電撃文庫


ブギーポップ

電撃ゲーム文庫から出ている、シリーズものといってよいかも。いわば、上遠野浩平作品の中核ともいうべきもので、一応、現代的な高校を舞台にした、半ばファンタジーな作品であるといえる。

最近このシリーズが、なんだか、ますますファンタジーな方向に走り始めていて、現実感がどんどん薄れているように思ってしまう。また、アクション的要素がどんどん増えているようにも思う。ただ、まあ、このシリーズは絶対にお勧めだと思う。

「ブギーポップは笑わない」
まーずは、これ。上遠野のデビュー作という感じで、電撃ゲームの大賞受賞作品ってことからもその凄さはわかるし、出て、即座に人気作品となって、劇場実写映画、テレビのアニメ製作という具合にどんどん進んでいったことからもその凄さがわかる。

読んだ瞬間に、もうくらくらするほどの凄さを感じてしまったから、よほどの作品っていうか。それと、この作品書いている著者が、自分よりもだいぶ歳下と知って、よくまあ若いのに、ここまでヒネた作品書くもんだわーとびっくりしたのも事実。

導入部分からして凄くて、いきなり、美を意識させる完璧なまでの絵画的構図をもつシーンの描写から入る。殺された美しい少女の死体が、完全なまでの対称性をたもったまま、生きた人間の姿としてはこれほどまでに不自然なものはない、としつつも、その精神の宿っていた頭だけは、正しい向きで、そして、その死体を見るものを、うつろな目でみつめ返すというすごいもの。このシーンがどういう意味をもつものなのか、即座に現れる怪物はいったい何者なのか、っていうあたりは、ストーリーとともに語られるのか、、。

ストーリーは、最後の最後まで全体が語られることはない。ただし、それぞれの話、最終的な全体像を秘めたまま、始めから終りまで語られ、中には後日談すら含まれる。全体像がわからないのに、後日談まで語られてしまうのだから、読んでいる側としては、なんだかよくわからない不安の中に取り残されることになる。

そして、各話は、「事件」に関わったか、あるいは巻き込まれた人々の一人称で語られる。そして、各話の間には、ところどころで、間奏曲としての、短い話が挿入されている。

第一話の竹田の話からは、物語の表の部分、表の世界が語られる。いわば、一般向けに公開されている事件の全貌とでもいうべきもの。物語のヒーローあるいはヒロインの一般向けの姿が出てくる。次の第二話は末真によって語られ、これまた公開部分といってよいかもしれない。ここでは、もう一人のヒーロー的なヒロイン、霧間凪について語られる。第三話は、三人称で語られるが、実際には、事件の犯人側にいる少年の立場での話。犯人サイドから見た事件の姿である。第四話は、事件の被害者の一人について、その友人が後日談を含めて回想するもの。そして、第五話は、事件の最後の全貌を見せるもので、これは、風紀委員の新刻によって語られる。しかしながら、この新刻もまた、この最後に至るまでの物語の全貌を知っているわけではない。それはこの作品の読者のみが、作品を通じて知ることができるという仕組みなのである。

マルチサイトもののPCノベルゲームと非常に似た構成で、それを小説でやっておきながら、きわめてうまくこなしている。いわゆるミステリー的な物語には、時系列にそった物語の流れと、不可解な謎を解く上での物語の流れがあり、それは別系統であって良い。よって、その別系統というのを、なんらファンタジックな仕掛けをせずに、見事なまでに実現してしまったのが、マルチサイトの導入によるものということになろうか。

まさに、「電撃ゲーム文庫」に入るにふさわしいゲーム的な物語であるといえる。これほどの作品が最初の作品として出てしまったからには、次の作品を出すのが難しいのではないか、と思われたが、やっぱりそうだったという感じがする。

この作品の良さは、ファンタジー性がほとんどないことでもある。もちろん、人喰いのマンティコアは完全に幻想的な存在であり非現実的であるし、その行動も非現実的でありながら、その点だけに非現実性を押し込めて、他の部分ではごく普通の、物理的な物語が進行しているのも良い。後のシリーズ作品には必ず現れる統和機構も、現れることなく、敵の姿が完全に判明していないところが、いっそうの不気味さを演出しているともいえる。

ブギーポップ・リターンズ「VS イマジネーター Part 1」
最初の「笑わない」があまりにすごかったので、その意味では、小細工が多いものの、なんかやっぱりイマイチな感じがするのがこの作品。そして、演出や小細工のために、登場人物も増えたし、また、Part 2 に続く形で、物語も長くなってしまったので、複雑すぎて、物語を一言でいうこともできない。

ブギーポップシリーズの一つの失敗は、この作品の中で、統和機構なる秘密結社あるいは、闇の組織を出してしまったことではないか。もちろん、これがこのシリーズの受容なベースとなったことも事実だし、また、上手かったのは、この統和機構そのものを悪とすることなく、また、これをブギーポップが本来敵とする「世界の敵」そのものとすることがなかったことかもしれない。

「敵」は、大きな組織に裏付けられたものではなく、そこからのハグレもの、あるいは、小さな集団である。その方針がここで固められたのではないか。

あと、人造人間の大量の出現、超能力などなどの出現で、ブギーポップシリーズがある意味で、ファンタジーホラーとか、ファンタジックミステリーホラーとかそういうものに分類されることにもなった。現実には起こり得ない物語ということにはなってしまったわけだ。

どうせだから、続編も続けて書いてしまおう。

ブギーポップ・リターンズ「VS イマジネーター Part 2」
さて、この作品には、「エヴァンゲリオン以降」作品の特徴ともいうべき、アヤナミ系少女が登場し、その名も綺(あや)という。そもそも人造人間でありながら、一応ハグレものとして登場し、そして、恋人を必死で守ろうとする。

この物語の最後は、再び、美を意識したものになっていると思う。ブギーポップの活躍の場は、異形のものたちの乱舞する舞台であり、そこで、その乱舞の中に決戦が行なわれる。そして、世界の敵は、倒される。このあたりの決闘の場での映像的な美しさの探求は、その後もずっと登場し続ける。そして、だからこそこの作品が映像作品となったら、素晴らしいと思うのだが、「笑わない」を映像化した劇場版実写作品も、そして、アニメ版も、原作の文字による表現以上の映像的美しさを十分には表現しきれていない。なぜなんだろう。

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」
サイドストーリーともいうべき作品。登場人物も一部を除いて、他の作品とは異なる。ぼんやりとした予知能力をもつ少年少女があつまっては、予知をして、なにが起こるかを、知り、それに対抗する、というもの。本人たちは、半分遊びであり、べつに世のため人のため、というわけでもない。

しかし、それが、生体兵器として生まれた少女に絡む陰謀に巻き込まれて、地獄絵図をつくり出す、というあたりだろうか。発想としては、この作品は、第二作のイマジネーターに比べると遥かによい。よい理由は、ストーリーの奇抜さ、そして見事さと、簡潔さ、わかりやすさであり、十分なエッセンスが、その簡潔なストーリーの中に活かされている。

ここに来てやはり最後のアクションシーンはとてつもないものになっていて、人間がモノとしてどんどん死んでいく様が描かれているが、その中にも、最後の最後に一種の美を感じさせる要素がある。

ブギーポップ・オーバードライブ「歪曲王」
これは、傑作だろう。閉鎖空間に閉じ込められた人々の集団妄想という作品であり、また、その妄想が時に実体化すらしてしまうという話であり、その妄想は、だれもがもつ、自分自身の過去の過ち、あるいは、自分の後ろめたさというもの。

語られる人の数が多いので、多少うっとうしい部分もあるのだが、それにしても、よくもまあ、あれだけいろいろなストーリーをつめこんで、全体としてのバランスを保っているものだと思う。

表向きの事件と、そして裏で進行している事実と、その事件を最初に引き興そうとした人の思惑などが、微妙にずれていて、そして、それらを互いに補完することによって、全体像としては、全く奇想天外なストーリーが生まれるという形式になっている。つまり、最初に事件を起こそうとした、寺月と、それを利用して登場した歪曲王、そして、そのときにたまたまその事件に遭遇した、「被害者」たちの妄想とが、絶妙なバランスで、想像もできない面白い方向に走っていくのが良いと思う。ブギーポップシリーズは、この作品が登場したことで、たんに、最初の作品の続編を出し続けるためのシリーズものから、本当に面白い、意味のあるシリーズへと変貌したように思う。

