絵 海龍

形態:幻獣
反応:中立
知能:中
遭遇:海洋
出現:単独



 大海原を航海する、船乗りたちですら伝説と考えている存在の中に海龍がある。海竜大海蛇と同様に扱われているが、賢人には伝説的な龍族のひとつとして扱われている。
 海龍は常軌を逸して巨大な生き物であり、その全容を知ることはできず伝承や文献でも断片的な記録しか伝えられてはいない。海面に近づけば水のうねりが船を横倒しにするほどであり、嵐にも等しい飛沫をあげて飛び上がれば島の一つをすら超えてしまうと言われている。こうした記録のどこまでが信用に値するかは議論の耐えない点であり、その外見にも一貫して共通した見解は見られていない。

 信用のおけぬ詩人が語る中には、この存在について克明に伝えているものがあり海獣に似た長大な体は濡れて光をはねかえし、細い歯が並んでいる口は大渦のように船でも人でもただ呑み込んでしまうほどだ。最も勇敢で愚かな船乗りが飛ぶ海龍に船を並べたときも、その先から尾までを見据えることはできず肌を照らす暁の輝きが穏やかなものになるまで、海龍は水に落ちることもなくただ飛び続けていたという。


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