赤羽駅から北本通りを川口方面に向かうと、荒川に新荒川大橋がかかっている。 その下流に旧岩淵水門がある。 要するに北区の岩淵にある古い水門だ。 その昔、荒川の本流は隅田川だったが、隅田川は川幅が狭く、堤防も低かった。 そこで洪水を防ぐため、明治44年から昭和5年にかけて新しく海までの約22kmの放水路(現在の荒川)が作られた。 この放水路と隅田川の分岐点に、大正13年に作られた水門が旧岩淵水門だ。 5つの赤いゲートがあり、地元の人達には「赤水門」として親しまれている。 |
赤水門が老朽化したため、昭和57年には下流に新しい水門(青水門)が作られ、水門としての役割は新しい水門に引き継がれた。 赤水門の上は橋になっており、ここを通って川の中州にある島に渡ることが出来る。 私が訪れた時(99年4月中旬)は舗装の改修工事が行われていたため、渡ることができなかった。 工事関係者の話では4月末に工事が終わるという。 水門をもっと近くで見たい人には、ここを通る水上バスがお奨め。 |
水門近くの河川敷広場には、バーベキューをするための石造りのコンロ(写真の手前)が10基ある。 金網や鉄板を持参すれば、すぐにBBQが出来る。 水道や仮設トイレもあるので安心だ。 肉・野菜などのBBQ素材は赤羽駅前の商店会で全て揃う。 日本酒の好きな人は、新荒川大橋のたもとにある東京で唯一の造り酒屋小山酒造で、「東京の地酒 丸真正宗」を買っていこう。 水門を眺め、川風に吹かれ、地酒を飲み、BBQを食べる...いいですねェ。 でも終わった後は、ゴミ片づけを忘れないで。 (99/04/17)
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戸田漕艇場(戸田ボートコース)は、戦争のために中止となった「幻の東京オリンピック」のために作られた。 (私の推定では)全長が2,300メートルもあり、笹目橋側には戸田競艇場がある。 1964年の東京オリンピックの際に整備され、ボート競技の会場として使われた。 当然のことだが、マラソンと同様に、チケット無しで競技を見ることが出来た。 今は公園となっている。 | |
戸田橋側の両岸には、大学や企業のボート部のクラブハウスが並んでいる。 クラブハウス1階の倉庫にはボートが整然と並べられ、保管されている。 | |
カヌーの練習をしている人達がいた。 カヌーでひっくり返る練習をしているのか、単にひっくり返ってしまったのか。 そういうことには全く関心を示さず、釣りを楽しむ人達もいた。 (99/04/25)
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赤羽から荒川を越えると川口市だ。 川口は「鋳物の町」とも呼ばれ、映画「キューポラのある街」の舞台にもなった。 キューポラとは、鋳物を作る鉄を溶かすための炉で、屋根には独特の形の煙突が出ている。 10年ほど前に川口に行った時には、あちらこちらにキューポラの煙突が見られた。 今回取材の為に京浜東北線で(赤羽方面から)川口に向かったが、電車の窓から見えた煙突は右の写真のものだけだった。 これは、(おそらく)粉塵回収装置を取り付けた新型で、昔からあるキューポラではなさそうだ。 | |
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街を歩いてみてもキューポラはなかなか見つからない。 そこで荒川の土手に上って眺めると、遠くにマンションに囲まれたキューポラらしいものが見えた。 そこには確かにキューポラがあった。 しかし他には見あたらない。 地元の御老人に「この辺りに、キューポラはありませんか?」と聞くと、しばらく考えて「この先の郵便局の所にある」と教えてくれた。 うっかりすると気が付かずに通り過ぎてしまいそうな所にキューポラはあった。 その後、駅に帰る途中に線路脇で、もう1ヶ所見つけた。 1時間近く歩き回って、結局3つだけ見つけることが出来た。 左の写真は、その3つのキューポラを別の角度から撮った写真だ。 |
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私が行ったのが日曜日だったこともあるが、数少なくなった工場の中で、実際に稼働している工場はさらに少ないように感じた。 それでも、大きな金枠が置いてある鋳物工場があった。 ここで作っているのは水道管なのだろうか、直径が2〜3メートルもある大きな鉄管が並べられていた。 | |
かつて鋳物工場があった所には次々とマンションが建っている。 いまや川口市は東京のベッドタウン「マンションの街」になってしまった。 工事用シートで囲まれた敷地内で、おそらくキューポラがあったであろう工場が取り壊されていた。 ここにもマンションが建つのだろう。 しかし、新しくマンションに入居した人達と、昔からある工場との間ではトラブルもあるようで、工場の塀に「お知らせ」なるものが掲げられているのを所々で見かけた。 その「お知らせ」には... 当地域は準工業地域であり、かつ特別工業地域に指定されております。 地域内には数社の鋳物工場と機械工場が 長年に渡り営業を行っており、その為 多少の粉塵・騒音・悪臭等の発生については 是非ご了承いただけますよう お知らせ致します。 周辺工場一同 ...と書かれてある。 私が見逃したであろうものを含めても、キューポラは5〜6本しか残っていないのではないか。 これらも近い将来はなくなってしまうだろう。 (99/04/25)
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