夜明けのブギーポップ
いわば、物語の起点にあたるものを、紹介する、舞台装置の役割をするのが、この作品。ブギーポップが登場したのはなぜなのか、そして、ブギーポップと、ときには協同で敵にあたる霧間凪の活躍もまた描かれている。

ただ、この作品そのものは、第一作や、直前に出ている歪曲王ほどのインパクトはない。ただ、たんに舞台装置を提供しているだけの作品には留まらない面白さがあると思う。

まあ、この作品から、霧間凪もまた、常人ではない、超少女であることが判明してしまう。超能力こそ使わないように見えるが、ナミの人間ではないのだ。

ブギーポップ・ミッシング「ペパーミントの魔術師」
えっと、これは、実際には一番の傑作ではないかとすら思う作品。しかも、最後の最後で、ブギーポップ自らが、一旦は、この魔術師を「世界の敵」としておきながら、見逃さざるをえないという形で、敗退しているともいえなくはない。

そもそも、自然の材料だけで、アイスクリームが、人の心を変えさせるほどの力をもつものになる、それも、人の心の痛みがわかるからだ、その痛みに対応する味をつくれば、というすごい発想の話から始まるところがすごい。

なんといっても、アイスクリームなのだから。

近代になって、マスコミの成立とか、テレビ放送とかで、大衆を操作、誘導していくという話はいろいろあって、第二次大戦のときの、マスコミの報道のあり方とか、ナチスの台頭がどうのこうのとか、日本軍の戦争報道のどうのこうのとかそういうのはあるし、また、それに類する話として、放送によって大衆を洗脳する話なんていうのがSFなんかには盛んに登場するものでもある。

もちろん、たべものの中に薬を入れてどうのこうのという話もあるのだが、そうじゃなくて、この話はアイスクリームだ。しかも、アイスクリームには、薬が入っているわけではない。本当に、天然の材料から作られたアイスクリームが恐ろしいほどに人の心を変えるという話なんだから、すごい。

で、この話、要所要所で、マルチサイト化しているのだが、同じ事実をここまで違う見方してよいのか、というほどに立場による、あるいは認識によるストーリーの違いを際だたせているのもうまい。

この物語は、もちろん、ブギーポップシリーズの中の一つであるし、また、ブギーポップシリーズ全体の舞台装置がなければ、実現しない話ではあるということが、逆にこの話の独立性を弱めている。単独の話として自立できないのが一つの「惜しい点」ではなかろうか。独立した自立した単行本としてなりたつならば、これだけで大作といって良いのではないかと思う。

ブギーポップ・カウントダウン「エンブリオ侵蝕」
このあたりから、上遠野作品全体が、無意識の意志とか、自覚しない希望のようなものをテーマにし始める。勇者とか、ヒーローというものが、実際には自分で望んでそうなるものではなく、そうでないからこそ、本当の意味で世界を動かしているのだ、というような思想というか、そういうのが本格的に現れ始めるのがこの作品あたりからではないか。

もちろん、ブギーポップ自身が、「ぼくは自動的だ」といっているように、ふと涌いたような、意志ではあるのだが、、。

このカウントダウンの前半ともいえる部分はそれほど思想性がはっきりとは現れないが、、、

このまま続ける。

ブギーポップ・ウィキッド「エンブリオ炎生」
後半になると、明確な形で、出てくる。そして最後の最後に、少年が、人に徹底的な影響をあたえつつも、本人には全く自覚がない、という「タイトロープ(つなわたり)」の能力があると知らされる。

ブギーポップもまたそのようなものであり、藤花の無意識の中の願望がから生まれたものであるが、さらにいっそう、無意識の意志、無意識から生まれた人への影響力のようなものと、世界を動かす力、といったものが、色濃くでてくる。

いわば、原因と結果であり、ある一連の事件なり、事象なりの連鎖があったときに、その一連の事象の連なりにおいて、つねに、なんらかの決定的な力を行使した、影響力があった人がいたとしたら、彼/彼女は、その一連の事象の中におけるヒーロー/ヒロインなのかもしれないが、本人が決してそれを望んでいたわけでもないし、また、それが、本人の行動パターンや趣向から生まれたのか、それとも、結果として彼/彼女がその立場におかれるようになっただけなのか、そのあたりは良くわからない。

上遠野作品は、結局として、その、因果と、偶然と、そこにからむ人の意志と無意識のはざまのようなところでの、圧倒的に面白いストーリーを描きだそうとしているんではないかと思ってしまう。そうなのかな。

最後の炎上シーンはこれまた美しいです。はい。

ブギーポップ・パラドックス「ハートレスレッド」
しばらく間をおいて久しぶりに出たようなのが、この作品。趣向もだいぶ違ってきたように思う。イマジネーター登場以降から話題になってきた、水乃星透子がらみの話ってことになろうか。「エンブリオ」にも、その一端が出てきたわけだが、いわば、人の命を司る存在としての彼女とその残滓。

まだまだその本当の姿には届いていないけれど、今回もまた、敵は、その水乃星らからはぐれたはぐれモノである。

多少話がうますぎるようにも思うし、また、朱巳や凪があまりにもあまりにも超能力少女化してきているように思うのだが、しかも、中学生にして、これだから。

この作品の評価は、まだ続編が出てこないと決まらないように思うけど、さしあたり、ちりばめられた奇想天外な発想のすごさと、物語の面白さと全体の構成のよさなどなどからして、結構いけていると思う。

ブギーポップ・アンバランス「ホーリィ&ゴースト」
うーん、また本編はずれて、裏街道かな。パンドラと同じような感じで、ひょんなことから事件に巻き込まれる、そして事件そのものを起こしていく少年少女の活躍と、その後始末。

今回は、独特の厭世感っていうか、そういうのがただよっていて、やっぱり、こういうのに巻き込まれるのはタダモノじゃないっていうことも明らかで、殴られているばっかりの女の子も登場するし。

いや、まだ、読んだばっかりで感想まとまれないんですけどね、なんといったらいいのでしょう。今回のウリは、私にとっては、比較的物理的にみて、マトモなアクションとマトモな展開だったこと。ロック・ボトムについては、かなり超科学的ですが、それ以外のところについては、ホーリィとゴーストの活躍そのものもごくごく普通のアクションの範囲で、けっして超能力的でないし、たしかに、スリムみたいな存在もこれからならあり得るし。

でも、これって、いわゆるメディチ家最後のジャンガストーネとか、ハワード・ヒューズとかの話ですな。病床にあって、人を電話で指図するだけで、世界を動かすっていうか。たしかに、ネットワークがはりめぐらされれば、ジャンガストーネもさぞかし楽だっただろうし、ヒューズももっと楽しめたのかもしれません。

うーん、まだ感想がまとまらない。

ビードのディシプリン SIDE1
これは、ブギーポップシリーズなのかどうなのかは、なんともいえないところで、基本的には、リターンズの仁や、ペパーミントの魔術師のあたりの話もふまえているので、まあ、同じ世界観の中でのストーリーということは事実。でも、今度は、ビートという人造人間を主人公にして、彼が、人間として?成長していくところを描いた作品ってことになるんだけど、うーん、やっぱり、ブギーポップが登場しないと、話は地味ですね。どっかでからんできて、っていうことなのかもしれませんが、そもそも、ブギーポップシリーズそのものは、特別に一本の決まったストーリーがあるわけじゃなくて、むしろ、全部が外伝的な要素をもっているので、その意味では、これもまた、一つの外伝なんでしょうか。うーん、すこし世界観が破綻しつつあるようにも思えるし、超能力が超能力すぎちゃって、っていう感じもしますけど。やっぱり、ブギーポップの登場をねがいたいところです。なんか、形式にはまっていない水戸黄門みたいな感じ。

