真実は今.... Live in Hyde Park July 5, 1969(2002.10.14)

 10月に入り、ようやく気温も安定して秋らしくなって来ました。
そんななか、足かけ二年、ようやくあの音源がDGMからリリースされました。
これでようやく、謎が解けるというものです。
さて、真実はどうだったのでしょう???


Live in Hyde Park July 5, 1969 これが二年も待つ事となったDGM Club 12、そう1969年のHyde Park Liveです。
ジャケットは見にくいのですけど、当日の会場となったHyde Parkの様子を空撮で撮ったもののようですが、一説には50万とか65万人が集まったというのもあながち嘘ではないようで、凄まじい人の数です。
当時の貧弱なPAで会場の後ろの方は聞こえたんかいな??等と余計な心配をしてしまいますね??これ見ると(^^)。
Crimsonのメンバー、MichaelIanのライナーにも、当時まだクラブの小さなステージで演奏していたのが、突然こんな大会場で演奏する事になった事への感想が書かれています。
(意外と平静だったらしいのですが...)
さて、二年前に紹介したこの日のものだと言われていた音源を覚えている方もいるかと思います。
そう、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'です。
これが出た時には、かなり話題になりましたし、当サイトでも二回程取り上げたのですが...('Hyde Park, London, July 5, 1969(2000.04.23)'と'Hyde Park再考(2000.06.25)'です)。
何で話題になったかってーと、つまり'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'に収録された音源がホントに'69Hyde Park音源なのかという一点でした。
当時の雑誌でもかなり懐疑的な意見が多かったのです。
そんなこんなを打破してくれるであろうと期待されたのが、今回紹介する'DGM Club12 Live in Hyde Park July 5, 1969'だった訳です。
当初は20008月にはDGMからClubリリースとして配布される筈だったのですが、ご存じのとうり、某氏の拒否により何と二年も世に出る事が出来なかったのです。
2000年当時、DGMで発表されたセットリストから'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'に収録されているセットリスト自体はほぼ本当だと言うことは明らかになっていましたが、果たして音源そのものが本物かどうかの真実は今回のリリースまで判らなかったと言うわけです。
さて、真実はどうだったのでしょう??


 結論から言いましょう。
今回の'DGM Club12 Live in Hyde Park July 5, 1969'の元ネタは、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'と同じものです。
一部、'21st Century Schizoid Man'、そして'Mars(War)'の二曲の曲切れが無くなった等、違いはありますが音源の元自体は同じものです。
それと、元々、この二枚の音源は同じ音源が使用されているのも間違いなく、もし違いが出るならばテープジェネレーションの違いでは無いかと言うくらいです。
こうゆう音源が出回るのは所謂テープトレードの世界で、そのときはダビングが行われる訳ですけどダビングによる音質劣化は当然付いて廻りますから、それによる音質の違いはあるわけです。
加えて、同日に違う人物が収録すれば、収録場所の違いや機材の違いで音も変わります。
しかし、今回のこの二枚のCDではテープが原因での音の揺らぎや音質の所々の変化等、殆ど同じです。
ちなみに'21st Century Schizoid Man'の音切れはどうかと言うと、DGM盤では明らかに補正というか音の差込が行われています。
ちょうど歌詞で言えば二番の部分、時間では1:04から1:17当たりは、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'では完全に欠落していましたが、DGM盤では多分他の音源でピッチや音が近いものを挿入したようです。
残念ながら、この部分は筆者の耳でも判ります。
'Mars(War)'の方は素直に繋いだだけのようにも思えます。
別音源の挿入は行われていないようです。
全体的に'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'より音質はクリアになっていますが、元テープが原因の音の揺らぎは残っており、もしかすると今回のDGM盤、'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'を元音源にしている可能性も無きにしもあらずだったりして....
ちなみに、Lakeの'お誕生日おめでとう'発言もしっかりとDGM盤にも収録されています。
結局、Hyde Park音源の真実が今、これでようやく明らかになりました。
しかし、今回のDGM盤の発売(と言っても未だDGMの通販でしか入手出来ませんが...)で'in support of their satanic majesties(hyde park '69)'の存在価値は無くなったって事でしょうね??


 さて、ボーナストラックの方ですが、こちらはなかなかのものでありまして、一つは'Epitaph'リリース時のオリジナルメンバーによる記者会見のテープが、もう一つは何とCrimsonが最初にレコーディングしたMorgan Studioでのセッション'21st Century Schizoid Man'が収録されているのです。
記者会見のテープの方は、さすがにもう少し聞き込まないと全てを理解出来ませんでのオミットさせて頂きますが(日本盤では翻訳が付くのかな??)、Morgan Studioの'21st Century Schizoid Man'の方はかなり興味深いものです。
多分、メンバー全員でのベーシックトラックの録音なのでしょうが、一応ギター及びサックスのソロも入っています。
(もしかしたら、ギターとサックスのソロをダビングしたテープかも知れません...)
しかし、後の'In The Court of The Crimson King'のテイクと比べるとかなり演奏内容、録音ともに落ちる出来です。
後の'In The Court of The Crimson King'ではサックスのダブリング等の工夫もあるのですが、このMorgan Studioテイクでは非常に簡単に録音しただけのようにも思えます。
Michaelのドラムもちょっとつまり気味です。
ギターソロも未だ未完成、サックスソロも未だ練り足りない状況だったようです。
しかし、このような初期のテイクが見つかったというのは、非常に資料的価値は高いでしょう。
他の曲のテープも無いのでしょうかね??
そんなのが出てきて、'In The Court of The Crimson King'がもう一枚Morgan Studioバージョンなんてので出てくると、これは大変な事になるでしょうけど、さすがにそれは無理でしょうね??


 今回は'DGM Club12 Live in Hyde Park July 5, 1969'を紹介しました。
DGM Club音源も先の'Live at the Zoom Club'当たりからクラブに入らなくても、一枚単位でネットでオーダ出来るようになりました。
正直、これのおかげで今回早めに'DGM Club12 Live in Hyde Park July 5, 1969'を購入出来た次第ですけど、次はどんなおもしろい音源が出てくるのでしょうか??
おっと、昔ばかり追っかけちゃダメですね??もうすぐ現在のCrimsonもミニアルバム、フルアルバム、そんでもって来春には来日の可能性もあるんですよね??

To Crimson