<今年のトニー賞は?>の巻

  タケちゃん(以下T)「こんばんわ〜!」

あき(以下A)「タケちゃん、いらっしゃ〜い。はい、オシボリ。」

T 「ホント、いつ嗅いでもいい匂いですよね、このオシボリ。」

A 「何か、み〜んな言うのよね。普通の洗剤と漂白剤なんだけどね。」

ヨッシー(以下Y)「でも、本当にいい匂いですよ、これね。」

T 「ヨッシーさん、そうでしょ。ね、やっぱり。」

Y 「何て言うのかな、邪魔にならない匂いだよね。」

T 「そうそう。それですよ、それ。」

A 「嫌な匂いじゃなくて良かったわ。で、タケちゃん、今日は何にしましょうか?」

T 「あっ、そうそう。え〜と、今月のお勧めって?」

A 「今月は、<パリジャン気取り>よ。ジン・ベースでそこにカシス、チンザノのドライを加えてソーダで割ったの。 とっても飲み易いわよ。ソーダで割らない<パリジャン>もできますよ〜。」

T 「それじゃ、割ってないその〜・・・。」

Y 「<パリジャン>だよぉ〜。」

T 「その<パリジャン>お願いします。」

A 「あいよっ!・・・・は〜い、お待たせ。」

T 「ひゃ〜、綺麗じゃないですか。」

Y 「大人のドリンクって感じだね。」

A 「でしょ。」

T 「所で、アキさん。発表になりましたね、トニー賞のノミネート。」

Y 「もうそんな季節?早いなぁ〜。」

A 「今年は6月8日発表よね。タケちゃん、ノミネート見てどうよ?」

T 「それがぁ〜・・・、ノミネート発表っていうのは見たんですけど、時間なかったんで内容見てないんですよぉ。」

Y 「え〜〜〜?なんじゃ、そりゃ。」

A 「ははは・・・・。そんな事じゃないかって思ってさぁ、書いてきましたって、ノミネート。」

T 「流石はアキさん。早く教えて下さいよ。」

A 「え〜とね、ちょっと待って。・・・・はい、これよ。」

T 「え〜と、ストレイト・プレイがぁ〜・・・」

Y 「今年はストレイト・プレイの方が何かと話題かなぁ〜。」

A 「う〜む、そうかもね。ミュージカルの方は話題にはなったんだけど、出来が今ひとつ、っていうのが多いみたいでね。」

T 「で、そのストレイト・プレイですけど、・・・・う〜む、あんまり分かりませんね。 アキさん、分かるので良いんでちょっと説明して下さいよ。」

A 「アンタ、アッシだって観てないんだから分かんないわよぉ〜。でも、どれだっけ?」

T 「作品賞は、<All the Way><Act One><Casa Valentina><Mothers and Sons><Outside Mullingar>。」

A 「う〜む、この中だったら、って話題作確かに多いわね。」

Y 「そうでしょ。確かそんな事言ってた様な気がしたんだよね。で、どうなの?」

A 「さっきも言ったけど、アッシも観てないから何ともいえないんだけどさ、まず<オール・ザ・ウェイ>ね。 これロバート・シェンカンの新作でしょ。彼、ピューリッツァー賞を受賞した事がある作家だから、 話題になるのも当然なんだけど、この芝居、ケネディー大統領が暗殺された後に大統領になったリンドン・B・ジョンソンが主人公なのよ。 ジョンソン大統領の一年目を描く政治劇ね。」

T 「何か難しそうですね。」

Y 「まあ、政治劇って聞くとそう思っちゃうよね。」

A 「そうかも。TVドラマ<ブレイキング・バッド>に出てたブライアン・クランストンが主役ね。で、次の<アクト・ワン>。 これもう前評判が高くて高くて。何しろ20世紀を代表するアメリカの劇作家、モス・ハートの回顧録を基にしているんだからね。」

T 「それじゃ演劇好きにはたまらない作品になってそうですよね。日本でもやらないかなぁ〜。」

A 「やってほしいよねぇ〜。次の〜<カーサ・ヴァレンティーナ>。これ、アッシが一番期待してる作品なのよぉ〜。」

Y 「何でまた?」

A 「だってぇ〜、ハーヴェイの新作よ、新作。<トーチソング・トリロジー>以来よ、ストレイト・プレイでは。もう観る前から期待でいっぱい。」

Y 「そりゃ、そうだよね。ハーヴェイ・ファイアスティンの新作って言ったらストレイト・プレイでもミュージカルでも目が離せないよね。で、今度もゲイのお話?」

A 「今回はね、1950年代から60年代のリゾート地を舞台に女装癖を持つ人達にスポットが当たってるのよ。ジョン・カラムをはじめとするキャストも豪華。早く観たいわぁ〜。」

