絵 雨龍

形態:幻獣
反応:中立から非友好的
知能:中
遭遇:河川、湖
出現:単独



 の眷属に類する生き物の中でも、雨龍は特異な地域でのみ知られている存在である。外見は一般に知られている龍族とは大きく異なっており、駱駝の頭部に牛の耳と鹿の角、ワシの鉤爪を持ち胴体はや魚に似ているといわれている。現地の者にはシンという短い名でも呼ばれているが、水を統べる存在として知られており洪水や氾濫、多量の雨をもたらす存在として崇められている。

 雨龍はとくに大きな河川や湖の深い水底に棲んでいる、水の精霊に連なる古い龍の末裔であるとされる。自在にとはいえぬまでも天候をあやつって雨滴を降らせたり、雷を落とす程度の能力をそなえている。雨龍の棲んでいる地域では豊富な水や雨に事欠かず、たいせつにされているが洪水の被害が激しいときや干ばつのおりには、生け贄をそなえることで適度な恵みをもとめる風習も存在する。
 とくに機嫌の悪いときや、生け贄に襲いかかる場合にはするどい鉤爪で掴みかかりひきさいてしまおうとする。波や雷をあやつるおそるべき相手となるが、のどもとにある鱗を槍でつらぬくことができれば、そこに弱点があって一撃で息絶えてしまう。雨龍はその体内に真珠に似た巨大な宝珠をつくりだすという伝説があり、現地の貴族や王侯がとほうもない値段で取り引きをしている。


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