ブギーポップ・スタッカート「ジンクス・ショップへようこそ」
だいぶ前に読んでいたのですが、ここに書くの忘れていました。すいません。えっと、ようするに、ジンクスを売る店の話。人の将来を見て、それをよいほうにするには、どういうジンクスがあるのかを売る店、という、これまた当然ですが、統和機構絡みのお店でして、で、まあ、ちょっと今までのようなパワーがなくて、話もふつーな感じ。ですが、最後は多少のどんでんがえしなのかも、というところで次回へ続く、かな。

ビードのディシプリン SIDE2
買ったけど、まだ読んでいません。なんかストーリーが見えなくなったので、全部もう一度読み直さないといけないかも。

Missing

甲田学人のシリーズです。電撃文庫ですね。なんとなく綾しげな、表紙に魅せられて、ついつい手を出してしまいました。うーん、妖魔夜行とか百鬼夜翔とかを読んでいて、で、この作品の雰囲気が、またなんかよくわかったっていうか。

いきなり、人生すてているっていう感じの作品ですね。主人公からして、完全に人生やめちゃっているような感じで、にもかかわらず、それなりに現世のことをなんとかしようとするような不思議なストーリー。内容的には、人々の想いの中から生まれるものが、実際に存在しちゃって、そして、実際に、いろいろおこっちゃって、というものなんすけど、文体などもなんともいえず、ものすごい怖い感じがつたわってくるというか。

Missing 神隠しの物語
最初は、とにかく、存在するかしないか、それがよくわからないけど、存在するような、人々の目にあきらかになれば、存在してしまうような、そんなはかなげな存在とはどういうものなのか、というあたりを問うような作品。神隠しはたしかに、昔はいろいろあたんでしょう。人さらい、迷子で、そのまま死んでしまったり。いまだって、子供が元気だと思ったら、次の瞬間、近所の池におっこって、なんていう話はある。で、そういう神隠しの話が、実際には、神隠しという現象が存在したとしたら、それはいったいどういうものなのか、というようなものを、雰囲気よく伝えてくれる、それがこのシリーズではないか、と思います。読んでいて、もうそりゃー、怖い。怖いけど、わかる。いや、なかなかすごい作品でした。

Missing 呪いの物語
これねー。怖いですね。魔法とか、そういうのがあるようなないような。すべては、妄想の上でのできごと、なのか、それとも本当に魔法とか、呪いとか、そういうのがあるのか、そのあたりが、明確でないようで、実際のところ、この本の前提としては、そういうのがあることになっている、けれども、すべてを、魔法なんかじゃない、ふつうの現象なんだと、無理矢理理解しようとすれば、できなくはない、っていう程度に、現実的なものになっている。そういう微妙な線をついているのが、この作品ではないでしょうか。

ようするに、魔物はいる。魔法はある。そういうオカルト的なものは、すべて存在するんだ、ってことにして、そういうのがベースにあって、そこから話が組み立てられると、妖魔夜行シリーズみたいな感じになる。でも、そうじゃなくて、そんなものは、ないんだ、世の中は科学的なんだ、と思いたい向きの人にとっては、それもまたこじつけられる程度に、現実的。その境目のあたりが、非常に怖いところで、最初からなんでもありなんだ、と思うと、怖さも半減します。そうなると、ストーリーのおもしろさが重要になりますが、最初から、最後まで、現実的か非現実的か夢想的か、よくわからない状態で、最後までいく、とやっぱり怖いです。この話、それが怖かった。魔法が本当にあるかもしれない、と思わせるだけの現実味もあります。それは、たんに想定された、つまり、魔法があったとしたら、どうなるんだろう、と思うだけでなされたものなのかもしれない、という部分を残しているからこそ、怖いのか。「あるはずがない」と思いたい気持ちがあるから、「信じちゃいけない」と思う気持ちがあるからこそ、怖いんでしょうね。うーん、怖い。

Missing 首くくりの物語
上下二冊ですが、とりあえず、まとめて。さて、特定の本を読むと、その本を読んだ人間がなぜか死んでしまう、っていうのは、モチーフとしてはいろいろあるんでしょうね。妖魔夜行の「しかばね奇譚」もそうです。で、話の内容としては、「しかばね奇譚」とはかなり近いんですよね。でも、それが、くびくくりの物語と一緒になって、さらに、それが、世代を越えた、呪い、っていうか、一つの想いに基づく暗示のようなものとからんで、ものすごい怖い話になっているように思います。

それにしても、四冊全部読んでみて(まだ先も続くんでしょうけれど)、民話、伝承のようなものと、さらには呪いとか、そういうオカルト的なものを、現代のストーリーとしてどう組み立てるか、と考えたときに、こういうやりかたがあったのか、というようなものを見せてくれた感じがしました。

Missing 目隠しの物語
まあ、多少、なんつうか、ちょいとマンネリ的な要素がないわけでもない。でも、やっぱりまた、怖いっていう感じがひしひしとしてきました。コックリさんと似た遊び、「そうじさま」という遊びをしていた5人のうち、リーダー的な存在だった少女が自殺、そして、残りの4人に始まる奇怪な事件、夢、赤いクレヨン。

つねにこの作品、どこかビジュアル的にこったところがあって、今回もなかなかビジュアルがすごいですね。挿し絵らしい挿し絵がないのに、非常に鮮明なイメージをみせる文章はなかなか。ただ、ちょっとマンネリ的なので、また新しい形での展開が欲しいところ、かな。なかなか怖い話ではありました、、とさ。

えっと、一応目隠しの物語完結編も読みましたが、なんだかよくわからなくなってしまいました。またいずれちゃんと読み直そうと思いますが、うーん、これもハリポタ的なのかな。

Missing 合わせ鏡の物語
えっと、話が見えない。とにかく、怖いすっごく怖い。血みどろ。

Missing 生贄の物語
あ、これ、すごくわかりやすいストーリーでした。だんだんと物語の舞台設定みたいなものが見えてきました。アヤメの話とかも、だんだんと。うーん、すこし怖さが減ったかも。

Missing 座敷童の物語
なんか、ストーリーが見えなくなったので、最初からもう一度読み直しまして、で、全体を把握しなおしました。おもしろい!で、この「座敷童の物語」はまだ前編の段階で、これから後編がでると思うんですが、うーん、これまた怖いですね。

一応、Missing 全体というのを眺めてみて、異界と現実世界とのつながりに、民話や物語をもってきて、しかも、そこに科学的な解釈を与えてるのが、大迫という作家であり、その作家が実は、舞台である学園の創立者の一人であり、かつ、それがその地域全体のマツリゴトをとりしきっていた三つの家族のうちの一つに属していた、というあたりで、そこに、ときには、柳田の民話についての話などもおりまぜつつ、実に見事に雰囲気を出しているし、非常に合理的な中に闇、異界というものをすりこませ、そして怖い話にもっていくっていうか。うーん。でもって、さらにいえるのは、それぞれの表題になっているものとは若干ずれた話が多いです。今回の「座敷童」も、本来のよくしっている座敷童とは違う視点で描いているし。読み直してみて、この作品全体、なんかかなりのヒットだし、それこそ、アニメ化なり、場合によっては、実写映画化でもしたら、まじで怖い話になりそうな気がします。

で、えっと、座敷童はまだ終わらないんでしょうか。10巻でましたけど。このシリーズ、敵が、ちっともまとまりがないのが、救いなんでしょうか、まだ不完全なので、これからどうなるか、つぎあたりが、山でしょうかね。 さて、11巻で、一応完結しました。またあとでかきます。


天国に涙はいらない

なんか感動の作品!こんなものがあったとは。ストーリー展開もすごいし、世界のありとあらゆる(って、キリスト教と神道が中心だが)宗教とその悪魔や魔物が登場するすごい話。しかも、いわゆるアニメ、ゲーム系の「つぼ」を押えた作品!もうこれは読むしかない!テレビアニメ化しないかな。 あ、作品は、佐藤ケイ作。
天国に涙はいらない 1
占師の家に生まれた主人公、賀茂是雄。構造不況のこの業界で、お小遣いももらえない高校生。小遣い稼ぎに、駅前などで1回500円の格安で占いをしていたところ、同級生の律子がやってきた。学校の自分たちのクラスの一階下の1年B組では、つぎつぎに生徒たちが入院したり、病気になったりと奇怪なことが起こっているという。

調べにいった賀茂は、そこで、とてつもない妖気を感じる。そして、その妖気にあてられた律子は、病気に。これには守護霊召喚してパワーアップしかない、と必死で呼び出した守護霊は、なんと、すさまじい高位の天使アブデル。神への忠誠心も人一倍なアブデルは、しかし、美少女趣味のとんでもないやろーで、、、。

さてこの第1話では、自分でも気がつかないうちに妖気をだして周りの人々を病気にしたり死にいたらしめたりしていた、不幸な悪魔の「たま」ちゃんがヒロイン。ロリプニ系の彼女は、国際認定でS級の悪魔。知らないうちにこれまで10万人以上の人々を死にいたらしめてきたが、本人は「自分の周りの人がどんどん病気になったりして不幸に」と思っている被害者でもあったのだ。アブデルの趣味にぴったんこの彼女と、賀茂、律子をまきこんでの、学園ラブコメ?。

いやあ、面白かった。四冊全部かっておいてよかった!しかし、キリスト教国で出版したら、まじで危ない本じゃあないかなーっておもっちゃうようなすごい内容。すごい!