T 「<トーチソング>、<ラ・カージュ>、<ヘア・スプレイ>。本当に感激しましたからね。僕も早く観たいですね。」

Y 「似た様な話だよね、<マザーズ・アンド・サンズ>って。」

A 「これも話題作ね。でも<カーサ・ヴァレンティーナ>とは全く違うのよ。」

T 「って言うと?」

A 「こっちはね、死んでしまった息子の嘗ての恋人(男性)が新しい相手と家庭を築いていくのを見つめていく母親の心情を描いた話題作。」

Y 「同性婚が世界中で話題になってるけど、正にタイムリーな芝居だよね。」

A 「そうね。母親を演じるタイン・デイリーが話題になってるわよ。」

T 「作品賞最後の<アウトサイド・マリンガー>?ってのは?」

A 「作品賞候補の中で、今はこれだけが終わっちゃってるのよね。何でも僻地に暮らしている男女の恋の行方を描いている、 これまたピューリッツァー賞受賞の作家、ジョン・パトリック・シャンリの新作。」

Y 「あ〜、<ダウト>の人だよね。<ダウト>、面白かったよね。」

A 「そうそう。<ダウト>にも出ていたブリアン・F・オバーンが出てたらしいわよ。」

Y 「こう見てみると本当に激戦だねぇ〜。ミュージカルの方はどうよ。」

T 「アキさんリストによるとぉ〜、ミュージカルの作品賞候補は、<After Midnight>、<Aladdin>、<Beautiful>、 <A Gentleman's Guide to Love and Murder>ですねぇ。」

A 「今年は4作品がノミネートされたのよね。」

Y 「あれ?イディナ・メンゼルの出てるのが無いんだね。」

A 「そう言えばそうねぇ〜。<If/Then>っていう作品で、<ネクスト・トゥー・ノーマル>のチームの新作なんだけどね。 それから、<マジソン郡の橋>やウディー・アレンの映画を舞台化した<ブロードウェイと銃弾>も、そしてあの<ロッキー>も作品賞には入ってないわね。」

T 「それだけ混戦ってことですかね。」

Y 「でも、アキちゃんがさっき言ってたじゃん。話題作は多いけど、出来があまり良くないみたいな・・・。」

A 「そうなのよね。何か芳しくないのよぉ〜。」

T 「そんな中で作品賞に選ばれた作品の説明、してもらえますか?」

A 「勿論、観てないからね、大まかな所だけしか言えないけど・・・。え〜と、まず<アフター・ミッドナイト>ね。 これはず〜と前にトニー賞を獲得した<ソフィスティケイティド・レイディーズ>と似ているレヴュー作品ね。 デューク・エリントンに捧げるミュージカルなんだけど、出演者の熱演が相当評判高いみたいなのね。」

Y 「レヴューっていいよね。言葉が分からなくてもさ、楽しめるのが一番だよね。」

T 「それだったら僕も楽しめるな、ははは・・・。」

A 「確かにね。で次の<アラジン>。もうこれは言わなくても分かるでしょ。ディズニー・アニメの舞台版。大ヒット曲、 <ホール・ニュー・ワールド>は勿論歌われるし、魔法の絨毯が空を飛ぶなんて事もあるわね、きっと。」

T 「これも楽しめそう。ファミリー・ミュージカルですね。」

Y 「でもさ、もうディズニーはいいんじゃないのぉ〜?食傷気味だね、俺にはさ。」

A 「アッシもそう思うわね。もっと大人の作品が欲しいわよね。」

T 「大人の作品かぁ〜。」

A 「次の<ビューティフル>はアッシ世代以上にはいいかもね。大ヒットを沢山作っているキャロル・キングの若かりし頃を描いたものなのね。 <晴れた日に永遠が見える>で評判だったジェシー・ミューラーがキャロルの若い時代を熱演してて話題をさらってるみたい。」

Y 「で、最後の長ったらしいタイトルのミュージカルはどうなのよ。」

A 「これね、<紳士のための愛と殺人の手引き>。今回10部門の最多ノミネート。アッシ、オリジナル・キャスト盤を聴いたんだけど、 イマイチなのよね。話は、伯爵継承順位が8番目の男が次々と邪魔者を消していく、っていうものらしいんだけどね。 ビクトリア時代のイギリスが舞台なんだけど、タイトルの割には笑いが多い楽しい舞台に出来上がってるみたいで評判もいいみたいなのね。」

Y 「日本人の感覚とはまた違うからねぇ〜。クスッ!っていう感じ、そんなのが多いのかもね。」

T 「関西と関東でも笑いの感覚が違うから、外国の笑いの感覚ってもっと違うんでしょうね。」

A 「それはそうよね。」

Y 「で、アキちゃんの予想は?」

A 「アッシはね〜、・・・。観てないからなぁ〜。悪までも予想ね、予想。 ストレイト・プレイだったらテレンス・マクナリーの新作<マザーズ・アンド・サンズ>かな〜。 ミュージカルだったら楽しさ優先で<アフター・ミッドナイト>。まあ、当たらないわね、観てないから、ははは・・・。」

Y 「それより、今年のトニー賞って再びヒュー・ジャックマンが司会なんだって?」

T 「本当ですか?それは楽しみだすぅ〜。」

A 「どうやら今年のトニー賞は司会がメインになりそうだわね。」

Y 「本当だ!ははは・・・・。」

一同 「ははは・・・・。」

おわり


*登場人物は全て仮名です。

*今年のトニー賞は、6月8日(現地時間)。日本ではWOWOWプライムで6月9日(月)朝8時30分から生放送の予定。 再放送もWOWOWライヴで14日の夜8時から字幕スーパー入で。是非ご覧になって下さいね。

2014.5.25


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