<トニー賞どうなる?>の巻

サトル(以下S)「こんばんは〜。」

あき(以下A)「あら、いらっしゃ〜い。こんな雨の中、有難うね。はい、オシボリ。」

S 「それにしても良く降りますよね〜。」

キム子(以下K)「もうすぐ梅雨だから仕方ないわよ。」

S 「キム子さん、いらしたんですね、お久しぶりです。」

K 「サトルちゃん、相変わらず礼儀正しいわねぇ〜。」

A 「ところで、今日は何にしましょうか?」

S 「そうそう、注文しないと。え〜と、今月のお勧めドリンクってぇ〜・・・。」

A 「今月は<グリーン・ドラゴン・フライ>よ。ジンをベースにミントリキュールの緑が映えるスッキリした飲み物よ。」

S 「じゃ、まずはお勧めドリンクで。」

A 「アイよっ!」

K 「もうジメジメしてるから、サッパリした飲み物って最高よね。」

A 「はい、お待たせ。」

S 「如何にもサッパリって感じですね。・・・・う〜む、ホントだ。サッパリです。」

K 「そう言えばさ、アキちゃん、今年のトニー賞ももう直ぐよねぇ〜。」

S 「なんか、今年のトニー賞に渡辺謙さんがノミネートされたって聞いたんですけど、本当ですか?」

A 「そうなのよ。もう凄いことよね。勿論、<王様と私>の王様の演技で主演男優賞ノミネート。」

K 「日本人じゃ初めてじゃないの?」

A 「初めてじゃないのよ。」

S 「まだいるんですか?」

A 「もう半世紀以上前、1959年度のトニー賞でミヨシ梅木(後にナンシー梅木) が<フラワー・ドラム・ソング>で主演女優賞にノミネートされてるのよ。 この時はミステリーの<レッドショット>が8部門の大量受賞で主演女優賞もそれに主演したグエン・ヴァードンが受賞してるの。 だから、もし渡辺謙が受賞したら日本人では初受賞って事になるわよね。」

K 「凄いことよねぇ〜。」

S 「やっぱり毎日舞台に立つ訳ですからね。映画とは意味合いが大分違いますよね。」

A 「そうね、アッシはアカデミー賞よりず〜っと価値あると思ってるんだけどね。」

K 「アキちゃんもトニー賞並みの演技頑張ってよぉ〜。」

S 「えっ?アキさん芝居やるんですか?」

A 「まあね。何かそう言う事になっちゃったのよぉ〜。」

S 「詳しく教えて下さい。」

K 「ほら、これこれ。」

S 「あっ、本当だ。作がいとうせいこうとオオタセスリさん。凄〜〜い。それに演出が永井寛孝さん。 ひやぁ〜。出演がアキさんの他に、じぇじぇじぇ!」

K 「アンタ古いわね、ははは・・・・。」

S 「だって、水島裕さんに鶴ひろみさんに・・・えっ?いまむらのりおさんってノリさんですか?」

A 「そうなの。まあ、ノリちゃんが還暦を機に劇団を立ち上げて。それで出る事になっちゃったのよね。 もうプロばかりだから本当に皆さんに会う前から緊張なんてもんじゃないわよ。」

