《復活に乾杯!》の巻

ワンちゃん(以下W)「また泣いちゃったな〜。また笑っちゃった な〜。本当にいいですよね、ここの芝居。」

克(以下K)「どこの劇団?」

W「プロジェクトニュートラルですよ。今回は9回目の公演《dear cow girl 》ていう出し物だったんですけどね、本当に良かったです。ね〜、あきち ゃんもそう思うでしょ。」

あき(以下A)「う〜ん。まあまあってところかしらね。確かに楽 しいし、泣かせる場面も多々あるんだけど.....。」

純(以下J)「なんか歯の奥に物が詰まった言い方してない?」

A「う〜ん。そうなのよね。最初から一つの方法で芝居を作っているのは 良く解るんだけどね、すぐに、これはあの映画を参考にしたな、っていう のが判ってきちゃうのよね。」

K「と、言うと、その芝居ではどんな映画が参考にされてると思ったわけ ?あきちゃん。」

A「そうよね、特に今回は《テルマ・アンド・ルイーズ》でしょ、それに 《ドライビング・ミス・デイジー》、それと《グリーン・ディスティニー 》かな?あとミュージカルの《キャッツ》。」

W「そう言われればそうかもしれないですね。」

A「でも悪いわけじゃないし、それはそれで良いのだけれど、今年は公演 回数も多いし、チト飽きてきたかな?って思わないでもないのよね。」

J「あきちゃんはセミプロみたいな見方しちゃうからね。」

A「あら、そうでもないけど。ただチト気に掛かっているだけよ。今年は まだ公演打つ予定があるから、次回にまた期待しようかな?って所かな。」

K「それじゃ次回作は絶対に観に行こうっと。」

J「期待、と言えば、元3OOの渡辺えり子お姉さまが、新しく《宇宙 堂》っていう劇団を旗揚げしたみたいだけど、これはどうだったのかな〜 ?」

A「行ってきたわよ。えりちゃんの劇団ですもの。無視するわけにいかな いじゃない。」

K「もたいまさこが久々に共演してるんだったっけ?」

A「そうなのね。」

W「それじゃ期待膨らみますよね。僕《やっぱり猫が好き》の時から大フ ァンなんですよ。」

K「面白かったよね、あの頃。」

J「あれはさ、一人一人が面白かったじゃん。室井滋も小林聡美もさ。」

A「そうよね、3本の矢みたいな番組だったわ。」

W「何ですか?3本の矢って。」

A「ほら、1本1本はもろいけど、3本一緒になるととてつもなく強くな る、って事よ。」

J「そんな道徳の時間はいいからさ、で、どうだったのよ、旗揚げ。」

A「そうね、復活の兆しが見えたかな?ってとこ。」

J「て、いう事は、そんなには、って事なのか〜?」

A「いろいろやり過ぎちゃったんじゃないのかな。まあ、やりたかったん でしょうけど。」

K「気負い過ぎたって事なのかな。」

A「う〜ん。気持は解るんだけど、はっきり言って、長〜いのよね。」

W「どの位だったんですか?」

A「そうね2時間半位かな。」

K「それ位の芝居だったら幾らでもあるでしょう。」

A「時間的にはね。でもさ、長いと思わせる、って事はさ、ね、判るでし ょ。」

J「そうか、そういう事ね。」

A「でも流石だわね。最初の持っていき方なんか、やっぱり渡辺えり子っ て感じだったしね。でも、少しおかしい所もあったのよ。気になると眠れ なくなっちゃうじゃない。」

