マジシャン紹介

P.C.ソーカ

P.C. Sorcar(1913-1971)

 

P.C. Sorcar

  2000/12/1 記


プラトル・チャンドラ・ソーカ"Protul Chandra Sorcar"(1913-1971)。インドのプロマジシャン。

ソーカ氏の家系は代々奇術師ですが、大学では数学を専攻していたという、奇術師にしてはめずらしい経歴もあります。親日家であり、1935年に初来日してから1971年に亡くなるまで、6、7回来日しています。1971年1月6日午前6時40分頃、札幌公演のため士別市の旅館に宿泊中、心臓マヒで突然亡くなりました。

1954年前後から、西洋のマジックにインド風の演出を組み合わせた独自のスタイルを作り上げ、世界中で公演を行っていました。当時、日本では「インド魔術団」の名前でよく知られていました。

私自身は「インド魔術団」の公演を見ていませんが、知人の話では最も受けていたのは「シックス・カード・リピート」であったそうです。「シックス・カード・リピート」というのは、最初6枚のトランプを手に持っており、そのうちの3枚を捨てるが、手に残っているトランプを数えてみるとまた6枚になっています。何度捨てても、手に持っているトランプは6枚から減らないというマジックです。

出し物の大半は大がかりなイリュージョンであったにもかかわらず、このような小ネタが最もうけていたというのが、マジックのおもしろさでもあり、難しさでもあるのでしょう。

これ以外では「透視術」も大変観客が驚いていたそうです。目に粘土を貼り付け、ガムテープで止め、マフラーのような大きな布で目隠しをした状態で、観客に書いてもらった文字や数字を透視するマジックです。これも大変受けていたそうです。

1971年の札幌公演中に突然亡くなったとき、ソーカ氏の3人いる息子のうち、次男が急遽インドから駆けつけ、後の公演を続けました。このときの息子が今もP.C.ソーカ・ジュニアとして活躍しています。

カルカッタでは先代のソーカ氏の名前をつけた「P.C.ソーカ通り」という道もあり、今も親しまれていようです。

補足:関連記事が「魔法都市日記(47)」にもあります。

ソーカ氏の著書として以下のものがあります。

"History of Magic"(Indorajal Pub., 1960)
"Sorcar: Maharajah of Magic "(All India Magic Circle, 1966)
"Sorcar on Magic Sorcar" (Indorajal Pub.,1960)

 

魔法都市の住人 マジェイア


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