HYPER MACHINE
掲載:プログラムポシェット 作者:KOA様
内容はBASICによるごくシンプルなレースゲームで、それほどスピード感がある訳でもなく画面上から流れてくる敵車をカーソルキーの左右操作のみで避けるというだけのものです。RESTが残り距離になっていてなくなると面クリア、クラッシュするとTIMEが減っていきこちらが先になくなるとゲームオーバーです。
と、内容の説明であればこれだけで終わってしまいますがプログラムリストを見てみるとシンプルなゲーム内容に凝らされている工夫の数々に圧倒されてしまう作品で、例えば一見してわかる文字のグラデーション表示や車の二色表示があくまでBASICのちょっとした工夫で実現されています。スクロールも車と植木の流れだけで感じさせていて、PCGではなくスプライトの移動だけで表現していますし道幅が狭くなったりトンネルに突入する場面はLINE文による背景描き換えだけで行い、この表示がもともと画面上から下に向けて描かれるので描画時間がそのまま画面スクロールをしている錯覚に陥らせてくれるところが絶妙。しかもシンプルなゲーム性のおかげで道幅が狭くなると単純に敵車を避けるのが難しくなり、トンネルではタイヤが背景色と同じ黒色で見えなくなるので感覚で避けなければいけません。実際にプログラムを打ち込んだことがある人なら、これらの手法があくまで基本的な技術だけで実現できることが分かるでしょう。
マシン語を使わず処理速度はBASIC相応、プログラムも100行未満で無理に詰め込んでおらずそれにも関わらずポイントをしっかり抑えた見事なレースゲームです。機械のスペックや専門的な技術に頼らず、サンプルプログラムで使われる程度の基礎技術だけでこれだけのゲームができるということをまざまざと見せつけてくれる作品。
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