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<アキのNYお芝居観て歩記’02>の巻きVOL.2
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あき(以下A)「はい、お待たせ。え〜と、タッキー(以下T)が
バーボンロックで、ヒロミちゃん(以下H)がビールよね。」 T「あれ〜!凄いですね、この氷。まん丸じゃないですか。」 H「本当だね。いいな〜、俺もバーボンにすれば良かったかな。」 A 「ロックのお客様へのサーヴィスなのよ。ただし、 3杯以上飲んでいただくのが条件なんだけど。」 T「え〜!3杯以上ですか?そんなに飲めないな。」 A 「冗談よ。本当にサーヴィスだから安心してね。」 H「ところで、さっきの話の続きだけど、<SWEET SMELL OF SUCCESS>, <OKLAHOMA!>,それと<METAMORPHOSES>で3本だよね。 あと3本は何だったのかな?」 T「そうですよね、僕も早く聞きたいな。」 A 「3日目の夜なんだけど、何か疲れない物を観たかったのね。それで、 以前も観ているんだけど、リヴァイヴァルの<42ND STREET>を観に行く事にしたのね。」 H「懐かしいね。たしか、ツアー・キャストが日本にも来日して、 1ヶ月位公演していったよね。」 A 「そうそう。さすがヒロミちゃんね。あれだったら肩も凝らないし、 楽しく過ごせるんじゃないかなって思ってさ。」 T「映画では観たんですけど、ミュージカルはどうなんですかね。 日本でも少年隊の錦織たちが演ってますよね。」 A 「そうよね、結構楽しい舞台でしょ。」 H「それで、どうよ、舞台の出来は。」 A 「やっぱり楽しかったわね。言葉の障害もなく観る事が出来るのは、 本当に楽だし、観光で行く人には特にお薦め出来るミュージカルだわよ。 で、舞台の出来だけど、この日はアンダースタディーが多かったんだけど、 思わず主役を射とめるペギー・ソーヤを演じたジョニ・ミッチェルも アンダー・スタディーだったんだけど、彼女はチト役不足だったわね。 それよりやっぱり凄かったのは、大スターの役、ドロシー・ブロック を演じたクリスティーヌ・エバーソール。 大スターの貫禄と自信を上手く演じていて、 観客の注目を一人占めしていた感じだったわね。」 H「日本でも今は亡くなっちゃった上月晃が演じていた役だよね。 あの役は、実際に大スターが演じなきゃね。」 T「言葉が解らなくても楽しめるってのが、僕にとっては最大の魅力です。 観たいなぁ〜。」 A 「随分前の日本公演のヴィデオだったら持ってるから、 今度貸してあげるわよ。」 T「えっ!本当ですか?ヤッター!」 A 「それに、今度の舞台はね、宝塚が好きな人にもお薦めね。」 H「と言うのは?」 A 「大階段が出てくるんですもの。アッシ、 宝塚って演技がいまいちクサイでしょ。だからあんまり好きじゃないんだけど、 レヴューは良いじゃない。 今度の演出家は絶対宝塚を観て参考にしたんじゃないかって思っちゃったもの。」 H「大階段か。それは良いね。」 A 「ホテルに帰る時も気持ち良かったわ。」 T「これで3日目も終わったってわけですね。て言う事は、 前にアキちゃんがニュー・ジャージーの劇場に行くって言ってたのは、 最終日だったんですね。」 A 「そうそう。ペーパー・ミルの事ね。」 H「わざわざニュー・ジャージーまで行ったんだ。ご苦労さまだね、ほんと。」 T「僕、結構興味あるんですよ、その劇場。」 H「出し物は何だったん?」 A 「<the KING & I> よ。<王様と私>ね。」 T「地方の劇場ってどうなんですかね。」 A 「どうって、ちゃんとした劇場よ。」 H「でもさ、地方でしょ。ブロードウェイに比べたら、やっぱり落ちるでしょ、 装置とか、勿論キャストとかは。」 A 「アッシもそう聞いてたのよね。ところが、始まってみたらビックリよ。 そりゃさ、キャストは主役級を除いたら、その他大勢ってな感じだったけどね、 でも、舞台美術なんか、帝国劇場で使っても劣らないくらい、いや、 それ以上に素晴らしい物だったのよ。」 