《やっぱ、強烈!》の巻

ジュン(以下J)「あきちゃん、もう一杯おかわり頂戴。」

あき(以下A)「あいよっ!」

英(以下H)「僕も。」

A「英は何だっけ?え〜と、カシス・オレンジだったわよね。」

H「は〜い、そうです。お願いします。」

J「それにしてもさ〜あ、本当に悲惨よね。」

A「そうね、アッシも驚いたなんてもんじゃないわよ。」

H「映画の世界でも結構影響出てるみたいですよね。」

J「そうなのよ。アタシがだ〜い好きなシュワちゃんの映画がさあ、延期 よ、延期。」

A「《コラテラル・ダメージ》よね。ビルの爆破や、消防士が主人公って 言うのが延期の理由らしいわね。」

H「でも、あんな事が起こったばかりですからね、仕方ないですよ。」

J「そうなんだけどね。でもさ、アメリカ映画だったらどれかに出てくる じゃない?ワールド・トレード・センター(WTC)が。あれなんかど うするのかしらん。」

A「来年公開予定の《スパイダーマン》っていう映画があるんだけど、予 告編ではWTCが出てくるのよ。あの二つのタワーに蜘蛛の巣を張っ ちゃうんだけど、もう無くなっちゃったじゃない、WTCがさ、だか らその予告編とポスターは回収されたらしいわよ。」

J「でもさ、本編で出てきたら、アタシ哀しすぎるわよ。」

A「本編では使わないらしいわよ。」

H「やっぱりね。今の情況じゃ当り前でしょうね。」

J「あら、英ちゃん、結構冷静じゃない。アタシなんか、そんなに冷静で はいられないわよ。長い間住んでいた街だったし。あ〜、オー・マイ・ゴ ッド!」

H「僕だって悲しかったんですよ。ニュー・ヨークの事もそうなんですけ ど、相米慎二監督が亡くなったじゃないですか。」

A「そうね、早すぎるわよね。ガンは怖いわ。」

H「僕、薬師丸ひろ子の事が大好きで、もう一度相米監督に薬師丸ひろ子 主演で何か撮ってほしかったんですよね。」

J「《セーラー服と機関銃》でしょ。」

H「あと、桜田淳子がとても良かった《お引っ越し》。」

A「2〜3年前だったかな、キネマ旬報で1位になったじゃない。それに ベルリン映画祭でも国際批評家連盟賞かなんか獲った、え〜っと、なんだ っけ?う〜っむ、.....。あっ、そうそう、思い出したわ。《あ、 春》だわ。」

J「あきちゃん、最近頓にもの忘れが激しいんじゃないのかしら〜ん?」

A「あらっ、そんな事ないわよ。何言っているのよ、失礼だわ〜っ。」

H「でも、あきさん、この前言ってたじゃないですか。チケットを買って いた映画が終わりそうなの忘れて、慌てて行ったって。」

A「あら、そうだったわね。」

J「何観に行ったのよ。」

A「いやね、本当にお恥ずかしいんだけど、いまごろ三谷幸喜の《みんな のいえ》に行ったのよ。それに、和田誠の《真夜中まで》。」

H「《みんなのいえ》は面白かったですよね。田中邦衛が恰好良かったな 〜。」

J「あら、そう?いつもの田中邦衛じゃないの?あれ。アタシは断然唐沢 寿明 ね。恰好イ〜〜イ!」

A「チョット、あんた達、自分の趣味で話さないでよ。まあいいけどさ。 アッシはね、役者よりも、やっぱり話しのもっていき方とかが上手いなっ て思ったけど。それに、チョコットだけ出る有名な役者陣。サービスも忘 れてなくて、流石だわよね。」

J「それは言えてるわ。ね〜え、もう一つの何だっけ?」

H「《真夜中まで》ですよ、ジュンさん。ジュンさんまでボケが...... 。」

J「五月蝿いわよ。それそれ。それはどうだったのよ。」

A「映画らしい映画でとっても好きだわね。ただ、時間的な事を現実とし て考えたら、チョット無理なんじゃない?ってのはあったけど。」

J「えっ、どういう事なのよ。」

A「話しが始まるのが10時35分なのね。」

H「あきさん、細かく観てますね。」

J「チョット、静かにしてよ!」

A「でね、主人公はジャズのトランペッターなんだけど、次のライブが始 まる12時までに休憩を取るんだけど、その休憩中に事件が起こるわけよ 。最後は12時は回っているんだけど、時間と内容を考えると、少し無理 じゃない?って思ったのね。」

J「1時間半位よね。」

A「だって、あんた、その間にいろんな事が盛り込まれているのよ。いく ら映画でもね〜。」

H「でも面白そうですよ。」

A「面白いのよ、だから。それにジャズがず〜と流れているのよね。裏の 主役はジャズの名曲達かしらん。」

J「どんな曲が使われているのよ。」

A「《ラウンド・ミッドナイト》に《ソー・ホワット》、《バードランド の子守唄》。それから《月の砂漠》。」

J「え〜!!!いい曲ばっかりじゃない。何だかアタシ、観に行きたくな っちゃった。」

A「だから、残念ながら終わっちゃったのよ。」

J「そうか、残念。」

H「ヴィデオが出るんじゃないですか?その内に。」

A「そうね、出来れば映画館で観てもらいたいけどさ。あ、それとね、結 構シャレているのよ。」

J「どんな所が?」

A「映画監督の和田誠ってさ、イラストレーターというか、デザイナーじ ゃない。その彼の作品を良く観てないと見過ごしちゃう様な所に飾ってた り、ライヴ・ハウスの名前が《コットン・テイル》って言うんだけど、そ の曲を演奏させたりね。」

