◆ 北海道・山旅3 ◆

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最初、摩周湖の第一展望台から摩周岳を往復、気が向いたら西
別岳
もピストン、などと考えたいたけれど、西別岳の登山口が
宿から近かったので、そこから西別岳を経由して摩周岳まで向
かうことにした。気になったのが、登山口から西別岳の途中に
ある「がまん坂」というものだった。






宿のビデオで見た時、それは名前の割になだらかで、却って歩
いてみたいなぁと思ったりもしたものだったが、実際に行って
みると……。まさに「がまん」の一言に尽きた。汗がぽたぽた
と地面に落ちた。黙々と、地面だけを見て歩く。上を見上げる
と気が遠くなりそうになる。でも振り向くと、確かに高度を稼
いだと実感させられる展望が広がる。






そしてまた前を向き、地面を見て登る。歯を食いしばって。
これは「くいしばり坂」だと内心、思っていた。

がまん坂を上り詰めても、まだ上りは続いていた。本屋で頼
んでおいた地形図が間に合わなかったため、地図がない。道
が2つに分かれていて、1つの道は上に上り、もう1つはそ
のピークを巻くように先へ続いていた。コレが西別岳かなぁ
と思って登ってみると、リスケ山とあった。ハズレ。






でもそこからの眺めもよかった。西別岳と思われる山へ、なだらかに
登山道が延びていて、それより先の右手に摩周湖と摩周岳も見えた。
まだまだ先は長い。

一旦下って、リスケ山を巻く登山道と合流して、西別岳へ。西別岳か
ら小さなピーク(ヌーウシベツ岳とあった)を越えて、下り。林の中
を延々と歩くことおよそ40分で、摩周湖の第1展望台からの道と合
流。摩周岳へは1.6km、第一展望台までは5.6km。ちなみに西別岳
へは3.0kmとあった。

摩周岳は、山頂直下の上りがとてもキツいと聞いていたけど、……キ
ツかった。視界のない樹林帯の急傾斜を一気に登り切ると、突然視界
が開けて摩周湖のが目に飛び込んでくる。






山頂は過去の地震で半分くらい崩壊してしまったらしいけど、
十分な広さはあった。そして何より展望がまさに疲れを吹き飛
ばすような絶景!カムイシュは見えないけれど、摩周湖のカム
イヌプリまでやってきたーって実感。

しばらく山頂で時を過ごし、立ち去り難い思いはあったけれど
賑やかな親子連れが登ってきたのを機に下山にとりかかった。

再び、西別岳と第一展望台への分岐に立って、第一展望台まで
の道にもすごく興味があったけど、往復11キロ以上では時間
的にちょっとムリ。今度絶対に歩くぞ!と心に誓って西別岳方
面に足を向けた。そして再び西別岳山頂。






摩周岳の山頂でも会った人が休憩していた。話してみると、本
州から移住してきた人で、寝過ごすとここを登りに来るだなん
て贅沢なことを言っていた。第一展望台からの道のことを聞い
てみると、ずっと湖に沿って歩くわけではなく、アップダウン
も結構あるという話だった。少し心を慰めた。

そしてリスケ山にも登って、がまん坂を下って、2時15分、
下山。まだ早かったので、裏摩周展望台やら、神の子池やらを
回って、温泉に寄って宿に戻った。


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