも入れないってことなのよね、ター子さん。」 T 「そうそう。シンプルが一番好きなの。」 A 「はい、お待たせしました。で、久し振りの今日は何か用事でも?」 T 「まあ、大した事じゃないんだけどね。今日さ、渋谷のシアター・オーブに <ドリームガールズ>観に行ってきたのよ。で、あまりにも気分良くってね。 ミュージカルだったらアキちゃんの所だわ、って。」 H 「アキさんも良いって言ってましたよね。」 T 「でしょ。良かったわよね。」 A 「そうなのよ。今回のキャストは、皆歌が抜群に上手くてね。 ツアーキャストって思えないくらい良かったわね。」 T 「特に主役のエフィーの子。ほらほら初演のぉ〜・・・う〜む、誰だっけ?」 H 「ジェニファー・ホリデイですか?」 T 「そうそう。彼女っぽくてさ。良かったわぁ〜。アキちゃんはどうだった?」 A 「勿論、彼女も良かったんだけど、ローレル役のトーニャ・マリー・ルーが抜きん出て良かったわ。」 T 「ローレルって向って左の子だっけ?」 A 「そうそう。」 T 「確かにね。お芝居も良かったわね。」 H 「いいな〜。み〜んな観た人良いって言ってるし。 時間が空いてる日が休演日と重なっちゃって観られないですよね。」 T 「あ〜ら、残念。本当にいいわよ。」 H 「あ〜〜〜、悔しい〜〜〜!」 A 「ヒロは観てないの?最近。」 H 「観ましたよ。<盲導犬>。」 T 「あら、観たの?アタシ、観たかったのよ、あの舞台。宮澤りえに古田新太ね。小出恵介も出てたっけ。」 A 「それに初演にも出てた木場勝己にバレーボールの大林素子もね。」 H 「木場勝己さんて初演にも出てたんですか?」 A 「そうそう。その頃は名前が違った筈なんだけど、忘れちゃったわね。」 T 「あら、アキちゃんも歳なのね、ははは・・・。」 A 「あ〜ら、失礼ねぇ〜。ター子さん、それ何時のことだと思ってるのよ。」 H 「何時頃なんです?」 A 「アッシが高校3年の時よ。」 T 「はははは・・・、それじゃ、覚えてないわよねぇ〜。」 A 「でも、とっても印象深い舞台、っていうか、衝撃的って言ったらいいのかな、 そんな舞台だったって事は覚えてるわね。」 T 「その舞台って誰が出てたのか覚えてる?」 A 「そりゃ、覚えてるわよ。」 H 「誰なんですか?」 A 「演出は、今回と同じ蜷川幸雄。それに今回古田新太の演じた役が石橋蓮司、宮沢りえ演じた銀杏を緑魔子、 小出恵介演じた少年が蟹江敬三、さっきも言ったけど先生役がその時も木場勝己、大林素子の婦警役を桃井かおり。」 T 「ちょっとぉ〜、凄いキャストねぇ。流石東京っ子は違うわね。」 A 「当時、アートシアター新宿ってのがあってさ、そこは何時もは映画館なんだけど、 映画が終わってから芝居やってたのよ。」 H 「へ〜。それじゃ、相当遅かったんじゃないんです?」 A 「そうね。始まるのが夜10時でしょ、終わるのが12時近く。」 T 「不良だったのね、アキちゃん。ははは・・・・。」 A 「当時はそう思われたかもね。でもさ、アッシ今回の舞台でも思ったんだけど、全く理解不能なのよね、 この芝居。もう3〜4回観てるんだけど、何回観ても理解不能。ただ印象はとてつもなく強いのよ。 何なのかしらね、この感覚って。」 H 「そう言う舞台ってたまにありますよね。」 T 「あるある。アタシもこの前観た渡辺えりさんところの<赤い壁の家>だっけ?あれ、全く意味不明。 でも印象深かったわね。アキちゃん、観た?」 A 「観ないわけないじゃない。勿論行きましたって。」 H 「で、どうなんですか?っていうより、どういう話なんです?」 T 「あれ何処だっけ?え〜〜と、イタリアのぉ〜・・・。」 A 「ポンペイですって。」 T 「そうそう。そのポンペイで演劇祭やってるんだったわよね。 そこにミュージカルを企画して自分の会社の味噌を売り込もうとしている東北の味噌会社。 なんと味噌とスパゲッティーを合わせようとする企画なのよぉ〜。」 A 「まあ、今回は<失われた町>がひとつのキーワード。 時間と場所を飛び越えてイタリアのポンペイと東北の町を往き来するのよ。」 H 「なんか、ややこしそうですねぇ。」 T 「なのよぉ〜。で、とっても不可解なんだけど、何しろ役者が凄いから見せちゃうのよね。」 A 「本当に豪華!」 H 「誰が出てたんです?」 T 「さっきも話に出てたけど、緑魔子でしょ、それにアタシの大好きな中川晃教君。」 H 「ミュージカルに良く出てる人ですよね。」 A 「それに、唐組で長年主役をはっている稲荷卓央、映画でも活躍する高岡早紀と馬渕英俚可、 出てくるだけで笑かしてくれる田根楽子、寺山修司主宰の状況劇場でその後半中心になっていた怪優、 若松武史。」 H 「小劇場好きにはたまらないですね。でも、凄いなぁ〜。」 T 「でもさ、分からないの、ははは・・・・。何が何だかねぇ〜。」 A 「アッシもちょっと分からなかったのよね。でもさ、感覚で観てもらいたかったんじゃないかしら?えりさんは。」 H 「感覚でですか?」 T 「あ〜、それ分かるかも。それだったら分かるわぁ〜。なるほどね。感覚でねぇ〜。」 A 「結構あるじゃない、芸術の世界って。」 H 「有りますよね。例えばピカソの後半の作品。」 T 「そうよねぇ〜。あれ、分かれ、って言われても分からないものぉ〜、ははは・・・。」 H 「ですよね。」 A 「だからさ、アッシ思うんだけど、必ずしもちゃんと分かる必要は無いんじゃないかって。」 T 「アタシもそう思うわ。特に芸術の世界はねぇ。」 H 「分からないけど何か魅力的って有りますからね。」 T 「そう言った意味ではこの<赤い壁の家>は分からないけど何か好きな舞台だったわね。」 H 「<盲導犬>もそうですよ、全く。」 A 「ほんとうね。」 H 「だから、僕は、ペンギンも分からないけど何か好きなんです。」 A 「ヒロちゃん、何も出ないわよ。」 T 「今の若い子ってお世辞だけは上手いんだからね、ったくぅ〜!ははは・・・・。」 一同 「ははは・・・・・。」 おわり * 登場人物は全て仮名です。 * 今回紹介したお芝居は、 1) 来日ミュージカル<Dreamgirls> 東京公演終了 大阪公演 8/28〜9/1 フェスティバル・ホール 2) <盲導犬> 公演終了 3) オフィス300<赤い壁の家> 東京公演終了 地方公演は、9月2日まで福岡、広島、兵庫、金沢で上演されます。暑い日が続きますが、どうぞ足をお運び下さいね。 2013.7.21
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