<火遊びしてる?>の巻

ジロウ(以下J)「アカデミー賞、凄かったね。予想が外れちゃってさ。 まるで駄目。ブンちゃんはどうだったのさ?」

ブン(以下B)「俺なんか一つも当たらなかったよ。本当に毎年難しいよね。」

あき(以下A)「だって、見てないんだから仕方ないじゃないの。あれは、 あくまでも予想だからね。ゲームなのよ。当たらなくても当然といえば当然 なのよね。」

J「でも、なんだよなぁ〜。そうは解っていても、。当たらないとなぁ。」

B「そうだよ。当たらないと。」

A「まあ、来年頑張ってよ。」

J「まあ、そういう事だよね。」

B「まあ、それにしても、ウーピーったら、今年も笑かしてくれたよね。」

A「凄かったわよね、あの登場の衣装。」

J「金々ギラギラの衣装でさ。」

A「昔、ジョセフィン・ベイカーっていうエンタテイナーがいたんだけど、 正にあれだよね。」

B「あれってさ、<ムーラン・ルージュ>じゃなかったの?」

J「僕もそう思ったけど。」

A「ああ、そうね、そう言えば。どうも、昔の事が先に来ちゃうのよね。」

J「あきちゃん、歳だよ、それって。僕なんかでもあるけど、とっさに 浮かぶのが、やっぱり昔の事なんだよなぁ。歳です。それは。」

B「ジロウさん、はっきり言いますね。」

J「まあ、こんな事、はっきり言わなきゃ仕方ないじゃないか。」

A「まあ、そうよ。歳の事はね。」

B「まあ、歳と言えば思い出したんだけど、この前、フライングステージが プロデュースした、<Trick>って芝居観てきたんだけど、映画の <サンセット大通り>のようで。年取って来た元俳優を中心に、芝居を 辞めてしまった元俳優。そして、今では相当偉くなったディレクター。そして、 何故か整体が縁で、その年とって来た元俳優の家に住み込んでしまった元整体士。 それに、その元俳優のかつての恋人の霊。その5人?がからんでとても面白い 芝居だったんだよね。」

A「アッシも観て来たわよ。」

J「あきちゃんは、どうだったのさ。」

A「そうね。年取って来た元俳優を演った青山吉良さんが、 台詞をかんでいたにも拘らず、圧倒的な存在感。安心して観る事が出来たわよね。 郡司君も、彼らしい存在感で舞台を締めてたしね。作者の関根君は、 いつもの様に、主張しすぎの所があって、少し、ウザイ。青山さんの元恋人 を演った早瀬君は、これは彼が悪いわけじゃないんだけど、どうもアッシには 生理的にねぇ。」

J「合わないわけ?」

A「そうなのよね。別に何がどうこうって言うんじゃないんだけど。」

J「あるよ、そういう事ってさ。僕だってさ、<追憶>のバーブラ・ ストレイザンド。彼女、生理的に合わないもの。本人には何も罪は 無いんだけどね。」

B「そう言えば、今月はアカデミー賞の話題ばっかりで、芝居の話、 あまり聞きませんでしたよね。」

J「そうかも知れない。あきちゃん、何も行ってないの?」

A「勿論、行っているわよ。今月は確定申告もやっと終わって、 芝居三昧なんだけど、特に印象が良かったのは、久しぶりに行ったtpt の2本立てだったかしらん。」

J「それは、何と何をやったの?」

A「寺山修二の<アダムとイブ〜私の犯罪学〜>と、ストリンドベリの <火あそび>の2本よ。」

B「印象が良かったって、両方ともなんですかね。」

A「まあ、そうだけど。寺山の方は、話を1996年に設定した事が 少し疑問に思えたわ。」

J「それは何故なのかなっ。」

A「まず、その時代はトルコはなくてソープになっている訳なんで、 トルコという言葉自体が出てくるのが不自然なのよ。 だから時代設定を変えるべきではなかったと思うわね。」

