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行き過ぎじゃないの?
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タケル(以下T)「もう、遅いですってば。」 あき(以下A)「ごめんごめん。以外に延びちゃったのよ芝居がさ。」 T「もう入って平気?」 A「大丈夫よ準備はできているから。どうぞ。」 T「でもさ、行き過ぎじゃないの?今月になって何本観てるわけ?」 A「そうね、今月は、<岡本知高><劇団ペンペン><クロカミショウネン18><流山児事務所><ポーラ・テリー> <小平市民オーケストラ><吉田美奈子>かしら。これから後は<大竹しのぶ><綾戸智絵>くらいかな?」 T「って事は、今までに7本でしょ。まだ16日だよ。行き過ぎです。もう待ってたんだからねぇ。」 A「だからさ、謝ってるでしょ、ゴメンネって。でも、遅れたのは今日だけよ。許して頂戴よ。」 T「まあ、仕方ないか。とりあえずセット、ロックでね。」 A「アイよっ!・・・・はいお待たせ。」 T「でさぁ〜、その中で良かったものってあるでしょ。何だったの?」 A「そうね、・・・。あら、いらっしゃい、バンバン。」 バンバン(以下B)「こんばんは。今日何処か行ってたんですか?」 T「ほら、ここにもいたじゃん、待ってた人が。」 A「ごめんなさいね。結構早く来たの?」 B「そうですね。でも、張り紙があったから、<10時ころオープン>って。で、他に行ってたんですよ。」 A「やっぱり大人ね、バンバンて。時間を潰す事がちゃんとできて。」 T「どうせ出来ないも〜〜ん。お子ちゃまですから。ねえ、ひどいでしょ、あきさんて。」 B「ははは・・・。で、お芝居かなんかですか、今日は。」 A「そうなのよ。」 T「で、今ね、今月は行き過ぎだよって言ってたところなんですよ。先月はニュー・ヨークで芝居三昧だったのに。」 B「そんなに行っているんですか、今月。」 A「まあ、そうでもないんだけどさ、今まで週3〜4本かしらん。」 B「結構行ってますよ。」 A「でも、遅れたのは今日が初めてよ。ちゃんと張り紙もしてたしね。」 T「だから、それは仕方ないとして、良かったものの話に戻そうよ。」 B「僕もも聞きたいですね。・・・ビールお願いします。」 A「アイよっ!ヱビスの普通のと黒があるけど。」 B「それじゃ、黒で。」 A「は〜〜い、お待たせしました。」 T「で、良かったやつは?」 A「まあ、良かったっていうよりも、順を追って感想みたいのを言った方が良いと思うんだけど。」 B「そうですね、僕はまだ何に行ったかも知らないし。」 T「それじゃ、始めに何だっけ?」 A「まず、<岡本知高>ね。」 B「誰ですか?その人。」 A「これよ、このCDの人。ソプラニスタなのよね。」 T「なに?ソプラニスタって。」 A「男なんだけどソプラノの声を出す人よ。」 B「あ〜、この人なんですか。この前TVで観ましたよ。この人だぁ。ちょっと聴かせてもらっていいですか?」 A「ええ、勿論よ。・・・・どう?」 T「なんか、キモくな〜い?」 B「でも、いいですね、凄いですよ。」 A「実はね、アッシ彼を初めて聴いた時、本当に凄いな、って思ったのよ。でも、正直いってこのCD を聴いた時、えっ?って思ったのよね。あんまり良くないのよ、このCDで聴いていると。」 T「で、行った感想は?」 A「初めに感じたのと同じ。とっても素晴らしかったのね。」 B「プログラムはどんなんだったんですか?」 A「ほぼこのCDに収められている曲だったんだけど、一部がロッシーニのセヴィリアの理髪師から<今の歌声は>で始まって、 プッチーニのトゥーランドットから<誰も寝てはならぬ>で終るのよ。」 T「その曲ってテノールじゃなかったっけ?」 B「そうだよね、確か。」 A「そうそう。タケル、よく知ってるじゃないのよ。アンタ、オペラ聴くんだったっけ?」 T「まあ、ちょっとはね、ははは・・・。」 A「で、二部が森山直太郎の<さくら>で始まって、プッチーニのトスカから<歌に生き、恋に生き>で終って、 アンコールが、ミュージカルのマイ・フェア・レディから<踊り明かそう>とキロロの<未来へ>だったかな。」 T「なんか、ゴチャ混ぜだね。」 A「そうね。このアルバムも一枚目がクラシックからで、二枚目が日本の歌になっているんだけど、 やっぱり<生>で聴くと全く違って素晴らしいのよ。 ホールがオペラシティーの武満メモリアルホールっていうとっても素敵なホールだった事もあるけどね。声の広がりが凄いのね。 それに、河原忠之のピアノ伴奏が、<ブラボー!