天国に涙はいらない 2 <畜生道五十三次>
最終的に一巻で死んでしまった主人公の賀茂。北海道で子狐として転生した彼は、人間に戻る(化ける)ために、必死で東京までやってきた。そこで、彼を拾ったのは、本人ももと少女だが猫に天生し、いまでは、人間の姿となった化猫の真央。

しかし、その真央を封じようとする根呂と、その忠犬神パトラッシュがあらわれて、二人(二匹?)をおいつめる。

ってことで、二巻のヒロインは、猫耳の少女「真央」。そんな中でぼけまくりの自覚のない悪魔の「たま」ちゃんと、そして、ひっかきまわしまくる律子がなかなかとんでもないコンビネーション。もちろん、猫耳少女にあたっくのアブデルも健在!

天国に涙はいらない 3 <あだ討ちヶ原の鬼女>
なんとか人間に戻ることができた主人公が、アブデル、たまをともなって自宅にもどってみると、自分の部屋にミコの衣装が。そこで登場の、「みき」ちゃん。ミコさん装束の似合う「みき」ちゃんは、ブラコン少女。兄の仇討ちとばかりに、無銭旅行でここまでいたった彼女。

やがて、自分の仇討ちの相手が、「しらないうちに妖気をふりまいていたころのたまちゃん」だったとわかり鬼女となって、仇討ちを果たそうとするが、、、。

はい。もうこのシリーズの目論見は見えますね。つまり、1話は、悪魔娘、2話は、猫耳娘、そして3話は、ミコさん。すなわち、アニメ、ゲーム系の美少女の典型的パターンをつぎつぎとゲストヒロインとして登場させるというものです。2話登場の猫耳娘の真央は、この3巻ではお休み。まったく登場しません。(律子に監禁されているらしい)。いやあ、はまりすぎのすごい小説シリーズであることがわかります。最後に、みきが、鬼に変身していくところは、陰陽道な感じでもあるし、はまりすぎ!

もうすごい!

天国に涙はいらない 4 <男色一代男>
題名あやしいですが、なんだかんだといって、結局、賀茂の家には、アブデル、たま、そして、みきが、一緒に住むことになってしまったが、もともとたまちゃんの住んでいた教会をみつめる紳士がいた。

その紳士が、なぜかとつぜん賀茂たちの高校の校長先生になって登場。しかも、娘は、眼鏡っ子の真理子。よくある眼鏡っ子らしく、結構意志が強そうな彼女は、、しかし、、。

はい。悪魔娘、猫耳娘、ミコ、ときて、第四話は、眼鏡っ子ではありますが、ややヒロインとしてはインパクト薄く、それよっか、最終的にたまちゃんの実の父である悪魔べリアルの登場のほうがインパクトが強く、おそらく、眼鏡っ子真理子のストーリーは、また別の路線で語られることになるのかー?って感じ。

さてさて、次は一体なんでしょう。

天国に涙はいらない 5 <逝き女五枚羽子板>
えっと、結局、今回は、病弱美少女で、しかも、実体化した幽霊っていう設定。1で、たまちゃんの妖気にあてられて、死んでしまった朋ちゃんが、極楽浄土できずに、偽造パスポートで地上に降りて、実体化、そこに、なにやらみょうな思惑をからめて、地獄の獄卒が迫り、それを、賀茂やアブデルなどいつものめんめんがなんとか朋ちゃんの思い残したことを実現させるためにがんばるってことで、もちろん、がんばるのは、健気な悪魔のたまちゃん。自分のせいで死んでしまった朋ちゃんのために必死で、彼女の未練を実現しようと、、。ってことで、読み残しのコミック数十冊とか、やりのこしたゲームたくさんとか、はてまた、やりのこした歴史のプリントたくさんとか、、。

はてさて、親よりも先に死んだ子供たちは、三途の川の河原で石積みをさせられているんだけど、以前は、10歳くらいまでの子供たち、だったのが、日本の児童保護法がかわったので、18歳までに引き上げられたとか、妙な話が大量に出てくるあたりも相変わらずです。

ストーリーがやや一本調子なのが気になるところではありますが、でも、今回もおもしろい話で、いっきによんでしまいました。

さて、次の美少女はどんなタイプ?エルフ耳?かな。

天国に涙はいらない 6 <狐の夜滅入り>
今回は、化け狐の少女でした。それも、むりやり賀茂が狐になっていたころの幼なじみの狐、という設定で、まあ、2巻には、全然出てこない話ですので、とってつけたようなところが、唐突で、ちょっとなんだかなーと思いますが、で、結局、今回は、なんつうか、最終的には、あまりハッピーエンドではない、っていうあたりは、いままでもそういえばそうですね。ちょっと、ネタが切れてきたかなーという心配も感じさせるのですが、ストーリーそのものの走り具合は悪くはありません、が、が、そろそろ、アニメ化とかして、一応の完結をしてほしいと思うんですが、でも、アニメ化したら、キャラクター的にはおもしろいものになりそうで、結構わくわく。CDドラマが出たようですが。

天国に涙はいらない 7 <魔上爺合戦>
うーん、やっぱりタネがつきてきたか?今度は魔女もの。一応、新書や選書レベルの魔女狩の話は押さえた上で、書いているようです。私も一応、魔女狩り関連資料は、新書、選書などで数冊読んでおります。一番すごいのは、中公新書の「魔女幻想」でしょうか?この本は読んでなかなか感動!魔女ってそーゆーことかー?みたいな。で、そのあたりをふまえて、それを、大きく誤解したような感じで(もちろん、佐藤さんはけっして誤解していないと思うが)、そのまま、おもしろおかしく、っていうことでしょうか。うーん、最近、このあたりは、「悪魔のミカタ」がすごいから、ちょっと佐藤さんもイマイチな感じになってきたけど。

天国に涙はいらない 8 <姉振り会うも他生の縁>
うん。うん。これ、これじゃあなきゃあ。いやあ、他生不自然はあるんだけど、以前のパワーが戻ってきたような作品。10歳にして、お姉さま!おもしろいところに目をむけました。いままでは、作者なりのオリジナリティはだしていたものの、しかし、基本的には、いわゆるこういう系統の、つまりキャラ系作品(アニメでもゲームでも、小説でも)の基本のキャラ、幼なじみ系、悪魔っ娘、猫耳、眼鏡っ娘、巫女、病弱系から幽霊娘、狐、魔女っ娘ときたわけですが、今回は、ひねった10歳のお姉さま。その完全性。妹がいるから、弟がいるからではなく、本来の本質的「おねいさま」とは、というすごいテーマをがんがん書き上げた、ということで、久々に、アブデルの論理も白熱していて、すばらしい!なんか、5作めあたりからネタ切れ?って感じがしていたんですが、今回ばかりは、完全復活!って感じがしました。またこの路線でひっぱっていってほしいです。

