月夜のドライブ(98.12.06)
〜はちみつぱいからムーンライダース、そしてムーンライダーズ〜

 11月末にようやく、ムーンライダーズの先の'月面サマーツアー'のライブビデオと、ニューシングルが発売されましたね。
ちょっと時間がかかったのですけど、筆者もようやく入手しました。
実はビデオのほうは、凄く心配してたのですよ。
何故かって言えば、注文したレコード屋でメーカーの資料を見たら、収録時間がなんと45分!!!!!
これじゃ某国営の衛星放送で放送した総時間より短いんでないかえ??と驚き、しかも収録内容がその放送されたものと同じだったら???(そんなことはさすがにあの6人がやるわきゃー無いが^^)などと思っていたら、入手してみたら良かった良かった、収録時間59分だったし収録曲も半分は放送された曲目と違っていた(ホッ...)。
 と喜んでいたら、ニューシングルのほうを見ると'featuring 奥田民生'!!!!!!!
何にやらせたんだろ???って思って中を見たらば、ボーカル差し替え!!!!、確かに'月面讃歌'では演奏差し替え自由の外部プロデューサ起用の荒技を使ったけど、ボーカル差し替えの荒技をここで出すとは思わなんだ....
さて、そんなこの二つの作品をちょっと筆者なりに聞いた、見た感じを記してみませう。
では!!!


月面讃画 正直10月に衛星放送でのライブとどれぐらい違うのか、凄く気になったのだけど、結局衛星で放送されたのは、筆者が見に行った24日のライブで、このビデオに収録されたのは25日のライブだった訳ですな。
入手前にムーンライダーズのサイトのメッセージボードの書き込みで知ってはいたのだけども。
これは想像の域を超えていないけど、考えてみれば多分24日のライブは某国営放送との権利問題で使用出来ない筈だし(某国営放送はこの辺、ひじょーにうるさい....)、けど昼間部は日清パワーステーションでのアコースティックライブが挿入(ただ、これはCS放送でオンエアされたものらしいけど....まんま使っているの事を指摘している人も、メッセージボードにいたな....)されてますね。
で、内容的にはどうかというと、映像のクリアさでは衛星放送の勝ちだと思うのです。
これはメディアがVHSって事もあるし、もしかしたらメンバーの意向で映像をフィルタリングした可能性も無くはないのだけど....
収録機材が違う可能性も無くはないけど、天下のSONYさんだからねー、発売元が。
某国営放送とそんな差はないと思う訳で、うん、やっぱLDDVDでリマスタして出してほしーなってのが、筆者の本心。
収録曲は、当然やっぱ'月面讃歌'を発売したレーベルが発売するビデオだから、ほぼ半数は'月面讃歌'からで残りは昔の曲で構成されてる。
残念ながら、25日は知らないけど24日にもっとも良い出来だった'20世紀鋼鉄の男'と'工場と微笑'が収録されていない。
演奏のほうは、個人的には(思い入れもあるのだけど)24日のほうが良かったように思えるのは気のせい???
ただ、'9月の海はクラゲの海'が収録されている事と、'夢が見れる機械が欲しい'の演奏が良い点が気に入ったのでした。
それと、'日清パワーステーション'のライブテイクだけども、'彼女はプレイガール'は'月面讃歌'のテイクよりも良いですね。
個人的には'月面讃歌'のテイクは、何かギラついた感じが好きじゃなかったのだけど、このアコースティックテイクでは、実は元曲は凄く良い出来だったんだと再認識しちゃった次第なのです。
やはり、曲という奴は元曲をどうアレンジしてどうプロデュースするかで全然変わるもんだわいと感心した次第でありました。
うん、でもやっぱリマスタしてDVD出すべきだよ。
'マニアマニエラ’の時にメンバーが誰もCDプレイヤー持ってないのにCDで出したように、今度はDVD出してしまうのも手だよ。
(でも、昔と違ってメンバーは既にDVDプレイヤーくらい持ってるだろーけどね??)



Sweet Bitter Candy-秋〜冬- さて、ニューシングル'Sweet Bitter Candy-秋〜冬-'だけど、収録曲は3曲で内2曲は'Sweet Bitter Candy'の'月面讃歌'の別バージョン、そしてもう1曲が問題の'はちみつぱい'の'月夜のドライブ'のリアレンジバージョンと来た。
'Sweet Bitter Candy'のほうは、1曲目の奥田民生によるボーカル差し替えの荒技には正直'やられた'と思ったし、2曲目の'Tabacology Mix'バージョンも、'やられた'と思ったのでした。
まあ、ボーカル差し替えのほうは、さすがに意表をつかれたってところで、バックトラックの処理は'月面讃歌'と同じ傾向だから、驚いたのはボーカル差し替えだけなんだけど....
で'Tabacology Mix'のほうは、これってもしかしたら'月面讃歌'の外部プロデューサの手が加わる前の、元の部分がかなり残っているような気もするんだな。
で、三つのバージョン(ライブビデオも入れれば4バージョン??)があるのだけど、この'Tabacology Mix'が個人的には一番落ち着くような気がしております。
さて、問題なのは、今回のこのページのタイトルにも使用した'月夜のドライブ'なのであります。
今回のこのテイクは、ボサノバとかその辺の雰囲気によるリアレンジな訳で、前回シングルの'酔いどれダンスミュージック'のダウンアースアレンジとは、又違った方向でアレンジされたのですけど。
'月夜のドライブ'は、実は筆者の手元には'はちみつぱい'時代のものと、俗に言う'オリジナルムーンライダーズ'のものがあって、こちらは'はちみつぱい'時代はアメリカンロック的、'オリジナルムーンライダース'ではその当時のシティミュージックよりのアレンジがされていたのです。
ちなみに、'オリジナルムーンライダース'ってのはムーンライダーズのファンなら良くご存じの元'はっぴいえんど'の松本隆が本人もドラムスで参加し、プロデュースも行おうとしていたアレです。
ちなみに、この'月夜のドライブ'の作曲者'山本浩美'も参加、FOUちゃんもいたんですね。
(ムーンライダースって名前も鈴木慶一がこのバンドの為に考えて与えたものだったのは有名なお話)
で、この三つのテイクを聞いていくと、'月夜のドライブ'って、どれに一番合うのだろう???って考えてしまう訳です。
シンプルな'はちみつぱい'も良いし、今回のテイクのゴージャスさも捨てがたい、でも'オリジナルムーンライダース'のテイクには作曲者本人が演奏してるしねー。
そうやって考えると、曲が'はちみつぱい'から'オリジナルムーンライダース'、そして'ムーンライダーズ'と渡り歩く姿を見て、この曲はまだまだ料理のされ甲斐があるような、そんな妙な気持ちにさせてくれたのでした....

注:'オリジナルムーンライダース'は、収録当時'ムーンライダース'と表記されていました。

To Musical Box