屋 久 島 ・ 5 





新高塚小屋の収容可能人数は60人となってたので、満員より
人がいない方を心配してたけど、小屋に入ったら既に満員だっ
た。残っているのは通路だけ。でもよく見ると既に陣取ってる
人たちも余裕はあるんだけどね。誰も積極的に詰めてくれない
の。3人では多いと思われるスペース取って炊事したりしてる
し。無人小屋ってこんなもんなのかな。

後から来てる人もいたから、なんとか詰めてもらって場所を確
保した。後で聞いたら、20数名の団体が入っていたらしい。
最終的には通路もいっぱいになった。

水場に不安があったから水を炊事用に背負ってきたけど、細々
と水が流れる水場があった。しかし敢えて背負ってきた水道水
を使って炊事した。寒さも心配の種だったけど、人いきれでそ
れどころではなかった。こういう状態で寝られるとは思ってな
かったけど、やっぱりほどんど寝られなかった。2、3回うと
うとしたかなって感じ。

そして午前3時。20数名の団体が一斉に動き出した。それは
もう騒々しくて、嵐のようだった。団体が去った後は静けさが
際立った。4時くらいに、お腹が空いて仕方ないので起きた。
外はガスで真っ白。これは明るくならないと出られないなぁっ
て思い、食事を済ませた後、6時半くらまで小屋で明るくなる
のを待った。4時前に出発してったのは、上りの人たちだった。

早朝の森は、木々の間をガスが流れて神秘的な雰囲気だった。
高塚小屋まで下って、そこから5分ほどで縄文杉に出会った。






縄文杉には近寄れないようになっていた。展望台が作られていて、
そこから眺めるだけのように隔離されてた。縄文杉を見て、おぉ〜
とか思ったけど、実際に見ている時にはそれほどの感動はなかった。
後から出来上がった写真を見て、やっぱいいなぁ〜って思ったけど。
キリがないので、ほどほどに切り上げて下った。


もっとゆっくり鑑賞する!


ここからは登山道にほとんど木道が整備されてた。50分くらいで
ウィルソン株があった。これは登山道の脇にあり、中にも入れる。
縄文杉が白く森から浮かび上がっているようなのと比較すると、こ
ちらは一面緑のコケに覆われて森に還っていくように思えた。





ちなみにこの人は身長約160cmです。



ウィルソン株の辺りから縄文杉アタックの人たちが登ってくるの
に出会い始めて、下るにつれて登ってくる人はどんどん増えた。
1時間半くらい歩いてトロッコ軌道に出た。






そこにもたくさんの人が溜まっていた。道がやっと平坦になっ
てホッとしたのも束の間、木々の間から見える山に気を取られ
てつまずき転倒。ザックの重みで顔を地面に押し付けられる屈
辱。幸い周囲に人はいなかったけど。

その後もなんども軌道の枕木に足を取られてコケそうになりな
がら歩いた。トロ道も最初はもの珍しく歩いたけど、段々飽き
てきたころに、轟音が聞こえてトロッコが前からやってきた。






おー、ホントにまだ現役なんだ!ってちょっと感激した。さら
にトロ道を歩いて、楠川歩道の入口を入って再び山道に。辻峠
までひと上りして白谷雲水峡に下った。

トロ道に出てからペースを上げ過ぎたせいか、すごく疲れて、
楠川歩道を県道まで歩く計画は止めにして、1時間半以上待っ
てバスに乗った。寒かったー。

宮之浦の宿の民宿は、宮之浦川に面して建っており、素泊まり
とはいえ、すぐ隣りに美味しい食事処もあってよかった。前日
の睡眠不足もあり、爆睡した。

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