H「やっぱり、あっちは文化にかけるお金が全然違うんだよね、 それに比べて日本はまだまだ。」 A 「そうなのよ、全く。で、この劇場で行われる公演は、 主役級にはブロードウェイの出演経験者、それも結構有名どころを立たせて、 まわりの出演者に演劇を勉強している学生らを充てているのね。」 T「それじゃ、学生達には良い勉強の場、 実践の場を提供している事になりますよね。素晴らしい試みですね。」 A 「本当ね。そして、客席には必ず学生席が設けられているのよ。 だいたい半額位で観る事が出来るんだけど、これも素晴らしいシステムよね。」 H「そのへんでシステムの素晴らしさは十分分かったんだけどさ、 芝居自体はどうだったのかな?」 A 「そうだったわね。さっきも言った通り、主役級の二人、この場合は、 キングとアンナね。アンナを演った、キャロリー・カーメロだけど、 これは数年前に<パレード>というミュージカルに出ていた女優なんだけど、 アッシには何か肌が合わないっていうか、 アンナの気品とかが全く感じられなくて、ひとつ物足りなかったわね。 キングのケヴィン・グレイは、ブロードウェイでのリヴァイヴァル公演で、 3番手で王様を演じただけあって、良かったわ。」 T「ところで、この劇場は、ブロードウェイみたいに、 ロングランとかするんですかね?」 A 「あ、その事なんだけど、ここは限定公演なのよね。だから、 情報を常にチェックしておかないと終わっちゃうのよ。」 T「アキちゃんの持っている情報で、今後お薦めなのはあるんですかね。 あったら教えて下さいよ。」 A 「丁度7月21日まで<マイ・フェア・レディー>を上演しているし、 9月4日〜10月20日までは、<ミス・サイゴン>が上演される予定よ。」 H「タッキー、夏休みとって行ってくれば良いのにね。」 T「取りたいですよ。思い切って行っちゃおうかな。」 A 「行ける時に行かないと、後で後悔するわよ。」 H「そうだそうだ。」 T「そうですね。ちょっと考えてみる事にしますよ。」 H「そう言えば、今年のトニー賞獲った、<モダン・ミリー>が出てこないけど。」 A 「主役は最後って言うじゃない。ちゃんと行ってきました。 <THOROUGHLY MODERN MILLIE>ね。」 T「どうだったんです?最終日ですもんね。期待膨らんじゃいますよねぇ。」 A 「そうね。で、アッシの友達も、 久しぶりにブロードウェイにスターが登場したって言ってたから、 本当に期待しちゃったの。」 H「その口ぶりだと、期待はずれだったとか?」 A 「そうは言わないけど、楽しかったのよ、本当に。でもね、古いっていうか、 いくつかのシーンが以前見覚えがあるんじゃないかって思っちゃって。」 T「真似してる、って事ですか?」 A 「そこまで言わないけど、このシーン、記憶あるんだけどな〜、 ってのが結構あったわけ。」 H「例えばどんな?」 A 「そうね、簡単に言っちゃうと、<スウィート・チヤリティー>とか、 <ハウ・ツゥー・サクシード>とかの一場面ね。」 H「そういえば、トニー賞の中継でやってたあのシーン、 俺もどこかで観た事あるな、って思ってたんだけど、そうかもね。」 A 「そうでしょ。でも、楽しかったのよ、本当に。ありふれた話でしょ。 ミュージカルは単純なのが分かりやすくていいわよね。それに、主演、 助演と獲ってる事だしさ。」 T「それじゃ、オーソドックスなミュージカルとでも言うのですかね。」 A 「まあ、そうね。タッキーは後でヒロミちゃんにヴィデオ借りるんだから、 ちゃんと観といてよ、そこら辺。」 T「早く見たいですね、トニー賞。ヒロミさん、 何時持ってきてくれるんですか?」 H「今度の週末には持って来るよ。」 A 「あんまりせっつかないのよ。簡単に消えないんだからさ。」 H「まあ、いいじゃないですか。早く見たいよな、 こんなに話してくれちゃうんだから。」 A 「それじゃまるでアッシが悪者みたいじゃない。公演料頂いちゃうわよ。」 H「あれれ、そうきたか。」 T「怖そうだから、僕はこの辺で帰ります。」 A 「冗談よ。」 T「分かってますって。はははは。」 H「本当は、もっと怖いんだよ、あきちゃん。」 A 「あら、ヒロミちゃんたら。」 一同「ハハハハハハハハ……。」 おわり *登場人物は全て仮名です。 |