ロットロットロット

lotlotlot

掲載:プログラムポシェット 作者:YUKI様

 テクノポリス別冊プログラムポシェットに掲載された作品ですが、後にロットロットというタイトルでアーケード版やファミリーコンピューターなどにも移植されたという作品です。とはいえ投稿作品が市販化された例はほかにもありますが、この作品についてはプログラムの妙でもゲームの簡素な楽しさでもオリジナルの方を推したいところでしょうか。

 ゲームとしては単純で、青い手と赤い手の二つがあって青い手を操作するとしばらくの間を置いてから、赤い手がその軌跡を追いかけるように動きます。スペースキーを押すとそれぞれの手が指している箱の中身を入れ替えることができるので、ひたすら流れてくるボールをなるべく画面の右側に落としていきましょう。画面下に書いてある数字だけ点数が入りますが、OVERと書かれている場所にボールが一つでも落ちるとゲームオーバーです。
 壁や床はランダムに消えたり現れたり、穴が開いたりするのでこれを利用してまとめてボールを落としたり、次々とボールが流れていくようにすれば一気に大量得点が狙えるでしょう。ある程度スコアを稼ぐと壁や床に開く穴が増えて、よりスコアを稼ぎやすくなる一方でゲームオーバーの危険も増えていきます。たくさんのボールを送り込む爽快感と、たった一つのボールを思い通りの場所に持っていけないもどかしさがたまりません。

 攻略というほどではありませんが、ある程度スコアが伸びれば一気に大量得点のチャンスがやってくるのでとにかくゲームオーバーを避けた方が高得点を狙いやすいかと思います。全16マスの箱の中で左下4マスにボールが入るのを避けることと、床が開きっぱなしになる場所ができたら上のマスにボールを入れることでなるべくボールをまとめて、空のマスを作るようにしましょう。慣れれば2000点くらいは狙えるようになると思います。
 なめらかな操作と豪快なゲーム性が楽しい作品ですが、驚かされるのはこのゲームのプログラムがあまりに簡潔で短いことでしょうか。プログラムとしては大量に流れるボールを一つずつ管理するのではなく、画面の状態を見てボールの下に何もなければ下に落ちて、壁などがあれば左右に動くという処理を行っており、画面の一番上にボールさえ登場させればあとは勝手にボールが流れていくという処理になっています。ライフゲームのような手法でボールが描かれている訳ですね。

 ゲームの楽しさとゲームを作る楽しさの双方を見せてくれる、見事な作品です。
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