K 「そうよね。凄いメンバーだもんね。」

S 「ノリさんもプロなんですか?」

K 「ある意味プロじゃない。まあ、アキちゃんもそうだけど。」

A 「キム子、ノリちゃんは本当にプロよ。お店やる前は役者さんだもの。」

K 「えっ!そうなの?」

A 「そうよ。だからあの有名アニメで声優もやってたんじゃない。」

K 「そうかぁ〜。そうよね。」

S 「何時ですか?」

A 「裏見て。7月の17日から20日までの4日間、下北沢の本多劇場・・。」

S 「え〜〜〜!!本多劇場?」

A 「ちゃんと話を最後まで聞きなさいよ、サトル。本多劇場の地下にある小劇場<楽園>でよ。」

S 「本多劇場の地下に劇場なんてあったんですね。全く知りませんでした。」

K 「そうでしょ。アタシも知らなかったもの。」

A 「アッシも去年行くまで知らなかったのよ。とっても小さな劇場なんでね。御予約はお早目に。」

K 「それじゃ早く予約しなきゃね。」

A 「宜しくね!」

S 「ところで、今年のトニー賞ですけどぉ〜・・・。」

K 「そうよそうよ。今年はどうなの?」

A 「渡辺謙さんがノミネートされた主演男優賞には作品賞やリヴァイヴァル賞にノミネートされてる作品の主演者があと4人ノミネートされてるのよね。 結構大接戦っていう感じよ。」

S 「作品賞はどんなのが?」

A 「作品賞はね、まずストレートプレイが、アスペルガー症候群の少年を主人公にしたミステリー<夜中に起こった奇妙な事件>、 ピューリッツア賞を受賞している作品の舞台化、<侮辱された者>、パペット劇の<ハンド・トゥー・ゴッド>、 それに辣腕政治家を主人公にした歴史劇<ウルフ・ホール>がノミネート。ミュージカルでは、 1951年の映画をミュージカル化したガーシュインの楽曲が散りばめられた<パリのアメリカ人>、 オフからオンに上がった人気作<ファン・ホーム>、シェイクスピアや往年のミュージカルのパロディー満載の<サムシング・ロッテン>、 それに82歳のレジェンド、チタ・リヴェラ主演で早くも日本で8月に上演される<ザ・ヴィジット>の4作品がノミネートされてるわね。」

K 「チタ・リヴェラってまだやってたのね。」

S 「そんな有名な人なんですか?」

A 「アッシがミュージカル女優で一番好きな人なのよね。<ウエスト・サイド物語>のアニタをはじめ、 <シカゴ><バイ・バイ・バーディー><リンク><蜘蛛女のキス>等々で主役や主役級の役を演じてきた正にレジェンドと呼ぶに相応しいわね。」

S 「それじゃ、主演女優賞は彼女で決まりですかね。」

K 「ちょとぉ〜、主演女優賞にノミネートされてればでしょ!」

A 「勿論、ミュージカル部門の主演女優賞にはノミネートされてるわよ。」

K 「それじゃ、決まりだわぁ〜。」

A 「今年はストレートプレイも主演賞が話題になってるわよね。」

S 「どんなのが?」

A 「<エレファントマン>のブラッドリー・クーパー、 <オーディエンス>のヘレン・ミレンといった映画界でも活躍している人がノミネートされてるからなのよね。」

K 「やっぱり演劇って魅力的なのよね。役者さん達にとっては。原点、って言うかさ。」

A 「そうね、きっと。だから時々舞台の世界に帰ってくるものね。」

K 「今年の司会は?」

A 「今年はね、<キャバレー>のアラン・カミングと<ウィケット>のクリスティン・チェノウェスの二人よね。 オープニングのパフォーマンスに期待が膨らむわ。」

S 「観たいですね。日本でも放送があるんですか?」

K 「勿論あるわよね、アキちゃん。」

A 「今年もWOWOWで生放送。でも、例年ある字幕放送が有るかどうかは未定みたいね。」

S 「絶対に加入しようっと。」

K 「アタシは録画で。」

A 「今年はどうなるのか、本当に楽しみね。」

S 「アキさんのお芝居も楽しみにしています。」

K 「ホントよねぇ〜。」

A 「アッシだけド素人なんでお手柔らかによ。」

一同 「ははは・・・・・。」

おわり
  * 登場人物は全て仮名です。

  * 今回紹介したお芝居などは、

    1) 2015年第69回トニー賞

        6月7日(日本時間6月8日)
        日本では6月8日朝8時から午後1時までWOWOWで生中継します。

    2) アキが出演する<予期せぬ出来ごと II>

        7月17日〜20日
        下北沢小劇場<楽園>
        ご予約はペンギンまで。絶賛受付中です。

2015.5.24


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