天国に涙はいらない 9 <ふんどし汁繁盛記>
えっと、はい。今回は短編集。そもそもの「天国に涙はいらない」の内容的にいえば、この程度の短編集でもよいのでは、と思えるっていうのは、つまり、ひとつひとつのストーリーが、「小話」でも十分なものがおおく、いえ、けなしているわけではなく、いっぱつがははと笑っておしまい、な感じでよいのではと思えるわけで、その意味では、今回は、非常に内容が濃くて、おもしろいです。短編が4つ。一つめは、これなんだかなーと思える内容ではあるが、最後のほうは、いまいちな感じだけど、おもしろい。二つ目。まあ、途中で、だいたいの内容はつかめてしまったっていうか、もう、最初っから、「で、出汁をとるわけね、尺八さんが、、」と思うわけですが、まあ、そのとおりになるっていうか。三つ目は、結局、律子っていうのは、なんだかわからないけど、本人はなんとも思っていないけど、裏社会では、っていう話ですね。最後の話は、ミステリーでしょうか、一応。まあ、このような形で、今後、スレイヤーズすぺしゃるっぽく、がんがんつながるのもよいのでは。十分なキャラクターが登場しているので、これ以上増やす必要もなく。

天国に涙はいらない 10
またこんどかきます。

番外: Last Kiss
一応、シリーズではありませんが、同じ作者の作品だもんで。っていうか、結局のところ、全然別ものですね。あのelf のビジュアルノベル系作品「加奈 いもうと」っていうのがありますが、あれと似た感じの、いや、設定からすれば、ほとんど同じ作品でしょうか、ようするに、病弱の死ぬ一歩手前くらいの妹がいて、それを思いやる兄の気持ちで、実は実の兄妹ではなく、血のつながりがない、で、どんどん妹は衰弱していって、その中で兄を愛するようになり、そこに、兄のほうに幼なじみの友達以上恋人未満がいて、もちろん、その女の子も妹のことはよくしっていて、みたいなので絡む、三角関係なのか、まあ、で、結論としては、現実的なものでして、加奈のバッドエンドに相当する形で終わります。そういやあ、妹の名前が、由香で、幼なじみのほうが、香奈子であった。うーん、まあ、プロット共通でも、表現はどうかっていうあたりで作品はいろいろに変化していくものだから、この種の病弱妹系作品っていうのは、結構パターンとしては一つの定着したものなのかもしれません。

陰陽の京

だいぶ前に読んだんですが、その後、いろいろでてきていて、いまでは、3巻までそろったってところで、一応、読んでいるから、簡単に。

この作品を読む直前に夢枕氏のコミック版のほうの「陰陽師」をそれなりに読みまして、ついでに、映画もみちゃったりしていたんですが、この「陰陽の京」って作品、基本的には、夢枕氏のものの、一種のその「外伝」ってことでしょうか。実際に、安部清明も登場しますしね。ただ、こちらでは、子持ちの親父として登場。主人公は、賀茂保胤っていうか。

男言葉の女の子って言う感じの時継姫が、なかなかよい味を出しているのが1巻です。男勝りで、かつ、ふわぁっとあくびまでしちゃうような壊滅的な慎みのなさ、っていうのも平安時代にしては、とんでもなく、きっと、お歯黒もしていない、白い歯むき出しで体術系でがんがんな御姫様なんでしょうけれど、それなりになんか魅力があって。2巻からは、絵がかわって、ちょっとかわいくなりました。

なかなか描き方もよいし、おもしろいです。一番いいと思うのは、我々現代人にとっては、よくわからない平安時代の雰囲気を、どくとくに伝えている点でしょうか。若いのによくこんな小説かくよなー、って思うのがこの作品です。電撃文庫の中では、なかなか意味ありげな、おもしろい作品ということで、紹介します。

ついでですが、パラサイトムーンも読んでいます。うーん、やっぱり陰陽の京のほうがすごいです。

いまんところ、4巻まで出たところでしょうか。話がだんだんとまたこみいってきて、登場人物もまた多数。雰囲気変わらず、なかなかよいところをつついていますが、ところで、この時継ちゃん、結局のところ、いまどきの女子高生風の雰囲気をもった部分がかなりあって、それが、平安時代のかなり雰囲気ばりばりな中におかれていることの違和感っつうのがおもしろいのかもしれません。


パラサイト・ムーン

一応、買っています。読んでいます。なかなかすごい!って感じになるところと、なんだかなーってところが混ざっている作品です。ホラーサスペンスミステリーなんでしょうか。迷宮神群とかいう超常現象に立ち向かう人たちを描いたもので、うーん、でも、このシリーズを出すよりは、「陰陽の京」をもっときっちりやってほしいような気も、、。

最近、一応買っているのですが、よんでいません、とかいうのですが、一応、なにやら完結したらしいので、読んでみました。うーん、やっぱり、なんかイマイチね。甲院派の話になってから、なんか違うぞ、っていう感じになって、最後はよくあるみんなで戦って勝ちました!みたいな感じで終わってしまう。結局、なにはともあれ、異能者の変身もの、っていうことになりそうだし。うーん。かなり真剣に全部読んだのですが、おわってみて、ちょっとがっかりなモードでした。


インフィニティ・ゼロ

いまんところ、2巻まで出ていますが、買った理由は、なんといっても、絵。あれって、どうみても、ゲームのONE とか、Kanon とかの絵ですよね。ちがったら、著作権侵害じゃあないけど、あそこまでまねするもんじゃあありません。

最近、いろいろな、この手の小説の中で、一つのジャンルとして、「奇少女譚」っていうのがあると思うんですよね。ストーリーの始まりは、ちょっとだけ日常生活に疲れたような主人公がいて、それは男で、少年でもいいんですが、ふと公園とかで、なにげなく、ベンチに座っていたり、あるいは、家の中で、ぼーっとしていたり、なんでしょうが、そういうときに、突然、意味不明、あるいは、なにがなんだかわからないことをしゃべっていたり、あるいは、奇妙な動作をしていて、なんか変?どうかしちゃった?っていうような、そういう女の子が現れて、これまた、主人公に対して、意味不明なことを、比較的早口で、べらべらしゃべって、で、そのまま、去っていく。そんなことが、なんどかあって、主人公はその少女を追いかけるようになって、やがて、その少女は、とんでもない、なんつうか、力があるとか、組織に属しているとか、なんかそういう形で話は進む。

映画なんかでも、そういうのありますね。海外旅行にいって、ふっと疲れたときに、妙な感じではなしかけてくる、日本人の若い女性がいて、それが変で、それなりにその女性が、その外国の地で妙な生活をしていて、だから、意味不明なことしゃべって、そういうことしているうちに、だんだんと主人公が巻き込まれていく、みたいな。

このインフィニティ・ゼロっていう作品は、そういうのです。で、結局、闇の魔物と戦うとかそういうあたりになると、まあ、はっきりいってどうでもよいけれど、でも、ゼロが、恐ろしい魔物に対して、「サトーさん」とか呼びかけたりするあたり、そのあたりから、して、やっぱり、奇少女譚なんです。バランスとしては、なかなかよいなーと思う作品ですが、こういうのが、巻を追うごとに、だんだんと普通の作品になっていくとしたら、ちょっと残念かも。

あと、いぬかみ!も読みました。いいですよ。うん。めちゃくちゃな話ですが、この、女性の会話のめちゃくちゃさ、ボーイミーツガールが基本なんでしょうか。


悪魔のミカタ

これまた、いまんところ、2巻まで。最初の始まりの部分は、いかにも、奇少女譚であります。主人公の家に、悪魔であると名乗る12才くらいの妙な格好をした少女がとつぜ飛び込んできて、「あんたは悪魔と契約して、そして、望みを達成したのだから、魂を渡しなさい」という。で、それは俺じゃあないぜ、ってところから、ストーリーが始まり、そして、魔法というものを導入しつつも、その魔法に絶妙な制約条件をいれることで、独特のミステリーになっている、っていうあたりが、なんともいえませんね。

これまた、銀賞をとった、電撃ゲーム大賞ものなんですが、やっぱりおもしろいです。若い人の才能を感じさせるっていうか。

1巻で、ヒロイン!って感じで登場の日奈ちゃんが、いきなり死んで、バラバラ死体にされて、保存っていうあたりで、かなり猟奇的な感じもしますが、小鳥遊(たかなし)とか、舞原姉妹とか、へんな人間どんどん出して、とにかく、おかしな方向に話がすすみます。

2巻の、インヴィジブル・エア!っていうの、小説のカバーの裏の絵をみたら、なんか、電池の話かと思ったけど、結局、電池じゃあなくて、スプレーですね。噴霧すると、その噴霧されたものが触れて、かつ、噴霧した人間が思ったものが、消える、っていうあたり。そして、大理石の彫刻の消滅事件とからめて、非常に不思議なミステリーになっています。最後はとんでもないことになりますしね。太陽でレンズになって、どうのこうのとか、。

魔法と科学との絶妙なコンビネーションとミステリーっていうあたり、仮想現実の中に、なんともいえない感じのストーリーを紡ぎだしている点で、非常にすばらしい!