B「俺も読んだ事あるけど、その時代にしちゃうと、 結構古臭い話にしか聞こえなくなっちゃうような気がするね。 かえって、原作通りにしていた方がいいよ、あれは。」

A「そうでしょ。アッシもそう思った訳よ。でもね、塩野谷君は、 こちらの役の方が良かったわね。彼のキャラクターに合っているし、 やっぱりアングラの時代から演ってる、って感じがしたわ。」

J「それじゃ、あきちゃんは、どちらかと言うと<アダムとイブ>の方より <火あそび>の方をお薦めする訳ね。」

A「どちらかと言うとね。でも、<アダムとイブ>の方も悪くはないのよ。 ただ、2本立てなのは、アッシが観に行った日だけだったので、 後は演目を選んで観に行かなきゃならないからさ。どちらかと言うと良いな、 って思う方をお薦めしないとね。」

J「それは良い事です。今、芝居も映画も高いからね、値段が。」

B「そうですよ。俺なんか、芝居行けないもの、2〜3千円じゃないと。」

J「そうだよなぁ〜。それは言えてます。で、あきちゃんの好きな <火あそび>の方はどうだったのさ。」

B「あきちゃん、火あそび好きなんだぁ〜。」

A「誤解しないでよ、ブンちゃん。芝居の話なんだからね。芝居の話。」

B「ハイハイ、解っていますよ。」

A「まあ、これはもう、脚本が良く出来ているから。それだけで、 誰が演っても、そこそこ良くは出来るんじゃないかなって思うんだけど、 今回、中川安奈を迎えた事で、より良くなってるって感じかな。」

J「話を要約すると、どんな話な訳?」

A「自虐的な恋愛ゲームとでも言うのかしらん。6人の登場人物達が、 海辺の避暑地で繰り広げる愛憎劇だわね。」

J「いいじゃない。そう言うの好きだよ、僕は。」

A「今から100年以上前に書かれた物なんだけど、 全く古さを感じさせない戯曲だわね。」

B「火あそび、って、そんな複雑そうな火あそびって、大変そうだよね。 俺だったら、いち抜けた〜ってなりそう。あきちゃんの経験から言うと、 どの程度の火あそびなのかな?」

A「アッシには、そこまでの火あそびはありません。それに、この話、 登場する6人が、お互いに、ある程度の関係を知りながら、 平常心を装って生活している、っていう、アッシには耐えられそうもない状況な訳。 だから、観ていると、ドキドキ、ハラハラして来ちゃうのよ。」

J「結局、人間の性、ってそうなんだよ。イヤだな、と思う反面、 自分の中にも芽生えてきそうでさ。だよなぁ〜。解る解る。」

B「俺には少し、難しそうだけど、興味はあるかもね。」

J「良さそうじゃない。僕も行ってみようかな?何時間くらいなの?」

A「そうね、1時間ちょっと。何しろ、中川安奈がいいから、是非行ってみて。 それから、時間があったら、<アダムとイブ>の方もよろしくね。」

B「それじゃこの辺りで俺は帰ります。まだアカデミー賞、 ちゃんと見ていないんで。」

J「そうだなぁ。僕もチェックしてよ。ゆっくりアカデミー賞堪能しなきゃ。」

A「そうよね。アッシも流して見ただけだからさ。 今日帰ってからゆっくり見直そうかと思っているのよ。それじゃぁ、 ブンちゃんが1400円で、ジロウちゃんが、丁度2000円ね。」

B&J「それじゃまた。お休み〜。」

A「ありがとうございました。お休みなさ〜い。」

おわり


*今回出て来たお芝居

*tpt   4月7日まで。於:ベニサンピット
    (上演演目によって日時が変わります.tptまでお問い合わせ下さい。)

*フライングステージ次回公演
   6月12日〜15日「陽気な幽霊」
     東京ウイメンズホール

以上です。どうぞ、足を運んで下さいね。


*登場人物は全て仮名です。



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