J「そうよね、和田誠ってデザイナーなのよね。ほら、英が吸ってるハイ ライト。あのデザインが確か彼だったと思うけど。」

H「え〜っ!!!そうなんですか?ジュンさん、物知りですね。」

A「あら、英さ、知らなかったんだっけ。ジュンて、元々美大出身のデザ イナーなのよ。」

H「え〜っ!!!またまた驚き。そうなんだ。それは恐れ入りました。」

J「そうよ、英ちや〜ん、もう少し違う眼でアタシの事、これから見て頂 戴。いつも五月蝿いだけのオネエさんじゃないんだから。」

H「は〜い、分りました。ジュンお姉さま〜。」

A「あんた達、そんな大した事じゃないでしょ、おふざけはやめて頂戴よ 。」

J「ちょっと図に乗っちゃったわね。ところでさ、映画の話ししてたらア タシ何か観たくなっちゃったんだけど、何かお薦めあるかしらん。」

A「アッシのこの秋一推はといったら、やっぱり日本映画だったら、《忘 れられぬ人々》、外国映画だたら、ウッディー・アレンの《おいしい生活 》かしらね。」

H「僕が推薦するんだったら、《ウォーターボーイズ》ですね、やっぱり 。」

J「あ〜、知ってるわよ、男のシンクロでしょ。今話題沸騰で、とても混 んでいるらしいじゃないの。」

H「やっぱりそうなんですか?僕、実はまだ観に行っていないんですよ。 前売券は買ったんですけどね。」

J「あら、行かないんだったらアタシ買うわよ。丁度明日暇だから、行っ てくるわ。」

H「行きますよ、近いうちに。ジュンさん自分で買ったらいいじゃないで すか。」

A「でもさ、アッシ等の目を楽しまさせてくれそうよね、この映画。それ に、実際にあるんでしょ、どっかの高校でさ。」

J「そうよ、だって水着よ、水着。裸よ裸。」

H「助平オヤジの会話だよ、これじゃ。」

A&J「えっ!何だって!!!」

H「いえ、何でもありません。それより、あきさんの言っていた2つの映 画はどんなやつなんです?」

A「あれ?何かうまくはぐらかされた感じだけど、まあいいわ。え〜と、 あの二つね。まず、《おいしい生活》の方だけど、これは去年アメリカに 行ったときに観たんだけどね、何しろとても面白いのよ。久しぶりにウッ ディー・アレンぽい映画よね。控え目に爆笑爆笑ってな感じよ。妻役のト レーシー・ウルマンが本当に良いのよね。こういう映画って内容を言っち ゃうとつまらないから言わないわ。なにしろ面白いから是非行ってみて。 で、《忘れられない人々》の方だけど、これは結構真面目な映画よ。アッ シもこの歳になってようやく〃これからの自分〃を考える様になったけど 、そんな事を教えてくれる映画よね。第二次大戦の時、共に戦った男達3 人をめぐる、家族や友人達との絆や友情。そして愛する人を守る為に、何 を自分はできるのか。とても考えさせられるわよ。」

H「何か重そう。」

J「でも、英ちゃん。今からちゃんと考えておかなきゃ。アタシなんかも あきちゃんと同じく、今になって考えはじめたんだけどね、人生設計って いうのかしらん、早めに考えている方が良いと思うわよ。途中で変更だっ て出来るんだしね。」

H「今日はジュンさん、本当に別人ですよ。なんか好きになっちゃいそう 。」

J「あら、いつでもいいのよ〜ん。」

H「イヤ〜、そうじゃなくて、、、ですね、恋しちゃうっていう事じゃな くて、あの〜〜〜......。」

J「分ってるわよ、冗談冗談。さっ、もう1杯飲みましょう!あきちゃん 、英にもあげて、同じもの。で、いいわよね。」

H「はい、有難うございます。」

J「じゃあ、あきちゃんも。乾杯しましょうよ。自分達の将来と世界の平 和を考えてさ。」

A「ほんと、あんた、まるで違う人みたいよ。」

J「あら、いいなら、いいのよ。」

A「はいはい。失礼しました。頂きますわ。」

J「それじゃ、乾杯!!!」

一同「カンパ〜イ!!!」


おわり


今回登場した上映中(予定)の映画は、
1)おいしい生活
     10/20より   恵比寿ガーデンシネマ 、10月下旬より  
     梅田ガーデンシネマで公開予定

2)忘れられぬ人々
     テアトル新宿で上映中

3)ウォーターボーイズ
     シャンテシネ他で上映中

以上です。どうぞ足を運んで下さいね。


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