W「ありますね、そういう事。で、その日は眠れなかったんですか?」

A「そんな事ないわよ。ちゃんと眠りました。まあ、気にはなったけど。 脚本読んでないし、アッシの聞き間違いかもしれないしね。」

K「舞台全体としてみたらまあまあだったのね。」

A「そうね。役者さんもプロだったし、演出も小劇場の流行っていた時代 を彷彿させる様だったしね。」

J「次回作は期待大ってとこ?」

A「そりゃもう。1年先だから、完全復活じゃないの。」

W「1年も先なんですか?今から予定入れられませんよね、そんな先まで 。」

A「今回は、もたいまさこ、大沢健、えりちゃんの旦那に金井良信、山崎 清介と観世葉子って豪華キャストだったけど、来年は片桐はいり、篠井英 介、寺島しのぶ、それに我らがアッチャン深沢敦、っていうこれも超豪華 キャストだから見逃さない様にしなきゃね。」

J「それじゃ、今から予定入れとかなきゃな。完全復活を観る為にね。」

K「完全復活といえばさあ、この前あきちゃん会ったじゃない、会場で。 ジェシー・ノーマンも完全復活したよね。」

A「我らがディーヴァ、ジェシーね。これこそ涙物だったわよね。」

W「ペンギンのホームページで見た事がありますよ。CDの紹介でし たっけ?」

A「あら、見てくれてたの。有難うね。そうそう。そこでも紹介してたけ ど、今回は紹介したCDの内容とは違って、本来のクラシックに戻っ たプログラムだったのよね。」

J「ていうと、リヒャルト・ストラウスの《最後の4つの歌》とか?」

K「純さん、知ってますね。でも残念でした。今回のプログラムには入っ てなかったの。」

W「あんまり良く分んないですけど、どんなプログラムだったんですか?」

A「初日はね、ベートーヴェン、ワグナー、ラヴェル、それにシェーンベ ルクノ歌曲だったわ。」

K「初めのベートーヴェンから涙が溢れそうになっちゃいましたよ。」

A「勿論良かったわよ。アッシは1部だったらワグナーの《ヴェーゼンド ンクの5つの詩》ね。それより2部よね。ラヴェルの《シェエラザード》 。もう最高!」

K「2部ではシェーンベルクの《キャバレー・ソング》もとってもリラッ クスして楽しかったでしょ。」

J「アンコールはどうだったの?例の黒人霊歌は歌ったのかな?俺さ、何 年も前に聴いた時、本当に感動しちゃったんだよね。」

K「勿論じゃないのよ。もうスタンディング・オベーションで大変だった よね。」

A「アンコールも良かったわよ。リヒャルト・ストラウスとシューマンの 《献呈》を続けて歌ったの。とてもお洒落。それにプーランクの《愛の道 》。これアッシ大好きなのよ。クラシック苦手な人でもシャンソンとか好 きな人にはうってつけの曲なのよね。」

W「本当に皆さん盛り上がっちゃってますよね。公演前から皆さんがジェ シー・ノーマン、ジェシー・ノーマンって言ってるから行ってみようかな ?って思ったんですけど、すっごーく高いんですよね。僕にはとっても手 が出せませんでした。」

K「でもねワンちゃん、一度生を聴くともう我慢出来なくなるよ。それほ どの人なんだから。」

A「そうね、無理しても聴いておく価値はあると思うけどね。まだ公演あ るから、もし安い席が残ってたら行ってみたら?本当に損はしないからさ 。」

J「じゃあ、ここで、ディーヴァ復活に乾杯、といこうか。」

K「いいですね。あきちゃん、ジントニックお代わり頂戴。」

J「じゃあ、俺もお代わり。」

W「それじゃ何ですから僕もお願いします。」

A「あいよっ!そいじゃ改めて、《復活に乾杯!》。」

おわり


*今回紹介した劇団、公演の予定

1)プロジェクトニュートラル
   次回公演6月30日
   渋谷eggsite(旧エッグマン)

2)宇宙堂
   次回公演「詩のしの詩」
   2002年6月本多劇場

3)ジェシー・ノーマン
    5月25日(金)
       オーチャード・ホール
    6月2日(土)
       サントリーホール
       (ギドン・クレーメルと共演)


以上です。どうぞ足をお運び下さいね。


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