URAWA ROCK'N ROLL CENTER 安全バンド LIVE! 1974〜76(2006.07.02)

 いやいや、ここ数日の暑い事、と思って半袖を着るとちょいと冷房がきつい。
あれま、筆者もそんな体質になっちまったんかな??と思う今日この頃。
さて、今回取り上げるのは、625日に発売された、あの安全バンド、初のハーフオフィシャル(と言う方が雰囲気が良いかね??)ライブ、'
安全バンド LIVE! 1974〜76'でございます。
あの
URC、ウラワロックンロールセンター秘蔵の音源が、ついに世に出たのです。
既に30年前の音源とはいえ、あの安全バンドのライブです。
さて、30年の年月は、どんな熟成を与えたのか??でわ(^^)/。


 6月のある日、URCの高沢さんからメールが飛び込んで来ました。
そう、今回6月末から7月末にかけて発売される四枚のURC秘蔵音源の件でありました。
既に、次回紹介するハルヲフォン音源も含めて、
恒田さんのサイトに告知もでておりましたが、高沢さん直々のメールであります。
発売前のジャックは
ブログに、そしてレポは本家に掲載する事を連絡したのでありました。
さてさて、実は正規の発売日の数日前に
ブツを入手、聴き込みを続ける日々ですが、いや、こりゃ凄いもんが出てきたってのが、一番の感想でございます。
収録曲的には、
セカンドの曲が少ないんですが、それでも当時ライブで定番でありながら、結局世に出なかった未発表曲がてんこ盛りでございまして、それらの曲が出来が良いときました。
実は、何曲かは
2003年の安全バンド復活ライブでも披露され、この時筆者を含めて観客はヤンヤの拍手で迎えたのでありますが、今回の収録曲は、まさにオリジナルな演奏でありまして、これは正直、やられました。
一応、順を追ってみますと、'76年の田島ヶ原音源による'けだるい'は
セカンドアルバム発表後の演奏でありますが、サポートで囃子の坂下さんがオルガンで参加、2004年の再結成ライブ'あんぜんバンドのふしぎなたび 2004'にも参加した藤田義治氏がギターで参加という豪華なラインナップです。
当時、筆者が見たTV映像やライブは四人編成が殆どだったのですが、このゲストを交えたスタイルは意外と良く行われたそうです。
ちなみに、演奏の方は後期の'けだるい'のスタイルに移る過渡期のものとも言えまして、オープニングのハードなギターリフから始まるスタイル、つまり相沢のおにーさんの頃のスタイルであります。
続く'75年のスリーポイントライブは、
ファースト後の相沢兄弟揃い踏み、そして哲さんが参加した頃のライブです。
ここで、やはり注目は未発表曲の'昔のように'、そして'教えてまわれ'の二曲でありませう。
前者は相沢のにーさんがボーカルを、後者は純平氏がボーカルを取る曲。
2003年の安全バンド復活ライブではファースト以前のパワートリオスタイルでしたが、ここではファースト後のスタイルでございます。
それと'13階の女'は、ラストに
スタジオ盤と同じラグタイムアレンジ付きというのも貴重ですな。
'いくらまっても'のファンクな感じは、やはり哲さんの参加が影響しているのでせうか??
お次は、今回の収録の中でも'74年というデビュー前の'東洋大学白山祭'でのソロライブから。
曲もやはり未発票曲の'夜(The Night)'、'暗闇の中から'。
オルガンが、完全にYAMAHAしてまして、加えてロータリースピーカーの音が懐かしい??
'夜(The Night)'は、かなりサイケな演奏と言えましょう。
次の'暗闇の中から'は、イントロはフロイド風ですが、遠くで聞こえる感じのヒロさんのボーカルも、やはりサイケです。
当時、この二曲は安全バンドのライブでもハイライトだったようですが、そうゆう意味でも'パワートリオ→サイケ→ファンキー且つポップ→プログレっぽいポップ'と進化する安全バンドの一番サイケな頃の演奏なのでしょうね??
エコーマシンを使ったSEとか、色んな発見があるテイクです。
さてさて、今度は'74年のスリーポイントは
ファーストとは全然違うファンキーなアレンジで'怒りをこめて'。
当時はまだサポートメンバーだった相沢の弟さんと哲氏が参加、哲氏のエレピがかなりファンクしてますし、相沢のにーさんのギターもワウをカマして、やっぱしファンク、当然リズム隊もファンクしておりますです。
んで、この後の'76年の浦和市民会館でのワンマンの音源、やはり未発表曲の'もぐら'、こちらがかなり貴重な音源でありまして、安全バンドのブルースが('教えてまわれ'も安全バンドのブルースですが、こちらはマイナー)、しかもシカゴスタイルっぽく演奏されているのあります。
ギターに土門則夫氏('サンキュー'って、どれぐらいの人が覚えているんかな??)、そして坂下さんと藤田氏がやはりサポートで参加しているそうです。
さて、ラスト三曲は、今でも関係者の間では語り継がれている、あの'Blackmore's Rainbow'ジャパンツアーのサポートアクト時の音源。
'76年の演奏、つまり解散に近づいていた頃の、しかし安全バンドの演奏がもっとも熟成していた頃の演奏であります。
当時、安全バンドの演奏を気に入ったRainbowのミキサーがラインで録ってくれたという音源は、確かに音が完全なステレオミックスでありまして、これがほんまに良い音です。
演奏の方も
セカンドの''、そして'時間の渦'、加えて日にち違いの'けだるい'。
(もしかして'偉大なる可能性'の音もあるんでわ??)
''のかっこよさと言ったら、もう涙もんであります。
相沢の弟さんのギターがかっこよいんだ、これ。
このツアー、サポートに坂下さんも参加しているんでありますが、これが哲さんのエレピ、坂下さんのオルガンときっちりアレンジが出来ておりまして、これがまたかっこよい。
その辺は特に'時間の渦'に顕著に現れております。
んで、この音源を聴いていて思うんですが、ヒロさんのボーカルって、無茶苦茶安定したボーカルなのが凄いなと。
ラストの'けだるい'は、トップの田島ヶ原音源とは違うギターリフとSE的な鍵盤からのスタイル、つまり'
あんぜんバンドのふしぎなたび 2004'でも披露されたアレンジに近いもんでございます。
いや、この翌年のRainbowが再度オープニングアクトに安全バンドを希望したってのが良く判ります。
それは、多分、安全バンドのスタイルがRainbowと違う事、そんで多分、客もRainbowのメンバー/スタッフ自身も飽きさせない演奏をしていたからなんでしょうな??
スタイルの違いだけで、再度ツアーのオープニングアクトにご指名ってのは無いでしょ??
特に、この頃の外タレのツアーのオープニングアクトって言ったら、レコード会社や事務所が金を持ち込んで売り込むってのが普通だったんですからね??
多分、翌年もツアーに同行していたら、多分、オープニングアクトではなくて、所謂セカンドビル扱いにして貰えたんじゃないっすかね??
つまり、持ち込み無しと....


 さて、今回は'安全バンド LIVE! 1974〜76'を紹介しました。
重ね重ね、こんな良質な演奏をするバンドが売れなかったってのは、ホント不幸な時代だったんだなー??と思ってしまうのです。
とは言え、こんな音源が残っていたってのは、
URCという存在があればこそでしょう。
んで、次回は、やはり6月に発売されたハルヲフォンのライブを紹介する事にします。
これも、凄いライブだよー!!

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