ますます話がどうなっているのか分からないのが、この3巻。うーん、コウにとっての一つの試練のときなのか、現れた謎のカウンセラーはいったい?あらすじなんてかけないほど絡みまくっているのですが、まあ、簡単にいえば、本の紹介のところにあるような内容の話ですね。舞原妹による舞原姉とのデートをコウに強制するところ、そして、現れるわけわからない舞原家のメイド、みんとれい。すこし、全体に羽目はずし過ぎですが、また、秋口ぎぐる氏以上に、めちゃくちゃな雰囲気の筆致になりつつありまして、なかなかストーリーが読みとりにくいのですが、まあしょうがないか。

3巻、4巻で、パーフェクトワールド。うーん、これまた奇想天外なすごい仕掛けの入った作品ですが、ただし、舞原姉妹の周りの親衛隊連中がちょっとやりすぎでして、多少雰囲気ぶっこわしているような気がします。お嬢様には、取り巻き、親衛隊というのは、お約束ですから、双子のお嬢様にあれだけいろいろいてもおかしくはないのですが、ストーリーの進行がそれでちょっと止まってしまって、、、。

はおいといて、今回の仕掛けもすごくて、しかも、それを破る方法もすごい。魔法があろうと、超能力があろうと、それが人間の行いであるならば、推理と謎解きと、そして、ミステリーがある、ってことですね。この作品、そのあたりにすごい挑戦しているように思います。

さて、5巻まで、どんどんハイペースで出てきますね。今回は、ついに本格的に身内の中に魔法アイテムを利用するものが、、。心の葛藤のようなものを深く深くえぐりだそうというか、しかも、魔法アイテムの合成型というのも登場。で、敵とは誰なのか、というのもかなり明白になりつつあり、、、ってあんまりシリーズそのもののことはどうでもよいのであって、ビジュアルに、すごいし、展開もすごいし、個々の作品それぞれが光っているシリーズです。

6巻は、「たかなし」の子供時代の物語ですね。たかなしがなぜ女である日奈を愛するようになったのか、そのあたりの仕組みがこれでわかるというもの。なかなかおもしろいのですが、最近、話が爆発しすぎているようにおもいますです。

7巻も、その続きですが、うーん、やっぱりその「ゆやゆよーん」でしょうか。脳味噌のどこをどうつっつくとこういう発想が出てきて、しかも、その発想について、どういう神経をつぶすと、そのまま小説にしようという気が起こるのか、とにかく、あやしい作品になってきました。そういえば、部長とか、いろいろ出てこなくなった人も多いのですが、次は、また新しい発展があってほしいかも。

8、9巻。うーん、もー、よくわからん。すごいっていうか、パワーが変っていうか、なんか、もうぐちゃぐちゃで、破綻しています。結局、どういう設定なのか?日奈はどうした?舞原王国の問題ががんがんでてきて、さらにいろいろな組織がでてきて、ぐちゃぐちゃです。多少はまとめてほしいところもありますが、一方で、この怒濤のような進み方を、まだまだ続けてほしい感じもしますが、以前との関係もよくわからないので、最初から読み直さないといけないのだろうか。

というわけで、1巻から全部読み直しました。11巻まで全部。で、なんとかストーリーはつながりました。it の話になってから、どうもよくわからないし、ワーゲンがどうのこうので、部長が結婚して、纏一族が?あれ?とまあなんかもうなんだろうっていうかんじですが、一応、話は一つ一つきっちりつながっているようですね。なにを描きたいのか、ファンタジーなのか、なんなのか。でも、このぐいぐいとおしまくる雰囲気は好きなので、さらに先までいってほしいと思います。ようやく、舞原姉妹の部下たちのこともわかってきた。それにしても、11巻はなんか話が飛びすぎな感じもしないでもないんですけどねー。で、吸血鬼は一発で死んじゃうし、しかも小学生に殺されるし。

でもって、12巻ですが、11巻の延長であり、またコウを中心とした主人公連中はでてきません。サクラはかなり登場していますが。ってことで、次回13巻あたりが、かなり派手な展開になりそうです。で、主人公も登場しないにもかかわらず、かなりいいところいっています。読んでいて、面白いです。この作者はやっぱりとんでもないや。

でとんでもない13巻はやっぱりとんでもなかったです。やっぱりコウはでてくるのは最後の最後でしたが、、。


イリヤの空、UFOの夏

早く続編読みたいよー!ってことで、待っているのが、この作品。これまた、どってことないストーリーですが、特徴1、現代よりも先の時代を扱っているのに、携帯電話がほとんど使われていない!ってあたり。ないわけじゃあないが、この物語のベースになっている世界では、「北」との戦争をしているので、その情報管制のために、携帯電話は一部の人しかつかわない、だから、イリヤも、公衆電話を使う、っていうのがおもしろい。

この物語も、最初の部分は、典型的な、奇少女譚でして、冴えない主人公の目の間に、とつぜん、へんな少女が現れて、しかも、プールで二人で遊ぶ。変な女の子で、そのあと、転校してくるが、これまた変。変づくしな彼女はいったい?っていうあたりで、2巻では、その彼女が、特殊訓練をうけた飛行機のパイロットっていうことになっていて、って、そういうのはどうでもよくて、とにかく、ストーリーのテンポと、話の進み方、そして、そこここでの登場人物の会話などなどに、非常に妙な雰囲気ただよわせつつ、ぐいぐいと進んでいくストーリーのおもしろさ。この作家さんも才能を感じさせますね。

さーて、イリヤの空、UFO の夏も、3巻めがでました。今回は三話+おまけ、でしょう。最初の「無銭飲食列伝」、大笑い。これぞ、秋山節でしょう。最後のほうのイリヤが、だんだん表情あらわで、っていうあたりがすごい。「晶穂と同じのっ!」って叫ぶようにいうイリヤの声がなんか聞こえてきそうです。いーなー。で、つぎはボーリングの話。これまた最後はちょっと悲惨ですが、なんともなんともいい話じゃあないですか。で、最後は、脱走の話。

この種の作品に詳しい我が同僚氏によると、秋山作品はほぼどれも共通パターンだそうで、今後さらにさらにイリヤがいじめられるんだろう、とのこと。まー、それでもいいです。おもしろいし、楽しみます。

さて、ついに、完結編が出ました。最後の終わりかたは、ハッピーエンドともなんともいえないけれど、なるほど、という感じで終わりました。そこまでもっていく途中の冒険は、いわゆる、よくある「メロディー」な感じでしょう。あれは小学生くらいの年齢ですが、中学生でも通用するようです。イリヤがなぜ学校にくるようになったのか、そのあたりが、十分納得できる説明でした。うん。最後まで読んで、これは十分な名作であろうと思うのです。表現もよいし、すばらしい。感動しました。


猫の地球儀

いや、そのこういうのありますね。私的には、ハインラインの「宇宙の孤児」を思い出しました。ようするに、大型のコロニー型宇宙船が遠く人類に忘れ去られ、、。ただし、こっちは猫がコロニーの住人になっていて、人間型のロボットをひきつれて、っていうあたりがなんともおもしろいのですが、いわゆる基本原則としては、コペルニクスとかガリレオとかルネッサンスなんですね。科学におけるルネッサンスのようなものを体得してしまった先行者の悲劇を描くようなところがあります。ほかの誰も知らないが、自分だけは知ってしまった世界に関する真実。それを知ったが故に、自分はほかの人を敵に回して戦わないといけない。コペルニクスなんですかね。「宇宙の孤児」そのものは、最後に成功するわけですが。

