◆ 六甲全山縦走・1日目 ◆





翌朝は4時30分起床。普段、朝は苦手なのに、こういうときは
きちんと起きられる。須磨駅に5時50分、6時に須磨浦公園駅
を出た。

06:00 須磨浦公園駅
06:35 鉢伏山
06:40 旗振山
06:51 鉄拐山
07:03 おらが茶屋

展望のよい所で軽くストレッチ。車道から、特に登山口の目印は
なかったけど、それらしいところを入って行く。一帯、公園のよ
うになっていて、道の続きが分かりにくかったけど、所どころに
テープがあって、それを目印に登って行くと、やがてしっかりと
した登山道が続いた。

ロープウェイの駅などを通って、鉢伏山に着く。そこから旗振山
へ。体操をしているおじいさんがいた。旗振山から鉄拐山までの
尾根道は気持のよい道だった。鉄拐山を最後に、一旦、住宅街に
下りる。おらが茶屋を過ぎると住宅街まで、延々階段を下った。

07:30 栂尾山 〜07:36
07:48 横尾山(須磨槍)
08:08 東山
09:30 荒熊神社
09:39 高取神社 〜09:46

住宅街っていうか、団地の中を歩いて、再び栂尾山に登る。。。
が、それはうんざりするような階段だった。足ががくがくになっ
た。栂尾山には展望台のようなのがあって、その上で休憩。すご
く消耗した気分。

休んでいると、ランニング登山みたいな格好をした汗びっしょり
の人が来た。「全縦ですか?」って聞かれて「そのつもりです」
と答える。全縦。。。そうか、地元の人は、そう言うのか。。。
と、妙に感心。

横尾山を過ぎると、須磨アルプス馬の背とかいう岩尾根になる。
今までと急に景観が変わる。ここだけ異質な感じがした。そして
東山を過ぎるとまた住宅街に下る。

今回のコースの中で、実は一番楽しみにしていたのが高取山だっ
た。『孤高の人』の中でも、加藤文太郎がよく登っていた。住宅
地は順調に抜けたけど、肝心の登山口がなかなか見付からなくて
寺の墓地をうろうろしてしまった。結局、地元の人に聞きながら
登山口に至る。みんな親切だった。

荒熊神社に登り切るまでは、結構傾斜があって疲れた。そこから
はほぼ水平な道を高取神社まで歩いた。高取山の山頂は、高取神
社の境内にあるらしかったけど、登山靴で歩いてはいけないと書
かれていた。コンクリートとかが傷むとか。

がっかりして、神社前のベンチで休憩。神社の管理人さんみたい
な人が出てきて話しかけてきた。息子さんの話を聞かされた。山
が好きな息子さんは、何がなんでもと信州大学に進学して、長野
に住み着いたそうだ。そんでもって、息子さんは単独行主義者で
その理由は、他人と行くと、判断を左右されて遭難する恐れがあ
るからだとか。。。それって、まさに加藤文太郎じゃないかと、
心で突っ込みを入れて、はぁ、そうですかと聞き流した。

10:35 鵯越駅
11:36 菊水山 〜11:47

高取山を下って、再び住宅街へ。鵯越の駅を目指すけど、持って
いるのは登山地図だけ。道がさっぱりわからなかった。ところど
ころに「六甲全山縦走コース」の標識はあったけど、途中からな
くなって、お手上げ。地元の人に聞いても、道がややこしくて、
よくわからない。2万5千地図を入手すればよかったと後悔する
けど、仕方ない。

それでもなんとか辿り着いて、そこから菊水山の登山口まで、遊
歩道のようなのどかな道を歩く。菊水山への上りは、日差しが照
り付けてきて、非常に暑かった。傾斜もあり、山頂に着いたとき
は、誰もいないのをいいことに、「ばてたー!」とつぶやいて、
ベンチに仰向けに倒れた。

