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3.第一部   動力火車  (つづき)
◎そして3曲目「除了愛イ尓還能愛誰」。この後のMCでは...「台湾的朋友們大家好!」と叫ぶ秋興。会場ではなんとなく笑いが起こります。「香港とかシンガポールとかマレーシアに行って、マレーシアのみんなこんにちはーとか言ってるからつい癖になって...他の国の人いる?」(というような感じのことを言っていた)と、ここで隣の席にいた高校生のスーティンとエンシンが私に気を遣ってくれて「日本!日本!」と叫んでくれたのですが届かず(笑) もう一度「台湾的朋友們大家好!」と言うと、会場からは大きな歓声があがりました。ちなみに会場の様子ですが、香港のコンサートでおなじみのホイッスルの甲高い音がものすごかったです。あとは、「動力火車我愛イ尓!」の声。これはこの後も先頭の名称を「熊天平」に変えるなど歌手の名前をとりかえて何度も同じパターンで聞こえてました。秋興がしゃべっていようと何していようとおかまいなしに大声で叫んでました(-_-;)。
4曲目は「第一滴涙」。曲の後に、長めのMC。黒人の子供がいじめられていたお話でした。それとチャリティー募金への協力の呼びかけ。
5曲目が「背叛情歌」。バラードが続きます。今回のコンサートは(特に8日は)すごく出来がよかったというか、どの曲もクォリティが高く、非常に満足できる演奏でした。動力火車のバンドは「SPEED」といって、上華からデビュー後に結成されました。迪克牛仔のバンドと違ってメンバーは若くてカッコイイ見栄えのお兄さんたちで固められているのですが、ギター担当の人がすごく上手なのでCDにもあった江建民かと思ったらそうではなく、陳建武という人でした。長髪であごがシャープなかんじ。スポットライトが当ることは殆どないのだけれど、一度だけ会場から彼に向かって声援があがったら、ものすごく恥ずかしそうにしていたのが、印象的でした。素朴でいいやつなのかも...。 (彼は元 美杜莎(メドューサ?)のメンバーで、本業は哈林のレコーディングスタジオの録音技師なのだそうです。 )
尤秋興 ライブCDでは秋興が時々音を外すことがあるので、スタミナが足りずに疲労によって音を支えきれなくなるのかなと心配していたのですが、そういうわけでもないようです。ほんの数曲歌ったところでもころっと音をはずしていました。全体的に安定してパワーに溢れた歌唱を続けているのに、ときどき躓くみたいに...。ひょっとしたらただ単にそういうことに頓着しないのかもしれません。   安定した音程はプロの歌手として基本じゃないかって? う、うーん、うーん、うーん...いや、彼の場合はそれでよいのです。贔屓のひきたおしってわけじゃない(と、思いたい)。歌が下手なら最初から最後まであんなにパワフルに歌えるわけないです。   今回、細切れでなく、通して彼らのパフォーマンスを見ていて、他の出演者二組とは全く違うタイプの芸人であることがよくわかりました。迪克牛仔と齊秦は「俺はスターだ!」とばかりに観客の拍手と声援に恍惚とする自己陶酔型の歌手であるのに対して、動力火車の2人は、徹底して観客を楽しませ、自分達も歌うことを楽しもうとするのです。彼らのファンはそういったところに親しみを感じ、2人を友人のように思っているようです。
◎そして待ちかねた「Sorry Sunday」が6曲目でした。もうこれは皆立ち上がって騒ぐ騒ぐ!このとき顔志琳はギターを置いてステージを走り回りながら歌います。 この曲は志琳がメインヴォーカルなのですが、二日目は秋興のパートから志琳へ交代する部分を志琳がそのまま歌えと合図して後半は秋興バージョンの「Sorry Sunday」となりました。特にこの曲をライブで体験できたことが最高に楽しかった!感涙モノです。
(2)ちょっとお休み    三隻小老虎の登場
思い切り盛り上がったところで一旦幕が降り、そこへ動力火車と同様、原住民出身の新人女性歌手3人が登場します。一人目が黄慧文(泰雅族)「可愛的情人」民族音楽的曲調の歌をのびのびした声で歌います。ストレートロングヘアで色白の子。2人目がかなりポリネシア系の濃いビジュアルの紀家盈(卑南族)。最初登場したときはゴスペルでも歌いそうな雰囲気でした。三人の中では一番上手です。曲は「除草時工作歌」。 最後が張凱茵(阿美族)が「七百個月亮」を歌いました。これらの曲は、上華唱片から出ている「七百個月亮」というアルバムに収録されています。