English


トップ] [プロフィール] [基礎知識] [種類と治療

[腱鞘炎自己診断テスト] [冷え性] [相談・治療予約

編曲と演奏] [こういう症状はありませんか?

●手指障害の種類と治療


演奏中の写真


<私の経験した指の異常と絶望感>

 私自身、クラシックギターを中学生の頃から愛好している一人です。私は、人前で弾くことよりも、個人で色々な曲を弾き、難しいところが弾けるようになっていくのを楽しむタイプでした。

30歳の頃、友達とコンサートを企画することが決まり、練習を始めました。
ところが、短期間で急な練習をしたことで「右中指の巻き込み」が起こり、演奏するたびに、もどかしい思いを経験しました。
くる日もくる日も「腱鞘炎かな?ジストニアかな?いや違う・・やはり腱鞘炎かもしれない」と、腱鞘炎やジストニアの文字が頭から離れませんでした。

無理に力を入れて指を戻したり、指を傾けて弾いてみたりと自己矯正を試みました。しかし、指の状態は益々おかしくなっていったのです。



<腰を据えた治療を決断>

思い悩んだ末、鍼と灸で治療をしていくことにしました。
治療期間中も、ギターをしばしば弾いて試しますが、なかなか動かない。指が固まってしまう。このままでは弾けなくなっていくかもしれない…と不安にかられ、持続的な治療の必要性を感じ、決意してギターをケースに仕舞ました。
8ヶ月くらい経った頃でしょうか、ギターを何気なく弾いてみると、以前のように問題なく弾けたのです。諦めが希望に変わった瞬間でした。



<故障を経験して得たものも大きい>

故障後、久し振りのコンサートでは、長くステージに上がらなかったため、緊張で演奏中に指が固まってしまうことが起こり、また 元に戻ってしまったかと、焦る気持ちでいっぱいでした。
自宅で弾く時には全く問題なく弾くことができたのですが、、、
精神的なものも大きく影響するのだと考え、それからの練習は、イメージトレーニングも重ねて行いました。その甲斐あってその後のステージでは、緊張があっても弾くことができたのです。

このことが、きっかけとなり、現在は全く問題なく弾けるようになりました。もちろん原因となった弾き方、フォームを見直したことが、改善につながったと思っています。更に、呼吸のリズムが音楽に影響することも体得し、音楽の表現の幅も変わりました。




腱鞘炎に含まれるもの

ホルン


  腱鞘炎というものは、「腱」(けん)と腱を包むトンネルのような鞘(さや)が摩擦によって腫れてくる炎症症状です。 炎症すれば痛みを持ち、更に悪化すれば膨れて太くなってきます。

伸ばそうとしたり曲げようとすると痛みを発しますが、放っておいて数ヶ月一年と長引いてくると、その状態は固まってきて動き難くなり、時には急に引き伸ばしたりすると音を立てる 弾発指(バネ指)という状態になってきます。
腱鞘炎の慢性化したものと考えて下さい。

原因は、弾けない部分ばかり何時間も弾いていたり、また職業病で見られる同じ動きの連続と考えられます。  

腱鞘炎は、特に音楽家に限った症状ではなく、指を酷使する職業に現れるもので、指、手首、ひじが痛い、しびれる、腕がだるい等の症状が出てきた場合は注意が必要です。

これらの炎症症状には、
手首部分親指付近に発現する狭窄性腱鞘炎
手の平側に発現する弾発指(バネ指)
手首の甲側に発現するガングリオン
などが挙げられます。

   



●フォーカル・ジストニア

ひとり

  また、痛くないのに思うように指が動かない、演奏しようとすると指が握ってしまう、はねてしまう等は、更に使い過ぎの結果として見られ、慢性化したものや下記の述べるフォーカル・ジストニア等は、治癒にも時間を要し、趣味の楽しみや仕事を奪ってしまうこともあります。

上の状態を長く続けていると 運動機能障害(動かない、巻き込むなど)を生じてきます。 筋肉系のみの過労により伸縮しなくなったもの、筋肉系を指令する神経系の疲労によるもの、更に固くなった筋肉が神経を圧迫して筋肉 の動きを障害するものなどが考えられます。
これらは上記のような「腱鞘炎」という単純なものではなく、非常に厄介なものを含んでいます。

昨今、ジストニアという言葉を耳にしますが特に音楽家や文筆家、更には理容師などに現れる 高度な職業病と言える「指の巻き込み」及び指腕などの不随意動作は、特異動作性局所ジストニアと言われるケースがあり、 この病態の成立原因は、精神緊張の持続、肉体的反復動作の緊張、更には両者の重なったものなどがあります。

ジストニアであるか否かの鑑別診断は難しく、脳との関連が濃密である 真のジストニアと脳との関連が薄い ジストニア様(もどき)症状の二つがあると考えられます。
真のジストニアは、脳からの不随意運動の抑制司令が壊れてしまい、治療中に ある刺激を加えることで痙攣のような不随意運動が出ます。
ジストニアもどきは、上のような不随意運動の現象がなく、使い過ぎによる筋肉の硬直状態が強く残ったものと考えて良いだろうと思われます。
脳との関連性が固着化した 真のジストニアは、ご自身の意識の中で「力を抜くイメージトレーニング」をしなければ脳との関連性を切ることはできません。


●痛みのないものほど要注意

丘


練習不足で弾けないのか、指が悪くなっていて弾けないのかが当事者には判断できず、弾き続けているうちに動きがおかしくなってくることが多いのです。
例として 指が巻き込む、指が跳ね上がる のように、動きが異常で痛みのないものは、病気の根が深いのですが、諦めず治療を十分に加えることが必要と考えます。
もう一度書きますが、痛みのないもので、動きがおかしい、指の巻き込みがある場合は深刻です。(詳しくは、上の見出し[腱鞘炎自己診断テスト]を参照)



◆当院を推薦して下さっているサイト


おんじさんのツイッター(2017年3月14日)

リュウキさんのサイト(2018年4月8日)


◆雑誌に掲載された記事と編曲譜

●「現代ギター誌」'84・5月号臨時増刊「レッツ・プレイ・ポピュラーギター」編曲譜 sold out

●「現代ギター誌」'85・8月号特集「スケール上達法」より記事「完璧なスケールへの基礎」sold out

「現代ギター誌」'93・8月号特集「スケールテクニックを極める」より記事「腱鞘炎を知る」 sold out

●「現代ギター誌」'96・8月号特集記事「腱鞘炎予防クリニック」自己診断テスト sold out

●「現代ギター誌」'99・7月号「シンドラーのリスト」編曲譜(ジョン・ウィリアムス演奏のコピー編曲譜) sold out

●「現代ギター誌」'99・9月号 坂本龍一「エナジーフロウ」編曲譜

「現代ギター誌」'08・5月号 濱田滋郎対談にてゲスト出演

「アコースティック・ギター・マガジン誌」2012年4月27日リットーミュージック社刊行vol.52 特集記事「カラダメンテ講座」 sold out

加茂フミヨシ氏との対談「匠との語らい」全4回 2012年11月9日リットーミュージック社パソコン閲覧推奨

●「現代ギター誌」'15・3月号
 エリック・サティ「ジュ・トゥ・ヴ〜君が欲しい」編曲譜



治療・相談メール


index