しばらくタオルを顔に被って寝てたら、人の気配。あわてて起き
上がる。山頂にあるアンテナ施設の職員のような人が昼ごはんを
食べに出てきてた。菊水山の失敗は、高取神社から2時間近く、
休憩を取らずに歩き続けたことにあった。いくら市街地歩きでも
水分補給の必要からも、鵯越駅近くの公園でひと息入れてから歩
くべきだった。反省。

12:11 吊橋
12:39 鍋蓋山 〜12:54
13:18 大竜寺
13:36 市ケ原 〜13:44

菊水山からまた下る。吊橋を渡って鍋蓋山へ登る。山頂でお昼。
と言っても、菓子パン1つ。わびしい。鍋蓋山から大竜寺へ。ゆ
るやかな尾根道を下る。途中、学生らしい数人が空身で登ってき
た。「こんにちは」の挨拶がさわやかだった。

大竜寺には自販機があって、ここまでに持ってきた1リットル分
を飲んでしまったので、1リットル分購入。車道の脇に作られた
歩道を歩いて、河原を横切り、市ケ原へ。ここには自販機とトイ
レがあった。オフシーズンなのか、閉まっていたけど売店もあっ
た。ちなみに自販機は、大竜寺のより10円割高だった。

14:07 稲妻坂分岐
14:27 天狗道分岐 〜14:34
14:58 アドベンチャーコース分岐
15:12 摩耶山
15:20 Rest 〜15:32
16:19 サウスロード分岐
16:41 丁字ケ辻

そこから摩耶山まで、日当たりのよい坂を上り、静かな山道を歩
いたけど、もう午後2時を過ぎていたせいか、すれ違う人もいな
い。摩耶山への登山道をえっちらおっちら登って、ふぅ登り切っ
たと思った目に最初に入ったものは、車。やなものを見た。

その辺にはロープウェイの駅があって、ここから車道が通ってい
る。山頂の神社の裏に三角点を見つけ、公園の東屋で休憩。この
辺にはこぎれいなホテルもあり、時間的にも、ここで1泊して明
日残りを歩けば楽だなぁ〜なんて思ったけど、宝塚に宿を予約し
てあるから何がなんでも宝塚には行かなくてはならない。

この辺りから、この先、どうしようかと現実的に考え始めた。夜
間歩行は覚悟してきたけど、宿に迷惑かかるし、困ったな、と。
食事は頼んでないけど、民宿だから夜の9時や10時なるとは連
絡を入れづらかった。

どうしようかなぁ〜と思ってる間にも時間は過ぎる。杣谷峠の辺
りの車道で、なぜかうろうろとして(時間に余裕がなくなってく
ると、ちょっとしたことが不安になって道を戻ったりする)、
ウスロード
という、名前とは正反対の薄暗い山道を歩いて、再び
車道にでる。

丁字ケ辻というところにバス停があって、時刻表を見ると、阪急
六甲駅ゆきの最終バスが18:03だった。時刻は16:45。
リタイアを決断するならここがラストチャンスと思った。

宿のことがあるから、やっぱ夜間歩行はやめることにした。しか
し六甲最高峰までは行きたいと思って(次の日、反対側から登っ
て、六甲最高峰を通って有馬温泉に下るから、いちおう縦走コー
スがつながると思った)、タクシー会社に問い合わせとかしてみ
たけど、べらぼうに料金がかかるとのこと。バスの時間までに往
復してくるのは勿論無理。おとなしくバスを待つことにした。

バスを待っていると、ひっきりなしに車が通る。ライダーも多い
みたい。あーあって気分。寒いから、その先まで歩いてみた。自
販機のあるところで温かいコーンポタージュを飲んで戻る。

やがてバスがきて、夕暮れの道を六甲駅まで、ぼんやりと乗って
いった。強制送還される気分。六甲から宝塚まで電車で移動し、
駅で夕ご飯を食べて、もう市街地を地図を見ながら歩くのはいや
だったから、タクシーで宿へ入った。



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