まあ、その、いわゆるコロニーみたいなものになると、でかいから全体が把握できない。そのうちにコロニーの中が、どんどん原始化して、中世のような社会になる、そして、っていうことで、だれかが、失われた過去を研究し、そしてそれがルネッサンスだ!というわけです。それを猫を主人公にして、なんともいえない妙な世界を描き出す。そういう作品でしょう。


微細回路少女師団(マイクロサーキットガールズ)

あ、まだ続編出ませんか?だいたいストーリー、全然終わってないし。いったいこれはどうなるんだ!っていう感じの作品ですが、出だしとしては、非常におもしろい。父親の経営する町工場が、突然新技術を開発して特許をとって、一部上場してしまったことで、突然、裕福なお嬢様になってしまった主人公が、それ相応の高校に転入するところから話は始まって、で、彼女が、入学案内のパンフレットをみていたら、クラブ活動として、「第三園芸部」なるものがある。これはいったいなんだろう、っていう疑問からはじまり、妙な三人の先輩、そして、彼女につきまとうがいきなり姿を消すクラスメイトとか、とにかく、よくわからない話がたたみかけるようにつづられて、で、これはいったいなんだ、っていうあたりで、最後にちょこっとだけ種明かしされて、で、唐突に一巻は終わってしまって、それで、まだ続編がでないよー。

おもしろいです。頭がかきむしられるような変な話。でも、この本がでてしばらくして、アフガニスタンのタリバーンとかの話がでてきて、まじで、日本の大金持ちのお嬢様が、そういうところで、テロ相手に戦っている、なんてことあるかもしれない、っていうか、なんともおもしろい時代になったもの、ではないか。


ダブル・ブリッド

うーん、これまた大賞ものだそうで、最初のうちは、たけひと氏の絵との関係と、アヤカシ云々で、きっと、どってことないホラー系ファンタジーだろうとか思っていたんですが、最初の一冊、読んだら、こりゃーすごいな、ってことで、結局7巻まで全部よみました。まだこれ以上出てませんよね。

まあ、実際のところの設定は、よくあるタイプのものだといえましょうか。ようするに、人間に害なす魔物とか、吸血鬼とか、そういうのがいたとすると、人間だけではそれに立ち向かえない。そこで、その魔物やなんかと、人間との中間的な立場である人々が人間に協力して、っていう形。吸血姫美夕はそれを典型的な形でやっているし、実際のところ、ウルトラマンもまた怪獣の一種といえば(巨大な身体をもつとかいう点で)、これまた、怪獣の一種が人間に手を貸すような形かもしれません。で、この作品では、アヤカシという存在。ちょっとSF入っていまして、ATGCの四つ以外の塩基をもつ特殊な生物として、アヤカシが定義されていて、これらは「特殊生物」ということになっているものの、人間ににた身体をもつもの(ただし変身することはある)は、甲種とよばれ、日本においては、人間と同様の権利をもつことができる(とはいえ、いろいろと差別はあるのだが)という設定。で、ヒロインである主人公の優樹は、この甲種と人間の母との間の混血、ってことになっている。でまあ、その父親のアヤカシは?っていう話で、実際、アヤカシの側も、たくさんの仲間がいて、深く人間社会にとけ込んでいる状況もあるし、まあ、そのあたりはいろいろ複雑ですけれど。

で、優樹は、警察官でして、巡査部長ですので、警部なのかな。で彼女一人が、特殊生物に対抗するための組織に属していて、普段はなにもしない。毎日酒ばっかり飲んでいる。で、人間が手に負えないようなアヤカシがらみの事件が起こると、彼女がでてきて、。そこに、山崎という青年が出向して、しばらく一緒に行動する。そのうちに、、、。

まあ、毎回のように、傷つき体がぼろぼろになっても、また再生復活して、戦い続ける優樹の姿がなんかいたいたしいのと、それが、私的には秋口ぎぐる作品でおなじみのたけひと氏のほんわかな絵で描かれているので、なんか違う、っていうかとっても痛々しい感じがします。切なくて、、、。部分的には、妖魔夜行シリーズなどと似た雰囲気があって、彼女の周りには、たくさんのアヤカシ(一応人間型のもの)があつまってきたりして、それぞれがそれぞれ不思議な生活をしているのもなんともいえないし。

まあ、読めば読むほど味の出る作品というようななんともいえないものでした。引っ越し準備とかいろいろしなくてはいけないときに、こんな作品にはまってしまうなんて、、。

で、ひさしぶりに新作がでましたが、次の作品で大いに話が進展してほしいところですが、まだまだ、悲惨な状態が続いています。なんか、読んでいて、つらい。うーん、次でぱーっと明るくいってほしいと思う。

で、9巻ですが、これって、カバーに書かれたあらすじそのものがただ、膨大にふくらんでいるだけ、っていうべきなので、それだけでいいような作品です。ますます悲しい作品になってきました。そろそろ作家さん大丈夫でしょうか?もっとも、微妙なところをついているのはいいんですけどね。そろそろラス前ですね。


フォーチュンクェスト

どってことないんですけど、最近、フォーチュンクェスト、かなり読みまくっていて、一応、小説版は、ほとんど読みまして、あとは、L2を残すくらいでしょうか。 L2も買ってあるから、もうすぐ読むつもりです。

えっと、正直いって、しょーもない物語です。設定の舞台そのものが、よくわからない。中世ヨーロッパ風に、ところどころ現代的風味が入っていて、魔法が出てくるかと思えば、また一方で発信器取り付けてどうのこうのという、いわゆる「はいてく」が登場したりする。スレイヤーズはそのあたり一応の脈略があったように思いますが、だって、冒険者カードだかが、いきなりぴこぴこいって、レベルアップを告げるとかいうあたりも、もうそのなんつうか、とんでもないっていうか。

さらに、エレキテルなんちゃら、っていう動物だか機械だかわからないのも出てくるし、まあ、それに、パステルたちも、なんだかんだいって、つねに生き残るし、死ねば、生き返るし、どうでもいい。

がしかし、一方で、やっぱり深沢さんの作品ってば、なんか、その元気なノリっていうのはあって、ほどほどに乙女チックなのか、なんじゃらほいですが、そのあたりは、富士見ミステリーの、最初の「菜子」の雰囲気もそのままっていうか、その、ストーリーの展開そのものは、なんか、つぼを押さえているように思いますね。で、とにかく、なにも考えたくないとき、重たい作品読みたくないとき、ただ、食事のあとの腹ごなしとか、そういうのもふくめて、たらーっと読んで、たらーっとそこそこ楽しめる、っていうあたりが、こういう作品の良さでしょうか。

でぇ、まあ、感想文はまたいずれ、ってことにしまして、あ、乙一作品、また、スニーカーで出たし。買ったけど、これから読みます。ではでは。


リバーズ・エンド

ものすごくなんか生きる気力を奪うような作品で、一応、買っているんですけど、読んでいるんですが、最近、最初のほうの話とつながらなくなっちゃって。

「毛布おばけと金曜の階段」は、これまた奇妙な作品でしたね。うーん、なんか一発、この人からおもしろいの出ないかな。それとも、バトルシップガールを読むべきなのか。

全部買っていますが、読んでいません。


高畑京一郎作品

どちらも、高畑京一郎作品。「タイム・リープ」と「ダブル・キャスト」です。なんか、この二つの作品に共通して、話の進み方が妙にたんたんとしているんですね。で、なんか、心の中の描き方が、どうも直球すぎて、っていう感じがします。なんでなんだろう?いまひとつ、心をえぐる、動かす、そういうモードに入らない作品。非常に理科系的で文学性がないっていうか、そこまでいうとなんともいえませんが。タイムリープは、時間を移動してしまう少女が、それを解決するまでの作品。それから、ダブル・キャストは、人格が入れ替わるのを受け入れつつ事件を解決する話。どっちも技巧的、っていうか、ストーリーが機械的なんですね。うーん、そこがどうも、、。