>って感じだったし。」 B「本当の生の声を聴いてみたくなりましたね。」 T「それから次が<劇団ペンペン>だっけ?毎年行ってるよね、文句タラタラなのに。」 A「だって、上手くないんだからさ、本当に。でもね、羨ましいな、って思うのね。好きな芝居を続けられるって事が。 本当に長くやってても、一向に上手くならない劇団だけど、アッシは応援していきたいのよ。」 B「その気持ち分かりますよ。内輪受けでいいんですよね。僕も今回観ましたけど、あれでいいんだなって思いました。 <瞼の母>を選んだのは何で?と思いましたけど。ははは・・・。」 T「クロカミショウネン18は、どうだった?俺も行ったんだけど、結構面白くない?」 B「あ〜、十三雄ちゃんの出ている芝居ですね。」 A「そうよ。<ニセモノ>ってタイトルだったっけ、タケル?」 T「そうです、<ニセモノ>です。あのさ、あのクイズ当たったの?俺は十三雄ちゃんを書いてハズレ。あきさんは?」 A「アッシも十三雄ちゃんって書いちゃったわ。でもね、休憩でトイレに行った時に、ヒントが張ってあったでしょ。 気が付かなかったのよ、あれ。出してから見ちゃったからさ。」 T「あれ何だったんですか?俺なんか、知ってたけど、全然分かんなかったよ。何か気が付いたの?あきさんは。」 A「だってさ、あれ見れば分かるじゃない。でもね、どっちか迷うわよ、あれじゃ。」 B「何なのか全く分からないんですけど。」 T「あのね、山荘で殺人事件が起こるんですよ。それで、前半が終ったところで、観客に犯人当てをしてもらうわけですよ。」 B「あ〜、そういうのね。昔アキちゃんが言ってましたよね。ブロードウェイのミュージカルでしたっけ?」 A「あ〜、あれね。1986年のトニー賞獲った<エドウィンドゥルードの謎>っていうミュージカルね。 あれもそうだったわね。でも、あれは当てるんじゃなくて、決めるのよ、犯人を。」 T「観客が?そしたら大変じゃない、役者さん達。いろんなパターン覚えなきゃいけないしね。」 A「そうよ、だからあのミュージカルは、凄い役者ばっかり揃えてたわよ。でも、今回の<ニセモノ>は、 企画としては良かったけど、あの出題はいただけないわね。」 T「どこが?さっきは分かったような事言ってたじゃん。」 A「そうよ、ヒント見て分かったわよ。でも、どっちだろうって思ったんだけどね。」 T「どういう事?分からな〜〜〜い。」 A「タケル、あの地図、よ〜く見た?あの地図にはね、勿論地図だから地名が書いてあるわよね。でね、アッシすぐ分かったのよ。 だって、登場人物の苗字が幾つか出てたからさ。だけど、出てるのが犯人なんだか、そうじゃないのか、その辺がね。だって、 あの前半の芝居では、その手がかりになるような事、一言も出てこなかったもの。あれじゃ、 考えたって当たる人いる訳ないじゃないの。そのあたりがいただけなかったのよ。でも、芝居はまあまあ面白かったわね。 あそこの役者さん達をみてると、次も行きたくなっちゃうのよ、不思議なんだけどね。」 B「そういうの有りますよ。僕もこの前<ハイ・ライフ>って観て来たんですけど、アキちゃんが前に言ってましたよね、 面白かったって。で、再演するって聞いたんで行ったんですけど、塩野谷さんとか観てると、あ〜、この人の出る芝居はまた行きたいな、 って思えるんですね。」 A「そうでしょ。アッシも観に行ったんだけど、やっぱり面白かったわね。バンバンはどっちのヴァージョンで観たのかしら?」 B「僕はメインチームです。」 A「あっ、そうか。塩野谷君が出てたんだもんね。アッシは、アナザーチームで観て来たのよ。」 T「面白そうじゃん。まだやってるのかな?」 A「残念ながら終っちゃったわね。」 B「アナザチームはどうでした?」 A「設定をね、日本に変えているのよ。それでも面白かったわね。銀行強盗を計画して、結局失敗する話じゃない。日本では、 全くじゃないけど、ありえにくい話なんだけど、とにかく面白かったわ。今度また再演の話が持ち上がったらタケルも観に行ってみたら?」 T「そうしようっかな〜。」 B「メインチームのほうも面白くて。前にアキちゃんが、脚本が良く書けてるって言ってましたけど、本当に面白いですね。 今年観た中では一番かな?」 T「へ〜〜、そうなんだ。よし、絶対観よう!今度は。」 B「後は何なのですか?今月観たものは。」 A「え〜と、何だっけな。そうそう、先週、九州男さんでね、ポーラ・テリーのミニライブがあったんで、前半だけ顔出して来たのよ。」 T「誰?そのポーラ・・・何ちゃらって。 A「アッシも知らなかったんだけど、どんなのかな、って思ってさ。」 B「で、どうだったんですか?」 A「う〜〜む、彼女自身はまあまあ上手だったけど、観客が入ってなくて。」 B「それは可愛そうでしたね。」 A「そうなのよ。前半が10人ちょっと。開演も20分以上遅れたんだけど、それも仕方なかったのかもね。 ジャズやボサ・ノヴァのスタンダードを歌って、結構良かったのに。残念だわ。」 T「あんまり宣伝してなかったんじゃないの?ここでもチラシ見なかったしさ。」 A「そうね。宣伝の仕方に問題があったのかも。ああいう企画、すごく良いと思うんだけど、もっとやってもらいたいしさ。 マスターは、少しは宣伝したと言ってたけど、宣伝する場所を間違えちゃうとね。」 B「そういえば、この夏、赤坂のBbで行われた<Lady Day>の宣伝方法についても言ってましたよね、去年の公演後に。」 A「そうね、言ってたわね。あれは、ミュージカルなんだけど、場所がジャズを演奏する所じゃない。だから、 ジャズ誌にしか載せなかったのね。でも、ミュージカルなんだから、演劇誌に載せるべきだったのよ。人が少なくて可愛そうだったもの。 せっかく良い舞台だったのに。」 T「宣伝って大切だからね。で、今日が吉田美奈子だったんだ。」 B「へ〜、懐かしいですね。まだ歌っているんだ。何処だったんですか?」 A「六本木にあるSWEET BASILっていうライヴハウスなんだけどね。まあ、そういう所だから、2時間弱かなって思ってたんだけど、 何と、3時間弱。ひや〜〜〜!と思ったけど、ノリノリだったからさ。それでこんなに遅くなっちゃったのよ。」 B「で、今はどんな曲をやっているんです?」 A「この前新譜が発売になって、その曲を後半中心にしたんだけど、前半は、<愛は思うままに>とか、<少しだけ>とか、 <星の夜>とか、結構まえの曲もやったし、後半はほとんど新譜からだったんだけど、 <12月のイルミネーション>を最後に持って来たりしてね。とにかく飽きさせないで10分ほどの休憩を挟んで約3時間。 彼女も体力いるけど、こっちも体力いるのよ。お酒も入っているから余計にね。」 B「そんな気持ちで仕事って、嫌じゃないんですか?」 A「そうね、正直言ったら。でも、年末だしさ。」 T「ねえ、あきさん、小平忘れてるでしょ。俺も今思い出したけど。」 A「あら、そうだった。」 B「第9でしたっけ。」 A「そうそう、第9。久しぶりの第9だったのよ。」 T「で、どうだったんですか?何しろ知っている人が4人もいるみたいだから、あんまり悪口言えませんよね。」 A「悪口じゃなくて、本当に感じた事を言っているのよ、いつも。」 B「ははは・・・。で、どうだったんです?」 A「知り合いが奏でるアンサンブル。第3楽章なんだけど、これが素晴らしい出来だったのよ。ちょっとピッコロが、 って思ったけど。でも良かったわ。ただ、第4楽章の合唱のところで、最初にバリトンが先導するんだけど、そのバリトンがね。 イマイチっていうか、独唱がね、・・・。」 T「聴いた事ないんだよね、第9って。なんか、年末の恒例みたいだし、一度は聴きたいって思っているんだけど。」 B「まだまだありますよ、何処かのオケでやりますよ、きっと。」 T「じゃあ、それを楽しみにして探してみようっと。それはそうと、さっき言ってたSWEET BASILについて聞きたかったんだよね。」 A「なに?どんな事?」 T「いろいろあるんだけど、もうこんな時間になっちゃったし、また後でメールするぅ〜。そしたら、チェックしてください。」 A「アイよっ!・・・ありがとうね。タケルは1200円です。それじゃ、メールしてね。」 T「それじゃ、バンバンさんも、お休みなさ〜い。」 B「ああ、おやすみ!」 A「気を付けてね。ありがとう!ねえ、バンバン、やっぱりアッシ行き過ぎかしらん。」 B「いいんじゃないですか?行き過ぎだとは思いませんけど・・・・・。まあ、普通の人に比べれば行き過ぎですね。はははは・・・。」 A「そうね。まあ、これからも行き過ぎるでしょうね。ははは・・・・。」 おわり *今回紹介したお芝居などは、 1)岡本知高 次回公演2004年3月13日 東京オペラシティ・コンサートホール 2)劇団ペンペン 次回公演2004年12月の予定 3)クロカミショウネン18 次回公演2004年6月上旬予定 4)ハイ・ライフ 公演終了 5)ポーラ・テリー 公演終了 6)小平市民オーケストラ 次回2004年10月3日を予定 7)吉田美奈子 SWEET BASILでの公演終了 8)大竹しのぶ一人舞台「POP?」公演中〜24日 青山スパイラルホール 9)綾戸智絵 12/28、29 六本木SWEET BASIL以上です。これからの公演に、どうぞ、足をお運び下さい。 |