海羽超史郎作品

実は、「ラスト・ビジョン」は、かなりおもしろかったんですよね。うーん、なんかすごいっていうか、ミステリーとして、SFとして、そしてホラーとして、よくできている。このあたり、似たような作品として、高畑作品があるんですが、なんか違う。こっちのほうが、ずっと、なんかぐっと来ました。で、「天剣王器」のほうは、わからん。よくわからない。なんだかよくわからないぞー、って作品でしたが、なんなんだろう。やっぱりハリーポッターなのかな。

宇宙の湯へいらっしゃ〜い

あのですね。電撃文庫ってば、こういうどーでもいーけど、まあ、時間つぶしとしてはいいか、みたいな作品があるんですね。とはいうものの、そこそこ読んでいておもしろいところが、またなんとも。くだらない話ですよ、マジで。いるかから進化したらしい少女が地球にやってきて、とある高校生の幼なじみだ、となのった上で、宇宙人向けの観光旅館で温泉で、うーん、よくわからないが、出てくる宇宙人がなかなか個性的っていうか、むちゃくちゃですね。むちゃくちゃです。はいそれだけ。

ダーク・バイオレッツ

えっと、オカルト系はいってます、なホラー系サスペンスです。結構良質な作品だと思います。それなりに好きで、これからも読んでいきたいと思います。幽霊が見える少年と幽霊にさわれる少女が、いっしょに怪物を退治する話です。

三作めまで読みました。四作目は買ったばかりで、まだ読んでいません。毎回おもしろいですが、そろそろ、主人公たちの試練のときがくるのか、と思いますが。


レベリオン

一応、ストーリー、全部終わったらしいですね。天才少女が変身します。ウィルス感染で超能力をもつようになった主人公。同様の理由で超能力をもつ仲間たちといっしょに同じく超能力をもつ人たちと戦う。まあ、それだけなんですが、いわゆるバイオレンス系ホラー系オカルト系の必要な要素はふまえている作品。ですが、もう一歩って感じがする。

夢界異邦人

この作品は、好きです。人の夢の中に入り込み、そして、夢を壊すことによって心理治療をする治療師たちの話。「眠り姫の卵」からして、なかなかすごくって、実は、「竜宮の使い」を先に読んだんだけど、なかなか内容はハードです。「硝子の蝶」まで読みました。おすすめ。

なずな姫様 SOS

あの、どーでもいーですけど。「宇宙の湯」と同じく、読んでも読まなくてもなんの得にもならないし、時間つぶしにはなるかなー、という作品。なずな姫様がそれなりにかわいいのと、CDがついているし。どーでもいいですけど。

円山夢久作品

「リングテイル」、それなりに期待して読んだんです。なんか、まあ、その最後まで読もうという気にはなるんですが、それ以上ではないっていうか、表面からさらさらとストーリーが流れ落ちるばかりで、どうも、浅い。深みがないんですね。なんでだろう。同じく、「リビスの翼」もそうですね。ファンタジーってこういうもんなのかなー、と思うけど、これ、電撃ゲーム小説大賞受賞っていうのだけど、なんかイマイチでした。一応、全部読みましたけどね。

大唐風雲記

写真を見る限り、かなりご高齢の方とみえて、それでいて新人ってことで。この田村登正という方も、円山夢久と同じく、大賞受賞作品なんですね。

えっと、悪くないです。ストーリーとして、展開も計算されているし、あっと驚くな感じでもあるし、それなりに、よいのですが、ただ、ストーリーがちょいと空回りしている感じがあって、便利な絨毯のせいかもしれませんが、もうすこし厚みが欲しいですね。時代は唐代の中国。そこに、よみがえった則天武后がなぜか少女の姿で、そのままいすわって、で、時間を場所を飛び越える絨毯にのって、いろいろな中国の時代で事件を解決するとか、混乱させるとかそういう話ですね。はい。それだけです。そういうと悪いけど、なんか、若い文化に入り込もうとしていて、でも失敗しているって感じがするんですがね。違うかな。

ついでに、この人の、新作「ブラックナイトと薔薇の棘」とかいうのですけど、うーん、やっぱりこの作家さん、感覚がいまっぽくないです。なんつうか、話のないようが説教じみているっていうか。発想としてはおもしろいのですが、芯がなんか狂っているような感じがしますね。うーん、どういうべきだろう。


ユーリフォン

ぐわーっと来た作品。なんともすごい設定で、しかも、怖いっていうか肌寒いっていうかそういう感じ。仮死状態になって、臨死体験ができる薬ユーリフォンを巡るストーリーでして、子供とか塾をよそおったユーリフォンの配布場所とか。キャラクター設定そのものもかなり怖いものがありますが、かなり本格ホラーっぽい作品でした。

やみなべの陰謀

この田中徹弥の他の作品を読んでみたいのですが、いわゆるナンセンス系。しかし、描写がすごくって、ぶさいくな男の表現もすごいし、ぶすな女の表現もすごいし、そして、どぶさんの記述もなかなか。でもこういうやついるよなー、とおもわせるようなすごさ。まあ、描写がすごい。だからストーリーはどうでもいい。必ずしもおもしろいものばっかりでもないけれど、短編だから、なんども読んでしまうような。

放課後のストレンジ

えっと、いわゆるカオス理論の言葉をなにやらあやしげにオカルトっぽくつかってみましたー、みたいな作品でして、まだまだ先に続きそうですが、ちょっと期待できるかも、と思える作品です。ようするに、学園内に巣くう魔物、それがストレンジなんですが、それに立ち向かう異能の少年少女、っていえば、よくあるパターンだけど、そこにまたひねりがあって、なくって、まあ、続編期待。

続編も出ました。うーん、もうすこしたったら書きます。一応読んだけど、おもしろかったけど。


キーリ

うーん、SF的な設定でオカルト的で、なんともいえない世界を扱っている作品でしょうか。二作ほど出ていますが、結構いい感じで進んでいて、私は好きですねー。

で、さらに三作めも読んでいます。一応、毎回あまり変化なしですが、なんかたんたんと話は続いていて、扱っている世界観そのものはおもしろいので、読み続けます。


桜色BUMP

独特によさげです。一人暮らしでしかも飲み屋でバイトしている孤児の少女桜子と、その周囲の友達と、そして、妙な「不思議屋」となのる自称仙人。不思議な感じと、現代的世相を、うまいこととらえたおもしろい作品です。

さて、三作目まででています。前回までは、「桜色BUMP」が題名で、副題っていうのでしたが、今回は、「腐敗の王」という題名だったので、新シリーズかと思ったけど、やっぱり、桜色BUMPでした。ヒロインがやっぱり魅力的かな。独特でいいです。が、ただ、この作品全体を貫くストーリーがいまひとつつかめない。いや、ないならないでいいんですが、どっかで、そういう方向もないといけないような気がします。つまり、敵となる連中の間の関連。まあ、もっともそういうのがあると雰囲気が壊れるっていうのもありますが、でもなー、なんかもう少し全体をつらぬく思想とか、そういうのが欲しいです。まあ、いまごろ編集者といろいろ考えているとは思いますが。


COOLDOWN

いわゆる吸血鬼ものですね。吸血鬼が、学校を襲う、という作品。怖い設定にはなっているけれど、最後はどうせ、っていう感じが読めるところが、問題でしょうか。まあ、普通の作品です。

シャドウプリム

実はこの作品、結構好きなんですよ。萌美ちゃんなんともいえない感じの魅力があるじゃあないですか。一応オカルト入っていますけど、彼女の記述として、ちょっとたれ目で、ほわっとした声を出すような感じの親しみやすい美人、っていうかそういう女子高生、案外いまどきいないんじゃあないかな。で、彼女がめちゃくちゃ強いと。いいですね。続編でないかな。

学校を出よう!

スニーカーの「涼宮ハルヒ」シリーズの作者の電撃でのストーリーですが、まあありがちな設定と、そこになんかあまり意味のない事件と、っていうことで、まあまあですね。どっかおもしろいとは思うので、それなりに読む気になっていますが、ハルヒのほうがどうもイマイチになってきたので、こっちに期待するしかないかな。最終的に一つの話にくっつけちゃえば、っていう気もします。1と3はつながっていますが、2は、別の作品として読めると思います。

Last modified: Mon Aug 30 02:47:37 JST 2004

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり