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清水紘治出演作についてのたわごとです。出演作についてというよりも、出演作における清水紘治について、もしくは清水ファン的チェックポイントについて、縷々と書き綴ってみました。清水さんの演じる役柄上、盛大にネタバレしていることが多いので、その点ご留意下さい。

『夏の夜の夢』観劇記 日藝アートプロジェクト, KUSHIDA WORKING 2002/04/06,2002/04/07
『スタジオパークからこんにちは』 2002/05 放送

  T V ド ラ マ

「アイフル大作戦」 第32話 ドヒャーッ! 仕掛けて仕損じなし
  「キイハンター」から「Gメン'75」に連なる「華麗でコミカルなアクションドラマ」だそうです。こういう大昔の現代物ドラマを見ると、時代劇は昔の作品を見てもあまり抵抗がないんだなぁ、と思います。
  清水さんの役は漫画家、金子真司。相方を脅そうとして殺されちゃうなんて清水紘治らしくない、と悲しんでいたのですが、仙石原でナイフを突きつけられてニンマリ笑った清水さんに大満足しました(笑)相方の馬鹿みたいに大げさな仕掛けを逆手にとって完璧なアリバイ…のはずがもちろん捕まっちゃうんですけれどもね。がっかりしたこと、オープニングに丹波哲郎が出てきたのに本編に出てこなかったこと。萌えたこと、ホテルのお姉さんにぶつかった時の「割れちゃったねぇ」という清水さんの口調が変に可愛かったこと(笑)

「アイフル大作戦」 第46話 スキーで婚約殺人旅行
  いつもネタバレ上等で感想を書いてきましたが、今回は自粛(笑)あれ、そうすると書くことがなくなってしまうな。えーと、がんばって書きます。今回は西田健さんが主役の回。ダイスケ、サンペイの学生探偵のやりとりは可愛かったです。そういう部分も含めて32話より46話のほうが面白かったです。小説家志望のダイスケ君の妄想と現実が区別できなくてわかりにくいストーリーでしたが(笑)最後に鈴木瑞穂様の見せた非情っぷりがちょっと素敵だと思ったわたくし。でも人を見る眼がないので台無しです。この人もおじいちゃんになってからのほうが好きだなぁ(笑)しかし、なぜ清水紘治が出る回には丹波哲郎が出ないのか。残念。この頃の小川真由美は素敵だと思う。校長先生萌え。
  清水さんの役は外車のセールスマンでした。大詰めまで来ても清水さんが潔白と信じられなかった私はダメなファンだろうか?いや、そんなことはないさ(笑)この手のドラマとして「大追跡」を2話「アイフル大作戦」を2話見ましたが「太陽にほえろ」の第100話の犯人役は、役としても演技としても最高峰的なよさがありますね。

「相棒」Season2 (第1話)第2話 特命係復活
  すみません、これシリーズもののパート2なんですが、私初めて見ます。何故水谷豊がロンドンでふらふらしているのかわかりません。そして寺脇康文の職場も謎です。死刑確定殺人犯の生瀬がなんか知らんがかっこよかったです。警視庁の偉い人に岸部一徳。あぁ、なんて楽しいドラマなんだ。ところで水谷豊はキャラが変わりましたか?生瀬が犯人呼ばわりする女(「ギンザの恋」のヒロインだった人だなぁ)が殺したとされるのが大学教授だったので、これが清水さん?とか思って見ていたのですが違いました。どうやら犯人の父らしいです。というか、今週は写真だけですか!それに「殺人適齢期」とネタがかぶってるんですけど・・・。今日一番笑ったところ。回転寿司で皿を戻そうとする岸部一徳と「ですから、皿を戻さないで下さい」とたしなめる水谷豊。
  次週清水さんが殺される可能性:10%(ファザコンぽいのでたぶんない。でも清水さんだから)、どうみても娘が犯人と見せかけて実は清水さんが真犯人の可能性:20%、娘が母親とその不倫相手を殺してまわっている可能性:65%、その他:5%。
  今週の結果。清水さんはファザコンが昂じた娘に既に殺されてました(爆)そして写真と妄想シーンと幽霊で登場。逆にいうと普通の出番なし!素敵!(なんかヤケクソ)渡航記録がないっていう時点で「あぁ、殺されてるのねぇ」とは思ったんですが、やっぱりね・・・・さすが清水紘治(笑)しかも娘の連続殺人の動機が、つきあってみたけど「だってパパじゃないんだもの」・・・怖いよ(笑)「五弁の椿」じゃなかったのか。しかし須藤の制服姿はさすがに無理が・・・。パパからの電話の謎解きはなし?オカルト落ち?・・・刑事ドラマなのに。
  今日よかったところ。清水さんの麻のスーツ。鏡に映る幽霊清水さん。水谷豊の「売られた喧嘩は買いますよ。そして必ず勝ちます」(脚本家の思うつぼ)。岸部一徳の「かなり偉いですよ」と「し・ま・な・が・し」。それにしても、なんか微妙に私のツボをついてくるドラマだなぁ。1.清水紘治、2.岸部一徳、3.生瀬勝久、4.「威風堂々」、5.ファザコン(おい)。ところで生瀬が脱走してましたが、まだ生瀬で引っ張る気ですか?結構楽しかったので続き見ちゃいそう・・・。

「相棒」season13 第15話 鮎川教授最後の授業、第16話 鮎川教授最後の授業・解決篇
  第15話。ファザコンが高じた娘に殺された挙句、ミイラにされたseason2から12年ぶりの再登場でございます。というか、「ベラドンナ」って12年前(!)なんですね、驚愕。確かにあの頃は出演ドラマのチェックのためにテレビ情報誌を買っていました。そんな大昔なんだ。そう考えると清水さんって、この10年くらいあまり変わらないなぁ。いや、画面キャプチャして並べてみれば違うと思いますが、印象としてはあまり変わってないなぁ、と。閑話休題。前回も教授、今回も元教授。大学教授なのにすごいお屋敷に住んでいて、しかも別宅もあって、そして地下室があるところも同じでした(笑) season2では写真と妄想と幽霊?幻想?でしか登場しなかった清水さんですが、今回は犯人役です!(笑)wikipediaで確認してみたら「ベラドンナ」と同じ脚本の人の回でした。出番は少なかったけれど「らしい」役だったと思うので、きっと今回もいい役に違いない、と期待して視聴。「いい役」というのは「いい人の役」とかではないですよ、勿論。「このための清水紘治か!」って思える台詞やシーンがある役という意味です。
  (元)教授の古希のお祝いパーティという設定だったんですけれども、放映日が清水さんの誕生日だったのでちょっとだけニンマリしました。昨年だったらもっと完璧だった、惜しい(←何がだ)。かつての教え子達を地下室に監禁して「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対する答えを求める(元)教授。しかも、きちんと問題用紙の形式を作って人数分用意するお茶目な(元)教授。そして、教え子達に向かって猟銃の引き金を引く(元)教授。…………はははははっ、清水紘治はこうでなくちゃね!最近、いい父親の役が多かった清水さんですが、久々に気違いっぽい感じでした。ただ、絵ヅラはいい感じでしたが(「悪徳の栄え」っぽいショットがあったり、清水さんに猟銃が似合いすぎたり)、教授の真意がどこにあるのかでストーリーの評価は大きく変わると思いますね。社会的地位も名誉も不足のない(元)教授がなぜこのような暴挙に出たのか、というところに説得力を持たせられる解決篇なのかどうか。このままではただの気違いですからね、(元)教授は。それで終わってしまったとしたら、「ただの気違い」に清水紘治の演技で説得力を持たせようとする姑息な脚本ということになってしまいますが、「ベラドンナ」の須藤の気違いっぷりは私の想像の斜め上をいく凄さだったので、期待して次回を待ちたいと思います。おそらく今回も役者・清水紘治のキャラをミスリードに使ったストーリーなのではないかと予想。あとは怪しげな雰囲気をふりまいていた石野真子がどう絡んでくるか。解決篇で右京が教授に対してどういう態度を取るかはわかりませんけれども、「魍魎の匣」の美馬坂教授と中善寺のような感じになったらいいなぁ、と夢想。絶対そうはならないと確信込みで(笑)
  気になったこと。地下室の扉が開いて、電波圏外でなくなったところで連絡するならどうしてメールにしないんだろう。答案を持っていくタイミングは監禁側でコントロールできるんだから、メールを打っておいて送信すればいい。短時間でなるべく多く情報を伝えるならそのほうがいいに決まっているのに。右京は頭がキレるという設定で進めているドラマなんだろうから、こういう間抜けなエラーはやめて欲しい。ただ(元)教授も教え子達からスマホ、携帯の類は取り上げておいて然るべきですよね。地下室は圏外というのを確認済みなんでしょうけれども。ちょっとなぁ。ところで国文科教授(清少納言殺人事件)の時にはモーツァルトを聴いていた清水さんですが、地下室のオーディオ装置で大音量でかかったのはバッハでした(笑)次回予告でかかっていたのはヴェルレクでしたけれどもね!
  よかったところ:右京の部下と一緒に鮎川教授邸に向かった捜査一課の刑事さんの演技。好きだわ、この人。(「俺も(訓練以外で拳銃を)撃ったことがない」って言っていたほうの人)
  第16話。期待はずれでした。これは2週に分けるのではなくて、延長一回でかたをつけるべき話だったんじゃないですかね、90分で足りたと思います。この尻すぼみ感は残念。資産家の教授、娘に殺される、別宅の地下室、と(清水紘治に注目してみると)「ベラドンナの赤い罠」の劣化コピーじみた作品になってしまった。清水紘治という配役でミスリードを誘うところも同じ。この手法には、最近さすがにちょっと食傷気味なんですけれども。前回の感想で「私は(元)教授がなぜこのような暴挙に出たのか、というところに説得力を持たせられるか」で話の評価が決まる、と書きましたが、説得力を持たせる必要はないわけです。「暴挙」でも「暴走」でもないのですから。前回、右京がなぜ連絡手段にメールではなく通話を選んだのかというのも、別宅の位置を特定する手がかりにするためだったわけで。正直、がっかりです。
  「鮎川教授最後の授業」というタイトルなのだから、(元)教授からかつての教え子たちへ、何らかの命題──たとえそれが狂気から生じるものでも──を提示する形で話を終わらせて欲しかったな。前半を見た時には、「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対して、右京の部下(亨君というんですな)が何らかの答えを出すことを期待していました。だって、そうでないと彼の存在意義が…(笑)亀山だったら答えを出したと思うんですよ、右京とも美弥子とも違う形で。その答えに(元)教授が及第点を与えるかどうかはともかくとして。それに(元)教授、恋人、その子供、という図式は彼と恋人とその子供にある意味重なるし、命がけの出産というところまでリンクさせておいて、何も無しですか…。
  この脚本の一番残念なところは、(元)教授と右京の関係に特に必然性がないところ。たとえば、右京が昔からの(元)教授の癖(これは思考の癖でもいいし、それ以外の癖でもいい)を利用して裏をかく、あるいは逆に(元)教授が右京の癖を利用する、とかね。そういうのがあれば面白かったのですが。(元)教授の登場に本当に何の必然性もなかったと思います。結局、猟銃構えて「なぜ人を殺してはいけないのかね?」と問いを発しても、「この人ならやりかねん」と思われるキャストを配しているところに姑息さを感じます。むしろ「どうしてこの人がこんなことを?」と思わせる役者をキャスティングするべき役じゃないですか。まぁ、「前半の盛り上がり」を演出できるのは後者よりも明らかに前者になりますが。もっとも私は姑息な脚本でもなんでも清水さんの演技を楽しめればそれで結構なので出されたものはおいしくいただきました。
  もう一つ残念なのは、肝心の石野真子がミスキャストだったこと。(※個人の感想です)親子設定に無理がありすぎる。どうしてこの年代の人をキャスティングしたんだろう。実際、何年生まれか知りませんけれど「昭和43年生まれ」はないでしょう……。私は「美しき罠」の若村麻由美でもぎりぎりだと思っていたのですが、正直。

「葵〜 徳川三代」
  徳川家の重臣役というので結構期待して見始めた大河ドラマですが、あまり目立たないうちにリタイアしてしまいました。ジェームス三木がやりたいのはあくまで「徳川家のホームドラマ」のようです。もっとも今回有名俳優が湯水のように使い捨てにされているので、あんなものかもしれませんが。人をなだめたり、たしなめたりしてばかりのしぶい清水紘治様でした。大河ドラマ本には「晩年は本多親子と対立して不遇だった」みたいなことが書いてあったので、いつ渡辺いっけいや神山繁と対立するのかと楽しみにしていたが、石田太郎が派手にガン飛ばしあってるだけで、清水さんは別に特に不遇にはならなかった。いいんだか悪いんだか・・・(笑) ファンの心情としては出番が増えるなら不遇になって欲しいとか言いかねないワタクシ。しかしこうしてみると清水さんて案外、ヅラ似合うなぁ(笑)

「悪魔のキス」(未見)
  まだそんなに有名でなかった頃の常盤貴子が思いきりよく脱いでいるらしいので、再放送もビデオ化も絶対にないだろう。またヤクザの役?(←憶測)
  ・・・と思っていたところ、常盤貴子の父で病院経営者。妻の死後すぐに結婚したことで常盤貴子と確執が生じ絶縁状態→東京に出てきた常盤貴子、騙されて裏ビデオに出演させられる→悪徳金融業者(増岡徹)に裏ビデオを元に強請られた清水紘治、常盤貴子を勘当→(色々あったらしい)→薬物中毒になった常盤貴子の為に上京して娘を看病。という大変おいしい役だったようです。こういう役はツボなんですよ、・・・見たかった・・・。

「悪霊島」
  古谷一行の金田一シリーズ。確かに串刺しになる神主を清水紘治が演じているのを見た覚えはあるが、99年てことはあるまい。もっとずっと昔のはずなんですが。私はてっきり角川映画の「悪霊島」だと思っていました。だって角川映画よく出てるし。つまり私の記憶が確かなら、清水さんは刑部守衛役を2回やっている筈、なんですが。気のせいでしょうか?こういう時、横溝ファンというのが裏目に出ます。取り敢えず「悪霊島」を放映したら必ず見るので、あたりをつけるヒントにならないんですね。うーん、私が見た「悪霊島」は一体何だったんでしょうか??
  古谷一行の金田一シリーズの「悪霊島」を見ました。古谷一行の金田一は石坂浩二より人徳がありそうなのがポイントだ。古谷一行の金田一シリーズで清水さんが死に役をやるのは3回目。ちょっと出番が少なかったですが、殺された後、ラスト近くの回想シーンできっちり悪人ぶりを発揮してくれて素敵(?)だったので、よしとしましょう。しかし、やっぱりこれは違う。私が見た清水さんはもっと派手に死んでいた筈、絶対。・・・どの「悪霊島」なんだろう。それともまた勘違い?しかし「悪霊島」って見る度にストーリーが違うなぁ、原作どうなってるんだったかなぁ・・・。今回のを見てると、「京都の女風水庭師」シリーズ(予定)の第1話はかなり「悪霊島」ではないだろうか。清水紘治に注目して見ているから(見るな)そう思うだけ?

「赤穂浪士」(1999年松方弘樹主演版)
  「天下騒乱」と同様12時間ドラマを13回に区切って放送しているので、ちょこちょこカットが入っているものと思われます。「野崎佐平次って誰よ?」と思っていたのですが、清水さんの役は柳沢吉保(萩原流行)の部下で公儀隠密でした。隠密とか忍びとか意外とやってますな。高島兄曰く「なかなかの手練の甲賀者」だそうです。清水さんはなぜかいつも甲賀者…。最初の大石襲撃の際、例によって中途半端な強キャラぶりを発揮する清水さん(笑)幕府方ということは悪者だ。悪者はいいけど、大石を消そうとする役ということは絶対に任務に失敗する役じゃん…(笑)それを延々12時間弱を見せられるのは辛い。というか、そもそも忠臣蔵ネタで12時間というのが辛い。別に好きな話じゃないし(笑)清水さんは律儀におおよそ50分に一回、大石を襲っていたのですが大石無人とかいう私のような忠臣蔵素人には「えーと…あなた、誰?」な人にやられてしまいました。えー、何それ。

「浅見光彦〜最終章〜」 第9話 草津・軽井沢編
   これはひどい。2時間枠の単発物とはスタッフが違うのだと思いますが「探偵役が出てきて殺人が起こればミステリーなんだろ」という視聴者を馬鹿にしきったつくりでちょっと信じられないレベルの出来だと思いました。2時間物でお馴染みになっている浅見を主人公にしているのでなんとなく「ミステリーのようなもの」に見えるかもしれませんが、推理も何もないじゃないですか。浅見一家と事件の関係者しか出てこないんだから(爆笑)あの構成なら地元警察を出す必要すらほとんどないのに、毎回あの「お約束」をやっていたのかと思うと薄ら寒い思いです。気楽に楽しめる浅見シリーズには一時期少々はまっていて(TBSのシリーズが始まる前ぐらいだったかな)、ドラマではつくりもメインキャスト(浅見、陽一郎、雪江)もTBS初代が一番いいと思っているので、全員代替わりしている「最終章」には寂寥感を禁じえません。というか、風間木土夫が全然無理。重みもエリートらしさも足りないくたびれ風味で陽一郎には見えなかった。「えいや、とう」とかこんなの陽一郎さんじゃない……。
  清水さんのTBS浅見シリーズへの出演は3回目ですが(しかも沢村一樹の代だけで)、そういえば清水さんってなぜか最終回のゲストが多いですよね!…と無意味な言葉をクッションにせずにいられないほどに何を書いたらいいものやら。えーと、軽井沢の名士で犯人でした(←いきなりネタバレか)。いや、ネタバレも何も他に犯人の可能性のある人物が出てこないし(笑)2時間物なら浅見の幼馴染の恩人だというエピソードももう少し掘り下げられたかもしれないけれど、もう本当にどうしようもないストーリー展開でしたな。さすがに今回ばかりはわたしの口癖「何のための清水紘治なんだ…」に分があるはずだ!清水さんである必要が1ミリグラムもない役だったからなぁ。こんなすごいのって「積木家族」ぐらいじゃない?というか、これに較べたら、北条氏政役で出た「江」ってすごくよかったですよね?「おおっ、ここだけ大河ドラマみたい!」って清水さんの演技に感嘆できたもの(笑)

「暴れん坊将軍 XI」第1話 吉宗、炎の生還!
  「暴れん坊将軍」は痛快系時代劇と認識していたのだが、わりと「とんでも系」寄りだったような気がする。ピストルとかクロスボウとか(笑)どうして無法地帯に潜入するのに葵のご紋入りの刀持っていくんですか、とか、どうして最後に乗り込んでくる上様の声にエコーかかってるんですか、とか、悪役側が全般に特撮っぽいとか、アジトが戦隊物の悪の組織の本拠地そのものというか。重兵衛さんも由比正雪風の長髪で(しかも毛先だけメッシュ…じゃなくて白髪)すごい怪しい仕様でした。でもあやしい長髪のほうが町人髷より似合うよ、とこっそり呟いてみる(笑)ところで上様は「余の顔見忘れたか」が決め台詞のようですが、それって悪役が大名か幕閣クラスでないと通用しませんよね。大名はともかく幕閣クラスの悪事は将軍無関係とは言えないのでは…。
  清水さんは暗黒街の大ボス、不知火重兵衛役。相方に老中・越智備前守。「何の役にも立たぬ老中などすぐに死んでもらおうか」と老中に対して高圧的な態度を取る重兵衛さんは老中とどういうおつきあいなのか。今回の名言「私は言い訳は嫌いだ」(笑)ミスを犯した手下は容赦なく始末します。徳川家に遺恨ありという風情だったり、幕府転覆でも図っているのか武器弾薬をがっつり溜め込んでいたり、江戸を火の海にしてやるとかなんか訳ありげな悪役だったのに、何の説明もなくやられてしまったのが残念でした。最後、本所三笠町に乗り込んでくる大岡忠相(田村亮)が時折撃たれた胸を庇う仕種にちょっと萌え。で、田村亮vs清水紘治だったら個人的には最高に盛り上がったのですが、大岡vs老中、上様vs重兵衛さんで残念。お決まりの「余の顔見忘れたか」にびびって平伏する使えない老中に「老中が何を怯えておる。吉宗がこんなところに来るわけがない。奴はただのねずみだ。ねずみに何が出来る」と正論で発破をかける重兵衛さん。「そうだ、上様であるわけがない!恐れ多くも上様を騙る痴れ者と偽町奉行じゃ、斬れ斬れ」と急に威勢よくなる老中。ホントに君たちはどういうつきあいなの。通常の悪役は知りませんが、今回は葵の家紋の入った刀を見ているので重兵衛さんは確信犯(←誤用)。清水さんは逆ギレ系(「構わん、やれ」とか「ここで死ねばただの徳田新之助」とか「どうせ死んでもらうつもりだった」とか)の台詞を吐く悪役だと思っていたのですが、理詰めで来ましたよ(笑)キャラ的に立ち回りがあるようには見えなかった清水さんですが(ぞろっとした着流しだったし)、ちゃんとマツケンと立ち回りがあって嬉しかったです。いや、普通に成敗されましたけど(笑)清水さんの立ち回りはいつでも問答無用で嬉しい私。「暴れん坊将軍」のラスボスっていつも上様と立ち回りがあるんですかね?
  ビデオに録画してあったのをBlu-rayに移すより再放送で録画するほうが早くて手軽な今日この頃です……。

「あぶない刑事」
神奈川県警の刑事役、口うるさいので主人公コンビに嫌われてる。柴田恭兵曰く「妖怪柴野」(笑) 一応準レギュラーで、TVの再放送で見ていた時にはもう少し登場する回があったような気がするんですが・・・。いくら何でもあのシリーズを全話しらみつぶしに見ていくわけにはいかないし・・・。ハイテンションな演技をする清水さんがとても珍しいので、つい見てしまう(苦笑) ちなみにDVDマガジンの解説によると柴野さんはキャリア組とのこと。
「あぶない刑事」の清水紘治出演の回は全5回です、とのタレコミがありました(稲荷家様ありがとうございます♪)。よし!これで全部チェック済み!!(笑)

「怪しの海」
「夜歩く」と同じ年なので期待した一作。本ページのタイトルは当然ここから取ったもの。どうしてこんなマイナーな作品を見ることができたかというと、さる親切な方のおかげです。ありがとうございます。田村正和と対決する無口な吸血鬼(笑)いや、これはもうかっこいいです!吸血鬼役、似合うし。伊達に「ダウンタウンDX」の"幼稚園児に聞きました。どれが一番コワイでしょう"レースで優勝してません。しかし、清水紘治の吸血鬼が崖から落ちたくらいで死ぬとは到底思えませんが・・・。しんみり蜘蛛なんか摘み上げてる場合か、田村正和!だいたい、そっちは吉行和子かもしれないぞ。

「遺産相続弁護士 柿崎真一」第3話
  突然ですが、清水紘治が元金メダリストの役、といったら皆様は何の競技の金メダリストだと思いますか?私は、全然イメージがわかなくて「クレー射撃とか?」と思ったのですが、正解はボクシング。……ボクシングはないんじゃないか、清水さんって全然ボクサー面じゃないものと思いつつ、実際には何の競技だったかはあまり問題ではなく、オリンピック出場をかけた試合で弟がわざと負けたと思っている兄(=清水さん)と、兄に借金をし続けた弟(故人)とその妻の遺産相続と借金の返済をめぐる話です。法廷に立たない(立てない?)弁護士・三上博史はこの案件をどう解決するのか?これがメインストーリーなんですが、そこに金メダル弟の妻が闇金社長・河原井の昔の憧れの人だったとか、金メダルの妻が夫と義理の妹の仲を疑っているとか、色々な要素を詰め込みすぎた感はありますね。「色々な要素」に対してキャスティングの微妙さは若干あった、かも。
  ドラマ全体の感想、松田優作の「探偵物語」的なレトロな感じを狙っているのかなぁと思いながら見ました。三上博史が相変わらず変な感じで(ほめ言葉)、助手の女の子が可愛かったです。しかし三上をみていると「この世の果て」を思い出しますなぁ…。ところで、引退したボクサーがラーメン屋を営むというのは何か元ネタがあるのでしょうか。
  柿崎の最後の種明かしを聞いて、男同士の真剣勝負に女が変な視点で割り込んでぐちゃぐちゃにしてしまった、という話だと私は解釈したのですが違うのかな…。弟はオリンピック出場を捨ててまで結婚した妻となぜ実質離婚状態になっていたのか、弟もわざと負けたことに何らかのわだかまりを持っていたのではないかと感じたのですが。兄から借金をしていた理由も謎です。今日こそ、八百長の真相を話そうと兄を訪ねる→おう、なんだてめぇ何しに来た?(ヤクザの組長並みに怖い頃の清水さんに凄まれる)→(ひー、話すなんて無理だよぅ)「お、お金貸して」、毎回こうやって借金を重ねる弟。……こうですか、わかりません。もしかすると兄との縁を切りたくなかった?ともかく、清水さんの社長は長年の謎といらつきが解消して、すっきりしたみたいなのでよかったです(あくまで社長目線でドラマを見るわたくし)。
  金メダル社長はラスト近くで「こんなじじいになって失恋するとは思わなかった」と苦笑するのですが、この年で過去の色恋、そして現在の色恋(?)を含んだ役にキャスティングされるところに俳優・清水紘治の持ち味もしくは属性を見る気がします。つまり清水紘治のアトリビュートは女(というか女関係)(笑)
  みどころ、清水さんのヤクザっぽいスーツ(笑)河原井をボコボコにした後の「八つ当たりだよ、すまんな」という可愛いセリフ(私もこんなこと言われたいわ)。柿崎に2発入れて(一発って言ったのに…)「いい仕事だった」と去っていく清水さん。

「医龍 Team Medical Dragon」 第8話,第9話,第10話,第11話
  男前な夏木マリのかっこよさを讃えるためのドラマ。清水紘治ファンの目から見ても、わざわざ原作漫画と学科を変えてまで祖父江教授を出さずとも同じようにストーリーを進められたのではないかと思わざるをえない脚本だったのだが、岸部一徳に厭味を言って高笑いする清水さんが素敵だったので、このシーンだけでも私にとっては価値のあるドラマだったといえる。連続ドラマの観察日記はこちら

「美しき罠〜残花繚乱〜」 第1話、第6話
  「病院で寝ている社長役」とのことでしたが、若村麻由美の父親で、創業者社長で、脳梗塞を起こして倒れて、娘に「欲しいものは手に入れるのが寺内の家のやり方だ」と励まして死んでしまいました。……なんか、すごいデジャヴュだ。「同窓生〜人は三度恋をする」とまったく同じ役だ……!(爆笑)「もう我慢しちゃいけないよ」とか「欲しいものは手に入れろ」とか、(結果的に)不倫を煽るだけ煽って死なないで下さいよ、清水さん。
  清水さんが倒れてからの若村麻由美が、おろおろアワアワして「パパ」「パパ」「パパ」って可愛いので、ちょっと萌えてしまいました。いつも強気なだけにギャップ萌え。というか、清水さんって娘がいる父親役の時、娘に愛されていることが多いと思った。色々な意味で(笑)最近は息子に慕われる父の役も続いていて、それはそれで嬉しいのですが。「八重の桜」のオダギリジョー可愛かったなぁ☆

「海の上の診療所」 第10話
  わりとコテコテの人情系お医者さんモノでした。だから清水さんが医者役じゃないのはしかたないんだ、病院モノとか大学病院モノじゃないから!と自分を納得させながら(?)見ました(←意味不明)。清水さんがこういう普通のおっちゃん役をやっていると未だに驚きを禁じ得ないわたくしです。何から何まで予定調和、清水さんが最後にデレるのも予定調和。でも最後の診療所を一人見まわして島を去ろうとする水野美紀のところに、彼女が診療所をやめて島を去る本当の理由を知った清水さんが現れて、言葉少ななやりとりの後、「いつでも帰って来い、島のみんなと待ってるから」というシーンはよかったです。水野美紀の受けの演技もよかったのでいいシーンになっていたと思います。涙をぽろぽろ溢しながら頷くところ、かわいかった。しかし、靖男おじさんが漁協長という設定の必然性は…。両親をなくしてから面倒をみてくれていたおじさん、で事足りたような。
  脚本としてはあれだけ真意を隠して島を去ろうとする水野美紀が、無用心にそれが人に知られるようなことをするのかなぁという点が気になりました。診療所事務員が真相を知る過程をもう少しスマートに処理できていたらもっとよかったと思うのですが。

「ウルトラマンダイナ」 第38話 怪獣戯曲
  うわ、冒頭から堀内正美登場(笑) この人も実相寺組だなぁ。シルエットで出てくる清水さんの横顔がすごい素敵なんですよ♪清水さんの役は演劇界の鬼才・鳴海浩也。自ら戯曲を書き、舞台で鬼気迫る芝居を繰り広げる様は、まさに映画「悪徳の栄え」を彷彿とさせます。つまりどうみても子供番組のテンションではありません。実相寺監督容赦なし…。 逆にいうと清水さんの乗り乗りの怪演を楽しめるためワタクシ的には非常においしい回でした。ただ、あの怪獣ブンダーを倒す鍵、なんですが、あの絵を見たらすぐにだまし絵というか筒状の鏡に映した絵を見ればよいってわかってしまうと思うんですよね。まぁ、そういうところを突っ込みながら見る作品ではないのでしょうけれども。ともかく実相寺監督作品という雰囲気は存分に楽しめました。

「ウルトラマンメビウス」第42話 旧友の来訪、第43話 脅威のメビウスキラー、第44話 エースの願い
  私は特撮畑の人ではないんだなぁと思い知らされる非常に厳しい60分弱(本編約20分×3)。これまで見た清水さん出演特撮番組の中で一番キツかったです。たぶんちゃんと子ども向けに作ってあるんでしょうな。アギトとかどう見ても子ども向けじゃないし。……いや、嘘だ。子供向けなら懐かしのシリーズネタとか入れるわけない。誰を相手に作っているんだ、「メビウス」は。というわけで、3話もあるのですが連続ドラマの観察日記には入れないことにします。
 第42話。総議長と清水さん、わりとマイペースに演技するベテラン(総議長はたぶん特撮系で有名な方だと思います。おそらく過去のウルトラマンシリーズに出演していたご本人)が二人もいるわりには、これまで見た特撮作品の中で一番見辛い感じ。清水さんは「黒づくめの男」ということで、黒い帽子に黒マント、紫のスカーフをたなびかせたすっげー怪しい仕様(笑)手から怪獣を呼び出したり、逆に怪獣を回収したり、なんかすごいんだけど、どういう位置づけの人なのか。疑問に思ったのは、清水さんは手から無限に怪獣を呼び出せるんですか?だったらいつかは勝てるんじゃないの(笑)
  第43話。相変わらずノリに全然ついていけないわたくしですが、清水さん……というかヤプールさんがメビウスを攻撃して大変愉快そうにしていたのでそれでよしとします(←いいのか、それで)。ミライにきゃぴきゃぴつきまとってるお姉さんがヒルカワさんよりよほど鬱陶しいのですが、なんかヒロインポジみたいなのでしかたがありません。でもメビウスに変身したミライとお姉さんが「優しさが原因で死んじゃうなんて絶対間違ってるよ!」とかお話している間、律儀に攻撃をとめてあげる必要はなかったと思うのだが。そうか、清水さんは手からポンポン怪獣を呼び出せるから、次の怪獣を呼び出せばいいのか、と思い直しつつ次回へ続く。
  第44話。……冒頭からひどい学芸会を見せられた気がする。荒廃した地球のようなところに飛ばされて絶望しているヒルカワさん。GUYSもメビウスも役に立たない、とか毒づいています。突然登場したヤプールに衝撃波(違う)で吹っ飛ばされて「助かりたければこの銃であの男を撃て」と言われると「俺は助けてくれるんだな?!」とか言って簡単にミライに銃を向けるヒルカワさん。卑怯者のテンプレみたいな可哀想な役です。あのね、清水紘治の「約束しよう」なんて言葉を信じちゃダメよ?(笑)「こんな下等な人間どもをお前は守ってきたのだ、ウルトラマンメビウス」と悦に入るヤプールこと清水さん。ヒルカワさんのナイスアシストもあり「呆れた奴だ。あんなひどい仕打ちを受け、まだ人間のために戦うか」「意地を張るな。素直に言えばいい。人間に失望した、と」がんがん心理攻撃をかけてきます。前回に引き続き絶好調です。あぁ、このための清水紘治なのね、と実感できるいいシーンでした(笑)なのに、ヤプール、どうして怪獣体になると急に弱そうになってしまうん?どうして声が変わってしまうん? 一方、ヤプールにやられまくっているメビウスに向かって「君は私のナイトなんだからね。だから今度も救ってくれなくちゃダメなんだから!」とかのたまうお姉さん。なんかすごい勝手に見えるんですけど、メビウス視聴者の皆さんにはこのセリフは可愛いツンデレな台詞に聞こえるのだろうか。えーとね、素人考えですみませんが、1.メビウスがGUYSと引き離されるというピンチ、2.メビウスに人間への不信を煽って戦闘意欲を失わせ、あわよくば仲間に引き込もうという心理作戦、3.月面でのGUYSの戦闘、4.エースの登場、という盛り沢山の回にツンデレちゃんとか入れてる余裕はなかったんじゃないですか?要素を詰め込み過ぎて話が散漫になってしまっていたと思いますよ。3と4についてはさらっと割愛しますが(おい)。それでまぁ、当然ヤプールはメビウスに倒されるわけですが、エースの人間体が出てくるところとか、エースが変身して戦うところとか、ウルトラマンシリーズファンなら盛り上がるところで全然盛り上がれなくて、困ってしまいました。だって、実相寺監督の劇場版ウルトラマンしか見たことのない私に一体どうしろというの……。というか、どうしてこの映画を見ているんだろう私は。とりあえずジャミラがトラウマです(笑)

「運命峠」
  松平忠輝の双子の弟で捨て子として育った秋月六郎太(松平健)が豊臣秀頼の遺児を助ける、そんな話(←いい加減にまとめるなよ)。オープニングで「清水絋治 本田博太郎 西田健 綿引勝彦とかワクワクするクレジットはやめて下さい」と思ったわりにワクワクしなかったというのが本当のところです。まぁ、西田健を斬り殺したのは清水紘治ですけれども(笑)ひっそり生きていきたいといいながら、豊臣の家紋入りキンキラ衣装を着ている子供とか、母親も家来も豊臣の家紋の服を着ているとか間抜け風味。多勢に無勢のラストバトルが嘘くさすぎて光栄ゲームマツケン無双かと思いました。どうでもいいが宮本武蔵が……剣術バカ。阿部寛の明智十兵衛が無駄にかっこよかったです。よかったところ、主人公の登場シーン。この前木枯らし紋次郎を見たばかりなので、主人公かくあるべし、と思いました。六郎太も武蔵も上半身がもっさりしていて気になったのですが、補正しすぎなのだろうか。
  清水紘治の役は甲賀七兵衛。秀頼の遺児を甲賀流の頭領に祭り上げて一旗挙げようと企む役。一応一番の悪役というか何というか。見た目は大河ドラマ風のシブい感じでした、髭はなし。黒マフラーをしていたのが珍しかったです。忍者だから?頭領にしようとしている子供の目の前で母親を崖から突き落として平然とかちょっと壊れ気味なところが素敵。まぁ、清水さんが落としたわけではないし、どうみても死んでいるはずの母親は生きているわけですが。序盤に出てきて子供を確保した後、マツケンに村を殲滅されても登場せず「ちょっと、清水さんどこ行ったのよ?」と思っていたら、その後ひょっこり現れて、夏八木の部下の綿引(豊臣の遺臣)と組むことに。今回のみどころ。清水紘治と綿引勝彦のツーショット。強面過ぎて素敵だ(笑)絵面は最強に素敵だったのにラストバトルで二人とも秒殺されて泣いたのは内緒ですが。綿引は戦闘シーンなかったけど清水さんは一応強キャラ扱いだったはずなのに(笑)追っ手をサクサク斬り殺した後、血を拭わないで剣を収めたのが気になるとか、斬り合い前に何か液体を飲んでいたのですが、あれが一体何だったのか気になるとか、気になるところは色々と。

「越後・会津殺人ルート」
  渡瀬恒彦の十津川警部シリーズ17作目。これはめちゃくちゃかっこよかったです!どうも私はこういう清水紘治にヨワイ。
  人徳で全てをなぎ倒す人格者刑事・渡瀬恒彦 VS. 犯人逮捕のためならひっかけも囮捜査も辞さない強引な捜査が原因で免職になった元警視庁の切れ者刑事・清水紘治。免職の原因は渡瀬恒彦の密告と信じる彼は、台北で見つけたそっくりさんを使っていつか渡瀬恒彦を嵌めてやろうと機会をうかがっていた。……というわけで、こういう「墜ちるところまで墜ちて一度は地獄を見た男」なんていうのをやらせると、清水さんは実に凄味があってかっこいい。切れ者役だから妙に自信たっぷりなのがまた素敵♪・・・久々にノックアウトくらいました(笑)あぁぁ、かっこいいなぁ、やっぱり・・・。

「江戸の渦潮」 第21話 まじめ同心 泣き笑い
  吹き矢が武器の殺し屋さんの役。ヤゾウと言われていましたが字がわかりません(なんかすごい敗北感だわ)。珍しくいい人の役でした。え、全然いい人じゃない?そんなことありませんよ。「あんた……俺の女を助けてくれたんだよな…」とか言って改心するとか清水紘治にあるまじくいい人の役だと思います。女の前で、殺しの報酬を受け取って消されそうになる危なさと間抜けな同心の目をすり抜けるスリルが堪らねぇんだ、というようなことを言って笑うシーンは非常に清水紘治的。あと部屋でストイックに吹き矢を飛ばして研鑽しているところとか(笑)女と惚れあってましたし、いい役だったと思います、最後の捕り物で絶対斬り殺されると思ったのに生きてたし(清水紘治ファンをやっていると「いい役」の定義が世間と確実にズレてきます)。まぁ、あの後打ち首になると思いますけど。斬りあいになって刀を持っていない清水さんを見ると苛々するのは相変わらず(笑)木に登ったり屋根から飛び降りたり、珍しくアクションシーンをがんばっていた清水さんでした。着流しの腰が細すぎて眩暈がしました。
  吹き矢の射程が5間というネタに地味に笑った。仕事人の竹鉄砲に完全に勝ってる(笑)といきなり仕事人の話をするのはダメ同心の人が竹鉄砲の人だったから。ダメ同心の病身の奥さんが時代劇に全然合わない顔だち&化粧で何だかなぁと思いました。今回わかった衝撃の事実。足首と手だけでは私は清水さんを識別できませんでした。えー、マジですか。
  BSフジ放送時に無用に詳細な番組情報のおかげでヤゾウさんが「弥蔵」であることがわかりました。出演作一覧を修正します(笑)

「江戸プロフェッショナル 必殺商売人」第22話 殺した奴をまた殺す
   お江戸のドクター・キリコ……ではなくて、死人を生き返らせる鍼師・京極。裏の顔は中村主水と同業者。南町奉行に昇進し損ねたNo.2与力に奉行殺しを依頼されています。このNo.2さんを後ろ盾に「無法河岸」と呼ばれる一帯を焼き払って新しく第二の吉原をつくる、当然自分が元締めになる、というのが京極さんの野望です(清水紘治的にはたいしたレベルの悪事ではありません)。さぁ、張り切っていってみよう!(笑)鍼師というと医者というよりは職人系が正しいと思うのですが、清水紘治が演じるとマッドサイエンティストじみて見えるなぁ、というのが笑いどころ。オールバックのポニテに軽衫袴。蘇生のために鍼を打ち込む手元のアップが吹き替えでした、本職の方ですかね。わざわざ吹き替えにするようなシーンであったかどうかは疑問ですが。手元を吹き替えにするより、紙芝居みたいな鍼技の図解にもう少し手をかけるべきだったのでは…。あいかわらず「分割で」とか時代劇らしからぬ言葉の飛び交う必殺シリーズでありました。
   全般に大変かっこよかったのですが今回のみどころとしては、無法河岸の元締めとにらみ合った後、ニヤリと笑って「今から俺が掟だ。古い掟は破る」と振り向きざま元締めの娘を刺し殺すシーンをあげておきます。口元だけでかすかに笑うのが素敵でした。当然予想されたなりゆきに、驚いて大騒ぎしすぎる元締めがちょっと雰囲気を壊しているのが残念ですが。いや、それにしても本っ当に悪そうですよね、清水さんは。いつものことながら(笑)仕置きシーンはvs中村主水。中村が出てくるシリーズだとたいてい相手はこの人になりますね。どういうわけか。仕置人相手にちょっといい勝負をした後、素晴らしい死にっぷりを見せる、はい、見事にいつも通りですね(笑)
   これでゲスト出演はコンプリートしたので必殺シリーズまとめ(笑)意外に役柄にバリエーションがあって「いかにも」な役(=やさぐれ浪人)が少ない印象です。一般的には「The 清水紘治」な役は諸岡さんということになっているかと思いますが、諸岡さんは同心だし全然やさぐれていないので若干ポイントが下がるというか(←何のポイントだ、何の)。私が一番好きなのは「富嶽百景」の浪人さんですかね。殺陣シーンが長くてかっこいいし。

「鬼平犯科帳」第5シリーズ 第2話 怨恨
  大満足の一作。久々に(?)"The 清水紘治!"という感じの役でした(←何それ)。80年代の清水さんぽかった(笑)えーとね、まず「気取ってる」。冒頭から「旦那は何人ぐらい人を殺めたことがあるんですかい」と訊かれて「そうだな…抱いた女の数ほどよ」「つまり数え切れぬほど、ということさ」とか言って、何、気取ってんですか、この人は!(爆笑)以前平蔵が取り逃がしたという盗人・磯辺の万吉、清水紘治演じる浪人(たぶん)杉井鎌之助に斬って欲しい人物がいると依頼。50両で引き受けようという杉井。今里の源蔵は弟の仇だという万吉の言葉をあまりまともに受け取っていないようですが「俺は小遣い稼ぎに人を斬ればいいだけか」とやさぐれているあたりが清水さんぽい。夏の話らしく、うちわでぱたぱたとあおぐ仕草がちょっと可愛かったです。
  旧知の喜十のもとに身を寄せていた源蔵、万吉の部下の尾行に気づき江戸を発つことを決めます。向かいの旅籠では、万吉、杉井、万吉の部下が酒を飲みながら源蔵を見張っている最中。酒をぐいぐいあおりながら、「雨は嫌いか?俺は雨が好きだ。大好きだ」とかわけのわからないことを言い出す清水さん。この人、酔ってるんじゃないか?(笑)雨も降っているし、もう今夜は仕事になりませんや、という万吉に「弟の…仇だと言ったな……俺は…雨が大好きだ……今から出かけて片付けてくるか」……はい?何言ってんですか、先生?さっき、10年近いつきあいだがお前に弟がいるなどと聞いたことがない、と言ってたじゃないですか。なんか目がすわってて完全に出来上がっちゃってるみたいなんですけど、大丈夫ですか? 前金をもらっておこうか、とか言って25両を受け取った清水さん、それを投げ上げて小判をとめてあった和紙をシャキーンと斬ってみせます。お、かっこいい。でも立ち上がると足がふらふら(笑)で、結局ばったり倒れてぐーとか眠ってしまいました。えー、何これ。清水さん可愛いよ!酔っ払って寝ちゃうとか激レアですよ! もうしょーがねーなー、という感じで万吉組、今夜はお開きムード。
  しかしながら、源蔵から向かいに万吉がいる、と言われた喜十、平蔵の部下の五郎蔵にタレ込みにいき、平蔵配下が旅籠を取り囲みます。寝ているところを襲われても一応ちゃきちゃき対応(というか斬りあい)する清水さん、酔いはさめたようです。腕に覚えありの清水さんは「長谷川平蔵、来い!」とか言ってやる気満々です←ちょっとレア。平蔵「強そうだな」となぜかにこやかに応じてタイマンモード(←すごい親切な人だな)。清水さんのことだからここで斬り死が定番なのですが、しばらくやりあって「世の中は広いな、俺の負けだ」とギブアップ。珍しい(笑)この最後の「俺の負けだ」のシーンが前髪が乱れててすっごいかっこよかったのです。あ、鼻血出そう。
  スカしてるし、やさぐれてるし、腕は立つし、浪人だし(?)、久々にすっごい「らしい」清水紘治を見ました。あー、楽しかった!もう90年代上半期大賞に決定!(←今できた制度) 清水さんらしくないところは、天然ボケなところと最後まで死ななかったところ。
  素晴らしく面白かったので原作を読んでみました。原作の杉井のほうが清水さんっぽい感じじゃないですか?「目が糸のように細い」という点を除いて(笑)寝込みに平蔵配下に踏み込まれて、寝巻のまま捕り手を切り捨て切捨て逃走するシーンが素敵にかっこよかったです。原作では「雨が好き」とは言ってましたが「大好きだ」とは言ってなかったような…(笑)杉井さんが酔っ払って寝てしまうのはドラマのオリジナルシーンなんですね。どうしてあんな可愛いシーン(おい)を作ったんだろうか。私へのサービスですか?(絶対違います)

「おばさんデカ桜乙女の事件帖6 シェフに忍び寄る甘いワナ」
  中村玉緒の「おばはん刑事!流石姫子」と市原悦子の「おばさんデカ 桜乙女」の区別がつきません(笑)まぁ、中村玉緒は天然でしたが、市原悦子は狡猾な感じでした。あんまり「甘いワナ」じゃなかったよ、というのはともかく、清水さん出てくるの遅すぎないですか?いや、私が見て楽しいかどうかという問題とは別に、清水紘治を怪しい要員にするならもう少し早く出さないと…。というか、萩原流行(の雰囲気)が大変怪しいので別に怪しい要員を配する必要はなかった気がする。シェフとその妻がお互い不倫をしていると見せかけてそうじゃないというのをやりたかっただけなのか。まぁ、このドラマの価値は、北海道の農場で作業服を着てトラクターを運転する清水紘治、これに尽きますけどね!確かに流行が「北海道で農場をやってる友人が」とか言ってましたが、まさか清水さんが農業を営んでいるとは思いませんでしたよ。元フランス料理の料理人で今は農家とか、ものすごく珍しい清水さんを見た気がする(笑)農場のシーンの清水さんの演技は「気のいいおっちゃん」みたいでなんかものすごい違和感が……(笑)普通の見どころ、シェフの奥さんに手を振るところ、かわいい(笑)
  個人的には、最初に被疑者だった頭の軽そうなお兄ちゃんは最後に出してあげるべきだったんじゃないかなぁ。

「おばはん刑事 流石姫子(2)」
  殺人事件の容疑者の恋人だということで捜査本部長を自ら降りたキャリア組署長(鶴見辰吾=中村玉緒の息子)の後任として県警から派遣された捜査一課長というのが今回の清水紘治の役。「これだから所轄は・・・」とかすぐ言ったりして威張ってて、なんか柴野さんだよなぁ、神奈川県警だし(笑) でもそんなに悪い人の役ではなく、無用にかわいいシーンとか出てきたので結構大満足な作品でした。中村玉緒のお弁当つまむシーンがすごいかわいかったです♪こういうシーンがある役って清水さん的には珍しいのでポイント高し。あー、ホントにかわいい。しかし取調室での「早く吐いちまった方が楽になるよ?」ってセリフは清水さんの役にしてはありきたりの台詞でしたな。ところで、登場してから最後まで一回もトレンチコート脱がなかったんですけれどもどうしてですか?(笑)・・・取調室でもトレンチ着てるんだもん。寒い星の出身(byフラッシュマンのインタビュー)だからですか?

「お祭り銀次捕物帖」第15話 鬼勘の黒い罠
  む、また兼続ヘアーの主人公ですか。あれは大河ドラマでやったから大ブーイングを浴びたものの、とんでも系の時代劇の主人公なら許されるということでOKですか?主人公の銀次の父親が岡っ引きの頑固親父で超キュートでした。
  清水さんの役は事件の目撃者、元相模屋の手代で今は乞食に落ちぶれた伊助さん。初っ端から乞食ルックで登場する清水紘治……レアだ。ロンゲでひげを生やしているのは構わないのですが、どうみても江戸時代の人間ではありません。ヒッピーとかそういう類の人にしか見えない。同じ乞食でも露口茂の長兵衛とかはちゃんと江戸時代の人に見えるのに、どうして清水さんはあんな格好なのか。だいたいどうしてショルダーバッグ下げてるんですか!(このショルダーバッグからごそごそと凶器の鑿を取り出すシーンがちょっと可愛い)しかし、後で銀次の実家で身ぎれいになった時の町人姿よりヒッピーライクな乞食ルックのほうが似合うって、どこまで町人姿の似合わない人なのか(笑)しかし伊助さんが五両二銖盗難事件の犯人だったという過去がさらっと流されて(いや、彼の証言によって事件が解決したことに罪一等を減じられたのはわかりますが)いい最終回だった!みたいなムードで終わっちゃっていいのかしら。

「隠密奉行・朝比奈」第1話 桜島に消えた割符
  スカパーe2の加入後16日間無料体験ということで見ることができました。この先シリーズ2の放送があり、清水さんは第2話にもゲストで出演しているのでどのみち契約しなくてはいけません。
  清水さんの役の予想、(1)地元の悪家老、(2)悪家老とつるんでいる悪者が雇っている用心棒の先生 の二択のはずだったのですが、悪家老はレンジさんでした。清水さんの役は意外にも公儀隠密。つまり主人公サイドです。えー、予想外(笑)石橋蓮司、清水紘治共演とかどういうサービスですか。といっても、同じ画面にはほとんど出てきませんでしたが。というか、清水さんの手首を切り飛ばしていたわけですが、石橋蓮司が。寝込みを襲われてコレって、どんな手練なんだよ、この家老は、と突っ込みつつ先に進みます。家老から奪った密貿易の割符の在りかを吐かない清水さんは、牢獄に監禁されます。潜入捜査官のように悪商人に用心棒として雇われていた朝比奈、父親を助けるため江戸から無茶をして薩摩藩に潜入した清水さんの娘、親切な若い医者と、江戸から朝比奈監視のためにやってきたのに朝比奈に身代わりを押し付けられていいように使われている金田明夫の活躍により、薩摩藩の密貿易問題は一件落着するわけですが、清水さんは牢獄で斬り死にしてしまいました(え) 北大路欣也が味方なんだから助かると思ったら大間違いです。何しろ片手の上に、味方の医者が全然使えないのですから。ほとんど清水さんが敵倒してるじゃん、と突っ込むそばから、医者がへっぽこなせいで斬られてしまいました。しかも「こりゃ絶対助からないわ」という斬られ方で。それでも割符をきっちり隠してあった有能な隠密・清水さんのおかげで朝比奈は任務を果たしてめでたしめでたしです。が、何となくすっきりしない。別に清水さんが死んでしまったからというわけではなく。死ぬぐらいのことに目くじらを立てていては清水ファンは務まりませんので(笑)ただ何の必然性もなく死んだ感じなのが釈然としないというか。別に死ななくても話締められたと思うのですけれど。
  まぁ、いいです。清水さんのひげ面と、片手で敵を屠るさまがかっこよかったのでよしとします。娘にも愛されてましたしね。清水さんのひげは比較的珍しいのですが、ちょっとワイルドで素敵じゃないですか?稲垣吾郎のお父さん役の時とか。
  せっかくの石橋蓮司なのに悪家老が雑魚と同じ扱いでさっくり斬られてしまったのにはびっくりしました。それに薩摩藩に怒られないのか?ドラマとしては朝比奈と奥方(萬田久子)のやり取りが可愛かったり、朝比奈と金田明夫のやりとりが可愛かったりして楽しめるつくりだったと思います。第2シリーズにも期待しておきます。

「隠密奉行・朝比奈2」第2話 讃岐丸亀 女のいない町
  番町皿屋敷と「女だけの都」を足して二で割ったような話。いや、全然違ってもっと殺伐とした話なんですけど。殿様の皿を割って死罪を言い渡された腰元と、それに反発して城下の寺に立て籠もる女達の話。女達の音頭を取っているのは国家老の妻で、清水さんの役は国家老の大野木主馬。こんなうだうだした役の清水さんは珍しいですね。ダメ男ならダメ男でもっとすっごいダメなことはありますが、こんな中途半端な感じも珍しいし、あんな困ってるのも珍しい(笑)寺に立て籠もっている奥方のところにきて「手荒なことはしたくないので大人しく腰元を渡しなさい」みたいなことを言う清水さんというのはレアです。監禁されている腰元が食事を取らないことを気にしたり、腰元を助け出すという朝比奈を見てみぬふりをしたり、下働きの夫婦が次席家老に斬り殺されたと聞いて動揺したり、本当に中途半端な人ですね(笑)
  朝比奈の大活躍で城から腰元を助け出したのはいいのですが、江戸から一時帰国した殿様(なぜ帰国したのか理由がわからん)に状況報告がされて国家老は大ピンチ。女どもは即刻寺を退去すべし、従わない場合は皆殺しというとんでもない殿様の下知で、とりあえず抗議行動は収束。腰元と家老の奥方を手討ちにすると息巻いて抜刀する殿様。そこへ大目付朝比奈登場。「藩主義信、乱心のため隠居して嫡子に藩主の座を譲るべし」との訴状が国家老・大野木主馬から出ていると大嘘をつきます。清水さんまた動揺。でも「違う」とはっきり言えないあたりが中途半端(笑)次席家老が訴状に大野木の印判がないと指摘。当たり前です、偽の訴状ですから。朝比奈、開き直って「大野木が血判を押せば問題ない」と切り返して、清水さんに丸投げ。えー、ひどくない?(笑)「大野木は血判なんか押さないもんね」とバカにする殿様。ダメ押しに「な、押さないよな?」と情に訴えます。内心、藩主の行状に非があると思ってはいる清水さん、苦悩の末に血判を押す。その途端斬りかかってくる殿様。はい、ここからしばらく朝比奈無双をお楽しみください。いつもの清水さんなら斬り合いになれば三人や四人は倒すのに、誰かに庇われてるなんて屈辱だわー、と思っていたらちょっとだけ立ち回りがありました、素敵。ご家老のキャラがキャラだけにそのギャップに萌えました。結局、この役に清水紘治がキャスティングされた理由は謎でしたが。
  状況を会社に置き換えて考えると、国家老の立場というのは同情せざるをえない感じで、奥方に肩入れはできませんね。国家老が清水さんというのを差し引いても(笑)
  相変わらず、朝比奈と奥方とか朝比奈と金田明夫とか、かわいいドラマですね。特に仮病を使っている奥方を心配する朝比奈が可愛すぎるだろ…。ところで金田明夫は結局いつも朝比奈の仕事を手伝っているだけのいい奴なんですか?かわいいですね。

「怪奇大作戦 セカンドファイル」 第2話 昭和幻燈小路
  本放送の時には1話、2話、3話と続けて見ましたが今回のように2話だけ切り取って見ると全く印象が違って驚きました。それを狙っての1話→3話→2話という変則的な放映順なのか、それとも何か理由があるのか。当初の予定通り、実相寺監督の演出で見てみたかったなぁという思いを新たにしました。不思議で悲しい話だと思います。清水さんは、彼一人の「思い」が街をタイムスリップさせてしまうキーパーソンの老人の役だったのですが(まぁ、現象の解釈には色々あると思いますが)最後の写真館での無言の演技の印象が強すぎて清水さんには「……おかえり、光子」以外セリフがなかったように勘違いしていました、5年越しに勘違いを訂正。恥ずかしい…。初見の時、このシーンの清水さんの演技には後頭部を殴られたような衝撃を受けたものですよ。ああいうタイプの演技は珍しいというのも一因ではありますが。やっぱりすごい役者だなぁと思いました。本当にこのシーンのことばかり印象に残っています。今回、西島秀俊がすごくいい演技をしていて感心したのですが、前回はその感想すら吹っ飛んでいました。というか、本当に私って「役者の演技」しか見ていないんだな。最後に、 昭和末期に子供時代を過ごした者としては「あのレトロ世界が『昭和』ってそれはないんじゃないの…」と思うのですが(笑)

「外交官 黒田康作」第4話 王女誘拐事件の謎、第5話 ついに、直接対決
  安定の悪役演技。あ、いけないいけない、この一言だけで終わってしまうところでした。私は「MR.BRAIN」とこれを混同していたことに気づいた。最近の清水さんは演じる役の3分の1ぐらいが代議士か国会議員のような気がするのだが…。で、何かものすごい既視感を覚える役だなぁ。2サスか何かで絶対似たような役を何回かやっていると思う(笑)第4話にも出演していたので(というか第4話がメインだった…)出演作一覧を訂正しました。
  ものすごい久々に"conte partiro"を聴いた気がする。ストーリーよりこっちのほうが印象に残ってしまった(笑)オリジナルよりかなりあっさりめの歌唱でこっちのバージョンのほうが好きかも。

「帰ってきたOL三人旅 3 小樽湯けむり初恋旅情殺人事件」
  松下由樹、羽野晶紀、渡辺美奈代のOL三人組が旅行するたびに殺人事件に出くわすというシリーズもののようです。今回は松下由樹の初恋の人の結婚式の最中に花嫁が姿を消すというのが事件の発端。しかし、大学で一年一緒で、それ以降どれだけつきあいがあったのか作中では明らかにされていませんが、友人二人と旅行中であるにもかかわらず、妻を亡くしたばかりの大学時代の先輩にあれだけつきまとう松下由樹はちょっと異常ではないかと思うのですが。
  清水さんの役は、松下由紀の初恋の先輩の結婚相手の父親で小樽のガラス工芸家だったようです。娘婿に先生と呼ばれていました。つまり父親が娘に工房の跡継ぎ候補と見合いさせたということらしいです。なんとなく苦悩する顔の多い清水さんでした。娘を殺され、もう一人の娘は×××。後継者にしようとしていた娘婿に至っては×××のうえ×××と踏んだり蹴ったりというか、別に悪いこともしていないのに結果的に一番かわいそうなことになったのは清水さんだったように思うのですが、こういうパターンも珍しいですな(笑)先輩はなんか被害者ぶってましたが、結局甘ったれたトラップを仕掛けた自分が悪いと猛省してください。地元警察の若いほうの刑事役の演技が結構好きだったかもしれません。

「鍵のかかった部屋」第6話 密室劇場
  密室オタクの主人公と、新人弁護士とその上司が毎回密室殺人に巻き込まれてはドタバタしながら解決するドラマ、なんだと思います……たぶん。たまたま見た第1話では、主人公が密室のトリックを解くだけで犯人探しに全然興味を示さないのがものすごく斬新で「何これ、面白い」と思ったんですけれども、普通に犯人探しするようになっていてちょっとがっかり。でも佐藤浩市の面白演技が見ものだったのでよしとします。変な俳句をひねるところとか(笑)
  清水さんは、芹沢弁護士(佐藤浩市)の秘書の女の子の父親役。最初「会長」と呼ばれたのでクライアントかと思ったのですが企業法務弁護士協会会長(?)で佐藤浩市の大先輩。準レギュラーメンバー(?)の父親役だったので、犯人ではあるまいと安心して見ていられたのは良かったです(笑)恩師の娘を預かっているのに彼女が殺人事件に巻き込まれた挙句、父親に内緒で演劇をつづけてきたこと、つきあっている男がいること、その男がよりによって一番怪しい容疑者であること等々、聞かされたくない話のオンパレードに頭を抱える佐藤浩市。「俺が水城先生(=清水さん)に会うまでに絶対解決しろ」と無茶振りします。自分の秘書と疑われているその彼を助けるために密室の謎を解け、ではなく、事件が解決してさえいれば「帰り際に必ず『娘はどうしてる』って聞いてくる先生に『元気です』って答えられるんだよ」という芹沢の身勝手さが可愛げになっていると思います。何も聞いてないことにして「元気にしてます」と答えればいいのに、それはできないのね(笑)この「先生」が恐くて終始びびり続けている芹沢というのが、今回の芹沢弁護士的みどころと思われ、そのためには仕方がないのですが、芹沢・秘書・芹沢の恩師(=秘書の父親)の年齢構成が少しおかしかったかも。何がいいたいかというと、芹沢って秘書の子の父親ぐらいの年代ですよね?という話。水城先生が娘に「いつも笑顔でいなさい」と言うのですが、この時佐藤浩市がすっごい笑顔を浮かべているという小芝居が好き。先生が怖くて絶対服従ですか。そりゃそうですよね、芹沢が駆け出しの頃の水城先生って若い頃の清水紘治ってことだもん(笑)
  今回のみどころ、「水城先生が」「水城先生が」と佐藤浩市に恐れられている清水紘治(笑)実際、「機嫌が悪いが君に腹を立てているわけじゃない」という台詞のあったシーンはちょっと怖かったし、どんな怖い人なのかと思ったら娘に対しては物わかりのいい優しいパパでした、という落ち。娘が演劇を続けていること、つきあってる男がいることを聞いても、自分から打ち明けるのを待ってたんだろうなぁ、という感じでした。清水紘治であることを逆手に取った「変装捜査官・麻生ゆき」に似たパターンですね。……すごい、私、全然メインのストーリーに触れてないな(笑)まぁいいか。

「影の軍団III」 第7話 南から来た女間者
  琉球王朝の王女の母親探しに豊臣家の隠し財宝50万両(おいおい)探しが絡む荒唐無稽なお話。いつもこんな具合なのかどうかは不明。蟹江がちょっかいかけてた花売りに旦那が死んだこと話してやったのか、とか、ラストでお姫様に母親を「探してやる」と言った真田は次回から出てこないのかよ、とか、ストーリーに突っ込みどころが多すぎてちょっと微妙な感じでした。ストーリーより活劇と爽快感を楽しむものなのかなぁ。
  清水さんの役は、凄腕の…催眠術使い?(爆笑)いや、手裏剣を飛ばしまくっていたし、剣の腕も立ちそうだったけど、鈴の音で催眠術みたいなものを使っていました。怪しすぎる…。前髪ばさばさのポニーテールに着流し。琉球王を殺して王妃を攫った家臣で今は紀州藩の商人になっている平戸屋に雇われているようです。うわー、若いなぁと思って見てましたが、この頃にはもう悪役としての貫禄はついてる感じですかね。平戸屋を自爆させて悠々と立ち去ろうとしたところ、千葉真一に「待てい!」と呼び止められての最後の一騎打ちシーン。一矢報いていたので一応「できる」役であったと思われます。一番引いたアングルの殺陣はスタントかな。すごいジャンプとかあったし(笑)
  (1)悪い、(2)凄腕、(3)やさぐれてる、この三点が揃うと私には「時代劇の清水さんらしい役」に見えるようです。一番の疑問は時代劇を見る習慣が全然ない私がどこでこの確固たるイメージを確立させたか、なんですが(笑)
  時代劇専門チャンネルの字幕付きで再見。千葉真一が清水さんを呼び止めていうセリフが「あぐり忍びか」に聞こえて「???」と思っていたのですが「はぐれ忍びか」でした。伊賀とか甲賀みたいなものでもっとマニアックな流派があるのかと思いました(笑)清水さんは甲賀流の役しかやったことがない気がする…。

「風」第9話 走れ!新十郎
  「ローマの休日」江戸時代版。これを見るとアン王女がいかに好感度の高いキャラクターとして作りこまれているかよくわかりますね!(ディレクターズカットは微妙ですが)。ラストのからっとした感じは好きです。くのいちのかがりがすごい可愛いとか、同心の左近さんが超いい人だとか、老中水野と何とか藩家老が向かい合って話するシーンでお互いの後頭部越しに相手を映すものすごく変なカメラワークとか、色々と面白いところはありましたが、何といっても見どころは、この「風」第9話が実相寺監督と清水さんの記念すべき出会いだったということでしょうか。……いや、ドラマ見てもわからないか、それは(笑)主役の栗塚旭を見て、こんな昔から兼続ヘアってあったのね、と思うわたくし。
  清水さんはお姫様に惚れられる飛脚の青年だったのですが、飛脚というだけでも斬新ですが、陽気なお兄ちゃんというか、下町の人気者というか、女の子にもてもてというか、とにかく大変珍しい清水紘治でした。激レアです。個人的には可愛かったと思いますけど、ダメですかね? というか、顔かわいい(笑)でも町人髷似合わん。この小源太とか、「富嶽百景」の赤星さんとか、ちょっと可愛い感じの役がわりに好きなんです。こういう系の役が一番好きなのか、と問われたらたぶん違いますが。

「風と雲と虹と」
これも(当たり前だが)総集編ビデオで見たので、清水紘治は緒形拳の部下の海賊らしい。というぐらいしかわからなかった。(※これを書いた当時は完全版DVDはなかったのです…)「裏切り者は斬る、たとえ純友の殿でもな」とすごんだ後の、京の都で何もできなくてもいい、俺はただ都が燃えるのを見たかったんだ、という台詞がちょっと泣かせます。無用に爽やかな加藤剛の平将門と男っぽい緒形拳の藤原純友が印象的。紀淑人役で細川俊之出演。若いっ!うわぁ、素敵(笑)

「科捜研の女」 第9話
  京都府警の警備部長役。……一体、何のための清水紘治なのか。というか、「科捜研の女」スペシャルが初登場なので、その時にはもう少し清水紘治っぽい役だったものと思われます。たぶん。

大河ドラマ「勝海舟」
  昔々の大河ドラマ、中村半次郎などというおいしそうな役であります。なんか清水さんて「人斬り」タイプだよな。でも「勝海舟」は総集編出てないし、出ていても総集編ではそんなに映るまい・・・。あー、口惜しい。すごく似合ったと思うのだが。よし、これも再放送希望だ(笑)(ワタクシのいう「再放送希望」とは別にNHKにリクエストを出すとかいうわけではなく、もしも再放送したら見よう、と心の中で思うことを指す)しかし、勝海舟役より勝海舟にそっくりな中村半次郎ってどうなのよ?(笑)
  スカパーの総集編放送、前編には残念ながら清水さんの出演がなかったため、総集編の後編のみ視聴。「勝海舟」というタイトルのわりに坂本龍馬劇場になりかけていたのはいいのか?というのはともかく、このドラマは、つまり子母澤寛は龍馬暗殺は薩摩黒幕説なんですね。おかげで中村半次郎の出番が。ありがとう、子母澤(笑)龍馬の政権構想を聞いて今後の邪魔になると判断した大久保が、龍馬は邪魔だ、と中村半次郎に告げて、中村半次郎がそれを黙って受けるシーンは静と静といった趣きのシーンでした。前後に登場する藤岡弘演じる龍馬が暑苦しいだけに。
  桐野利秋(私はこちらの名前の方が馴染み)は馬面で目が細くて全くもって清水紘治的なイメージの人ではないのですが(というか、ルックスでいったら清水さんは勝海舟だし…)、この頃の清水紘治の人斬りイメージからのキャスティングなんでしょうな。本編で中村半次郎が人を斬るシーンがあったのかどうかはわかりませんが。たとえば、西郷・勝対談で江戸開城が決まる場面。次の間で刀を手にじっと話を聞いている時の、西郷が何か一言発すれば勝を斬る!という風情が素敵に「人斬り」だったと思います。隣で勝斬るべしと逸る誰かを必死でなだめている蟹江敬三には「翔ぶが如く」でも薩摩藩士だったよなぁとニヤニヤさせられました。この人の大山綱良好きだったな…。

紙つなげ!(「池上彰のJAPANプロジェクト」)
  珍しく(笑)少しドラマのことを書きます。このドラマを見て、3年間の色々な事を思い出しました。こういうことを書くと大変申し訳ないとは思うのですが、阪神淡路、中越の自身とは違って私自身が経験した震災だったと感じました。東京在住ですから経験したといっても多寡が知れてはいますが、あの長い揺れの間、「あぁ、なんかまずいんじゃないの、これ」と思ったこと、揺れがおさまっても建物がいつまでもみしみし鳴っていたこと、報道番組の津波の映像に全く現実味を感じられずにただ黙って画面を見ていたこと、電話が全く繋がらなかったこと、何時間も歩いて家まで帰ったこと、赤坂見附付近の246の渋滞の凄さ、夜じゅう携帯の地震警報がうるさかったこと、あの後、何週間も会社、駅、街中が暗かったこと。それで、自分でもびっくりするぐらいそういう色々な出来事を思い出したのは、あの揺れの直後、東京の社長室のシーンがあったのが大きな理由だろうなと思いました。あのシーンがあったからドラマに引き込まれたというか、「巻き込まれた」という感覚です。否応なしに。
 清水さんは日本製紙の社長役。まぁ、ほかに役はないことはわかりきっていたのですけれども。私が思っていたより社長の登場シーンは多かったです。石巻に視察に行ったり。相変わらず作業服が似合わなかったり。「MR.BRAIN」をつい思い出す似合わなさ(笑)いいのです、あの似合わなさが社長らしさなのです。……たぶん。

「神谷玄次郎捕物控」第11話 霧の果て
  怠け者だが剣の腕は確かな北町奉行所同心・神谷玄次郎(古谷一行)が、様々な事件の謎を暴く…というが、例によって最終話をいきなり見たので神谷が全然怠けていないわけですよ。困ったことに(笑)気を取り直して、清水紘治の役の紹介。浪人、鶴木右膳。定番中の定番、凄腕のやさぐれ浪人です!まったくもっていつも通りの清水紘治でした。全てが予定調和で、もはや様式美の域に達しているといっても過言ではありません。でも素敵でした。こういう役を演じる清水さんは本当にかっこいいな。90年代上半期大賞にけtt……あ、それは「鬼平犯科帳」に決めたんでした。でも93年の「八丁堀捕物ばなし」も同じくらいかっこいい予定なんですけど。困るな。この手の役は鉄板にかっこいい清水さんですが、いったい何回ぐらいこういう役を演じたのか数えてみたい気がする(笑)
  今回の清水さんは、18年前駆け落ちして江戸に出てくる→剣の腕しか取り得のない清水さん困窮→奥さんが身売り→それでも借金のカタに奥さん取られる(偉いさんに献上される)→札差の井筒屋の用心棒になる→絶賛やさぐれ中(今ココ)。というわけで冒頭からお仕事です。物陰からのぞく横顔のラインだけで「あ、清水さんだ」とわかってしまうわたくし(笑)同輩と酔っ払っていたどこぞの侍を一太刀でばっさり。顔を見られて名前まで呼ばれているのに目撃者を放置して去る鶴木さんがやさぐれすぎ。家中の腕利きが辻斬りに斬られたとあっては沽券に関わると事件を隠蔽する伯耆守江戸屋敷の面々。下手人の腕前の見事さに18年前の母と妹を斬殺された事件を思い出して穏やかでない神谷。手出しひとつできず現場に居合わせた被害者の同輩が、下手人探しに力を貸して欲しいと頭をさげにきて、下手人は鶴木という名の浪人と知れた。鶴木を探す神谷、一方、鶴木は自分のことをかぎまわる神谷を始末しようとするが、神谷を庇う女(神谷と恋仲。えーと、藤真理子?)を斬れずに剣をおさめる。清水さんの役にしては甘い(めずらし…)。鶴木の住む貧乏長屋を訪ねる神谷。神谷の目的は母と妹を斬った鶴木を捕らえることより、18年前の事件(神谷の父が担当した井筒屋の手代殺し)の黒幕を捕らえることだが、「町方同心風情に老中水野は手に負えまい」と笑われる。功名目当てと言われてキレた神谷、「お前が斬ったのは俺の母と妹だ」と告げる。被害者の同輩が神谷に届けた裏帳簿が証拠となって井筒屋が奉行所に捕らえられるが、もちろん老中には司直の手は届かず。このあたりで鶴木のやさぐれ生活も限界。屋敷に乗り込んでさくっと老中と囲われている自分の妻を斬り殺す(ちょっと、ちょっと…老中とか平気で斬殺かよ!)。このあたりがすごい清水さんだよなぁ、と思う。普通なら神谷が結構いいことを言っているので、もう少し神谷寄りになってもいいと思うんですけれどもね。鶴木の絶望はもっと深いんだろうなぁ…。その後、神谷を呼び出したのか、神谷と一騎打ち。互いに一閃。もちろん清水さんの負け(笑)不意を衝いたとはいえ斬りこみにいった時にあれだけ押してたのになんか納得いかない……(笑)まぁ、もともと死ぬ気だったという気もするのですけれど。神谷が「鶴木…」と言ったのはそういう意味かなぁと思ったのですがどうでしょう。
  いつもの総髪浪人髷に着流しだったのですが、そのはらはらと落ちかかってる前髪は何なんですか!……萌えるんですけど(笑)清水さんは総髪でも月代ありでもドンと来いだと思いますが、私は生粋の時代劇ファンではないので、というか実は時代劇が苦手なので浪人髷でちょっと前髪が乱れてるぐらいの髪型が一番好きです。現代劇はオールバックも好きですけどね。あ、前髪ハラハラは好きですが、兼続ヘアは無理です。

「仮面ライダーアギト」 第22話-第25話
  城北大学の教授で警察のG3システムの開発主任・小沢澄子の大学時代の恩師。 初登場の回から、小沢に「私は昔から君のことが嫌いだった」と言い放ってみたり敵対ムード満点(笑)ですが、個人的感情とは別に小沢のG3Xシステムを高く評価したり、システムとしては優れていても実運用時に問題のあるG3Xをどう変えるべきなのか助言したりと実にいい感じの役でした。一見対立している風の人がやるから素敵なんですよ。いや、本当に対立しているのかもしれないのですが(笑) 非常にワタクシの好みのタイプの役で楽しかったです。(誰もそんなことは聞いていません)
  ちなみに公式ページの「アギト日記 - 恐怖!高村教授」によると清水さんは初登場の回「昔から君のことが嫌いだった」という台詞ばかり練習していたそうです。さすがですね、教授!あの台詞でつかみはばっちりですよ!(・・・そうか?)
  CSで再見。久々に見たら、やはり高村教授は大変素敵な役でした。初登場シーンが強烈なのでついその印象に引きずられて誤解してしまいますが、この後の展開を鑑みれば高村教授はフェアなジェントルマンなので、「君のことが嫌いだった」は研究者として最大限の侮辱を受けたことによるかなり腹立ちまぎれの発言だったものと思われます。問題は教授が落ち着き払っていたのでそうは見えないところですが(笑)おそらく在学中にも小沢の態度に時々イラつくことはあっても普通に接してやっていたのでしょう。だからこそ小沢主任は教授に「私の完璧システムと競うことになるので恥をかく前に開発を下りたほうがいいですよ☆」とわざわざ言いに来たわけで(←どうみても「嫌いな人」に対する態度以外の何ものでもないように見えますが、この人はたぶん本気でよかれと思って教授に会いに来たんだと思う)。「それなら、私もあなたを嫌いになります」と微妙に傷ついた顔をしているのが笑えるし、あの後の津上翔一との会話を聞くと結構傷ついてますよね、少なくともジョッキでやけ酒をあおる程度には(笑)こんな険悪な空気で再会を果たしたわりに、何だかんだでこの後二度にわたって教授に意見を求める小沢とそれに応える高村教授の関係は結構素敵です(何か勘違い)。

「がんばらない」
  文化庁芸術祭参加作品、だそうです。西田敏行が院長を務める八ヶ岳中央病院でくりひろげられる人間模様という感じです。清水さんの役は病院脱走の常習犯で大腸がんの市毛良枝の夫。市毛良枝は家族に迷惑をかけたくないという理由でわざわざ遠くの病院に入院してきたくらいで、清水さんは全然出てきません。ラスト前10分くらいになってようやく娘と病院に訪ねてきます。で、なんとセリフなし(!)なんですが、まぁ無言で奥さんに見せる表情というのがすごくいいんです。いいんですけれども、もうちょっと出てきてくれると期待していたので・・・(苦笑)

水曜ミステリー9「ガンリキ 警部補・鬼島弥一」
  警視総監賞を3つも4つも5つも貰っているアスペルガー警部補(たぶん)と本庁捜査一課のツンデレ女刑事のコンビ物第一作(予定)。梅雀がアスペルガーの設定なのか、クルーゾー警部タイプの棚ボタ系の設定なのか、よくわかりません。相方の七海さんは可愛いと思います。しかしキャラ設定がどうこうという以前にストーリーが全然ダメだと思うのですが……。水曜ミステリ9を最近3回見ましたが、いずれもホンが微妙すぎて集めた役者がオーバースペックという印象です。
  清水さんの役は著名なノンフィクション作家、医学界の暗部を暴く著書を執筆中。暴かれるほうの大学付属病院院長も何となく清水さんが演じそうな感じの役だったのがちょっと笑えました。今回の見どころ、というか注目ポイント。清水さんが「義理の娘とできてる」でも「義理の娘に超尊敬されてる」でも私は同じくらい萌えるということがわかったこと(笑)夫が不満を感じるほどの義父萌えの京子さんに私が萌えるんですが。大学生の頃から大ファンで、担当編集者になりたくて現勤務先に就職して、挙句に息子の嫁になったとか…(←説明台詞で済まされた部分に萌えるなよ)。まぁ、義理の娘と男女の関係、というのは妻と息子によるでっちあげだったわけですが(どんな妻と息子だよ…)、ヤバいまでに激しくファザコンの娘の父親役を演じる清水さんを何度も見ているので「義理の娘とできてる」とか普通すぎて「ふーん、さすが清水さんや、羨ましい……もちろん息子の嫁が」とかスルーしてしまうところでした。
  しかし、清水さんと義理の娘は殺され損というか、ようするに息子が悪いだけなのに…。犯人が被害者ぶっていて、梅雀もそれを許容しているのが全然納得いきません。清水紘治演じる作家先生が家では横暴だったとかいいますが、あんな過保護ママとマザコンの言うことに信憑性があるのかどうか。だいたい殺害犯の二人が殺した相手二人のことを一方的に語るのを鵜呑みにしてどうする。それにあの料理研究家からは地雷臭がします。たとえて言えば「昔の男」の富田靖子というか。あんなお洒落な家なのにドアノブにパッチワークのカバーかかってそうで怖いです。

「義務と演技」
  どっちかの夫婦の誰かの職場の上司とかそんな役で毎回ちょっとだけ出ているのだろう、と思うとなんとなくレンタルしてまで見る気になれない。……と書いたのがもう何年前のことだったか。web上で見つけた解説により、役名と浅野ゆう子の上司役という情報だけ仕入れた後、別件で加入したCSで放送しているのでクレジットのみ確認。で、やっぱり無理。何が無理だったかというと嫌いな女優がメインキャストに含まれているので見られませんでした、という意味で、録画してクレジットを確認して、前後とCMをカットしてそのままBDに焼いています(爆笑)なんという屈辱。
  後日談。その後、頑張って見ました。清水さんが出ているところ「だけ」(笑)たしかキャリアウーマンだったような気がする浅野ゆう子の職業がなんだかわからなかったので、適当に(清水さんの役は)「部長ぐらい?」などと書きましたが、清水さんの役は建築デザイン事務所の社長でした。社長のことを「上司」とは言わないような気がしますが、まぁ、いいでしょう。後半の清水さんの出番は、浅野ゆう子の不倫相手(仕事のクライアント)の妻が嫌がらせに送ってくるFAXやら写真関連での呼び出しが主だったのですが、清水紘治に怖い顔で「仕事上の関係だけと言い切れるのか?」と2度問い詰められて平気で「はい」と嘘をつける浅野ゆう子の根性は素晴らしいと思いました。清水さんは時折、こうして普通のおじさんみたいな顔してトレンディドラマ(死語)に出ているから困る。どうでもいいですが、結城丈一郎(清水さんの役名)って字面が素敵ですね、私は好きです(笑)それにしても「昔の男」といい「義務と演技」といい、内館牧子はどうしてこんな気持ち悪い話ばかり書くんだろう。そのわりに内館牧子本人のことは別に嫌いではないのがむしろ不思議です。

日曜劇場「99.9 -刑事専門弁護士-」 request.09 深山、敗北!?華麗なる一族の悲劇…
  意外に面白かったです。弁護士事務所キャストの雰囲気が面白いし。岸部一徳や香川照之といったキャストもいい。主人公と室長の変なダジャレ合戦とか。年齢を超え立場を超えオヤジギャグを分かち合う二人(笑)何なの、この二人は大親友なの?それに和室で琴を弾いている長男の嫁とか、どこの犬神家ですか、ここは。ヌエに襲われる主人公の同僚ってなんですか、ここは悪霊島ですか!「良きこと聞く」の掛け軸に、スケキヨ写真、獄門島の俳句シリーズ、一族揃って並ぶシーンの切り替えショットとか、金田一物のパロディをこれでもかと突っ込んでくる製作陣。琴・菊・斧さえ突っ込んでくる過剰ぶり。私は一回だけなので面白く見ましたが、毎回では見ている人は疲れませんか?三谷幸喜のドラマみたい…。まぁ横溝だったら三男嫁のお腹の子は三男の子じゃありませんけどねー(笑)
  「Wの悲劇」と金田一モノを足して2で割ったようなストーリーでしたが、ここは清水紘治ファンとしてはニヤニヤするところでしょう。たとえ最後の落ちまで見えていたとしても。また番組表のあらすじで殺されていた清水さんですが、今回は私の予想より生きているシーンが多かったです。残念だったのは二段落ちの一段目の「さて皆さん」があった時、華麗なる一族(笑)の中で犯人が誰なのかが、キャストでわかってしまうところ。ここに三人ぐらい真犯人になりうる役者を配すると2サスになってしまうのでしかたありません。気になったこと、(1)三男の嫁が、母親と全く同じようにお茶を音を立ててすするシーンに何か意味はあったんだろうか。育ちが悪いから華麗なる一族で爪弾きにあっていたということを示すためだけに?でも山城家の人も座布団の上歩いてましたよね?犬神佐兵衛みたいな成り上がり一族なの? (2)お金持ち一族なら会長の介護にはプロのヘルパーを雇ったらいいのに?昔気質の会長はそれもいやなんだろうか? (3)玄関の靴の列の話って落ちがつきましたか?
  最後に。言えやしない、言えやしないよ。榮倉奈々をずっと多部未華子だと思って見ていたなんて、誰にも言えやしない。

「京都祇園入り婿刑事事件簿(9)」
  サスペンスというにはあまりにもお粗末な出来でしたが、清水さんがかっこよかったのでよしとします。それに金曜「エンタテイメント」だから別にいいのかと思い直しました。清水さんの役は、能の宗家で菊地麻衣子の父親役。紋付袴姿がすごく素敵だったのでキャーキャー騒いでみました(笑)清水さんは例によって犯人だったりするのですが、娘を思うあまりの殺人だったり、弟子に庇われたり、最後まで殺されなかったり(←重要)したのでちょっとレアケースです。以前「清水さんは普通の父親役が少ない」と書きましたが、今回はかなり「お父さん」な感じの役でした。
  しかしですね、能楽を多少はかじった者から言わせて貰うと、あのアリバイ工作はナンセンス過ぎます。控え室で装束と面(おもて)をつける能楽師なんていない筈です。鏡の間で装束をつけて最後に面をかける、これは大事な儀式のようなものでこの手順が省かれることはないと思います。あのネタをやりたいなら「控え室で御厨先生にお茶をお出しした」ではなくせめて「鏡の間で」とするべきでしたね(それでも変だけど)。映画の「天河伝説殺人事件」でもそうでしたが、控え室で一人で衣装と面をつけたシテがそのまま幕をくぐって舞台に出て行くとでも思っているんでしょうかね。殺して現場から帰ってくるだけならともかく、仕度の時間をまるっきり計算に入れていないようですから。私は最初、実は舞台に立ったのも宗家ではなく身代わりの弟子だったというアリバイ工作なのかと思ってしまいましたよ(笑)宗家の名を傷つけぬよう最高の舞台を見せる弟子と、宗家として何よりも大切な筈の舞台を犠牲にしてまで娘のために殺人を犯す父、という方が泣けると思うんですけれどもダメですか。・・・能の内幕ものじゃないですからダメですね。

「京都の女庭師 風水探偵さくら子(1)」
シリーズ物にするぞ、という局の意欲を感じさせるキャスティングだが、たとえシリーズになったとしても、清水さんはやっぱり殺されちゃったから、私にはもう関係ない。シリーズ物の役を持っていると「追っかけ」的にはおいしいのだが、清水さんは出るとたいてい殺されている。今回は珍しく、実行犯だったりするのだが、「もう私は耐えられん。私が罪をかぶってもいいから警察に話そう」といつになく弱気。さすが老舗呉服屋の婿養子(意味不明) しかし婿養子役というのは珍しいような気がしますが。婿養子というとやはり西岡徳馬とか(笑) しかし沢口靖子はあまり「風水探偵」ではなかった。「庭師探偵」だろう、あれは。

「ギンザの恋」
  視聴率不振の為に全7回で最終回を迎えてしまった、結構前代未聞かもしれないドラマ。回が進むに従い「もう何をやったっていいんだ!」という製作側の開き直りがびしばしと伝わってくるようになりました。初主演作がこういう不名誉なことになってしまったトータス松本の俳優としての今後は一体・・・とかいうのは私にはあまり関係なく、朝っぱらから実にくだらないことに熱中する「銀座のひまひま3人組」の一員としての清水さんをひたすら楽しめばOK。なんか・・・昔の映画に出てくる変人英国貴族みたいだ・・・(笑) 最終回における、西田健さんの「なぁ、一太・・・なんで俺達はストーリーに関係ないんだ?」という嘆きというか突っ込みが全てを物語っているように、ストーリーに全然関係ない役でしたが、見ていて大変楽しかったです。
  トータス松本がビルのエレベーターを降りて「よし」というところから流れるあの曲のイントロは、私の中では完全に「ひまひま3人組」のテーマ曲として定着しました。

「金田一少年の事件簿」第4話 秘宝島殺人事件
  どうしてこの人は、時々「デボラがライバル」とかこれとかにいきなり出ていたりするのであろうか。このあたりの出演作のとりとめのなさが寺田農に似ていると思う。(でも寺田農はさすがに戦隊物には出ていないが)
  キャストの比重からみても怪しさからみても、いかにも犯人ぽいのだが、またしても「殺され役」です。さすがに殺され役の中では最後まで生き残りましたが(笑)見所は、時々「島のオーナーか!?」というくらい妙に鷹揚で偉そうに見える清水様(笑) 鳥小屋に近づく際にポケットチーフを鼻に当てる仕草(厭そぉぉな顔が好きだ)。あと無用に怪しいこの一言。「・・・クリス・アインシュタイン」。何もそんなに雰囲気出さなくても・・・。一瞬そこだけ実相寺ワールドになってました。

「金融腐食列島 再生」
  録画のアタマが切れていてごちゃごちゃした話なのにストーリーがよくわからないんだよなぁ。会長と頭取の対立軸(不正みのがし派と清算派という意味でなく経営上の)はメガバンク指向と地銀連合という解釈であっているのであろうか。舞台は銀行。過去の不正融資をもみ消そうともくろむ会長に渡辺文雄、不正を正して再生を目指す頭取に細川俊之、頭取の特命で過去の融資を調査するプロジェクト推進部副部長に村上弘明、村上と同期の出世頭に益岡徹、会長派の常務に伊武雅刀。頭取派の専務に小野武彦。総会屋の大ボスに鈴木瑞穂。
  清水さんの役は銀行員時代は会長の過去の不正に関わり、今はその不正融資の中心となった金融会社の社長。特命で内部調査を行う村上弘明に暴力団と癒着している自社の実態を明かし、その繋がりを断ち切るのが自分の最後の役目と行動を起こすキーパーソンです。……まぁ、その結果消されてしまうわけですが。でも会長を告発する切り札を村上弘明に託して最後の大逆転を可能にするわけで、いい役回りでしたよ。立場的にはちょっと「レディ・ジョーカー」で清水さんが演じた倉田副社長っぽいなぁ、とか。
  細川俊之はどうみても「いい人」な頭取役なのですが、怪しい風情が炸裂しすぎてなんとなく落ち着いて見ていられませんでした(笑)というか、ちょっと口調が浮いてましたよ、頭取。しかし、細川俊之、伊武雅刀ってどんな美声対決ですか。ずっと「ですます」口調だった伊武雅刀が最後いきなりヤクザみたいな口調で村上と益岡を脅しだすのは笑えました。いつも上品な鈴木瑞穂が村上を足蹴にしたり、怒鳴ったり、凄んだりしていて珍しかったです。それにしても益岡は本当にかわいい喃(笑)

木曜ドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」第7話 温泉爆発!?理不尽な敵に勝つ!、第8話 今夜決着!! 3億を巡る法廷対決
  清水さんはドラマの第1話か最終話のゲスト出演がわりに多い印象ですが、初回はわかりやすくてよいのですが、終わりのほうになると「皆様ご存知」となっているところに飛び込むので、キャラ設定とかわからずに見ることになるのが辛い。かろうじて竹野内と松雪が元夫婦であることは理解しましたが、弁護士事務所トップの國村隼のキャラなどは全くわからずに終わってしまいました。岬&マッキンリー法律事務所の弁護士は印象に残る役者さんでした。若手のほうはキャラを立たせただけで落ちもなし。脚本がいまひとつといえましょう。
 さて、ドラマに出てくる代議士というのは10人のうち9.5人ぐらいは悪人と決まっているのですが、私の予想とは異なり、弁護士に直接やっつけられる悪役ではありませんでした。正義の弁護士に訴えられる設備会社の社長の後ろ盾、という微妙なポジション。ピンポイント出演ですね。したがって見所は、(1)iPhoneを使う荒木田議員、(2)荒木田議員のポスター、(3)荒木田議員の公式サイト、の3点でしょうか。清水さんがドラマの中でスマホを使っている描写は初めて見たので、個人的には(1)が一番「おおっ」となりました。あと清水さんが国会議員役の時、いつも思うんですが「そのポスター私にくれませんか」(笑)あの年で衆院当選5回というのは官僚から国会議員に転身したタイプ?と思ったのですが、県議→衆院コースという設定らしいです。地元密着型ですね(笑)だからあんなショボい会社の社長が後援会長なんですね…。ネタをひろうためについ画面に映る公式サイトのプロフィールを一生懸命読んでしまいましたが、自分の公式サイトに「次は閣僚就任確実といわれる」なんて記載する議員がいるとは思えません。有力議員であることをセリフで示したかったのでしょうが、これは他の方法で表現すべきでした。本当に最近のドラマの脚本は雑だなぁ。

日曜劇場「GOOD LUCK!!」第4話,第5話
  乗員室長役でした。・・・・・・・・・・・・あ、いけない、いけない。これだけで終わってしまうところでした(爆) 上海でのホテル火災の邦人負傷者帰国のための特別チャーター便を出すことになるANA(実在の会社とは関係ないらしいが絶対にANA)。こういう時に飛ぶのは優秀なパイロットなんですよねーとか竹中直人らと談笑(?)している木村拓哉に呼び出しがかかります。「乗員室長?誰っすかそれ」的リアクションを取りつつ乗員室長室に向かう木村拓哉に「副操縦士には君が指名された」と伝える役が清水さん。それだけ、いやホントに(笑)まぁ、緊急会議とかにも出てましたけど。会議が終わって、「しっかり頼むよ」てな感じで木村拓哉の肩叩くシーンはよかったのですが。室長室での「ぶっちゃけどうして自分が選ばれたのかわかりません」という木村拓哉に対しての苦笑混じりの対応もよろしかったです。まさかあれだけ?と思ったら次週も登場。
  というか、今回しか見ていないからわからないんですが、竹中直人とか段田安則って毎回あんな風にしか出てこないんでしょうか?・・・すごいドラマですね。段田安則のああいう演技が結構好きだったりする。そういえば「仮面ライダーアギト」の氷川君(要潤)が整備士役で出演していたようです。「恋愛偏差値」で山崎 潤、「お見合い放浪記」で賀集利樹と「アギト」出演者との共演が結構あって吃驚です。
  (追記)確かに第5話でダメCAに訴えられた堤真一に「私でもかばいきれないことはある」と言ったり、他のCAまで堤がキャプテンでは仕事をしないとボイコットしているので急遽配置換えだと告げにきたりと登場はしましたが、誰が演じるかどうかという以前に、そもそも乗員室長が登場した意味とは?(笑)まぁ、清水さんの素敵な苦笑顔をみられたのでよしとします。
  VHSからサルベージしていたら、「乗務員室長」ではなく「乗員室長」だったので修正しました。

BS時代劇「雲霧仁左衛門3」第1話,第2話,第4話
  盗賊である雲霧一党と火付盗賊改、対立する二つの組織のボスの雲霧と式部のこの相思相愛感(笑)お互い相手のことを高評価+信じてる感がすごい。何なの、それは恋なの?シリーズ1,2の間に色々あったんでしょうな、よくわからんけど。それにあの煙管は何、お揃い?雲霧と式部って対になった銀煙管持ってますよね?いきなり3から見始めたので色々わからなくて歯痒い。対立しているけれども雲霧一党と火付盗賊改配下は鏡像になっている感がある。有能でよくできたボスとそれを慕う部下たち。そして二人のボスの頼れる感が素晴らしい。
  清水さんは若年寄 大久保長門守役で、基本的に安部式部に「お前、あの件どうなってんの?」(あの件=雲霧一党捕縛の件)と進捗状況を問う役割です。この江戸城のシーンは清水さんと國村隼のいい声対決で素敵なんですよ。清水さんの若年寄は藤堂家(あからさまに悪役)と繋がっている描写もなく、ただの偉い人のように見えますが、それがひっくり返る可能性を最終回まで捨てきれないと考えています。それが清水紘治ファンの嗜みというものです(笑)
  雲霧一党と火付盗賊改は鏡像である、と書きましたが、ここまで同じとはね…という展開になった第7話、第8話。鏡像というより、藤堂家を中心とした点対称、といったほうがきれいかもしれない。藤堂家家老に雇われの浪人、関口により部下一人を失ってしまった雲霧と安部式部。だからこそ相手の気持がわかる。最終話にいたってはもはや連係プレイの様相を呈する雲霧一党と火付盗賊改の動きが悲しいなぁと思いました。雲霧と式部は相手の気持をわかりすぎ、相手が何をするか信じすぎ、というか、もはや愛しあってるといっても過言ではないと思いました。おかしな意味ではなく。
  全然関係ないのですが、暁星衛門が必死になって部下を逃がしたところに感動しました。私は部下が受取証文を持っているから、彼だけでも逃がそうとしたのだと思ってあのシーンを見ていたのですが、それはちゃんと別の形で雲霧の手に渡るようになっていました。ごめん、あんた、いいお頭だったよ…。そういう「いいシーン」はたくさんあって、自分の悲しみを押し殺して盗賊家業の筋を通そうとする治平とか、関口に部下を殺された山田が、関口を捕縛しようとして切りつけたくなる気持を抑えるところとか、あと全然方向性は違うのですが、式部と対決する磯部主膳がとてもよかったです。余裕の薄ら笑いが最高でした。つまり、よくできたドラマだったんですよ。……清水さんの出番は少なかったですが。

警察署長 たそがれ正治郎4「同窓会殺人事件」
  ずっと事務畑を歩いてきたノンキャリ警察官・片岡鶴太郎が東日本橋署署長の急死を受けて、後任の署長となったという設定のシリーズ物。今回は中学時代の同窓会に端を発する連続殺人に巻き込まれる、というお話です。同窓会での刃物をふりまわしての諍いを恩師の願いから見過ごした鶴太郎ですが、翌日その中の一人が問題のナイフで刺殺される事件が起こり、東日本橋署には署長が傷害未遂事件を故意に見てみぬふりをした、という密告の電話が入ります。で、警視庁から呼び出し。呼び出すのが刑事部長の清水さん。鶴太郎が内々で過去日付の辞表を出してこっそり捜査する、という設定のために作られた役なので、基本的にはストーリーに関係ありません。
  ノンキャリで警視長、刑事部長ってすごい出世だと思うのですが、実際そういう人はいるのかなぁ…。たたきあげで刑事部長ってほとんど出世マシーンじゃなかろうか、と前に書きましたが、劇中の扱いをみると小杉刑事部長はスーパー有能というよりは、処世術に長けたタイプという描写であったと思います。いずれにせよたたき上げの頂点かそれに近いところにいる設定には違いない…はず。警察学校で鶴太郎署長の3期上とか言ってました。

土曜ワイド劇場「刑事殺し(1)」
  土曜ワイド劇場30周年特別企画だったということで、無駄に配役が豪華、でも意味はない。そんなドラマでした。斉藤洋介や宇梶は何のために出てきたのだろう…。ストーリーについては清水紘治が別にからまないのでもう書くのやめます(笑)清水さんの役は、キャリアの警視庁刑事部長。ノンキャリの古谷一行(捜査一課係長)が出世のためにキャリアの清水さんの妹と結婚したという設定に意味があっただけで、清水紘治が古谷一行の義理の兄という設定にはあまり意味はなかったようだ。役柄は知っていたので、捜査本部長か何かになってノンキャリにいやな顔をされる役だと思って期待していたのに。悪役仲間でしばしばつるんでいる六平直政(一行の部下)に「相変わらずすました顔しやがって」とか影で罵倒されている清水さんというのはそれなりに笑えました。葬式で上司の悪口をいうのはやめましょう(笑)このドラマを最後まで見た救いはもう出てこないと思った清水さんが最後にちょっとだけ出てきたこと(笑)結局、古谷一行がああなってこうなったら、清水さんの出世に支障が出るよなぁというのが清水ファンの感想(笑)あと最近の清水さんがシングルのスーツ着てるのは珍しいなぁ、とか。あ、もうひとつあった!古谷一行と共演して清水さんが最後まで生きてたのって初めてじゃないですか?
  今見たら清水さん、「たそがれ正治郎」でも刑事部長役でした。あちらはノンキャリのたたき上げだったと思うのだが、同じ年のドラマで同じ役職でキャリア役とノンキャリ役ってどちらかの設定がおかしくないですか?たぶん「刑事殺し」の設定がおかしい。おそらく清水紘治と古谷一行はもう少し若い役のはず、そうでないと色々とおかしかった。というか、逆にノンキャリで警察庁の刑事部長ってものすごく優秀な人というかほとんど出世マシーンだと思うんだけど。

「刑事7人」シーズン5 第7話
  北大路欣也の幼馴染の親友というポジションでゲスト出演した清水さん。まぁ、キャストのバランス上、殺されなかった以上は犯人ですな(笑)今回は北大路さんと清水さんの「健ちゃん、俊ちゃん」演技を楽しむための回であって、死亡推定時刻を2つ作る面白トリックとか、車椅子の人がどうやって人を殺すかという面白殺人装置とか、まったく分岐点の存在しない一本道(天璋院篤姫なの?)を進んでいくだけのストーリーとかは、余興にすぎない。犯人が割れてからラストシーンまでのベテラン二人の演技が至高のドラマ。北大路欣也に「俺たちは親友だ、顔をさえ見れば何でもわかる」って言われる清水紘治ってどうよ。(「どうよ?」って至高じゃない?)最後の橋渡るシーン、本当にぐっとくる、何とも切ないシーンでした。お二人の演技がもうね……。結局、「役者の演技」を見ることに終始してしまう相変わらずなわたくしを実感したドラマでございました(笑)
  どうも主役の東山のキャラが判然としないのですが(初めて見たから当たり前)、単純に彼は十年前だかの事件の記事にあった事件の関係者の氏名を覚えていたということなんですか?(部下の質問にくらい答えてやれよ)…写真記憶なギフテッドで空気読めないとかそういう設定なんですか?ところで吉田鋼太郎はどうして出てこないんです?

土曜ワイド劇場「警察科学捜査研究所 文書鑑定の女(3)」
  羽田美智子の「科捜研の女」もの。前作を見ていないので羽田美智子と石黒賢の関係がよくわかりません。清水さんの役は書家で、生活の苦しかった頃に贋作を書いたことがあって、でもそれをきっかけにギャラリーのオーナーに売り出されて売れっ子になって、しかし勿論おいしい話ばかりではありません。というような役でした。いつ死んじゃうかと思いながら見ていましたが、最後まで無事で犯人でもありませんでした。取調べはされてましたけどね(笑)奥さんに愛されていて、自分も奥さんを大事にしているよい役でしたね。・・・清水紘治っぽくはないですけどね!(おい)
  15年前に贋作を書いて、それをずーっと引け目に生きてきた、なんてこれまでドラマの中で清水紘治がしてきた悪事の中では下の下の下です。はっきりいってそんなの悪事の中にも入りません!というかね・・・あの役に清水紘治というキャストを振る意図がよくわからないのですが。キャスティング面からみた犯人のダミー?
  個人的にはギャラリーの女オーナーの「生き馬の目を抜くこの業界を、モノを見る目ひとつで渡ってきたのよ!」という自負溢れるキャラ造形が面白かったし、女優さんもよい感じだったと思いました。

「警視庁黒豆コンビ(2)蒼い霧」
  大地康夫と村田雄浩のコンビもの。原作付きですが、私は未読です。大地康夫のキャラはそれなりに面白かったと思いますが、殺人の動機部分があまりにもヘボかったのでポイントダウン。清水さんの役は考古学の教授。専門は縄文中期とみた(笑)開始後6分で死体となってしまわれた清水さん。清水さんが殺されて転がっているのはよくあることですが、今回のはすごかったです。あんなに泥まみれになって・・・おいたわしい(涙)でもジャケットにアスコットタイが大変素敵だったので、よしとします(いいのか、それで)。いや、今回はアスコットタイもジャケットも帽子もマフラーもすごい素敵だったと思うのですが!
  史学科に籍を置いていたものとしては教授の座を取った取られたとか、そういう話はなんかしっくりこないなぁと思いながらドラマを見ました。史学科というか文学部で講座制って珍しくありませんか。・・・まぁ、いいですけど。それよりも土器の復元にどれだけ時間と手間がかかるかを知る身としては、事件に動揺して土器を落として粉々にしてしまう研究員のお姉さんへの「ああぁっ!なんてことするんだ!」という叱責に超シンクロ(笑)しかしなぁ、お姉さん、自室に縄文式土器を置いておくのはどうだろう。
  さてサクッとネタバレをすると、犯人は教授の娘婿・保阪尚希と不倫相手の研究員のお姉さん。正月10時間時代劇ではバカ殿の演技がなかなかよかった保阪ですが、今回は動機があまりにヘボいので冴えない犯人役になってしまいました。建設業者との癒着を「教授は学者としての魂を売ったんです!」と責めていましたが、あなたは人としての魂を売っちゃってますから。しかも教授の娘婿になって出世しておいて、浮気してバレてただで済むと思うのが間違いです。しかし、研究員のお姉さんの交際相手を探る際、同僚の研究員は思い切り「浅川教授はありえない」と断言しましたが、「娘ラブだから不倫はしない」というのは何か論理の展開がおかしくありませんか。
  再放送で録画したものをだらだらと何日もかけて再見。いや、あまりストーリー目当てで見る感じのドラマではないのでつい……。このドラマでよく覚えている点は3つ。冒頭の発掘現場のシーンがそれらしいこと。淺川教授のお洒落っぷり。死体になった教授の泥まみれがあまりに凄くて愚かな私が胸を痛めるレベルだったこと(笑)こうして見ると2時間ドラマの殺され役のテンプレみたいな役なのですが、印象に残っているのはたぶんすごいお洒落だからなんでしょうな。こんな教授は史学科にいませんよ!いや、何学科にならいるのよ、とか言われると困りますが。というか、浅川教授がダンディ過ぎて生きていくのがつらい…(爆笑)淺川教授の嫁になりたい…教授の娘なんですけど、ダメかしら(笑)考古学じゃないからだめですか、そうですか。

「刑事110キロ」第3話
  いわゆるコロンボタイプの1話完結物。デブと笑顔でカモフラージュしていますが、要はカンが鋭く観察眼もあるという意外にスタンダードなタイプの主人公です。それにしても今時、「凶器の時計の針の止まった時刻が犯行時刻という前提で捜査を進める刑事ドラマ」ってどうなの、というのが一番印象に残ったというのはいかがなものか。出番は多くありませんでしたが、高畑淳子の一課長がよかったと思います。
  清水さんの役は市議会の2世議員の私設秘書、先代から2代にわたって秘書を務めているということですが、別に「姫島殺人事件」のようにかっこいい役ではなく。我慢に我慢を重ねてアホボンに仕えてきましたがもう限界です、対立候補に乗り換えさせてもらいます、と言い出してアホボンに殺されてしまいました(最近いつも「番組情報」欄のあらすじで殺されているなぁ…)。血糊ベッタリのなかなかにエグい殺害シーンでございました。短い出番の中で2回も栄養ドリンクのような瓶を取り出していた清水さんですが、あれは何か意味のある演出だったのか気になる。このドリンク剤(?)をアホボンが殺害現場で一気飲みした挙句、あまりに自信満々にテーブルにガン!と置いたので、確かに秘書の家には行ったが××時に帰ったよー。犯行時刻にはアリバイがあるもんねー、というストーリーかと思ったら全然違いました(笑)
  私の好きなシーンは、冒頭の事務所のシーンでアホボンに引導を渡して「はい、さようなら」と言わんばかりに出て行こうとした秘書が、先代の胸像に向かって黙礼するところです。

「幻之介世直し帖」第23話 暗殺狩り
  相変わらず腕の立つやさぐれ浪人な清水紘治。勿論、登場は女絡みで(笑)前髪ばさばさのポニーテールに着流し。時代劇なのにいつも前髪がウェービーな清水さんが好きです(笑)いつもほど悪くないんですけれども印象は同じ。密通した妻を斬った、相手の男も斬った、国許からかけられた追っ手も斬った、と過去を語る奥田さんですが、その挙句にやさぐれて人を斬ってはその日暮らし、とかなんかすごい既視感だわ…(笑)いや、どの役がそうというわけではないのですが、清水さんはいつもこんな役という印象があります。特に「神谷玄次郎捕物控」の鶴木さんとかぶるんですよ。最後、わざと斬られにいったんじゃないの、というところを含めて。
  茶屋の色っぽい女将とお互いちょっと気になったり、でも仕事で敵同士になればお互いそんなに甘くなかったり、というそんな話だったのですが、女将を口説くシーンの色気がやばい、と思いました。例によって全くメインストーリーに触れる気ゼロの感想ですね。これには理由があって主役がバットマンなのは斬新ですが、それ以外はいわゆる「痛快もの時代劇」なら桃太郎侍でも早乙女主水之介でも誰でもいいような話なんですもの。今回珍しかったこと。帯が浪人結びではなかったこと(貝の口?)、怪我した仔犬を抱きかかえて手当てしてやってたこと!何これ、可愛い ←犬じゃなくて清水さんが可愛い、という意味で。仔犬のシーンが珍しすぎて、ほかはものすごい予定調和な役だったのにこのドラマは値千金だと思います!いつも通りのやさぐれと、ちょっととぼけた感じと、犬を「よしよし」とか撫でているところで3倍おいしいです。嗚呼、奥田さんに口説かれていた女将より仔犬になりたい……あの仔犬になれたら死んでもいい。…と真顔で口走ってしまいそうなわたくしです。

「恋文」
  小説を書く気力も失った直井賞(笑)受賞作家役、しかも病人。妻に向かって「インシュリンをあと一本余計に打てば、俺は死ぬ」とか言う浴衣姿の清水さんがたまりません(おいおい) 手のひらから少しずつ零れ落ちていく砂のように、何かを失った挙句に無気力になっていくこういう役を演じる清水紘治というのは実によいです。まぁ、ある種の駄目人間ということですが。原作は横溝正史賞だそうですが、話の展開としてはまあ予想通り。ただ主人公が真相に気づくキーには、一工夫あって、またこの池上希実子の女検事にそこはかとなく感情移入して見ている自分がおかしいやら情けないやら(笑) あ、だめ人間は私か。
  BS−TBSで再見。前も同じことを思ったのですが、池上季実子の女検事の心情がそこはかとなくストーカーっぽくて引く。別にヒロインがストーカーっぽくても構わないが、対象が清水紘治だと私の居心地が悪いではないか。ドラマではあまりダメ男な清水さんって見ないのですが、悪いことのひとつもせずにむざむざ殺される無気力な清水さんを見ると、よく見る悪役のキレのいい演技との落差にドキドキします(おい) 寝巻姿で伏せっている無気力で倦みきった清水紘治を見ていたら、やっぱり多治見の久弥さん(「八つ墓村」)をやってみて欲しかったなぁと思いました。…それとも前も「恋文」を見た時に久弥役の清水さんをみたいと思ったのだったか?…そうかもしれない(笑)

「恋を何年休んでますか」
  最終回まで後2回という終盤になって、突如黒木瞳の夫役で登場なさる清水さん。はっきりいってストーリーがよくわからん。しかも単身赴任先(たぶん)から帰ってくるなり妻を平手打ち(これは画像無しで音だけ)という1シーンのみ。床に倒れた黒木瞳を見下ろす目が素敵でした(笑)嫉妬とか怒りとかではなく、もっと冷たい感じで。しかし清水紘治の妻が不倫にはしるというのは珍しいパターンですね(笑)相変わらず黒木瞳の演技はイタイなぁと思いました。イタイというと語弊があるか。「可愛い女全開」ということです。あの演技のおかげで「夜会の果て」のアタマ数回を見逃したんですが、ワタクシ(←逆恨みです)。寺田農の井上馨がすごい素敵だったのになぁ。
  それにしても最終回で飯島直子の店に融資するという都合をつけてやった挙句に、妻に逃げられる清水さんて一体・・・。娘まで後押しするなんてさぞかしひどい夫(父親)だったんでしょうね。←たぶんドラマ中で描かれているはずだが、私は見ていないので。

大河ドラマ「江 姫たちの戦国」 第22話 父母の肖像、第23話 人質秀忠
  なぜか日曜夜8時に放送されている朝の連続テレビ小説45分拡張版。或いは大河ドラマの枠を使ってバブル時代の日本人が戦国時代のコスプレをしてコントを繰り広げるという斬新極まりない新企画。50作目を区切りに「NHKは今後『かつて大河ドラマと呼ばれていたもの』に類するドラマを作る気はない」という宣言がなされたと考えるべきであろう。製作陣が日本国憲法第27条3項(※)を気にするあまり子役を使うことを極度に嫌う傾向があるようだ。日曜夜8時という放送枠のためか、時折番組のコンセプトを理解しない粗忽者によりキャスティングが組まれてしまうことがあり、あたかも「江」が大河ドラマであるかのような空気を読まない演技が諦めの悪い懐古主義者の顔をほころばせる。(※ 日本国憲法第27条3項、「児童は、これを酷使してはならない」)
  清水紘治が演じたのは関東の雄、北条家の先代当主氏政であるが、父子揃って景気よく主戦論をぶちあげさせた脚本家がはたして北条家にどこまで注意を払っているかは疑わしく、作中では氏政が当主扱いされている気がしないでもない。初登場シーンではありきたりな台詞を演技と雰囲気だけで往年の大河ドラマ風に仕立て上げるという力技を見せた。
  もっと感情的な詳細感想は「今週の北条氏政」をどうぞ。

「御金蔵破り 佐渡の金山を狙え」
  元公儀隠密頭・若山富三郎が勘定奉行に口説かれて、金山まわりの不審な動きを探りに佐渡に潜入、というややとんでも系の痛快時代劇。音楽も西部劇っぽくてちょっと斬新。一時期こういうのが流行ったんでしょうかね。時代劇とミスマッチな音楽をかっこよく合わせるというのが。清水さんの役は、今回の任務のために集められた三人の凄腕エージェントの一人、林冲の吉三。「林冲の」というから矛か棒術使いなのかと思ったらなぜか技能系(錠前破り)でした。加納竜に「兄貴」とか言われているのがレアな感じ。兄貴キャラの清水さんって珍しくないですか?(←いや、呼ばれてるだけだし) 佐渡送りの罪人と入れ替わって佐渡に流されたり、鉱山で働いたり、箱詰めで晒されたり、一番大変な単独任務担当だったので涙が…。珍しく仲間がいるのに一人任務ばかりなのがいかにも清水紘治らしくて笑えました。でも肉体労働系はやめて下さいよ、死んじゃいそうだから!身元がバレて箱詰めにされて「仲間が助けに来るまでこうしてろよ」とか嘲笑されていたのに、一人でてきぱき錠前を外して脱出してしまう清水さんが素敵でした(笑)とんでも系の時代劇なので、加納竜ともども必殺シリーズにでも出てきそうな変わった(前髪がばさばさした感じの)髪型をしていました。
  主人公サイドですから潜入任務は成功するに決まっているのですが、清水さんは死にキャラっぽいので全然安心できません。味方5人のうち4人助かっても1人で死んでいそうなのが清水紘治です。若山富三郎は北大路欣也より頼りになりそうですが、やっぱり死んでしまいました。というか、「お別れだな、頭」って言ってましたけどね、事前に。でも今回は仲間に悲しまれていてよかったです(笑)加納竜の「兄貴ー!」にちょっと萌え。この最後の立ち回りは敵も味方も最新のゲベール銃で撃ちあうという時代劇としては斬新なもので、結構派手でした。清水さんは最後、敵陣に突っ込んでダイナマイト的なもので自爆。……なかなかに清水さんらしい死に方ですね。この勢いで「KING OF ZIPANGU」でも平蜘蛛を抱いて爆死して欲しかったものです。「八丁堀の七人」でもダイナマイト的なもので自爆していたなぁ、そういえば。
  今回の笑いどころ。エージェントカタログの似顔絵が岡田奈々以外妙に似ているところ。斬新な柿色の忍装束。佐渡の奉行に仕えるNo.2、高坂某役の菅貫太郎の悪役演技は素敵でした(笑)

「轟轟戦隊ボウケンジャー」 第7話 火竜(サラマンダー)のウロコ
  書いた小説と同じことが現実世界で起こる小説家、香川慈門。こういう設定の役を前にも見たような気がする。事程左様に物書き役の多い清水さんです。まぁ、今回のは元ネタの手記があるという設定なのですが、その人の思いが現実世界に影響を与える、という役を何度も演じているのはどういう理由なのかなぁと考え込んだりして。「私が望んだから世界は滅びる」というのはなんとなく清水紘治的な台詞だなぁと思いました。もっとも清水さんの重々しい声で言われるとものすごく変な台詞でももっともらしく聞こえる気もするのですが。ところで香川先生は洒落た洋館に住んでいるのにいつも和服なんですね☆とか本筋と全く関係ない萌えポイントにニコニコしてしまうわたくし。もともと資産家なのか、小説が売れてお金持ちになったのか(←ものすごくどうでもいい疑問)
  冒頭の万年筆で原稿を書くシーン、清水さんは手がきれいだなぁ(笑)レッドが清水さん演じる小説家のファンだという設定で、小説と現実とのシンクロを不審に思って香川を訪ねるのですが、もちろん捗々しい答えは得られず「最新号にサインをしてあげるから持って帰りなさい」と言われて(というか、適当にあしらわれて)しまうのです。それでもニコニコしているレッドが超可愛かったです(笑)で、このレッド役が少し前の朝ドラで面白いキャラ(医学生→大学病院の医者)を演じていた役者さんで「あ、松岡君だ」と喜んでしまった。なんか必殺武器(?)が新兵器のお披露目だったらしいのですが、「ぶっつけ本番はいつものことだ」とか思い切りのいいレッドが男前すぎて惚れてしまいそうになりました

「この世の果て」
  「都会の絶望の果てで出会った孤独なホステスと孤独な天才ピアニストの究極の愛を描いた悲劇」とか紹介されていますが、そういうありきたりな言葉で紹介していいのか、この話を。記憶喪失のふりをしている世界的ピアニストとか、妹の目を直すために夜はホステスをしている郵便局員とか、盲目の美少女と彼女に恋する顔に火傷を負った青年とか、愛を信じられない財閥の跡取りとか、もう大昔の少女漫画みたいな大仰な設定がてんこ盛り。そんな派手な面子の中で阿漕な眼科医を演じる清水さんですが、最終回に至って一転「究極の愛」に一番近いところにいるのは吉田医師なんじゃないの、と思わせるヘヴィなネタが披露されたりするのでした。驚愕。
  第1話、第2話あたりの士郎の居候生活がありえないファンタジー的にすごく楽しそうで、最終話を見てから最初のほうを見返すと泣けてくる。私も三上博史が落ちてたら拾ってしまうよ、と錯覚させるほどのいい演技でした(笑)清水紘治が落ちてたら…すごい困るけど。いや、困るじゃないですか、あんなの(←あんなのって言うな)。うーん、でも古神守衛が落ちてたりしたら全力で拾う、怖いけど(笑) しかしどうせなら「あぶない刑事」の柴野さんみたいなハイテンションで愉快なおじさんか、「恋愛結婚の法則」のお父様みたいな鷹揚でお茶目な人がいいです。

「財務捜査官 雨宮瑠璃子3」
  またVHSからサルベージする前に再放送(苦笑)最初は主演二人の組み合わせだけでこんなに私のテンションを落とす2時間物も珍しいよ、と思ったのですが、重箱の隅をつつきながら謎解きをする脚本が意外に面白かったです。あんまりしょぼいものを経費で落とそうとすると人生破滅するよという教訓が説教くさいですね(?)。清水さんの役は、先祖代々名家の不動産会社社長。安売りで有名な量販店社長と多摩地区の土地の買収争い中。イメージとしては完全に森ビル社長vsドン・キホーテ社長(笑)息子がダメ息子だったり、秘書もちょっと勘違い君だったりして、困ってシブい顔をしてばかりの清水さんでした。結構斬新ですね。特に秘書がしたことに対して困惑している清水さんの演技は珍しく、今回の見どころといえましょう。困ってばかりの佐々木社長でしたが、最後に量販店社長夫妻の胸中を慮って意味不明なことを口走る浅野ゆうこの心情を汲んでいい人ぶりを発揮。しかし、なんとなく「いい話や」みたいな家族愛みたいな方向でまとめられていたようですが、それでいいのか?と少々疑問に思いました。過失致死+死体遺棄だとしてもそんなに同情される話ですか、あれ。

「坂の上の雲 第三部」 第10話 旅順総攻撃、第12話 敵艦見ゆ
  第一部、第二部、第三部とすごい勢いで脚本のクオリティが下がっていった非常に残念なNHKのスペシャルドラマ。一原作ファンから言わせてもらうと、第一部はほぼ奇跡の上質ドラマ、第二部はストーリー構成のバランスを見失った残念なメロドラマ、第三部はドラマの体をなさない、幻の大河ドラマ「坂の上の雲」のダイジェスト版。日露戦争開戦後、日本軍が苦戦する様の描写に心血を注ぐ一方、何が何でも日本軍および政府が懸命に努力している場面、日本軍が押しているシーンを映像にしたくないという製作側の断固とした拘りを感じさせるのは立派である。
  「総司令部は、第三軍に多くを期待していない」。原作に、松川参謀が乃木軍の参謀・津野田大尉に向かって乃木の眼前でこう吐き捨てるシーンがありますが、これに倣っていえば第二部を見終わって第三部開始を待つわたくしの心境は「私は、第三部に多くを期待していない」。原作ファンとしては正直、第二部で見限ったドラマなので、清水紘治が出ていなかったら見なかったし。その清水さんの役は第一軍司令官、黒木為髑蜿ォで原作では滅茶苦茶活躍するかっこいい役なのですが、乃木以外の軍司令はいてもいなくてもいいつくりだったというか、陸軍は満州司令部と第三軍と秋山支隊しかいないドラマだったので、軍服姿の清水さんは珍しいなぁ、とか絵ヅラがかっこいいなぁ、というのが乏しい感想の全て。あ、薩摩弁も珍しいですか。結局、私が一番テンション上がったのはガイドブックとやらで黒木大将の扮装写真見た時と、番宣で軍司令たちが「いざ!」って杯を掲げるシーンを見た時だったな(爆笑)

「殺人鬼」
古谷一行の金田一シリーズ。いわゆる「横溝チック」な田舎の名家ものとは違った雰囲気の作品。「金田一さん、主人です♪(うふ)」という感じで紹介される清水紘治というのも珍しいのだが、やはり、その後存分に「らしさ」を発揮してくれました。今回もしっかり殺されていたし。見所は煙草漁りの女の手を ぐいぐい踏みつける シーン。ああいうの、似合いますねぇ。素敵だ(笑) あと麻のスーツ姿♪(←やや、麻のスーツフェチ気味)

「殺人適齢期」
大学病院に勤める夫(長谷川初範)の死を望む妻(高木沙耶)と、彼女の知り合ったミステリアスな女性(范文雀)のちょっとレズっぽい友情物語、と私は解釈しました。清水さんは范文雀の恋人役。売れっ子空間プランナーという肩書きがいかにもバブリーです。なんか范文雀に何もかも押し付けられて、自殺に見せかけて殺されている清水さんていい面の皮なのでは・・・(笑) しかも高木沙耶は范文雀が真犯人だと気づいても「私、警察には何も言わない」って、それじゃあ清水さんは濡れ衣着せられたままかい!しかも警察には「インテリは気が弱いですからね」と睡眠薬を飲んで自殺した理由を馬鹿にされてるし・・・(泣) 冒頭の方のニュースの中でインタビューに答える清水さんの声がしたから(わかるんですよね、声だけで(苦笑))すぐ出てくるのかと思ったのに、出番もそんなには多くなかったし。でも「トレンディ男」だったからいいか(爆笑) この雑誌の紹介記事の清水さんはかっこよさげに写っていたので、ちょっと写真が欲しくなりました(笑)ちなみに私の「つい構っちゃう俳優」長谷川氏はイヤな奴に見えるが実はそんなにイヤな奴ではなかったという珍しい役でした。しかし結局何が「適齢期」だったんでしょうか・・・。

「殺人トリックを盗んだ女」
  また教授役であり、さらに2時間もの定番な殺され役です。しかしこのドラマで見るべきところはそういうことではないのです。勿論、留守番電話を使ったトリックとかでもありません。今回のチェックポイント(?)は清水さんが「美術品」を「ビジュツシン」と言っているように聞こえるところなのです!(思わず巻き戻しちゃいましたよ、ワタクシ)・・・東京の下町にはそういう発音をする方がいるようですが、京都でもそうなのでしょうか?あとは「清水さんは愛煙家らしい」ということでしょうか。清水さんはよくドラマや映画で咥え煙草をしていたりするイメージなのですが、今回は傍目にもすごい勢いで煙草をふかすシーンがありました。あ、銘柄見るの忘れた(←別に見なくていいって)
  ところで、好きな役者さんのラブシーンとかHシーンはイヤだという人と「別に」という人がいると思いますが、私は「別に」という方です。まぁ、ちょっとドキドキしたりとかいうのはありますが。今回も「やっぱり素敵だなぁ、清水さんは」などと思いながら見てました(笑) それより私も清水さんに「仲良くしようよ」とか言われてみたいもんですな(爆) ←シチュエーション(暴行未遂シーン(笑))のわりにえらい軽い口調がいかしてます。

「真田太平記」(未見)
  何と石田三成役。若い頃の清水さんはそれはもう神経質そうですから(笑)でも三成って常に余裕なさそうというかぴりぴりした印象なのであまりイメージでないような気もする……。だいたい清水紘治の三成だったら関ヶ原とか、もう少し何とかなるんじゃないだろうか。謀略とか好きそうだし。目的のためなら人を嵌めることも厭わなそうだし。 どちらかというと策士策におぼれる……ってそういうところが三成っぽくないような気がしますが(笑)
  結構重要なポジションの役なので、見なくちゃいけないなぁとずっと思っているのですが気が乗らない。だってちっとも楽しくなさそうなんですもの、私が。悪役でも犯人でも殺され役でもいいけれど、こういう役は楽しくない……。

「静かなるドン リターンズ」
  ドラマ「静かなるドン」はウルトラマン物だということを初めて知った。堅気のサラリーマンがこっそり三代目組長に変身するんですね(笑)
  また定番のヤクザの組長さんかと思ったら、いんちきくさいチャイニーズマフィアのボスという想像の斜め上をいくキャスティングをされてしまった。中国人役は初めてだよ、中国人は!(笑)しかも……独り言が日本語なんだぜ、ミスター張は。日本語と中国語がちゃんぽんすぎるので、本当は香港でのし上がった日本人でしたという落ちだと思ったら、最後まで香港人のままでした。せっかく三代目の手下を人質にして取引をしていたのに、油断して三代目に歌手を人質に取られてしまうダメダメなミスター張。しかし人質解放のタイミングを完全に誤って部下と閉じ込められてしまうもっとダメダメな三代目。このように三代目と悪の組織の抗争はダメダメ合戦によって進んでいくのでちっともみどころにはなりません。ちなみに三代目と部下達が閉じ込められた部屋に時計を使った時限爆弾が仕掛けられていたのを見た時、「また時限爆弾ですか、清水さん」とつい突っ込んでしまいました。前日に「大追跡」の爆殺魔の回をみたばかりだったので(笑)
  ミスター張のよかったところ。部下を始末する時の「失敗は許されない。今までで一番楽しかったことを思い出しなさい」(銃を構えて)「さようなら、兄弟」という中国語のセリフ。たぶん中国語は吹き替えではない…はず。「みんなまとめて肉になれ(中国語)」の後の狂気じみた笑顔。お気楽バラエティドラマで容赦なくこういう演技をするのはやめてください(笑)こんなに楽しそうな清水さんは珍しいんじゃないかなぁ、というくらい終始楽しそうに笑っているシーンが多かったですね。肩をゆすって「くっくっく」という感じでそれはそれは楽しそうでした。それはそれは悪そうでしたが。クライマックスに入ってからはちょっとイッちゃった風演技がちらほら。クライマックス対決シーンでは絵ヅラ的に素敵なシーンもあったし。最後の決着も、部下からミスター張に拳銃を渡させてしまうダメな三代目一味→一発撃ったところで拳銃の弾切れで勝手に大ピンチになってしまうもっとダメなミスター張というダメダメ合戦で決着。でも焦って拳銃を空撃ちする清水さんが可愛かったからいいと思います←いいのか、そんなんで。というわけで私も大変楽しかったです(笑)インチキくさいサングラスも良き哉良き哉。

「ジャンボ宝くじ1億5千万が当たった女!連続殺人(2)」
ジャンボ宝くじ1億5千万が当たった女=野際陽子の贅沢旅行と大冒険、という類のお話。清水さんの役はかなり後半になって出てくる弁護士で、遺産相続絡みのごたごたに巻添えをくらって殺されてしまうのでありました。なんかやっと出てきたと思ったら5分ぐらいで殺されてしまったのでびっくりしました。後で種明かしの回想シーンは勿論ありましたけれどもね。でもあんな段階で出てきても「怪しい要員」にもなれないじゃないですか!連続殺人というほど人が死ななかったと思うのは内緒です。

「新・女弁護士 朝吹里矢子 夢の告発」
始まって5分も経たない内に「死亡した中島 久雄さん」という新聞記事で登場する清水さん。最速記録?!お話は海難事故で死亡した建設会社社長(=清水紘治)の愛人(=美保純)が弁護士・朝吹里矢子(=財前直美)に損害賠償の訴訟を依頼するところから始まります。財前は「自分をおいて自殺するような人じゃない、自殺でないことを証明して欲しい」という言葉に打たれて依頼を受けるわけですが、実は社長には生命保険がかけられていて事件は紛糾していく・・・というわけで、清水さんは殆ど出てこないのですが、ストーリーは確実に清水さんの死を中心に進んでいくわけです。・・・こういう展開は珍しくてちょっと新鮮でした。これは愛人役が美保純のところがポイントですよね。なんとなくちょっと怪しいっぽいところが(笑) 何しろ死んでしまっているので、清水さんが画面に出てくるのは、新聞記事とか、美保純の飾っている写真とか遺影とか、なんか写真ばっかりだったりするんですが(笑) 今回の清水さんは悪いこととかしていなくて、寧ろ社員の処遇を考えてやっていたり、船が遭難して殺されそうになるという瀬戸際で美保純の誕生祝の約束を気にしたりとなんか非常にいい人でした。しかも愛人にもすごい愛されていて私としては大満足です(笑)

「新・科捜研の女スペシャル」(2008) 真夜中の大爆発! 狙われた京都サミット!!
  第9シリーズ第9話に登場した時には「何のための清水紘治なのか…」と思いましたが、今回は何のための清水紘治なのかよーくわかりました(笑)超定番、あからさまな悪役(=いやなタイプの偉い人)のうえ、あわよくばデコイにしようという欲張りなキャスティングです。わかりやすいですね!真相が判明するまでの見かけ上悪い人に見えた順、警備部長(=清水さん)>刑事部長>女SP>SP隊長。スペシャルであんなに悪そうに出てきたのに、後のシリーズで全く普通というか、ややいい人気味に第9シリーズに出てくるのはいかがなものか、どうせならいやな人で通せばいいのに。連ドラゲスト登場の時には制服でしたが、スペシャルでは茶系の三つ揃えがシブかったです。スリーピースをこよなく愛すわたくし(笑)気になったこと。刑事部長も警備部長も背広だったり制服だったりすること。そういうものなんでしょうか。
  それにしても最初の要人暗殺テロの犯人、素人にしては射撃が上手すぎませんか?というか、要人暗殺テロを防げなかったうえ、グダグダだった警備部。次も京都府警警備部長で出てきた清水さんですが、あれでクビが飛ばないのが不思議。記者会見で突っ込まれまくって、すごい困ってましたな、ああいう清水さんは珍しい(笑)「珍しい」といえば、堀添さんて準キャリア(推薦組?)ではそんなに悪い経歴ではないはずですが、それが信じられないくらいのダメっぷりでしたね。特に、ホテルで働いていた過激派の名前は「公安の入手していたリストにはなかった」とか言っちゃうあたり清水紘治が演じた役としては白眉の仕事できないぶりを発揮(笑)イヤな人役は多いですけどね、こういうあからさまに仕事ができない人というのは珍しいと思う。
  意味不明なほどに警備部に喧嘩腰の刑事部長はそれなりに笑えたと思います。警察も縦割り社会だからなぁ、なんとなくわかる気はしますが。科捜研のパソコンの分析がチート過ぎる。ブラックボックスだ。何度か出てきた監視カメラの劣悪映像からナンバープレートを割り出すシーンの「拡大して鮮明化」とかすご過ぎて笑ってしまいます。

「新・木枯し紋次郎」 第17話 女が二度泣く水車小屋
  木枯し紋次郎というのを初めて見ましたがニヒルな主人公の扱いは難しいなぁと思いました。この回の脚本がおかしいのか、毎回こんな風なのかはわかりませんが、冒頭で知らん振りする事件がドラマの中で一番重いというのは構成上問題ではないかと思います。強姦未遂+殺人だぞ?(というか、昔の時代劇ってすぐ強姦…)これを見過ごしておいて主人公面されてもね…。最初に軽いいざこざを見過ごしておいて、後で「関わりのないことでござんす」とか言いながら重要案件に口突っ込んでくるべきなのでは?あんなことで関わってくるなら最初から関われよ、とイライラする。主人公がニヒルぶっても結局ウエットな人情物なので、私はこういうストーリーは苦手です。渡世人が主役だからわざとなのはわかりますが、殺陣が汚いのもイヤ。少し真面目に考えてみると、私にとって「時代劇のいいところ」というのはたぶん様式美というかお約束なので、そういう点を敢えて外しました、という作品は面白くないのだと思います。時代劇巧者にはこういう作品も面白いのかもしれません。私は清水紘治が出ているから時代劇を見ているだけなので(笑)あと気になったのは、正太の母親もお夏も、おそらく故意にみっともないというか見苦しい演技をさせられているところ。もう少し綺麗だったり可哀想に見えるように撮ればストーリーに入り込めるような気がします。よかったところはひとつもないのかと言われるとそうでもなく、ヤクザの親分の井上昭文は大変よかったと思います。顔も演技も。あと、どうみても町人一家の母子が敵討ちをしようとしているのはいいのですか?……いいのか。江戸時代のことをよく知らないのでこの点には自信がありません。
  清水紘治の役は労咳病みの浪人、倉田源之介。押し込み強盗に入った先で逃げる時に人質に取った女性に惚れられて同棲中。ストックホルム症候群ですか。博徒の親分に雇われているようで「源之介の旦那」と呼ばれていました。登場シーンからして「旦那、身体は大事にしてくださいよ」という親分に「俺に命なんてものがあったのかねぇ」とかやさぐれ度がMAXですよ。今回は「凄腕」が雰囲気だけなので「やさぐれ」が増量されております。女の足元に座り込んで足を抱き寄せる仕草がエロくてドキドキしました(笑)いつもは主人公には負けますが(当たり前じゃん、悪役だもん(笑))、作中で「強い」というのを見せるシーンがあるのですが、今回はケチな押し込み強盗のシーンしかなかったので実際強いのかどうか不明(笑)というか、たいして病状が進んでいるようには見えなかったのにいきなり喀血ですか! しかしまぁ、本当に惜しいことを。この頃の清水紘治に「無限の住人」の百琳さんの夫役を演じてみて欲しかった。すっごい似合ったと思うのですが。美馬坂幸四郎と併せて二大がっかりです。

「新・座頭市II」第17話 霜夜の女郎花
  よかったー!すごく楽しかったです。やはりこの頃(70年代-80年代)の時代劇に外れなし。「外れなし」というのはドラマの出来としてという意味ではなく清水紘治の役柄的に(笑)あらすじを読んでもっとすごいあくどい悪そうな役を想像していたのですが(いや、実際悪いことは悪いのですが)、一見ちょっと軽そうで調子のいいやくざの親分で大変素敵でした。こういう悪役はすごくいいし、面白いなぁ。あんまりいい演技だったので見とれてしまいましたよ、本当に。70年代下半期大賞に決定!…といいたいところですが、このあたりは激戦区なので何ともいえませんな。清水紘治が悪い人役でなければそれはそれで嬉しいとか、いい人の役だとほくそ笑んでしまうとか、犯人でないとなぜか勝ち誇ってしまうとか、どちらかというと最後まで殺されなければ私の勝ちだというか、そういう気持ちは否定しがたいのですが、でもこういういい演技を見せつけられると「もう一生悪役やってて下さい!」と言いたくなるのも事実(笑)
  清水さんの役は、とある宿場町で幅を利かせるやくざの親分。副業で十手持ち(目明し?)をしています。その町の女郎宿には労咳病みの女郎がいて、妹が姉の身体を案じて盗んだ金で姉を3日間借り切ろうとする。姉のほうはもう先が長くないと思っている親分は代わりの稼ぎ手として妹に目をつけて……というような話。ところでBSフジの番組情報のあらすじは一見やたらと詳しいようでその実4分の3、いや5分の4ぐらいは嘘が書いてあるのはどういうわけですか。このあらすじ欄がエロ小説みたいな凄いことになっていたので、一体何が起こるのかとわくわくどきどきして件のシーンを待っていたこの胸のときめきをどうしてくれるんですか!みたいな(そういう方向?)。でも肝心のシーンより、その後、5両の返済に一年女郎を務める必要はない、一晩で済むようにしてやったよと妹の肩を抱いて「よかったなぁ、ええ?」と顔をすりよせるところのほうがエロかったと思います。素敵(笑)
  今回のみどころ。序盤から女郎役の音無美紀子喀血。いきなり十八番を取られる清水紘治(笑)親分が全般に妙に楽しそうなところ。「世の中俺みたいないい人間ばっかりじゃねぇからなぁ」とかすごい台詞を吐く清水さん。あとオープニングのダイジェスト版に使われていたアップの顔、クライマックスの直前、市が放った銅銭が清水さんのくわえている楊枝にチャリンチャリンとひっかかるのですが、口元の楊枝を見てちょっと寄り目になった顔がかわいかったです。

「新・座頭市 III」 第7話 ゆびきりげんまん
  前回(「霜夜の女郎花」)のほうがテンションがあがりました。これは清水紘治の役柄の面白さによるものでドラマとしては今回のほうがいい話だったような気がしますが。
  清水さんの役は三文字屋という宿屋の旦那、弥八郎(旦那といいつつ、また親分役だよ…)。7年前、宿屋の主人夫婦を殺害した押し込み強盗の首謀者のようです。祖父母の仇をとるため名前を変えて宿屋で働くおふく(おりん)役は清水さんの元奥様の大谷直子さんでした。10年前、子供だったおふくを宿屋の夫婦のもとへ送り届けた市は彼女に再会するために宿屋へやってきて、宿屋が代替わりしたこと、おふくは行方知れずになったことを知り、おりんと名乗る女中がおふくであること、敵討ちのために殺し屋を雇っていることに気づきます。…となったら市のやることはひとつですよね?えーと、清水さん頑張れ(笑)
  気になったのは、おふくの年齢設定がややおかしかったこと。10年前市に送り届けられた時、おふくは幾つで、7年前は幾つで、現在は幾つなのよ?子役に合わせるとおふくは現在20歳ぐらいだと思うのですが、大谷さんに合わせると10年前のおふくは少なくともローティーンですよね?それでは「市と女の子」という(萌える)組み合わせにはならないと思うのですが。しかし前者だったら7年前の清水さんが鬼畜すぎる…(笑)今回の見どころ。おりんの正体がばれてからの親分の演技がよかったのと、「皆、手ぇ出すなよ」とおりんが雇った殺し屋三人を一人で苦もなく切り殺したのがかっこよかったこと。浪人じゃない清水さんが強いのはちょっと珍しいかな(笑)相変わらずチャラい悪役演技が素敵な清水さんです。次回は浪人役のはずなので、またやさぐれているはず。楽しみです。

「新・座頭市 III」 第25話 虹の旅
  勅使河原監督回だったのですが、逆光のシーンで映画のように美しい「絵」が幾つかあったのが印象的。これまで見た2回はまぁ、単純にいえば人情物でしたが、今回はちょっと趣が違いました。市の性格も結構違う感じがするし、説明台詞もほとんどなかったし。というか、今回は説明なさすぎ。話に無理がありすぎ。襖ひとつ隔てたところに人がいるのに、事に及んでそれがばれないと思っている「お方様」も市もどうなの、とか、手毬の中の文には結局何が書いてあったのか、とか(お方様の言ったこと、かなぁ…)、色々と。越前屋(中村鴈治郎)の「商い」のシーンはかっこよかったです。特に「名前を聞いてどうする」と聞かれて「わたくしの胸におさめておくだけでございます」と答えるシーン、さすが。
  清水さんの役は、大聖寺藩脱藩浪人、兼光八郎 。これまで2回ともエロ悪役だったので今回もそうかと思ったのですが違いました。清水紘治である必然性はあまりない役でしたな、凄腕設定でもなかったし(笑)どちらかというと飄々系?フジの嘘あらすじには越前屋を強請りにきたのは浪人たちが倒幕活動の資金にするため、とありましたが、あの人たちは本当に倒幕活動をしているのであろうか。別にはっきりとは描写されませんでしたよね?知られてはまずいので隠している、という風でもなく、市に「大儀とはなんでございますか」とか聞かれて「大儀とは、そもそもだなぁ…」とかいって清水さん困ってたし←ちょっと可愛かった。はっきりしないといえば、縫という女中が兼光八郎の妹というのも劇中には何も言及はありませんでした(フジのあらすじに書いてあっただけ)。清水さんだと妹とは限らない感じがしますけれども、まぁ、お城勤めの武家の娘が身持ちが悪いのもどうかと思いますから妹設定でもいいです。死に方は今回が一番よかったかなぁ。足を切り落とされて「???」となっちゃう演技もよかったし。最後の「貴様、誰だ…」のシーンはちょっと「牢獄無用」の船頭さんの死に際っぽかったですな。そういえば、散切り前髪も珍しかったです。
  ちなみにBSフジ公式サイト「新・座頭市 III」 には第26話ゲストにも清水紘治の名前がありましたが、録画して確認してみたところ出演はないはずです。一言も喋らないでちらっと映っただけとかなら話は別ですが。そもそも胴元なんて出てこなかったじゃん……。25話・26話と勅使河原監督回だし中村鴈治郎も出演となっていたのでいっぺんに撮影したのかと思ったのですが、単なるBSフジの間違いのようです。あらすじも嘘ばかりだし、あのコーナーはいったい何の資料をもとにして書いているんだ。

「真実を追う男2」
  「病院で不正が行われているらしい、探って欲しい」と恩師である元院長に依頼されたさすらいの外科医・小林稔侍があばく臓器移植の裏、といった話。清水さんは間違いなく現院長(或いは理事長)だと思ったのに違いました。院長は三國連太郎と二谷英明を足して2で割ったような役者さんで、清水さんは病院のVIP病棟で手術を受けた代議士・元建設大臣役。どうでもいいですが建設大臣って懐かしい響きですね。ここは不正の黒幕だったりするのだろうと期待するのが清水紘治ファンの正しいあり方だと思いますが、今回清水さんがしたことは、(1)あやしい腎臓移植手術を受ける (2)あやしい移植手術が週刊誌ネタになりそうになってもみ消しを依頼されて快諾 の2件だけ。……うん、たいして悪くないですね!清水紘治的にはお話にならないレベルです(笑)今回のみどころ、院長との食事シーンがシャツにベスト姿だったこと。素敵。
  院長が小林稔侍を殺し損ねて警察に踏み込まれ、メスで自分の胸を突いたのには「サムライか、お前は」と驚愕しましたが、医者なら確実に死ねる箇所にメスを突き立てるべきだったと思います。黒幕を手術で助ける主人公、というのをやりたかっただけだと思うのでこの突っ込みにはあまり意味がないのはわかっていますが。

「新・必殺仕置人」第18話 同情無用
  えーと、ちょっと……拍子抜け?伝説の諸岡さんの前評判で期待しすぎてしまったか。殺され役の若い男がクズすぎて全然同情できないのは仕様ですか?私にはこのシリーズは向かないのではないかと心配になってしまいましたよ。さて、藤田まことは苦手なのですが、(昼行灯的な意味で)「北の服部、南の中村」と当人同士も思っているらしい同心の服部が仕置きのターゲットと知った時にみせる、「あいつを見てるとてめえの分身見てるみたいで」という中村の屈託は非常によかったと思います。誰にもやらせねえ→やるなら俺がやるという流れを含めて。まぁ、今回の見どころは普通に北の昼行灯さん(犬塚弘)の演技でしょうな。実にいい感じでした。
  で、清水さんがどうだったかというと、まず、清水紘治の岡っ引きって斬新じゃないですか? というか、いかがなものか。「まず」も何もこれが全てという気がしないでもない。予想通り全然似合ってない(笑)基本的に時代劇の清水さんって浪人とか浪人とか浪人とか、武士なので、町人髷ってたぶん初めて見た(「御金蔵破り」はなんちゃって江戸時代なので除く)…似合わないなぁ、ホントに(笑)演技としては現代劇演技なのね、このシリーズは。あと2回は面白そうな役なので、31話と41話に期待。

「新・必殺仕置人」第31話 牢獄無用
  「新・必殺必殺仕置人」のいいところは仕置きのテーマがかっこいいところ、と思った今回。大掛かりな「事件」という感じだったので「同情無用」に較べて大詰めの仕置きがかっこよかったです。残念だったのは山崎努の出番が少なかったこと。メンバーの中で山崎努が一番好きなんだけどなぁ。今回は藤田まことメインの回。清水さんがゲストに出る回は3回とも藤田まことがメインのようです。
  清水紘治の役は、廻船問屋・鳴海屋の船頭頭、十郎太。禁制品の密輸を自白(偽証)した十郎太のせいで鳴海屋は死罪になり、鳴海屋の娘が30両で仕置きを依頼したらしいというところまで冒頭でさらっと流される。十郎太は放免されるはずが病弱な奉行を人質にとって牢に立て籠もります。要求は逃亡用の船を廻船問屋から用立てること。内密に解決したい奉行所と十郎太ら囚人の攻防の結果は如何に、といっても筆頭与力の高岡があまりに悪人面なので最初から落ちはわかっているようなものなんですが(笑)あいかわらず町人姿が全然似合わない清水さん。着流し囚人ルックのほうが似合ってるよというくらいの似合わなさ。あと、はだけた胸元が洗濯板みたいで心配になる。男の人はどのくらい痩せているとあんな風に胸に肋骨が浮いて見えるんだろうか。役柄と演技は面白くて見どころ満載。貫禄のあるちんぴらという感じ?(笑)しかしつくづく現代劇の芝居だな。最後は船に乗ろうとしたところを巳代松に竹鉄砲で撃たれて「…誰だよ……誰だよ…」と呻きながら死亡。巳代松へのリベンジは最終回「解散無用」でどうぞ(笑)

「新・必殺仕置人」第41話 解散無用
  南町奉行所同心役。佐藤慶と組んで誰かを廃人にしたりしているらしい。とても楽しそうなので再放送希望(笑) →CSで放送されました。
  「清水紘治」とネットで検索をかけたら必ず出てくる話なので最終回のストーリーは知っていました。私は清水さん単発ゲスト出演のドラマは基本的に清水さんが出ている回しか見ないのですが、今回、伝説の(笑)最終回のために、清水さんが出ていない回も何回か見ました。仕置人のメンバーに多少の思い入れがあったほうが最終回を面白く見られると思ったので。まぁ、初回から最後まで欠かさず見たとしても、佐藤慶と清水紘治が楽しそうに悪事を働いているのにどうして私が主人公サイドに肩入れしなきゃいけないんだ、という話なんですが(笑)まったく何という俺得最終回。ストーリーは語られすぎるほどに語られていますので書きませんが、とにかく鉄(山崎努)のかっこつけの光る回でしたな、最後の最期に至るまで。「かっこつけ」というと悪口のようですが、ダンディズムと言い換えてもいい。本当にかっこいいよ。しかしまぁ、幾ら鉄がかっこよくても、正八が可愛くても、中村の屈託に萌えても、そんなものは諸岡様の狂気の前には吹けば飛ぶようなものに過ぎませんけどね!あっはっはっは。
  しかし、清水さん楽しそうだったなぁ、今回。清水さんの役は裏稼業を牛耳ろうとする佐藤慶と組む同心、諸岡佐之助。冒頭、巳代松捕縛シーンの最初のアップのショットがかっこよかったです。陰影のくっきりした絵の多い回だったので清水さんのような顔立ちは画面映えがしたと思います。「巳代松が、逃げたぁ?…は、は」のシーンは演技と相まって最高。諸岡様は清水紘治史上最高にイカレてますな、たぶん。31話の貫禄のあるちんぴら風の演技とは全く違う酷薄さの漂う同心役でした。絵ヅラ的には佐藤慶と悪巧みをしながら楽しそうにお酒を飲むシーンがよかったのですが、演技は寅が奉行所に出頭(?)してきた時のやりとりが一番好き。自分の絶対的な優位を確信して相手を馬鹿にしきった態度が素敵でした。伝説の「そう、あんたの思った通りだよ、諸岡さん」のシーンは確かに名シーン。ここで清水さんが「貴様…!」と抜刀して仕置きのテーマのイントロが入るところがすごくいい。いや、清水さんが殺されるシーンなんですけど(笑)だって悪役なんだからかっこよく殺されるのが華じゃないですか。清水さんは「新・必殺仕置人」で都合3回殺されているわけですが、今回が殺陣も派手で一番かっこよかったです。ちなみに「おい、待て待て、中村」という台詞が想像していた通りの清水紘治口調だったので笑いました。ほんの少し早く気づけばよかったのに、残念でしたね。前回撃ち殺された巳代松を廃人にして中村に斬られたので一勝一敗ですか。ちなみに佐藤慶は鉄と相討ちで一引き分け。二人とも最終回ならではの大健闘と言えましょう。凄惨な最終回にふさわしい悪役コンビだったと思います。悪役演技は見事でしたが、この頃の佐藤慶には期待したほどの素敵さがなかったのは意外でした。30年以上前ですからね。どんだけおじいちゃん好きなのよ、というか、清水さんがいかに別格かというだけの話なんですが。拷問シーンは清水さんの迫真のサディスティックな演技のわりには巳代松のリアクションが微妙な気がする。視聴者への配慮でしょうか。
  ところで、佐藤慶がこれまでも寅の会で仕事をしていた仕置人ですという設定であるのと同様、諸岡さんもずっと南町奉行所にいたという設定のはずで、つまり筆頭与力・今井健二(第31話ゲスト)の下で岸田森(第1話ゲスト)と清水紘治(最終話ゲスト)が一緒に仕事しているということになるわけですが、こんな某古神邸みたいな奉行所はイヤだな(笑)

「じんべえ」
  「葵」のあっけないリタイアによりレギュラー番組がなくなり、がっかりする私の隙を突くように始まった(?)「じんべえ」の再放送。取り敢えず見てしまったが、やはり・・・私が見てもしかたないですね、このドラマを(笑)しかし、こういっちゃ何ですが、あだち充が田村正和みたいな主人公を描くとは到底思えませんが、原作は一体どうなんでしょう?
  「怪しの海」「奥飛騨二重心中」「乾いて候」と田村正和と対決し続ける清水様。「過ぎし日のセレナーデ」でもきっと対決してるんだろうなぁ(笑)

「シンマイ。」(未見)
大阪府警協力のクレジットが燦然と輝く大変歴史ある警察物ドラマの枠だそうですが、関西のみで放送されているため、見ることができません。監察医役の人の父親でやはり医者、という役だそうです。どんなお父さんなのか大変気になります。言葉の端々に微かにのぞかせる大阪弁のイントネーションがいい感じ、ということです。(誰か大阪弁が下手な出演者がいるのだろうか・・・)

「下町女占い師 清香姐さんの人情事件簿」
  社内の派閥抗争に翻弄される秘書課長。また殺されてしまうかと思ったが、愛人が社長派のスパイだったために殺害して埋めてしまうといういわゆる犯人役だ。ラストのナイフを構えるところとかはちょっとかっこよかったが、肉弾戦に持ち込まれるといかにも弱そう。もっとも私がかつて肉弾戦に強そうな男を好きになったことがあっただろうか、いや、ない。あんまりお腹とか殴らないであげてください、佐藤B作さん。死んじゃいそうなんで(笑) しかし、疾走する清水紘治というのも珍しい。最近偉い人役が多いし、偉い人は走ったりしませんからね(笑)  いや、いいものを見た(?)。
  今回の見所は「信じてなかった・・・・・・霊視なんて。俺は何も信じちゃいなかった・・・」というセリフ。これはいかにも清水さんですね。素敵。しかしあのキッチュな特撮はなんとかならんのか?あれだったら小川真由美の演技力に頼って「いかにも霊視してます」と見せた方が良かったのでは・・・。

「姿三四郎」(未見)
  放映開始当時のアオリが「あの『太陽にほえろ!』の刑事達が『姿三四郎』でほえる!」というもので、悪役も「太陽にほえろ!」から選んでるのかしら、としょうもないことを思ったり(笑)清水さんの役は人斬り風の浪士(?)のようです。・・・また殺されてる(泣)

「ずっと逢いたかった。」
  いきなりですが、なぜ主演を松本幸四郎にしたのか不思議。この人はサラリーマンにみえないと思う。無用に背筋の伸びた風情がどうにも……ましてやリストラされたサラリーマンなんて。さらに実年齢より少し若い50代のサラリーマン、まぁ許容範囲の年の役を演じている幸四郎に対して、尋ね人の海軍将校の消息を知る二人の老人に幸四郎と同年輩の清水紘治と小野武彦を配しているが、この配役に何か意味はあるのか。まぁ、私は清水さんが出演するならそれでいいんですが(笑)あらすじ。リストラサラリーマンの松本幸四郎が、10年前に息子が海で拾った瓶詰めの手紙を宛て先に届けようと旅に出る。手紙を書いたのは海軍士官で、その先輩が清水さん。橿原神社の瑞鶴の慰霊碑を墓守りする(日本語が変ですみません)小野武彦の紹介で幸四郎が清水さんに会いに行きます。またしても面倒見のいい、いい人の役でした。というか小野武彦と清水さんの関係が微妙に「テネシーワルツ」だ。あと回想シーンの清水さんが全然清水さんぽくないところも「テネシーワルツ」(笑)最後の手紙(の朗読)がクライマックスだと思うのですが、ここは美しかったです、確かに。
  今回の見どころは……80歳ぐらいの老け役を演じる清水さんの演技(学徒出陣した人って2005年で80歳ぐらいですよね?)。語りっぽい説明台詞が多かったのでよかったです。清水さんはすごい白髪メイクだったのですが、髪も眉も白くしてしまうと目の色が薄いのがびっくりするくらい目立っていました。

「世紀末の詩」第3話 狂った果実
難病の娘の為に、若い男の写真を撮っては娘の気に入った男を連れてきてやるという奇特な父親。男の前では執事のふりまでして涙ぐましいのだが、つくづく普通の親子の似合わない人だ(笑) 見所は海岸で写真を取りながらスイカをかじるシーンかな。いや、あんまりもの食べてるところを見ないので(笑) 余談だが山崎努、シブすぎ。あとジョン・レノンの"Stand By Me"は耳につくなぁ。

「清少納言殺人事件」
  かたせ梨乃のキャサリンシリーズ。(「キャサリン」て何だ、キャサリンって)「女にだらしない国文科の教授」という珍しい役を振られている清水様。「女にだらしない」属性はないような気がするのですが。しかし「教授をめぐる女たちの争いが死へ・・・」というアオリが何かすごくないですか(笑) 私も混ぜて下さい(←何か違う) 和服に京都弁というのも非常に珍しかったのでそういう意味では「買い」な作品(?) そういえば、よく「京都ものサスペンス」に出ているが、この方は京都出身なのだった。
  山村美紗の「清少納言殺人事件」を読んで驚きました。(TVシリーズの)かたせ梨乃はなぜ「キャサリン」なのか、と思っていたら原作のキャサリンはアメリカ人のお嬢さんなのでした。しかもフルネーム、キャサリン・ターナー(笑) どうしても女優のキャスリーン・ターナーを連想してしまい、本編と全然合いません。なぜそんな設定のシリーズを無理矢理ドラマ化するのか。TBS恐るべし・・・。というか山村美紗も何故OKを出したのか? さらに私の知っている「清少納言殺人事件」は実際には「清少納言殺人事件」+「紫式部殺人事件」であることが判明しました。新春スペシャルだからって何も二本くっつけなくても・・・。原作では大藤教授(清水さんの役です♪)は3人の女に愛されまくるだけ(まぁ、欲得ずくの色仕掛けもありですが)の記号のような人物に過ぎず、外見の描写どころかセリフすら殆どなく、悪事も働かないし途中で殺されることもなく、むしろ何も悪いことをしていないのに研究室のスキャンダルで学長選を降りることになってしまった気の毒な人なのですが、ドラマでは人の弱みにつけこんで貴重な古文書を手に入れ、それを恨んだ被害者の娘に殺されていました。この古文書の部分が「紫式部殺人事件」のようですが、こうなるとただの悪役です(笑) あ、でも一応もてて(迫られて?)ましたけど、卒研の学生にまで。いいなぁ。山村美紗という人はあまり登場人物の心理というものを描くことには興味を持たない人のようで、犯人の動機はキャサリンの推理としてごく簡単に述べられているだけですが、大藤教授=清水紘治 で読んでいた私は、犯人の切ない心情にちょっと萌えてしまいました。所詮、清水バカな私…。
  女にだらしない教授役が珍しくて、後生大事にビデオからサルベージしたDVDを持っていたのですが、再放送で録画できました。BSデジタルの再放送ドラマ枠万歳!(笑)久々に見たらすっごい楽しかったです。何が楽しいかというと女にデレデレしている清水さんが珍しくて楽しいなぁ、と(笑)女絡みの役は多くてもこういうのは珍しいので。私もあんな楽しいキャンパスライフを送りたかったわ。あんなってどんなだよ?というと、ぐいぐい迫られたら卒研生にも手を出しかねない女癖の悪い教授がいて、教授と初詣に行ったり教授宅で新年会があったりする、そんな教授のハーレムみたいなゼミに所属する学生時代。もちろん教授は和服の似合う清水紘治で!という(爆笑)…………………アホか。ちょっとした現実逃避ですよ……。気を取り直して、私は基本的に清水紘治がチャラチャラした役を演じているのを見るのが好きなようです。普段の役とのギャップが楽しいのか、いつもチャラチャラしていても楽しいのか、自分でもよくわかりません。おそらく前者だとは思いますが。ちなみに「いい役」と「楽しい役」は全然違います。「いい役」かつ「楽しい役」というのはありますが。例えば「新・座頭市II」の親分さんとか。大藤教授は楽しい役。教授枠でいうと高村教授(「仮面ライダーアギト」)はいい役。淺川教授(「蒼い霧」)は楽しい役。

「ゼロの蜜月」
浅野ゆう子の結婚相手の兄だが、なんかよくわからんうちに殺されている(笑) 企業の研究所の研究員役でした。先日「ゼロの蜜月」の原作を見つけてパラパラめくってみたら、原作ではヒロインに対してドラマよりずっと好意的な態度を取っているようでした。でも容貌の描写とかが結構、清水紘治っぽい感じだったりして個人的に受けました。

新春ワイド時代劇「戦国疾風伝 二人の軍師」
  浅井久政役。主人公二人は秀吉配下、秀吉は信長配下というわけで、まぁ、わりと悪者ポジな感じで(笑)なんか浅井家の信長への敵対行為はすべて久政が悪いんだ的な描かれ方でしたな。当主に向かって「しかと伝えたぞ」とかすごい偉そうな大殿でした(笑)分割再放送にて補完したのでカットされた場面があったかもしれません。しかし、どうして本放送の時に見逃したのかなぁ。正月長時間時代劇はいちおうチェックしているはずなのに。  ハイビジョンで撮影するならカツラもハイビジョン仕様にする必要があると実感させられた作品。カツラと肌の境いのメッシュの部分が目立つ目立つ。これが気になってもうストーリーとか追えないくらい(笑)「江」の時には一度もそんなこと思わなかったんだけどなぁ。やはりNHKはお金かけて撮ってるのかしら。資金力の差なのか、技術の差なのか、手間の差なのか、やる気の差なのかは何とも言えませんが。ちなみに清水さんは逆光の横顔と自害して倒れるシーンでの登場だったのでメッシュはあまり目立ちませんでした(笑)

「戦国武士の有給休暇」
  ジェームス三木脚本なのでちょっと期待していたのですが……まぁ、もともとコメディはあまり好きではないので。第1話視聴後はこんなコメディの中で清水さんに何をさせる気なんだろう、と真剣に疑問に思いましたからね。佐藤慶とか中村梅雀とか、見るべきところはあるのですが、主人公とその妻がまるっきり現代人の価値観をふりかざすので見ていてイライラします。それがコンセプトのドラマなのは承知していますし、「江」のようにコントには見えないのですが、好き嫌いの次元でこのテーマはあまり好きになれません。
  まぁ、そんなことはどうでもよく、「清水紘治の明智光秀ー!!」というのが大切なところなのです。……しかしながら「別にこのドラマで光秀を出す必要ってなかったよね?」というのが第一印象。「乱を起こしてはならぬ、民を苦しめて何の君主ぞ」と言っていた光秀がなぜ信長を討ったのか、という点は説明不足だったと思います。三すくみの地元小競り合いの結果対策に「信長に仕える大名に仕えれば問題解決、羽柴秀吉とか」(意訳)という梅雀の案に「秀吉〜?けっ、あんな奴に仕えたくねーよ」(意訳)と反対した阿部寛も、光秀なら「文句のない名君だ」と言っていたのにね。「天下は誰のものでもない、信長公のものでもなければ、無論この光秀のものでもない。天下にそれを示さんがために信長公を討ったのだ。(中略)日の光も月の光も万民を照らすものでなければならぬ」とシブい声でかっこいい台詞を決めていましたが、そういう意味では理想を掲げて挙兵する「へうげもの」の光秀と同じタイプかな。なぜそれが清水紘治だったのかはよくわかりませんが(笑)最期はオーソドックスに農民に竹槍で突かれて死亡。「へうげもの」光秀って私はすごく好きで、最期とか「泣いちゃうだろ、馬鹿」と思うのですが、でもやっぱり清水さんの光秀のほうが悲しいですね。というか、珍しく清水紘治演じるキャラが死んで、悲しいわーと思いました。清水さんはわりと「よっしゃあ!」という死に方をするほうだと思うのです、個人的には。
  私が見たかった「清水紘治の明智光秀」はこういうんじゃないんだ……(悲)という気はする。清水さんは憔悴した顔と演技が大変素敵なので、どちらかというと「KING OF ZIPANGU」の光秀のようにノイローゼのようになった挙句にキレて挙兵、というのを想像していたのです。今回のみどころ。清水さんの戦装束のかっこよさ。ちょっと源平時代風で素敵(逆にあの時代にしては古くさすぎる気がするのだが)。お笑い戦国ドラマなのに清水さんの光秀のシーンだけ大河ドラマみたいなところ(笑)(←今年の大河ドラマと同じじゃん) 奉公人の若い女が妊娠して父親を問い詰められているところへ、腹の子の父親はこのわしじゃ、と大威張りで宣言する佐藤慶(笑)

「大追跡」第3話 悪女が躍る
  吉行和子のパシリなバーテンさんの役でした。この頃の清水さんの演じるチンピラ役にはぼこぼこにしてやりたくなる可愛さがありますよね!(おい)いや、なんかこう……細っこくて。吉行和子に藤竜也を始末しろ、とか無理難題を押しつけられてましたけど、いや、それ絶対ムリだから!ガタイ的に。それでもパシリの悲しさで役目を果たそうとする清水さんですが、奇襲に失敗したらやっぱり逃げてた、いい子だ(笑)やっぱりムリだよね。藤竜也にお腹を撃たれた挙句、吉行和子に口封じされちゃってたんですけどね!この頃の刑事物ドラマの刑事は街なかで容易に発砲しますよね。驚きだわ。
  吉行和子さん、声聞くまで誰だかわからなかった。誰だ、あれ(爆笑)

「大追跡」第24話 爆殺魔
  第3話では吉行和子のパシリだった清水さんですが、主犯に出世して帰ってきました(笑)主犯:清水紘治、従犯:蟹江敬三のかつてのハイジャック仲間でお送りします。もっとも清水さんは開始後20分ぐらいで死んじゃいましたけどね!しかし、ハイジャックって組織に所属している人がするものではなかろうか。犯人に不利すぎるだろう。こんな人達が単独でハイジャックってあるかなぁ。みどころはノーネクタイのワイシャツになぜかむぎわら帽子の清水紘治。レアだ……。
  さて、3回爆殺を成功させていい気になった清水さんは「爆弾仕掛けたのは俺だって言ってんだろ。…(中略)…あいにくもう仕掛けちまったよ」とか捜査本部に電話をかけていたら逆探されて、警官を射殺して、全力疾走で柴田恭兵と追っかけっこした挙句に撃たれて死んでしまうという想像の斜め上をいく展開で死亡。しかし、逃げられそうだからしかたなく撃ったというのではなくて、行き止まりに追い詰めて「銃を捨てろ!」とか至近距離でやってたのに腹は撃たないよね、腹は。仕掛けた爆弾の場所を聞き出す必要のある犯人ならなおさら(笑)あんまりありえない状況だったので、清水紘治の持っていた改造拳銃が暴発したんだろうと思って、もう一度見返したのですが、がっつり撃たれていました。柴田恭兵に。その後、相方の蟹江敬三を藤竜也と柴田恭兵がボコボコに殴って爆弾をどこに仕掛けたか白状させて、最後はお決まりの危なくないところまで運んで爆発させました。めでたしめでたし。まぁ、清水さんが死亡後は私のテンションは下がりまくりだったわけですが。
  今回見て思ったこと。加山雄三が着ても半袖ワイシャツはださい(笑)え、清水さんは長袖やもん(笑)

「太陽にほえろ」第100話 燃える男たち
  「太陽にほえろ」というドラマを初めて見ました。たぶんこのドラマはおじさんたちが「裕次郎最高!」と思うためにあったドラマなのだと思いますが、どう見ても「山さん」こそが最高だと思います。(ニックネーム以外。ニックネームでは「殿下」一人勝ち)立てこもり犯役の清水さん以外にも、警視庁の偉い人役で鈴木瑞穂が出ていてちょっとお得な感じの一作でした。警視庁の捜査本部長は今だったら、清水さんはこの役だろうなぁという感じの役で面白かったです。
  うわー、清水さん若い〜(30歳)ロン毛だし、過激派だし〜と一頻り嬌声(?)を上げてから気づいたこと。私がこれまで見た中で一番若い清水さんでした。清水さん的見せ場は、やはり石原裕次郎との交渉シーンでしょう。「あんた、たいしたもんだな。俺がここにいるのがわかったのかい?」と妙に嬉しそうにニヤッと笑ってみせるところがよかったです。人質を取っていれば絶対にこちらの勝ちだという確信を持っているところもよいです。まぁ、結局石原裕次郎配下の刑事達の大活躍で捕まってしまうわけですけれどもね。
  共犯者はちゃきちゃき逮捕されてしまったのですが、清水さんには松田優作に反撃(肘打ち!)して機動隊員を一人射殺、その後松田優作にぼこぼこにされるという見せ場(笑)が残されていました。さすが清水紘治です。ラストで石原裕次郎がマイラブ鈴木瑞穂様に逆らって「今回の作戦は失敗だと思います」と言っていましたが、実は松田優作がさっさと清水さんに手錠をかけておけば死人は出なかった筈ですが。小悪党役の西田健がちょっと可愛らしかったです(笑)

夏樹静子サスペンス「断崖」
ホームパーティで客達の目の前で断崖から飛び降りた会社経営者。彼の死は本当に自殺なのか?疑問を抱いた女性カメラマン・水野真紀は事件について調べ始めるが・・・といういわゆる素人探偵物ですね。自殺に見せかけて第二の人生を歩もうとするヒモっぽい社長に小野寺昭、愛人の元スター女優に山本陽子。山本陽子は熱演だったが、受けて立つ女優が水野真紀ゆえ格の差が歴然(苦笑)  今回の清水さんの役は警察関係だと思っていたのですが、警察殆ど出てこないんですよ(笑) 清水さんの役は定番その2(?)の弁護士でした。狂言自殺の筈が本当に死んでしまった小野寺昭の妻・大空真弓と組んで遺産を頂こうという役だったのですが、終盤にいたっていきなり大空真弓に見切りをつけたらしくあっけなくフェードアウト(笑) 冷たく「はい、さよなら」っていうシーンぐらい入れてくれても・・・(ブツブツ)それにしても私は年増を口説く清水さんを初めて見ました・・・。やっぱりせっかくなら若い女の方がいいですね(真顔)

「超新星フラッシュマン」
  改造実験帝国メスの幹部筆頭(?)、大博士リー・ケフレン様。出演作を漁っていて「フラッシュマン」の文字を見つけた時には吃驚しましたよ、それはもう・・・。「私は戦隊物に出ている清水紘治を見た!」という意味で非常に満足度の高い一作。悪役好きの私としてはかなりおいしいです。しかし、激シブな声のサー・カウラーとの確執があったり、謀反を起こしたりと見せ場がたくさんあるようなので、全話見たくて仕方がない。ビデオとかDVDとか出ないのであろうか。
  東映チャンネルに加入して全話録画したので、いつか「今日のケフレン様」コーナーを作りたいと思います。

火曜サスペンス劇場「津軽海峡 殺しの双曲線」
  完全なデコイ役。「殺人適齢期」に似ているなぁ、と思いながら見ていました。おもに殺人の罪をなすりつけられて自殺にみせかけて殺されてる清水さんが似ています(笑)しかもトリックを盗用されてるとか散々なところも似ている。しかし、このドラマのメイントリックはひどい…ミステリ的に。しかもそのトリックをやりたいだけで動機がグダグダという典型的なダメミスだと思いました。作中で清水さんの投稿した小説が編集長に「トリックは抜群に面白いんだがストーリーが陳腐でどうにもならん」と評されていましたが、それはメタ発言ですか……このドラマのメイントリックは別に抜群に面白くはありませんけれどもね(笑)
  清水さんの役は作家志望の定時制高校教師、この職業は青酸カリを手に入れられる職業というだけで設定されたものと思われます。しかし一緒に見ていた家人からは高校ではなく大学教員のほうが無理がなかったとダメ出しが……(笑)「ツチハシ」さんだと思っていたら「ドバシ」さんでした。

「積木家族」
出番少ないです、たぶん5分も映らなかったのでは。私はこんな端役でドラマに出ている清水紘治を初めて見ました。それにしても、どうして泉ピン子を食事に誘ったりするんだ・・・。前田吟のくせに女を囲っている亭主に対抗して、泉ピン子が清水紘治と不倫し始めたらどうしよう、とか思ってしまったワタクシである。たったこれだけの出番の清水さんを狭い組表欄に載せてくれた某TV誌、すごいぞ。

「ディア・シスター」第10話 星に願いを
  いきなり最終回を見ましたが、主要人物がみんな頭がおかしいというすごいドラマでした。なんか凄いんですよ。まずヒロインが頭おかしい。死んじゃうかもしれない病気らしいヒロインは男Aの子を妊娠していて、なのに今は男Aの弟(男B)が好き。男Bはヒロインが兄の子を妊娠しているのを知っているにもかかわらず、ヒロインにプロポーズ。ヒロインは男Bの幸せを考えたことがなかったとか泣きながら男Bを振る。まぁ色々あるんですけど、ヒロインの姉とその婚約者(?)の企てたサプライズ結婚式で、ヒロインと男Bは気持ちを確かめあって結婚。なんか死ぬとか大騒ぎしながら無事出産。ちなみに男Aは元妻とよりを戻して出直しエンド。……何これ、気持ち悪い。まず男A,Bを兄弟にする必然性が謎。どうしてこんな気持ち悪いことをするのか。特に男Bが気持ち悪すぎます。あの結末にしたいならせめて男Aが死ねば、三方一両得なのに!(←ひどい)。ヒロインも頭がおかしく、ビッチすぎて引いてしまう。脚本家は「ヒロインかわいい、ヒロインかわいい」と思って書いているのであろう。書いている人間の萌えが丸見えの創作物は、得てして見ている人間をしらけさせるものです。プッチーニのオペラのように(唐突)。ヒロイン姉の婚約者はいい人っぽかったです。
  清水さんの役は、男Aと男Bの父親。 次男とヒロインの関係を知って、そんな結婚を許すことはできないとごく正論を言って、二人をいったん引き離すという大変重要な役でした(←やけくそ)。実際には相手の父親の反対というのは、頭のおかしいヒロインを可哀想に見せるためだけの仕掛けにすぎないのですけれども。というか、あの状況(妊婦と手を繋いで家に帰ってくる、もうお腹が大きいのでごまかしようがない)で父親に会って、お腹の子は兄の子ですと話す男Bの頭がおかしい。父親として最悪の状況ですよ。おそらくワナビー生活を送っている次男が雑誌に掲載されたのをみて、「お前も頑張ってるようだな」とか言いに行ったら、息子は出産間近の妊婦と手つなぎ帰宅。しかも「彼女と結婚します。でもお腹の子は俺の子じゃありません、兄貴の子です」。あれで断固反対以外どうしろというのか。なんかあらすじを見ているとイケメン枠二人の父親みたいですけど、実際見ていると全然違う。清水さんは「俺の育て方が間違っていたのか」とかボヤいていましたが、息子二人の頭がおかしいのを見ると正直、あなたの子育ては間違ってたとしか思えません。男Aと父親で酒飲んで語ってるシーンもおかしい。なんか男Aがすごい他人事みたいなことを言うんです。あげくに父親が男Aの母と死別した後、若い奥さんをもらって継子を育てさせたんだから、弟が同じことして何が悪い、とか意味不明のことを言い出す。その意味不明に納得して結婚を許してしまう父親も相当です。ここは脚本の大きな穴だと思います。男Bはきちんと自分の言葉で父親を納得させて欲しかった。私の今後の関心としては、清水紘治であることを逆手にとったこの手の配役はいつまで通用するのか、ということでしょうか。というか、今回は最初から、別に理解のない父親ということはなかったと思いますが。結局、ちゃんとモーニングでサプライズ結婚式に出席してやるいいお父さんなのでした(笑)

「テネシーワルツ」
  なんというか、高島礼子のヤンキー上がりのような品の悪い女性の行動全てに共感できず、ちょっと辛い思いをしました。謎解き編で強請り男を「巻き込まれた被害者」みたいに言うのもおかしいし、最後に彼女が渦中の女性の心境を勝手に代弁するのも全く共感できず、まったく背筋がもぞもぞしましたわ。主人公の義理の息子が強請り男のwebメールのアカウントとパスワードを知る過程が無理やりすぎるのもいただけない。それにパスワードとか、手帳にメモするかなぁ。
  清水さんの役は、高島礼子の元夫の勤める新聞社の元社長、現相談役。まぁ、最初の登場シーンで、清水・小野コンビにとってあの老女は大切な人というのが演技でちゃんと表現されていたので、真相はまぁ想定の範囲内(笑)ドラマとしてはキャスティングによるミスリーディングが全て、という感じでしたな(笑)夏八木勲が強請り男その2であり、清水紘治が友人をかばって殺人の罪をかぶる律儀な男だなんて一体誰が考えようか?清水さんが私が殺したと告白しはじめた時、見てる人はみんな「あー、やっぱりね」もしくは「そんなことはわかってるんだよ」と思ったはず(笑)ネックは真犯人が割れるには時間が早かったことぐらいか。この状況で「嘘だ、絶対違う。相談役がそんなことをするはずがない」と強硬に主張してくれる元新聞社勤務のヒロインの父が西田健だったのが、個人的にはこのドラマ一番のツボでした。さすが仲良しさんです(?) いや、西田氏が某所でそんなことをね。というか、西田氏がかつらだったことを初めて知った。……ああしてみると鈴木瑞穂様に似てませんか、ちょっと。
  今回のみどころ、夏物の帽子が素敵なところ。警察に連行される時の伸ばした背筋の美しさ。最後の喪服(というか黒スーツ)。難点は回想シーンの若清水さんが全っ然清水紘治っぽくないところ?(笑)いや、顔も設定もやってることも全てが(笑)若夏八木は少しそれっぽかったのに。せめてもっと目の大きい人にしてくれ。

新春ワイド時代劇「天下騒乱 徳川三代の陰謀」
  土井利勝役の西田敏行が「葵」の秀忠に見えてしかたないという困ったドラマ。この時代の時代劇をあまり見ないので、軒並み「葵」のキャストでイメージが固定されてしまい、「葵」で土井利勝だった林隆三が別の役で出てきてくれたりすると大混乱でした。しかし山崎努は家康というイメージではないと思うのだが・・・。外様大名どもめ、よぼよぼ演技に引っ掛かりおった、とか高笑いしたかと思うと昏倒。芝居になってません(笑)この家康の病床シーンでも家光の「生まれながらの将軍」シーンでも、常に第一声を上げる伊達政宗ですが、これは史実なんでしょうか?(家康のほうは「葵」でもこういうシーン見たような気がする)だとしたら政宗ってなんかただの目立ちたがりじゃん?と思わなくもないです。よかったキャスト、保阪(池田忠雄)と石橋蓮司(荒尾志摩)主従。端役なのに無駄に声のステッキーな竹中直人(山野辺義忠)。特に殿の馬鹿っぷりに困惑しながらも「備前三十一万石を捨てても悔いなし」という遺言を果たそうとする家老の石橋蓮司が素敵。
  それに引き換え外様とはいえ大大名、お気楽極楽・伊達政宗役の清水さん。冒頭の駿府へ向かう馬上の金キラの陣羽織がイカしてました。個人的には伊達政宗ってあまりいい印象のない人で、ハッタリ好きの喰えない男というイメージです。なんか過大評価されてるような気がしますが。本編の清水さんは「うわぁ、喰えねぇ」という印象に終始していて、たぶん脚本的にはこれで正しい筈。久々の時代劇で嬉しかったです。
  どうも話が散漫で、素人目には「土井利勝及び将軍家の権謀術数モノに柳生十兵衛が絡む」か「決闘絡みを延々やる」かどちらかのほうがよかったように思いますが、それでは10時間持たないんでしょうね、おそらく。うーん「葵」は非常に面白かったなぁ、こうしてみると。駿河大納言が非常にバカっぽく描写されているのが謎。結構マトモなことを言っているのに「あっはっはっは、そうかなぁ」という馬鹿笑いによって、ただの馬鹿殿に見える。若手役者の時代劇的台詞回しが非常に様にならないのが印象に残りました。特に年配の役者と若い役者が同じ画面で芝居をしていると非常に面妖な空間が出現。というか、一つ気になったんですけどね。清水さん眼帯小さくないですか?これ

「伝説の教師」 第9話
転校してきた秀才は実はすごい問題児。クラスの連中をそそのかしてやりたい放題の彼を殴ってしまう中居正広だが、彼の父親はヤクザの親分で・・・。というわけで、当然(笑)清水さんの役はこのお父さん。主人公コンビがお詫びに行くところでちょっと出てきただけで「これでおしまいか・・・」と思っていたら再登場。中居正弘を刺した息子に「お前、人様に迷惑をかけといて謝って済むと思うのか!!そんな子に育てた覚えはないぞ」と大変父親らしいことをおっしゃる清水さん。ただし、息子に蹴り入ってます(笑) でも私がこれまで見た中では、一番普通のお父さんらしかったかなぁ。いや、お父さんぽかったですよ、息子の頭を抱えるところとか(笑) 竹中直人のアヤシイ身振りに困ったような、苦笑いのような顔でリアクションする(というか、正確にはしそこねている)清水さんというのは何か・・・(笑) あれは竹中直人のアドリブだったのであろうか。

「同窓生 人は、三度、恋をする」第2話、第3話
  久々の医者役でした☆特に第3話では白衣姿があったのでテンションが上がりました!その後、すぐお葬式でしたけどね、はは…は…。重要そうな役だと思ったのに、稲森いずみに不倫へのエクスキューズを与えてあっさり亡くなってしまいました。悲しいです。ドラマは中学校の同窓会で再会した元同級生4人、40歳の今後を描く、という感じで、基本的に不倫推奨ドラマのようです(笑)今見たら、脚本があの「大河ドラマ 江」の脚本家でした。40前後の人間を主人公にしているのに場違いに漂うバブル臭はそのせいですか。それともそれは原作のせいですか。あるいは相乗効果ですか。
  清水さんの役は松岡昌宏の父で病院経営者、元院長。病院は松岡の姉夫婦が継ぎ、ゼネコン勤務の松岡は自分が父の後を継がなかったことを気にしているようです。最終回までに松岡のこの引っ掛かりに落ちがつくのかどうか、私が知ることはきっとないでしょう。「八重の桜」に続いて息子のいる父親の役でした。なんか非常に珍しい感じがします。いいお父さんで、いいお医者さんでした(←過去形)。幼少時から養父の暴力を受けていた稲森いずみに「桜井先生は父のような人」と慕われてみたり。養父に殴られて怪我をしては病院にやってくる稲森(回想シーンなので稲森ではないのですが(笑))に対し、親身になって怪我の手当てをしては励ましてあげるいい院長先生なのでした。…まぁ、25年とか30年前の清水さんは全然あんな風ではなくて、キレキレに怖くてかっこよかった頃なんですけれども……まぁ、いいでしょう。タイトルはなぜ「同級生」ではなく「同窓生」なんだろう。まぁ、同窓生の概念は同級生の概念を排除するものではありませんが。

「とおりゃんせ〜深川人情澪通り」 第19話 めぐり遭い
  きっぷのいい池内淳子の女将の元亭主。借金取りに追われて別れた女房に頼るという、またまただめ人間な清水紘治(笑) あんまりだめすぎて愛らしいとか思ってしまう自分がちょっとイヤ(笑) でも清水さんじゃなかったらこんな男往復びんたですけどね。
  録画したビデオをなくしてずっと見ていなかったのですが、チャンネル銀河の放送で再見。……すごいな、久々に見たら粂蔵さんは清水紘治史上最高にダメ男だな。あんまりダメすぎて気がつかなかったけど、清水さんの町人役、この時に見てるんですね(笑)本当に似合わないなぁ…。この回はとにかく「池内淳子かっこいい!」というだけの回なんですよ、端的にいうと。まぁ、林隆三と石黒賢もよかったんですが。池内淳子が料亭の女将で、自分を慕ってくれる板前さん(マジの赤目さんだったわ)を憎からず思っていて、でも板前さんが年下過ぎて相手を思って身を引いてしまうという話だったのですが、あのね、そもそも清水さんと池内淳子が年離れすぎじゃありませんか?前に見た時には清水さんのダメっぷりにくらくらして気がつきませんでしたが(←ダメなのはお前です)。10歳ぐらい離れてない?
  清水さんが最初に料亭に押しかけていった時に煙管を吸おうとして、池内淳子にこんなところで困ると叱られて「どこならいい?」と返して部屋に上げてもらうんですが(イヤな男だなぁ…(苦笑))、この台詞がすごい可愛くて身悶えしてしまいました。

「東京龍(トーキョードラゴン)」
  椎名桔平の風水師もの。清水紘治は、お天気キャスター清水美砂の上司。おおぉ、普通の勤め人だ。TV局の人なんて普通のおじさん俳優的には「堅気の仕事」とは到底いいかねるが、それが、無茶苦茶、堅気で普通の仕事に見えるのが清水さんのすごいところだ。・・・案外、普通のおじさんだなぁ、ああしてると(笑) あぁ、あんな上司が職場にいてくれたら、私はもう・・・(どうなんだ) いや、残業するのもつらくないかなぁ、と(笑)
  「クラッカー」というドラマで、リストラ社員:藤田まこと、開発部長:清水紘治、常務:細川俊之 というすごいキャストが組まれていた。私は清水さんも細川俊之も好きだが「大丈夫なのか、この会社」とつい思ってしまった。だって開発部長:寺田農、常務:佐藤慶 の会社とかより、かなりアレな感じがするのですが、清水/細川という部長/常務の組み合わせって。・・・そうでもないか、案外いけるかも、少なくとも清水さんは。

「徳川家康と三人の女」
  家康がものすごく「いい人」なドラマでした。美化された聖人君子というのではなく、単なる「いい人」。三河時代の家康を松平健が演じるのはどうなのか、というのはともかく、時代劇慣れしている松平健なので何となく場が持っているという感じ。「何となく」ね。ただ「三人の女」に唐突に淀が出てくるのが意味不明気味でテーマには疑問が残ります。家康の女は幾らでもいるだろうに。三傑の中で一番よかったのは片岡鶴太郎の秀吉。ある種の説得力のあるキャラクターでした。嫌いじゃないです。一番ありえなかったのは某元参院議員の覇気も何もない信長。もうね……なんであんなおじいちゃんなんだ。マツケン家康より年上にしなきゃいけないからか。徳川家家臣団が無駄に豪華。本多重次が「本多」で神山繁なので、なんとなく本多正信に見えてしかたのない私でした。
  清水さんの役は大久保忠世。徳川家重臣としては結構活躍しそうな役のはずだったのに、冒頭の三方ヶ原の大活躍がさらっとカットされた時点でわたくしとしてはまず失望(笑)信長に、家康の正妻、嫡男に謀反の疑いあり切腹させよといちゃもんをつけられる(このドラマではね)場にいたのが酒井忠次と大久保忠世。それでお前は承服してきたのかと怒鳴る本多重次に怒鳴り返すところがみどころですかね。あと、戦国物としては髭がなかったのが珍しかったかなぁ、と(笑)

「特命!刑事どん亀 」第11話 霊感コンサート
  元警視庁の刑事たちを集めた裏組織「極秘捜査課」の活躍を描くドラマ、らしいです。なんか設定が時代劇っぽい気がする。隠密同心とかそういうのありませんでしたっけ。個人的には「西田敏行を見るためのドラマだなぁ」としみじみ思いました。あと私は沢村一樹が好きなような気がしてきました(笑)
 清水さんの役は、演歌歌手・豊橋五郎(坂上二郎)の事務所の社長。闇金融を営んだり、豊橋五郎のコンサートを利用して怪しげな宗教詐欺を働いたり、なかなか多才な人でした(笑)グラサンかけてる時の怪しさが出色。あんな怪しいのは「裸の十九才」のグラサン男以来ではないだろうかというほどの怪しさでした。今回のみどころ、宗教詐欺の片棒を担ぐ外人いかさま魔術師が「もう降りる。魔女に殺されちゃう!」と泣き言を言った時の「バカじゃないの、お前」的な呆れた顔。ラスト、極秘捜査課に手錠をかけられて三人で放置されている時に変にシブい顔をしているところ。全編通してまわりがいかなるトーンであろうとわりとマイペースに演技をなさる清水さんが素敵だと思いました(笑)

西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ46「特急『草津』殺人迷路」
  TBS十津川シリーズ3度目の出演でございます。「越後・会津殺人ルート」の浦辺さんが大好き過ぎて、「パリ・東京殺人ルート」の時にはぐちぐちと文句を言いましたが、3度目ともなると「何度でも登場して何度でも十津川に逮捕されるといいさ…」という気分になってきます。「清水紘治は滅びぬ。何度でも甦るさ。清水紘治こそ理想の犯人だからだ!」(違)別に自棄になっているわけではありません。本当です。断じて違います。しかしニセ十津川登場でホステス殺し、清水さんが犯人では「越後・会津殺人ルート」と丸かぶりですよ…。サバイバルゲームごっこ組から犯人を出すとすれば、清水さんが本命だったのですが、渡辺いっけいがあまりに怪しい動きを見せたため、本命:いっけい、対抗:清水さん、単穴:根本りつ子さん@バーのママに変更。いっけいが犯人なら清水さんにはデコイ要員という大事な役目がありますが、清水さんが犯人だといっけいは捜査に首を突っ込んでくるひたすら変な関係者になってしまう。というわけで、私の関心はもっぱら清水さんが最後まで生き残れるか否かに集中。あと清水さんのエロがあるかどうか、とか(笑)いや、私の頭がおかしいというわけではなく、あるかもなぁという展開だったのです。本当ですよ?現に清水さんのキスシーンとか久々に見ましたもん。たぶん「訃報は午後二時に届く」以来。車中のシーンを見て、根本りつ子さんになりたいと思ったのは内緒です。
  で、結果的に言うと清水紘治三冠達成ならず。犯人でもなく殺されもせず(殺されかけてましたが)、逮捕もされませんでした。いや、むしろ初白星なのか? 今回の見どころ、清水さんの迷彩服!(笑)あとタバコを吸うシーンが2回もあったこと。最近のドラマで喫煙シーンは珍しいです。あらすじをみて「サバイバルゲームが趣味の国会議員なんて(たとえ清水紘治でも)嫌だなぁ」と思ったのですが、ただのそういうプレイだったようでよかったです(?)でもコスプレ組の中で一番マジっぽいというか、本気で人を殺せそうだったのって清水さんだよね、と思っているのは私だけでいいです(註:サバゲは人を殺すゲームではありません)。総評として、デコイとしての役割は完璧に果たしたと思います(笑)
  作中で起きた殺人のうち、説明というか解明されたのが1件だけって……十津川と亀さんはもっと真面目に仕事してください。免許証の件とかどうなったんだ、一体。長野県警の刑事役でマジさんが出ていました。最後に、特急草津ってあんまり関係なかったと思うんですけど?

「翔べ! 必殺うらごろし」 第15話 馬が喋べった! あんた信じるか
  これはまた斬新なシリーズですな……。「先生」(中村敦夫)が妙な印を結んで人が殺されている光景が「見えた」とか、死体の顔に手をかざして「下手人は侍だ」とか、摩訶不思議。というか、この人達って仕置きを請け負うわけじゃないのですね? 今回の笑いどころ。こんな胸くそ悪いところ出て行こうよ、という正十に「そういうわけにはいかん」という先生。そんな悪逆非道を見過ごすわけにいかん、とか言うのかと思ったら「おばさん(市原悦子)とここで待ち合わせしてるんだ」(笑)
  清水さんの役柄は浪人、黒井軍十郎。十手持ちと組んで関八州見廻り役の替え玉になって悪事を働こうというわけですよ。もちろん本物は清水さんがさくさくっと始末済み。というか、今回の話って代官がもう少しちゃんとしていれば成立しないんじゃないの?まぁ、代官があんな風だから十手持ちの悪事が横行するんでしょうけれども。十手持ちの親分に「上手の手から水が漏れると言いますから」と言われて「漏れた水は俺が拭き取る」と言う清水さんですが、こいつら水を漏らしっぱなしだから清水さんも大変です。八面六臂の大活躍でやくざ一家の尻拭いを(笑)黒井さんがアドリブの効く頭のよくまわる人だということはわかりました。「先生」との立会いを見てもいい勝負をしていたので剣の腕もいつも通り。そして死に様の素晴らしさもいつも通り。ストーリーは「何だかなぁ」でしたが、清水さんがかっこよかったので大満足。この頃の悪いことする清水さんはかっこよくてゾクゾクします。後で斬られてもいいから口説かれたい…(おい) いや、悪いことしてなくてもかっこいいのかもしれませんけど、この頃の清水さんが悪いことをしないのを見たことがないというか…(笑)でも、今回はやさぐれ系でもキレ系でもなくて、宿の手入れに来て「はい、顔上げてー」とか、熊野権現のお守り買ってと言われて「いらない。…いらないよ!」とかちょっとチャラい系で可愛かったですよね!(誰に同意を求めているんだ)

「長崎犯科帳」 第8話 日見峠に散った花
  萬屋錦之介の昼行灯ぽいお奉行が、蘭学者の田中邦衛その他を配下にこっそり悪人を闇に葬っています、という話のようです。奉行であるにもかかわらず裏で悪人を成敗しているところが斬新なのでありましょう。というか、奉行あたりの役職の人だとさすがに「自分で司法で裁けるところまでもっていけよ」と思ったり。
  清水さんの役は働き者の塾頭、黒山さん(笑)萬屋錦之介に「田舎の免許ぐらいは取ったらしいな」と言われるぐらいの腕前で蘭学塾の裏金まわりに関する秘密を守るため、色々な人を始末してました。乗り込んできたお奉行に抜刀したあと抜きっぱなしにせずに刀を鞘に収めたところを見ると居合系のようですね。浪人でもやさぐれてもいませんでしたが、一言でいうと「てきぱきと悪事を働いている」感じ(笑)ルックスは結構好みでした。シャープな顔立ちが素敵です。羽織姿だったし(笑)

愛と女とミステリー「南紀・伊豆Sの逆転」
  ミステリとしてもドラマとしても今一つ、という感じでした。いかにもトリックの為のトリック。これは原作物だから仕方ないのかな。佐藤藍子のファンと榎木孝明のファンのためのドラマという気がしました。しかし榎木孝明の演技は浅見光彦と何ら変わることなく「せめて浅見シリーズ辞めてからやったらよいのに、あと一作なんだし」と思わざるを得ませんでした。
  清水さんは下田南署の刑事役でした。「ラストドライブ」の刑事さんのようにやさぐれているわけでもなく、事件の核心に迫るトリックの「一部」に気づいたり、意味不明に捜査に出張ってくる佐藤、榎木コンビにちょっと厭な顔をしたりといわゆる「素人探偵物」の典型的な刑事役でした。清水さんの刑事役というのは結構あるのですが、実を言うと私はあまり刑事役の清水さんを見ていないのです。なので他の刑事役との比較はあまりできなかったりします。「捜査の邪魔はしないで下さい」というセリフは清水さんぽい感じでした。一番面白かったのはホームレスのタケさんとの会話のシーン。ぞんざいな口調が日頃の親しさ(?)を感じさせてよい感じでした。後は榎木に呼び出された挙句「車についてきてください」と言われて「警察をなんだと思ってるんだ。ちょっと、君」と憤慨しているのを和歌山県警の刑事さんになだめられているシーンがちょっと可愛かった(笑)「大体、和歌山県警はね・・・」とか言って。というわけで今回の清水さんは最後まで生きてました!(←こういう言い方も如何なものか・・・)

大河ドラマ「信長 KING OF ZIPANGU」
  松永久秀か、そんな面白そうな役を・・・。総集編ビデオを借りてこようか。清水さんて、どちらかというと明智光秀という感じのような気がしますが。やや神経質そうでインテリじみたあたり。でも清水紘治の光秀をいびるのは 相当勇気がいると思う。ある日突然、斬りかかってきそうです。(赤松満祐みたいに)
  清水さんの松永久秀を見るためにCSに加入しました!登場話数を確認しながら見ていますが、残念ながら爆死はないとのこと。爆死どころか信長への謀反もないとのことで、一体何のための清水紘治なのか……と思っていたところ、九十九髪献上シーンで「このための清水紘治か!」と思えました。第25回「野望」、おすすめです! 登場話数は少ないですが、「今日の松永久秀」コーナー作りました。

「呪いの5キャラットダイヤ」
名家のお坊ちゃま原田龍二と結婚して幸せいっぱいのヒロイン、田中美里だったが新婚の夫は事故で全身大火傷を負ってしまう。包帯に覆われて顔もよくわからない夫は不審な行動を取りはじめて・・・といういわゆる「犬神家の一族」ものですね。(←ちょっと違う) サスペンスと思ってみるからいけない、これは真夏の恐怖劇場なんだから(笑)
役名からして「何とか家の一族」の人ではないようなので、今回も刑事、と思ったのだが清水さんの役は弁護士。しかも珍しく謎解きなどしている。おおっ、これはおいしい、最後に「さて、皆さん」てやるのが清水さんなのね!・・・と素直に思ったわけではないがちょっと期待したのも事実(ちょっとだけです)。でもやっぱり殺されてる・・・やっぱり・・・。一人で勝手に真相に近づき、あっけなく殺されてしまう清水さんであった。しかしあれだけヒロインが謎解きをしないで怖がってるだけとか(一昔前の賀来千賀子のようだ)、ラストで誰も助けてくれる当てがないというのもすごい。大体孤立無援のヒロインはもっと自分で謎解きをするもんです。もっともラストで助けに来てくれる可能性があるのが清水紘治だけ、というのも同じくらいスゴイかもしれないが。

金田一耕助シリーズ「白蝋の死美人」
  名門井沢家に嫁いできたスキャンダラスなセクシー女優(死語)、その旦那で嫁がいくらいびられてもヘラヘラしているエログロ作家の長男、マザコンの厚生大臣(途中で解任)次男、すぐ「お母様ー!!」と絶叫する長女、そして恐ろしい貫禄で君臨する母(岡田茉莉子)、そんなメンバーでお送りする金田一シリーズ第31回です。古谷一行も年取ったなぁ・・・それでも私はこの人の金田一が一番好きなんですけれどもね。
  清水さんの今回の役は法医学の権威・・・だったのに汚職疑惑で国立研究所の所長を罷免されてしまった畔柳教授。・・・またマッドサイエンティストですか(違う)。予想通り途中で殺されてしまいました(笑)厚生大臣に首切られた恨み+昔奥様に求婚の返事をすっぽかされた恨みで、死体の複顔を捏造(井沢家にスキャンダルをお見舞いする為に)するわけですが、複顔した蝋人形公開時の楽しげな様子が大変素敵でした。いや、今回の清水さんは基本的に楽しそうでした。奥様に「これは私の復讐だ」というシーンですら、恨み骨髄という顔を見せたのはほんの僅かで後は常に薄笑い。いや、それどころか声を立てて笑ってみたり。ああいうシーンで絶対許さないと怒鳴ったりするのではなく、恨みの表出としての表情が薄笑いというのはよかったです。しかしハンマー持った彫刻家に果物ナイフ(?)で立ち向かって「私を殺せるのか?」と自信満々なのは何故ですか、教授。個人的には結婚しようと言ったにも係らず断わられたからずっと恨んでる、なんていうひどい役じゃなくてよかったかな。
  しかしこの前の稲垣吾郎の「犬神家の一族」といい今回といい、金田一シリーズはもはや名家の奥様役の大女優で間を持たせることしかできないのでしょうか。

「旗本退屈男」 第7話 謎の鬼面城
  …微妙。いや、清水さんの悪役がどうこうというのではなく純粋にドラマとして微妙。早乙女主水之介が感じの悪い椿三十郎みたいで、バカ侍もとい若侍集団にちゃんと平田昭彦役も配置されていて(笑)完全に「椿三十郎」の劣化コピーだったと思う。見るべきところは江戸家老の悪役演技と鉄砲を使うハイカラぶりだけといっても過言ではないでしょう。
  登場人物紹介。彦根藩の若殿、というか子供な殿。藩主が幼いのをいいことに私腹を肥やしている江戸家老。よいよいの老人で藩の若手に人望のない城代家老。「さすが村井様!」とかいって江戸家老を藩政改革の星のように思っている若手集団。スーパーヒーロー早乙女主水之介(笑)以上。え、清水紘治の役がない?江戸家老とつるんでいる「御前」こと老中首座、大久保加賀守でございますよ。まぁ「いてもいなくても話は成立するけど、なんか面子が寂しいから大ボスを作ってみたよ」的な役でした。おしのびで頭巾と般若の面という奇怪ないでたちで登場する清水さんですが、喋ったら声でバレバレじゃないですか、と思うのは私だけでしょうか。でもラス前に加賀守様のお面と衣装をとりあげて「御前」になりすましている主水之介は途中まで清水さんの声で喋っていたので私も騙されました。卑怯だぞ(笑)どんな腹話術だ、おい。長着姿で猿轡をかまされている清水さんとか初めて見ました…。今回の清水さんは服脱がされてからが本番(←変な書き方するなよ)帯が浪人結びだったことを確認できて眼福眼福。というか、袴の下なのに浪人結び? 家老の部下に助けられて、「狼藉者!旗本の分際で老中首座に─」と凄みかけて主水之介に「だまらっしゃい!」とかさえぎられちゃう清水さん萌え(笑)
  で、そこから大乱闘になるわけですが、最近(?)の清水さんは偉い人役ばかりなのでまた人に庇われていましたorz まぁ、あの年で斬り合いするのは基本主役だけですよねー。…と、わかっているのに斬りあいになって誰かに庇われている清水さんを見ると何となくムカっとするわたくし。清水さんもいつまでもやさぐれた凄腕浪人でもあるまいというのは重々承知なのですけれど(笑)そういう意味では、家老役の清水さんに2,3合とはいえチャンバラをさせてくれた「隠密奉行朝比奈2」のスタッフありがとう!マジ愛してる(笑)ところで老中と35万石の藩の江戸家老を一旗本がスパンスパーンと気持ちよく斬り捨ててそのまま放置される江戸時代って怖くないですか?

「八丁堀捕物ばなし」 第4話 おとうと
   大店を襲う残虐な手口の押し込み強盗が続き、八丁堀の同心たちが頭を痛めている中、茶屋で起こった心中事件。侍らしい男の身元の探索を命じられた杉山虎之助(火野正平)と狩谷新八郎(役所広司)はある道場の師範をしていた男が3日ほど姿を見せないという情報を得て、道場とその師範の兄を訪ねる。狩谷の問いに道場主(大出俊)は心中した男はおそらく相崎豊次郎に間違いあるまいと答えた。彼には文武に優れた兄がいるが胸を病んで仕官と家の再興を弟に託していたのだという。兄の心痛を慮る道場主。主を失った浪人たちは困窮しているが幕府は何もしようとしない、少しでも助けになればと道場を開いていると語る。一方、兄(清水紘治)を訪ねた杉山は「弟ではない。弟は心中などせぬ」と取りつく島もない応対に腹を立てて怒鳴り散らして帰ってくるが、兄の態度が腑に落ちない。馴染みの茶屋の女(喜多嶋舞)にも、好きな人と一緒になるんだとその日を指折り数えていたおりんが心中するはずがない、と訴えられて杉山は何とか事件の真相を探ろうとする。
   相崎が道場の浪人たちに襲われ、踏み込んだ狩谷に捕らえられた浪人は舌を噛んで自害する。狩谷が誰を庇っているんだと問うが相崎は何も答えない。お前の期待が重くて弟は安らぎを求め、女と暮らそうとしたんじゃないのかという狩谷に「ならばなぜ死んだ」と切り返す相崎。木村道場が押し込みに関係しているのではとにらみ、弟のためにも知っていることを話せと説得する狩谷の言葉にも相崎は答えようとしない。茶屋で女と過ごし、女の身支度を眺めていた杉山はおりんの遺体の襦袢に結ばれていたのがしごきではなく帯揚げであったことに気づく。やはり心中ではない、と確信した杉山が向かったのは相崎のもと。自分の期待を裏切った弟のことを許せずに殺したのだろうと相崎に詰め寄り、手練の豊次郎が抵抗もせずに殺されたこと、女の帯揚げが証拠だといきまく。帯揚げは女が自分で結んだものではない、誰かが後で結んだものだという言葉に顔色を変えた相崎は、杉山に当て身をくわせると一人道場へ向かった。(ここから先の展開はお察しください。清水紘治ですから)
   やはりこの頃の時代劇に外れなし。100点満点で120点でしょう、これは。ずっと見たかった話ですがようやく見られました!「鬼平犯科帳」も「神谷玄次郎捕物控 」も捨てがたいのですが、渋い、いい役だったので90年代上半期大賞は「八丁堀捕物ばなし」にします。珍しく悪役ではなかったことも含めて。清水さんの役は浪人、相崎惣一郎。胸を患い仕官を諦めた兄は、弟に仕官と自家の再興の夢を託します。……そりゃシブい系の清水さんにそういう期待をかけられたら重いですよねぇ…何かに逃避したくなる気持もちょっとわかる(苦笑)だって傘張ってても重々しい雰囲気の兄上ですもの。今回のみどころは、最後の斬り合いと清水さんが傘張りしているところかなぁ。時代劇の清水さんは食い詰めた凄腕浪人で労咳病みで、いかにも傘張りの内職をしていそうなイメージですが、本当に傘張りをしているのを見たのは初めてです(笑)斬り合いはクライマックスの見せ場でしょう、時間も長かったし。いつ喀血するかと思ってドキドキしていたんですけれども、私は。これまで見た清水さんの殺陣で一番かっこいいのは「富嶽百景殺し旅」だと思っているのですが、どっちが時間長かったかしら。いつも多勢に無勢で戦う清水さんです、かっこいい!(笑)血だらけで床に倒れているところを狩谷が抱き起こして「相崎…なぜ一人でやった」と言うんですけれども、だって……清水紘治だもん(笑)誰かと一緒に、なんて清水紘治じゃないのさ。でも虎さんは猛省して下さい。このシーンで、まだ微かに意識のある相崎に「俺は貴公を信じてるぞ!」と言う狩谷が優しいなぁと思いました。おそらく身内の早とちりでこういう事態を招いたことへの悔いもあると思いますが。清水さんは浪人役の時には大体かなり強い設定なのですが、強い割には死んじゃいますよね。別に悪役じゃなくても(笑)…まぁ、だいたいは悪役なのは確かですが。道場の浪人たちに襲われて、前髪がばさばさに乱れたところは大変素敵でしたが、これって「鬼平犯科帳」の杉井さんと同じ顔だなー、と思いました(笑)同じ顔でも違うキャラに見えるのはすごいと思います。それをいうなら、榊原康政(「葵」)と尼子国久(「毛利元就」)、松永久秀(「KING OF ZIPANGU」)は殆ど同じ顔なんですけれども、全然違う役に見えます。演じ分けって凄いなぁと感心する次第。
   狩谷に「富次郎は勝手に死んだ。この兄の期待を裏切り、女ごときに溺れて。そんな男はもはや弟ではない」というシーンの演技が非常に清水さんらしかったなぁと思いました。この思いつめたような表情の後にくるからこそ「ならばなぜ死ぬ。生きる望みを見つけたのなら何故生きない」と微かに目をうるませるシーンにぐっと来ます。自分の期待を裏切ったことも許せないけれども、何よりもやり切れないのは弟が死を選んだことだということが、この一瞬の表情でわかるのがいいです。この狩谷が相崎を問い詰めるシーンで、蝋燭の明かりをみつめる清水さんの目の色が本当に薄くてちょっとびっくりしてしまうんですけれども。
   余談。刀を腰にさしてきちんと髷を結った火野正平を初めて見たような気がする(笑)二人暮らしの妹とのやりとりが可愛かったのですが、妹役の人がお妙さんでした(←「八丁堀の七人」で清水さんの蘭学者の後追いした女の人)。

「八丁堀の七人 2」 第8話、第9話
   公儀転覆を計る蘭学者、爆薬作りが特技らしい。虐げられた民草のことを憂えたり、女の幸せを望んで他の男に託そうとしたり、若い女に身を挺して庇われたりとちょっとレアな感じだが、公儀転覆なんて大それた事をたくらんでいるわりに単独行動だったり、女を幸せにできなかったりとやっぱり清水さんらしい感じもする(笑) 「私は癌でもう長くはない」というのですが、癌?江戸時代なのに癌?・・・蘭学ってそんなに進んでるのだろうか。なんか設定からして死ぬしかないだろ、という感じで来週に続く!(笑) ところで、村上弘明のあのべらんめえ口調の台詞回しは何とかならないんでしょうか?というか時代劇ファン的にはあれはOKなんでしょうか?
   後編です。いきなり奉行所に捕らえられたりしていたので、また拷問でもされてしまうのかとちょっと心配したのですが、それはなく、親切な(?)牢名主さんのおかげで(笑)脱獄したりして、執拗に悪奉行を狙う清水様。狙い方は爆薬一筋(笑)・・・そりゃ学者が斬りかかってもなぁ。クライマックスシーンで同心・片岡鶴太郎は「くだらない大義や恨みは捨てて惚れた女の為に生きろ」といいますが、清水さんは癌でもう長くないから、ああやって自暴自棄なテロ行為に走ってるんじゃないですか(笑) 人の話を聞けよ、鶴太郎。結局清水さんは「お妙を頼む」と言い残して自爆するんですが、お妙さんは燃え盛る建物の中に走り込んでいって後追いしてしまう。つまり今回の清水さんはちゃんと愛されてる役で、大満足な一作でした。・・・清水ファンをやっていると「満足」のベクトルが変わっていくなぁと感じた成瀬でした(笑)
   雨宮っていい役なのになんかテンション上がらないんだよなぁ、と思っていたら袖なし羽織を着ているからだ、と気がついた。シャツとベストで3割増しなら、裃と袖なし羽織は4割減だなぁ。

「ハッピーバースデー殺人事件」
  タンゴのメロディーにあわせてステップを踏む清水さんが素敵でした、という情報をいただきました。見たすぎる!……というわけで、熱烈再放送希望(笑)

「花村大介スペシャル」
・・・あんまり、面白くなかった。何故ならば私にはこのドラマの楽しみ方がわからなかったからで、別に法廷物として見て欲しい訳じゃないだろうし、人情弁護士物というわけでもないし・・・。本編を見ていなかった私が見てもしかたないんですよね、こういうのは。清水さんの役は、医師による医療ミスをもみ消そうとしたり、看護婦・石田ひかりにおしつけて何とかしようとする、いわゆる悪人な理事長様。これは要するに私の好きな役者の系統なら誰がやっても同じ役なわけで、そういう意味でもあまり面白くはなかったです。勿論、清水さんが演じれば似合う役ですけれども、清水さんでなきゃダメという種類の役ではなかったので(←うるさい奴だなぁ)。しかし、オープニングでニヤっと笑った顔のアップがすごいかっこよかったので、万事OK!(笑) ←いいのか、それで。

「はみだし弁護士・巽志郎(4)」
   TVによく出る硬派の評論家兼大学教授。大物政治家の義父の地盤を引き継ぎ政治家に転身か?という役どころ。教授とか政治家とか、選挙に出馬というのはまぁこれまでも何度もあった役なんですが、しかしこれは初めてだろう・・・というのがありました(後述)。「私はやっていない、信じてくれ」とか「先生を信じてあげて下さい」と言われてもねぇ、 三浦友和が信じなくても致し方あるまい。だって清水紘治ですから。しかし疑われたように別に強請りが原因で人を殺したわけでもなく「何とか彼の力になりたいと思うようになった」とか襲われた時にも「大介、早く逃げるんだ!」とか案外よい人なのでした。・・・ホモだけどね。「私は至ってノーマルだ」と主張する教授ですが、それは絶対に違うと思います。それは奥さんも色々と思うところがあるでしょう。スキャンダルとしても最悪の部類ですよね、暴露されたら。そして例によって例の如く殺されてしまうわけですが、トランスジェンダーの男の子には結構愛されていたし、悪事を企むわけでもなく、比較的いい人の役でした。と考えることも不可能ではありません。今回の見どころはさわやかな笑顔の選挙ポスターと、顔写真入りの著作の本のカバーかな。私にも一枚下さい、カバーだけでいいですから(笑)関係ないですが、ヤクザの親玉の大物政治家&娘に見せる妙な忠義心にはちょっと萌え。

西村京太郎サスペンス「パリ・東京殺人ルート」
  十津川警部シリーズ第30作特別記念作品ということで一応鳴り物入りのようですが、個人的には冗長で飽きました。これはドラマの出来云々というよりも、今回のはどうにもノリが悪かったのです、私。もともと西村作品を特に好きなわけでもなく、十津川警部のキャラクターも好きになれない上に、渡瀬恒彦の十津川シリーズで清水さんが犯人やるの二度目じゃん、という気がありまして。「そんなこと気にしてたら犯人役がいなくなるんだよ、バカヤロウ」と怒られそうです。「越後・会津殺人ルート」の浦辺がすごい好きな役なので、なんとなく乗り切れないものがあるんですよ。そんなのは清水ファンの勝手な思い入れなんですが。でも浦辺さんは十津川とも亀井とも旧知という役だったのですごいムカつくんだよなぁ。心が狭いですか、そうですか。
  初登場シーン(回想)でやさぐれまくっている拘留後の清水さんは素敵でした。「このお礼は必ずさせてもらいますよ」なんているセリフもあって、もうやる気満々という感じです(何をだ)。まぁ最終的にはね・・・いや、やはり十津川のキャラが嫌いというのが一番痛いですね、このシリーズを見るにあたって。でもまた出るような気もする、勿論犯人役で(笑)

大河ドラマ「春の坂道」
   清水さんの大河ドラマ初出演作。役は柳生又十郎宗冬、柳生但馬守の三男(嫡出では次男かな)です。「春の坂道」は現存しているのは最終回のみということで、その一回にあれだけ出番があれば、大当たり!と言えるでしょう。だって殆どは宗矩と家光のシーンだったし(笑)ラスト10分ぐらいまで登場しない十兵衛に「十兵衛は何してるんだよ!」と見ているこっちがドキドキしましたよ。まぁ、最終回だけ見せられてもストーリーは全然わからないのですが(笑)「無刀取り」を披露して脅迫に近い形で家光を諌めた宗矩に、家光が「死ぬなよ、余から目を離すな」というシーンは一見さんの私でもいいシーンだと思いました。しかし40年前だというのに市川團十郎は今と同じ顔をしていますね(笑)
  最終回は宗矩が重病という状況で始まり、宗冬の出番は、家光が宗矩の病状を確認するために宗冬を呼び出す場面となります。清水さんの演技は意外に普通(笑)あと、鼻筋がきれいに通っていて見とれてしまいました。横顔も綺麗。ところで「春の坂道」の清水さんは勝海舟のこの写真におそろしく似てませんか。総髪にしたら完璧だと思います。あぁ、キャプって写真を並べてみたい…。
  全体のストーリーもよくわかりませんが、宗冬がどういう設定のキャラだったのかも全くわかりません。「父ともう一度、話おうてはいただけませぬか」「もし、お許し頂けますれば、父を背負ってでも御前に罷りでまする」とか言って、いい息子みたいな感じでしたけれども。宗冬は時代小説などには結構登場しているらしく、wikipedia「創作での扱い」によると「父、兄、従兄と比して実力面では劣るとされ、物語上引き立て役に回ることが多い」とあります。「何だとー、時代劇の清水さんはいつだって剣は凄腕だぞ、こんちくしょう」とかキレかけのわたくしですが、山岡荘八の原作小説の宗冬は「偉大な父に反発し書物と学問に耽溺する若者」とあり、妙に納得がいきました。こう書かれると非常に清水紘治らしい役にみえますね。映像が残っていないのが大変残念です。しかたがないので小説を読んで脳内劇場をしようかな。というわけで「春の坂道」は「らしい系」の大河ドラマにカウントします(笑)ちなみに「らしくない系」は「葵」「毛利元就」「炎立つ」(たぶん)あたりのひたすらシブい系の武将役(笑)。あ、月代を剃ってる時には本気出さないんですか、もしかして?
  役名について。クレジット表記が柳生又十郎ではなく、宗冬になっていたので、出演作一覧のほうも修正しました。

「ハンチョウ〜警視庁安積班〜」シリーズ5 第10話 最終章…木曜日の子供(第11話 都内5カ所爆破予告!、第12話 衝撃!キングの正体)
   第10話。どうやらストーリーは佳境に入っているようで、捜査一課特捜一係は「容疑者M」とやらを逮捕するために利用できる警察官を集めた捨て駒部隊という衝撃の事実が発覚……たぶん。だったら「M」が誰かもわかってない係長の存在は何なんだという私の突っ込みも空しく、盛り上がる係長と部下たち、初見の私、早くも置いてきぼりに(笑)なんだか刑事部長が一人大興奮で盛り上がってるように見える「木曜日の子供」と「容疑者M」ネタですが、これまでラスボス的に引っ張ってきたネタなのかどうか。
   「木曜日の子供」……何十年も前……爆弾テロ……えーと、つまり清水さんがこのメンバーなわけですね?だって清水さんは爆弾が得意ですから。何度爆弾魔な清水さんを見たことか(←そんなに見てないだろ)。貿易会社社長、建設会社社長、通信会社社長、テロリストの成れの果てが社長ばかりなのが笑える。さて私の最大の関心事。清水紘治は来週も出てくるのか。可能性その1、「射殺死体で発見された」「『木曜日の子供』のメンバーだったと思われる人物」としていきなり死亡。可能性その2、射殺死体はもう一人の新たな社長で清水さんは命惜しさに係長に過去を明かそうとするが口封じされる。可能性その3、えーと、もうネタ切れ(笑)ようするにたぶん殺されてしまうでしょう。第10話サブタイトルを確認しようとして明らかになった衝撃の設定、刑事部長58歳ですか!里見浩太朗、58歳か…。清水紘治58歳でも若い設定だと思ったのに無茶なことを。貿易会社社長も58歳、建設会社社長は57歳、そこに意味があるのかどうか。たぶん意味なんてない、いやここまで無理をするならあるのかも(笑)
   第11話。相棒の「ベラドンナ」の時も思いましたけど、あれだけの出番で「ゲスト:清水紘治」って出るのもすごいですよね。ちゃんとレコーダーが捕捉して私がしかける前に予約が設定されていました。冒頭、乗用車ひとつ吹き飛ばすこともできない「新型の高性能爆弾」の威力の無さに私が号泣している間に清水さん死亡。え?完全に予想通りであったにもかかわらず、「ちょっと待てー!」と一瞬叫びそうになったのは、このつまらないドラマをあと50分、清水紘治が出てこないのに見続けなくてはいけないのか、という衝撃から。刑事部長が元テロリストのリーダーなのか?という面白くもおかしくもないミスリードをいつまで引っ張る気なのか。2サスでいうところの「22:30にどうみても犯人に見える人は絶対に犯人ではありません」という状態で3週も引っ張るとか正気の沙汰とは思えません。キングの正体が来週初めて出てきた人でも、まさかの刑事部長でも私にはどうでもいいので、これでさよならです。係長、そして小澤の息子(笑)今回、目の前で部下を撃たれた係長がテンパって拳銃を抜いた際に見せたカクカクとした不思議な動きという笑いどころがなければ、見るべきところのひとつもないドラマでした。「浅見光彦 最終章」を超えたな、これは。果たして第11話を出演作リストに加えていいものかどうか、真剣に悩んでしまうわたくし。「相棒」のベラドンナと同等扱いで括弧書きにしておこう…。
   清水さんの役は、たぶん元テロリストで今は通信会社イーストアジアプレス社長、稲垣徹。元爆弾魔で今は会社社長とか、なんという清水紘治らしさの寄せ集め(笑)これで前世は労咳病みの浪人だったら完璧です!しかしながら、射殺された(つまり元テロリスト仲間と目される)社長二人とは全く面識がないとか、ちょっと調べればすぐわかるような嘘をつくのはどうかと思う。これは稲垣社長がちょっとアレな人だという設定なのではなく「ハンチョウ」というドラマの脚本自体が、というか世界観がちょっとアレなんだと思います。基本的にアレな人だらけなドラマだ。みどころ。射殺された社長二人と経歴に共通の空白期間があると佐々木蔵之介に指摘されて「私はジャーナリストですからね」と鼻で笑う清水さんの演技。刑事部長と一緒に写った写真の満面の笑み。オサレ眼鏡(笑)
   まさかの第12話。念のために録画してラストのクレジットを確認したら、清水さんの名前があった。びっくりして早送りで本編を見返したらどこに出ているのかわからなくて、早見で見返したら1シーン映っていました、射殺された稲垣社長が(笑)4人目の元テロリストも会社社長という落ちには、もはや大笑いするしかない。しかもそれが田村亮(先週も出ていたようだがいい加減に見ていたので気づきませんでした)。で、私がいったい何を言いたいかというと、怪しげなテロ組織で清水紘治と田村亮がメンバーで、「キング」なんて呼ばれるリーダーがいたとしたら、キングの正体は岸田森しかいないと思うの。←これが書きたくて12話分を書き足しました(笑)

「必殺からくり人富嶽百景殺し旅」 第14話 凱風快晴
  座長の山田五十鈴がシブい。「親父、涅槃で待つ」の沖雅也を初めて見た。メインは偽装葛飾北斎殺しを本人から依頼されること。死んだことにして、後は好きに絵を書いて暮らしたい、でもいい絵が描けたらそれを売りたいという葛飾北斎が我侭すぎ(笑)北斎の娘役の吉田日出子さんが可愛かったです。最終回にして「凱風快晴」というタイトルからは、すかっと爽やかなストーリーを期待したのだが、バタバタと慌しい印象でした。東洲斎写楽=葛飾北斎説を小ネタに使っていたり、なんか他にも小ネタがあったのかもしれません。
  清水紘治は、釣竿使い・沖雅也に絡む浪人・赤星銀平役、「腕に覚えはあるけど金がない、殺し屋でもやったるわ」というお侍です。江戸への道中をつけたり、風呂場で声かけたりとアクションを起こしたのは清水さんでしたが、沖雅也も負けていません、版元・梅屋の用心棒に収まった清水さんをわざわざ挑発しに出かけます。
  死んで自由を満喫している筈の北斎が会心の役者絵を描いて、絵を売ってくれとか言ってきます。面倒になった梅屋、取り敢えず本当に死んで貰いますという結論に達したようです。さてお仕事です、北斎相手に剣を抜いた清水さんですが、突如矛先を変えます。「お前ら、汚ねぇんだよ」と斬りかかったのは梅屋手配の殺し屋集団。多勢に無勢のわりには大健闘だったと思いますが、膾切りにされて死んでしまいました。最期に「俺も汚ねぇんだよぁ」とつぶやいていましたが、今回のあなたはいつもに較べてあまり汚くありません、と思ったのは内緒です。薄ら笑いを浮かべて死んでいる清水さんにむかって「お侍さん、俺との約束はどうなるんだ?」と呟く沖雅也。最初に絡んだのは清水さんだけど執着してたのは沖雅也のほうなんじゃないのかなぁ。私の脳内では、彼はすごく強くてこれまで一対一の戦いで苦戦したことなどない、なのに清水さんとはいい勝負になってしまい、しかも邪魔が入って勝負中断。だから勝負の決着をつけたくて仕方なかったのですよ。・・・非常に嘘くさい解釈だな(笑)でも手に傷つけられてあからさまにびっくりしてたから、沖雅也はかなりの使い手なんでしょう?だめかしら。まぁ、結論から言うと清水さんが用心棒ども相手に大立ち回りをしてみせたのも、北斎を助けたいわけじゃなくて、斬り死にしたかったってことなんだろうなぁ、と思うのですが。明らかに助かりそうなムードだった北斎があっさり死んでしまったのには驚愕。ラスト、江戸を離れる座長が屋根の上に幻の北斎の姿を見るところで私は完全にコケた。「えぇがなえぇがな、生きようが死のうが、どうでもえぇがな、あっはっはっは」いや、どうでもよくないだろ!お前のせいで清水さんが死んじゃってるのに(違う)。
  まぁ(例によって)結局死んでしまったんですが、すごくかっこよかったので満足度は高いです。清水さんは「俺は斬る相手は誰でもいいんだぜ」とか言うことは殺伐としているのですが、口調がなんか飄々としていて可愛いかったです。

「必殺仕業人」 第15話 あんたこの連れ合いどう思う
  地方から江戸に出てきて一旗あげてやるといきがる調子のよい小悪党に菅貫太郎、そんなダメ亭主にベタ惚れのぽけっとした女房に市原悦子。この二人を利用して商家の乗っ取りを企む公事師に清水紘治。そんな素敵ゲストでお送りします。公事師というのは行政書士のような、弁護士のような職業らしいです。悪役が多い菅貫太郎がろくでなしだが憎めないダメ男を好演していて可愛かった(笑)一方、清水さんはクールな極悪人。しかしこの回、仕置き人パートが少ないなぁ…。
  清水紘治の役は公事師・早瀬源四郎。馬喰町の事務所(?)に南蛮渡来の家具を並べているところをみると、たいそう羽振りがよいようです。大黒屋の離縁手続き・遺言状の作成等々一手に任されていますが、大黒屋の後添いとできていて、うまく後添いの連れ子に身代を継がせようと画策する役。大黒屋の後添いとの密会のシーンで醒めた顔を見せるところ、淡々と悪だくみを進めるさまが素敵でした。総髪の髷に袖なし羽織。これが羽織だったらもっとかっこよかったのになぁ、残念。いや、かっこよかったですけどね。すごい素敵で眩暈がしましたけどね。そりゃ大黒屋の後添いも惚れるってもんですよ?(←おい)というか、またエロ悪役?(笑)清水さんの仕置きは藤田まことの担当。中村に殺されれば剣なので一番いい死に方ができますけどね(笑)自分の髪で絞め殺されるとかイヤすぎる……。今回は「女房が間男しましてね」と相談を装って訪れた中村に机の下からぐさっとやられておりました。机の上に出した相談料をしっかり回収する中村のせこさがいいです。他の仕置きのシーンでは、後妻の息子がだまされて「おっかさーん!」とすごい勢いで駆け寄るところ、実にいい演技。悪人でも母親は大事なんだ、というのをちらりと見せるよい演出でした。中尾ミエのお歌は少ない出番でお気風のよさを見せていい感じ。
  「うわぁ、若いなぁ…(笑)」と声を上げたくなる役者さんの多い中、菅井きん、中村敦夫の変わらないことと言ったら…。市原悦子なんて演技も変わらないもんなぁ。

「ひとつ屋根の下」「ひとつ屋根の下 2」
   毎回「ここが感動シーンだよ!」というシーンがあるいわゆる「泣かせ」系のドラマ。この手の作品としては王道なのかなぁと思っていましたが(私が好きかどうかは全く別問題ですが)Part2の最終回のラストがあまりにヒドイものだったのでげんなりしました。野島ファンはあのラストを是とするのか真剣に聞いてみたいものです。
   Part1は福山が清水さんのところを出ていってからあまり見ていないので、感想というとどうしてもPart2メインになってしまいますが、貶してばかりというのも芸がないので、敢えてよかったところを探すことにします(笑) Part2は登場人物が異様に多かったのですが、何人かよかった役を。まず小木茂光が演じた絵の先生。「未成年」でもある意味似た感じの役をやっていました。ああいうやや屈折したような、繊細な役をやるとよい味を出す役者さんです。「最後の絵を自分のためじゃなくて僕のために・・・」と泣く山本耕史との絡みもよかった。あといしだ壱成のダチのヤクザの人とか。全体に技術的に演技が下手で見ていられない、という人が少なかったのはよかったです。陸上のコーチぐらいじゃないですか、ひどかったのは。あと福山雅治のいつも首を振っている演技は少し気になりましたが(笑) 森田剛は、私は結構好きなんですよ。役者として面白い味を持っていると思います。
   野島作品には何作も出演している清水さんですが、木内院長は中でも好きな役です。Part1ではかなり悪役っぽかったのですがそれでも家を出て行く福山クンに殺し文句を吐いて(←違う)泣かせていました。素敵です。Part2になってから完全にいい人になってしまい、ちょっと物足りないところもありましたが、福山雅治の父親役として渋い、いいシーンがあったので私としては大満足です。作品としての好き嫌いと役の好き嫌いは完全に別物ですから。

浅見光彦シリーズ「姫島殺人事件」
   地デジ再放送で綺麗な録画をget(私が持っているのは本放送のVHS録画なので…)。フジ版、TBS版本放送と見て都合3回目なのにストーリーを殆ど覚えていませんでした。落ちが強烈な話にもかかわらず「議員秘書がかっこいい」というポイントしか覚えていない自分に驚愕です(爆笑)寺田農も清水紘治もすごい素敵なんだもんなぁ。清水さんの役は大分選出の参院議員・三宅代議士の秘書、須藤。三宅は兄弟同然、自分が泥をかぶってどんなことをしても三宅を守る、という浅見への宣言通り、三宅に累が及ばない形で落とし前をつける役です。素敵。みどころは土建屋社長の西田健さんの部下に「お前も笠原の部下なら男になる時を間違えるなよ」と凄むシーン。ちなみに寺田農はがっつり九州弁だったのですが、清水さんは標準語でしたな。
   浅見光彦シリーズはフジのものとTBSのものと2つありまして、私は断然TBS派だったのですが(特に光彦が初代の間)、今回録画してあったフジの「別府・姫島殺人事件」(よほど気に入ったらしく取ってありました)を引っ張り出してみてみたところ、脚本は明らかにフジのほうが出来がいいですね。残念ながら。というかTBSのほうはアレンジが話をダメにしている気がする。どのパートに時間を取りすぎてあんなにスカスカになってしまったんだろうか。私が見たところカメラマンの娘パートがあやしい。それとも旅館パートかなぁ。TBS版のほうがよいのは、いさぎよく議員を全く登場させていない点でしょうか。
   もしイラストが描けたら、浅見「単刀直入に言います……僕達、松山で一度会ってますよね?」須藤「……」という一発ネタを描きたいところだ(笑)そういえば連続ドラマ版「浅見光彦〜最終章〜」にも出ていたな、清水さんは(笑)ところで浅見家のセットはいつからあんなに安っぽくなったんでしたか。ちょっとびっくりしてしまいました。

秋のスペシャル時代劇 「平手造酒 利根の決闘」
   おそらく講談か何かが元ネタのお話だと思うのですが、私はそういう文化圏には疎いのです。えーと……どうして古谷一行主演でドラマ化したんでしょうね?妻を労咳でなくして虚無的になって酒びたり、自身も胸を患って血を吐きながら戦って倒れるなんて役はあまり似合わないと思うんですけれども。田村正和あたりの役でしょうね。しかも最後に出た字幕、「享年、三十八」…38?別に出さなくてもすむ享年なら出さないほうが…。前にも古谷一行が労咳病みの役を演じていて「えー」と思ったのですが、何だったか……竹中半兵衛? いや、別に清水さんの十八番を取られて僻んでいるというわけではなく。
   清水紘治の役は関東取締出役、桑山敬介。平手と同じく北辰一刀流の千葉道場の門下生だったようです。金キラの羽織に陣笠で「うら殺し」の黒井さんの10倍は偉そうだったんですけれども、どういうこと?(笑)ラスト、笹川一家と飯岡一家の決闘に助っ人として出張ってきて、血を吐きながら斬り合いをしている古谷一行を見て「もう桑山様、出番ないじゃん…」と思っていたのに、「千葉道場にいた時から貴様を斬りたいと思っていた、くっくっく」(嘘です、笑ってはいません)とかやる気満々でわざわざ出てきて、平手と一騎打ちして負けちゃう清水さんがもうね…(泣き笑い)でも今回は絵ヅラがかっこよかったし、高笑いも聞けたからいいのです。乗馬用のムチを振り下ろすのもかっこよかったし。満足。今回のみどころ。ラスト近く、鉢巻、襷がけでやる気満々の桑山様。素敵。でもやくざの出入りに嬉々として乗り込んでくる関八州見廻出役ってどうなの。平手が居候しているお寺に訪ねてきて帰り際の高笑い。自分で訪ねて行ったくせに久しぶりに平手の顔を見て酒がまずいとか言ってるお茶目な桑山様萌え。

「復讐法廷の女」
  とよた真帆の女弁護士物と思いきや、真犯人はとよた真帆。しかも真相を暴く探偵役はただのストーカー船越栄一郎、更に真相をネタにとよた真帆の身体を要求して殺されておしまい。ことの真相に気づいているっぽい刑事・秋野大作は何も出来ずじまい、というすごいドラマでした。自殺シーンの気持ち悪さは出色。
  悪徳金融業者の清水さんは最初からあからさまに悪そうです。というより悪いです。「悪そう」じゃなくていきなり「悪い」清水紘治というのは結構珍しいと思います。すごく悪そうなので最後まで悪事を働きまくって逮捕、と思ったのですが、始まって45分で殺されてしまいました。ショックです。個人的には一番好きなシーンは、車の中で(凶器の)拳銃を見せられて驚くとよた真帆にニヤッと笑ってみせるシーンなのですが、もう一つ。負債者の店(花屋)に嫌がらせをしに行って、一輪だけ手に取った花を店の主人に投げつけるシーンが何ともかっこよかったです。その後「1200万、返してもらおうか、え?」と胸倉を掴んで脅してみたり、奥さんに「止めて!」と言われて「暴力はいけないよねぇ」と今度は店の中を滅茶苦茶にしたりと、大変楽しそうでした。清水ファンとしては大満足です(笑)レイプシーンとか突っ込みを入れたいところもあるんですけれども(笑)あと幻想交響曲を「俺のテ−マだ」とうそぶく船越に失笑、ただのストーカーのくせに(笑)

正月ドラマスペシャル「ファイブ」
  企業バスケのドラマということでしたので、またお医者さんかなぁと思っていたのですが、そうではなく企業の専務役でした。企業スポーツもので重役といったら、まぁやることは1つなわけで。予想通りの役でございましたよ(笑)「ウチの会社はね...〜なの」とか、なのなのとシマリス君のような専務さんでした(笑)「だから強くなってもらわなくちゃね?」とthumbs upなさる様がちょっと可愛らしかったです。
  お話は完全に「がんばれ、ベアーズ」物でした。すごいなぁ、このネタで幾らでも話が作れるんだなぁと本気で感心。ところであのバスケチームの監督は、練習時の指導はなし、試合時の指示もなし、反省会もなし、とまるで仕事をしていないようですが、それで給料を貰っていていいんですか?
  日曜バスケプレイヤーの弟がイライラしながら見ていました。ふ、クラオタの私が「のだめカンタービレ」を見るのと同じ気持なのかしらね。

「富豪刑事デラックス」第1話
  深田恭子の超絶お嬢様がなぜか神奈川県警の刑事、というドラマのパート2です。こういうバカらしい設定のドラマは嫌いではないのですが、この手のものは最初に仕掛けに乗れるかどうかで全てが決まりますね。私は今回はどうも乗れませんでした。でも江守徹の「伯爵」とか、無駄に声の素晴らしい伊武雅刀とか、山下真司の「そーだよねぇ♪・・・ばかもーん!」とか、それなりに笑えるところはあったのですが。しかしなぁ、金田一物ぐらいの時代設定ならともかく現代を舞台に「伯爵」はどうなんだろう、とは思いました。江守徹だからアリかなぁ(笑)とか。江守と細川俊之と平幹次郎くらいですかね、伯爵とか子爵とかいわれて「ああ、そうですか」と思えるのは。
  清水さんは華道の家元役。華道の家元なのに花粉症?(笑)3人姉妹の中で誰に家元を継がせるか、というここだけちょっと横溝風のお話で、それが豪華客船のほうの事件とどのように関わってくるのかよくわかりませんが。そのあたりは次回を待ちたいと思います。清水紘治、江守徹のツーショットというのは、なんか「おおぉ」という気は致しました。個人的に。

夏樹静子サスペンス「訃報は午後二時に届く」
  文化の日に放送したルネサンス美術番組の恐怖再び!(笑)沢口靖子の驚愕の棒読み台詞を楽しむべきか、清水紘治・石橋蓮司共演(絡みはないけどー)にときめくべきか微妙なドラマ。清水さんの役は「開始後45分に一番怪しいけど、一転殺されてしまうダミー役」な副社長。七色の声を持つ愛人付き(←このへんが怪しい工作)。石橋蓮司に至っては何のために出てきたのやら、という怪しい要員でした。これは塩沢ときも、あんなに意味ありげだったのに。そうかこれは、久々に「清水さんのキスシーン見たわ」と楽しむドラマだったんだ!というか、沢口→豊原のラインに全然感情移入できない私には今一つ盛り上がらないラストでした。まぁ東犯人というのは予想通りだったんですが。寧ろ東→森下ラインがややかわいそうと思ってしまった。それにしても西岡徳馬、生活反応のない指のトリック聞いて感心してる場合か。今回警察は無能すぎだぞ。部外者に鑑定結果とかベラベラ喋るし・・・。

「不毛地帯」第6話,第12話,第14話,第15話,第17話,第18話
  一見フジテレビが私のために作ってくれたサービスドラマ。実際見てみると清水紘治は別格としても、原田芳雄、岸部一徳、田村亮、篠井英介、石橋蓮司といった私の好物おじさん達の演技も脚本の粗を埋めるには至らなかったという悲しい現実を思い知らされるドラマ。清水紘治が演じるのは主人公が窮地に陥ると誰かを紹介してくれる怪しい国際ロビイスト・竹中莞爾。画面に登場する際、いつも楽しそうな点は見どころといえましょう。現代日本にも生息していないと思われる「国際ロビイスト」が戦後に存在することの是非はこの際おいておく。連続ドラマの観察日記はこちら

「ふるさとの傷 〜愛は残酷」
  主人公岸本加代子の父「逃亡者」山本學を冤罪に陥れた真犯人役。(「犯人側」じゃなくてこういう犯人役というのは結構レア)他にも自分を強請りつづけた美術商・西田健を冒頭からいきなり殺してみたり、主人公夫婦の娘を誘拐してみたり、山本學を崖から突き落としたりと大活躍だ。台詞も多くて声にうっとりできましたし♪うっとりといえば、「秘密を知った奴は全員消す」とかいって拳銃を取り出した時の手のアップに「お年のわりにきれいな手なんだぁ、素敵♪」とか思ってしまった(←馬鹿)
  珍しく純愛でいい役な清水さんでした(←前段まで書いたことと全然繋がってないぞ)。私も清水さんに心を癒されたいよ。いや、ある意味「ひとつ屋根の下」の木内院長的愛というか。私は好きなんですが、ああいう役が。しかし最後の落ちの「秀行はあなたの息子です」はどうかと思いました。ちょっと甘すぎじゃないですか。ああしないと上手く終わらせられなかったんだろうけれども、あれだったら(使えない)部下と仲間割れしてもみ合って崖から落ちた方がよかったかなぁ、と。・・・わかっていただけるだろうか、この清水ファンの複雑な気持ち(笑)

「変装捜査官・麻生ゆき3」
  清水さんの初登場シーンが臨終シーンという 極私的衝撃作(笑)それにしても家元役とか宗家役が意外に多いな、清水さん。華道の家元とか3回目ぐらいの気がします。逆に病死というのは非常に珍しいです(作中でがんとの言及有り)←時代劇の労咳で喀血死とかは除きます(笑)作中で展開される華道の世界がエキセントリックすぎて、清水さんがどういう家元だったのが考えるのがちょっと怖いです。歌舞伎の連獅子みたいな格好でお花を活ける清水紘治とかイヤだなぁ……(笑)有森也実も内田光子かと思いましたよ。髪型とかドレスとか。見どころ、華道家元の一人息子でありながら音楽の道に進みたいという息子に厳しくも優しい言葉で背中を押してやるシーン。特に最後の横顔の無言の演技が素敵。息子のほうも父が背負ってきた重圧と父が自分にかけてくれる愛情を理解しているところがいいです。でも君はそれを一門の人にもう少しわかりやすく示しておくべきだったと思うよ?(笑)ちなみに息子役の役者さんは「刑事どん亀」で怪しい芸能プロダクション社長を演じる清水さんの部下だった人です。あとラストの犯人一人舞台シーンですごい熱演を見せた家元夫人がTBSの「天河伝説殺人事件」でも似たような立場の役を演じていた女優さんだったのが気になってしかたがない。変装捜査官の設定は漫画っぽくてちょっと微妙。全般にあんな違法っぽい捜査をしていいのか?サングラストリオの存在意義も微妙。コミカルなおじさん役をやる西岡徳馬はちょっと可愛いらしいと思いました。

愛と女とミステリー「坊さん弁護士・郷田夢栄」
  萩原健一のシリーズ物(予定)。例によってシリーズ化されても清水紘治ファンには関係ないんですけどね(笑)清水さんの役は、輪島貿易の社長(というか久々にヤクザ組長)最近清水さんは髭を生やしているようですが、これがちょっとかっこよいのですよ、ふふふ。とか悦に入っている場合ではないんですが(笑)・・・出番少ねー。あのキャストだったら絶対黒幕だと思ったのに・・・。ダミーだった・・・。しかし殺されなかったし、犯人でもなかったからよしとします。そう、「それすらも楽しむものさ、我々(清水ファン)は」、です。今回の見所、「余計なことをしていると自分の葬式を出すことになるよ」と萩原をビビらせるシーン。あと周りの子分どもが気色ばんで萩原健一に詰め寄ろうとした時に、指輪でコン!と机を叩いて引っ込ませたのはかっこよかったです。
  あんまり根が悪い人が出てこない人情ドラマでした。その為に落とし所が難しかったんでしょうが、真犯人役がちょっとショボかったと思います(これまでそんなに描写されていなかった人だったので)。個人的には「よーし、わかった」の加藤武がちょっとツボでした。

浅見光彦シリーズ「坊ちゃん殺人事件」
   TBSの浅見光彦シリーズが辰己琢郎から沢村一樹に変わって3作目。沢村一樹は漱石の「坊ちゃん」に引きずられて威勢がよくなりすぎたのか、ちょっと浅見としてはどうかなという感じでした。これが三作目でこなれてきたゆえの演技だとしたら、残念ながら、個人的には今後にはあまり期待できないような・・・。そもそもプロデューサーが「坊ちゃん」の作中人物を意識しすぎていたのではないかしら。「そのまま漱石の名作を演じられるキャストを配役しました」というのがプロデューサー氏の言ですが、いっそあの面子で「坊ちゃん」をやった方がよかったかもしれませんね。・・・というのは、特に地元署の副署長役だった清水さんを見て思うことなわけですが。やはり清水さんは内田康夫のミステリーの世界にはあわないのか・・・。
  TBSの浅見シリーズでは、浅見の兄が刑事局長だということがわかって「いやぁ、浅見先生もお人が悪い。名探偵として名高い浅見先生のお力をお借りして・・・」というシーンが毎回お約束になってまして、現場の刑事=最初は反発しながらも協力して捜査を進める、地元署の偉い人=浅見の身許が割れると手のひらを返したように浅見を持ち上げる(この後出番なし(笑))というのがパターンです。それでも接待シーン(笑)まであった人は清水さんが初めてだと思います。しかも野球拳をする清水紘治・・・レアです。この手の役でも「この台詞は清水さんでなくちゃね」という台詞があればそれでよいのだけどなぁ・・・。今回のキャストというのは、たぶん浅見の夢の中の「坊ちゃん」で赤シャツに扮するからだと思うんですが、それに引っ張られてこういうキャストというのは・・・と思いました。おかげでベンガルの俳句の代作者が真犯人だということになった時、思わず清水さんを疑いましたよ、私は。「このための清水紘治ですかっ」と(笑) まぁ珍しくてよかったですけどね。あと、赤シャツ役はすごいよかったです、ホントに。あと見所・・・舞台の奈落に座って「アカギさーん、いきますよ」と声をかけられて、「おう」って返事するところ?(笑)
   最近BSで再放送したので再見。やはり「坊ちゃん殺人事件」の沢村一樹の演技は好きになれない。全編通して図々しすぎる。あと現場でトリックを再現して見せるのって「いやいや、浅見先生もお人が悪い」の前だったのね。身元バレの前にこうやって協力してあげる地元署の偉い人って珍しいな(笑)

炎の警備隊長・五十嵐杜夫7
   主人公の職業こそ違いますが、同じ小林稔侍主演の「真実を追う男」に似ているなぁと思いました。まぁ、2サスのシリーズ物なんて主人公が謎解きというか事件を解決するものがほとんどなので当然といえば当然ですが、なんというかトーンがそっくり。でも私はこちらのほうが好きですかね。五十嵐隊長のほうがあっているような気がします。それにしても病院で事件が起こっているのに、清水紘治が院長でも理事長でもないなんて、何か間違ってませんか?(笑)末期がんで自暴自棄になってあやうく屋上から飛び降りそうになる清水紘治とか珍しいものを見てしまいました。そういう状況でも斜に構えて虚無的な態度に出るのが清水紘治的かなぁ、と思うわけです。あと病死なのも珍しいと思いました。現代物で清水さんが病死するたびに珍しがってしまう私です。いつも通りだったところ。清水さんがまた教授役だったこと(笑)末期がん末期がん末期がんと書くばかりで誰も職業を書いてくれないのでわからなかった(笑)考古学の花形研究者だったらしいです。日本の考古学…というか縄文時代ならなんといっても東北ですよね!(笑)

金曜プレステージ「まだ見ぬ父へ、母へ〜全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡」
  テノール歌手、新垣氏のかなりヘヴィな人生ドラマであります。清水さんの役は島の眼科医でした。また医者ですか、そうですか。沖縄まで行っても医者役な清水さん万歳!(笑) でも町医者って珍しいですよね。大学病院とかそっち系が多いような。沖縄弁の清水さんは珍しかったですね、「なちゅん」を思い出してしまったわ。「セーネン」とか「…するべきさー」とか言ってみて欲しかった(笑)

「水戸黄門」(武田鉄矢主演)第8話 盗まれた印籠(花巻)
  先日見た「五十三右衛門」のご家老と見た目は殆ど同じですが、今回は水戸黄門ですから悪そうな郡代が実はいい人だったとか、実直に見える酒屋の杜氏が実は食わせ者だったとかそういうことはなく、淡々とお約束に従って話が進み、成敗される清水さんでありました。というか、「水戸黄門」っていかにも悪役ポジションで出てきた人が実は…とかそういう話のつくりってあるんですかね?毎回毎回、お代官様と越後屋と虐げられた民草がいて、それを老公が救って歩く話なんだろうか。稀に偽黄門が出てくる話があるのは知ってる。
  というわけで45年前、ご老公に助けられて父の敵討ちの悲願を達成した若者(第3部「肥後の競い馬・熊本」)は立派な悪代官になって帰って参りました!(違う)今回の衝撃。ベテラン勢と若手の間にマリアナ海溝より深い溝を感じました。演技力的な意味で。空間が歪んで見えるくらいひどかった。助さん、格さんにはせめて中堅をもってこないと厳しくないですかね……。武田鉄矢の水戸光圀は庶民的寄せすぎというか、説教好きの近所のおっちゃんといった風情で商家の大旦那には見えないし、ましてや水戸の老公には柄があっていないかなぁ、と。清水さんの郡代のほうが格上感ありませんか?(←ファンの贔屓目)ところで歴代老公で評判がよいのは誰なんでしょう。私は西村晃と東野英治郎が好きですが。
  文字通り葵の紋入り印籠を(物理的に)ふりかざすちんぴらに、突如接待モードに入る郡代様になんかデジャヴュ……あれだ、「坊ちゃん殺人事件」のアカギさんだ(笑)郡代のかわいいところ、「あの印籠のまことの持ち主がこの近くに来ておられるかもしれん」と敬語になっちゃうところ(笑)ただの役人根性なのかしら。越後屋(仮)が、がっつり訛っているのに郡代様は訛ってないのは中央から派遣されてるからなんだろうか、とか、ところで郡代と郡奉行って何が違うんだろう…とか疑問は尽きない。

「昔の男」
  藤原紀香の辛気臭いナレーションと大沢たかおのダメ男ぶり、富田靖子のコワレっぷりが印象的な不倫物。最終回に至って登場人物の殆どが奇妙なほどいい人になってしまい、そんなことなら最初から面倒起こすなと突っ込みたくなる素敵なドラマでした。
  清水紘治は藤原、大沢の大学時代の馴染みの店(=ロシア料理屋)「ゴーリキー」のマスター。ボルシチが得意。ルパーシカ着用で、馴染みの客の人生相談も受け付けます(笑) 作中、一番いい男だった阿部寛の「最大の恥」な母(=林美智子)にベタ惚れされる結構命懸けの役(笑) しかし何度聞いても清水さんの「いらっしゃい」は新鮮でした・・・。

「名探偵明智小五郎 III 暗黒星」
  凝ったつくりといかにも星護だなぁという演出が面白く、舞台っぽい大仰な雰囲気がレトロな昭和初期とあっていたと思います。陣内の明智は面白かったです。派手な身振りとニヤっと笑う顔がよろしい。でも目の前であれだけ人を殺されて「名探偵」も何もないもんだ、と思ったのは内緒です。しかも今回、犯人がべらべら種明かしをしたので明智が全然仕事をしていませんね。殺しを全然阻止できていないのだから「さて皆さん」をかっこよく決めるぐらいは名探偵の義務だぞ(笑)フリーの明智はともかく、浪越警部の失態は洒落にならないレベル。日蝕待ちの時間つぶしに石田社長とチェスをして、一手ごとに状況が悪くなってえぐえぐする伊武雅刀はかわいかったです(笑)社長夫人の吹き込んだという夜の女王のアリアのレコードが、奥様の素人芸にしては上手でちょっと笑えました。
  清水さんの役は、山の手の素敵な洋館に住む伊志田社長。普通に娘たちを可愛がっている清水さん萌え。オールバック髭の清水さん萌え。謎解き編によると成り上がりらしいですが、演出の意図かどうか鷹揚な紳士風演技で通していて、謎解きで明かされる真相にちょっと違和感。まぁ、そのための清水紘治なんでしょうけれども。だったらどこかに社長の人間性を垣間見せるシーンなり演技なりがあるべきではないかと。奥さんや娘が殺されるたびに見せる悲しみとか、最後に稲森に「私が悪かった……」とか言い出したり、ドラマ上の人物描写として伊志田社長を別にひどい人に見せていないところは演出の問題点ではなかろうか。清水紘治が演じているから実は悪人なんですよ、というのは脚本と演出の怠慢だと思います。ちょろっと流れた意味不明な回想シーンでしか悪そうな演技してないんだもん(笑)
  で、その回想シーンなのですが、あれはいったい誰視点の再現シーンなのか。小説を書く時に絶対にやってはいけないといわれる視点の混在じゃないの?現場にいたのは社長と雨宮・妻で、雨宮・妻が死んだとすれば、回想できるのは社長だけのはずです。雨宮から「お前の母は伊志田に殺された」と聞かされただけの娘の語りであのシーンが展開されるのはおかしい。さも事実であるように流されたが娘の妄想なのか?さらに雨宮の「伊志田が燭台で目を刺して殺した」という言葉と映像(もみ合った拍子に倒れて偶々そこにあった燭台に目を貫かれて死んだ)が異なっているのも変だ。だいたい雨宮だって現場にいなかったのですから、目から血を流している妻の死体と「黒猫」よろしく死体を地下室の壁に塗り込めている社長の姿だけを見ただけで、奥さんが死ぬ前に何をされたかとか、どうやって殺された(もしくは死んだ)かわかるはずがありません。つまり、雨宮は勝手な憶測で盛り上がっているか、もしくはのぞき穴から「すべて」を見ていた日本語の不自由な人かどちらかということになってしまう。そもそも奥さんが社長に暴行されたというのは、いつ?雨宮が見ていたの?死ぬシーンのあれは明らかに事後ではないと思うのですが(←帯がちょっと乱れていたぐらいだったから)。着物の女性相手にあれが事後だとしたら、社長はミラクル器用なので社長なんてやめて手品師にでもなったほうがいいです(笑)
  以上を鑑みて、私は雨宮の奥さんの死に際は伊志田社長に語らせるべきだったと思います。整合性も取れるし、何より清水紘治がこれまでの紳士風態度を豹変させて高笑いでもしながら語れば、一発で状況(善悪)が引っくり返るのに(笑) 逆にいうと、作中の伊志田社長の立ち位置がものすごく中途半端なんですよ。実は極悪人だという設定なら、後出しでもそうするべきです。雨宮がべらべら21年前に自分が始めた復讐を語りだした後の土壇場でも余裕で引っくり返せるじゃないですか。清水紘治の演技なら。でも別にそうではなくて、最後まで伊志田社長は最初に出てきた時の紳士キャラのままなんですよね。だから演出や脚本の人がこのドラマのメインのストーリーをどういう風に見せたいのかという意図が全然見えないのですけれども。「復讐の道具として育てられた稲森いずみに不憫萌え」ならそれでも構いませんが、だったら雨宮の復讐譚はしっかり描かないと。ここだけ妙に薄味でおざなりに済まされているから最後がすっきりしないんですよ。というかー、もうこれ、雨宮と伊志田社長をコンバートしたほうがよかったんじゃないの。清水さんが雨宮をやって、雨宮役の人が伊志田社長をやる。ミスリードを誘う上でもこのほうが有効だと思うし、「これは私の復讐だ」という雨宮の独白に迫力も出るし、「アクアリウムの夜」のようにサーカスの見世物の口上も怪しさ満点でできたと思うのですが、どうですか?(架空の配役でどうですか?と言われてもねぇ……)
  今回のみどころ。清水さんの喪服姿が素敵。伊武雅刀とチェスを指すシーンでチェス盤越しにアップになる清水さんの顔がかっこよかったこと(あのチェス盤はどういう高さにあるんだ(笑))。妻と娘三人が殺された後、家族の写真を撫でながらがっつり落ち込んでいる清水さんの姿。かわいそう過ぎて眩暈がする(←不憫萌えはお前です)、超レアだし。雨宮に自分の娘と入れ替えた社長の娘をサーカスで働かせていた、「お前の娘を鞭で打って仕込んでやった」と嘲笑された時の雨宮を睨みつける顔。あと拉致されて見世物小屋で目を刺されかける清水さんの髪が乱れていて超萌えました。

大河ドラマ「毛利元就」
  尼子最強の新宮党を束ねる尼子国久役、娘(岩崎=ふたりっこ=ひろみ)がすごいファザコン。そのせいで娘婿に疎まれて・・・ではなくて、元就の策略に嵌められ、裏切りの疑いをかけられて、甥で娘婿、かつ主君の晴久(高嶋・兄)に殺されるというおいしい(?)役でした。再放送してくれないかなぁ・・・。ちなみに清水さん以外にも、細川俊之とか草刈正雄とか、変に私のツボをついた俳優を出してくるドラマでした。(「葵」とは違った意味で)しかし「信長」の松永久秀といい、国久といい主君に殺される役多いです。
  スカパーで再放送を見たので(後半)「今日の尼子一族」コーナーを作りました。

「桃太郎侍」(高橋英樹1976年-1981年版ドラマ) 第75話 つばめが飛んだ甲州路
  岡っ引きの手下二人を殺して逃げた辻強盗を追って甲州に向かう桃太郎こと高橋英樹、辻強盗は宿場町でごろつき・無宿者をたばねている親分の庇護下に逃げ込み、彼を捕まえようとした高橋英樹の強さに感心した親分は「うちの丸目先生と勝負させてみたい」という。丸目先生というのはもちろん清水さんのことであり、勝負の結果、清水さんが刀を飛ばされたところで「まぁまぁ」と割って入る親分さん、甲州路を行く一万両の御用金を襲う計画に参加しないか、と英樹を誘います。一方、英樹の身を案じて甲州へ向かう野川由美子。女侠客のふりまでして親分のところで宿を借りるのですが、英樹ラブすぎてかわいい。名乗りをちゃんと覚えられなくて歌を歌ってごまかしてるすずめちゃんとか、女キャラがかわいいよ(笑)結局、御用金襲撃は英樹によって阻止され、清水さんは英樹との立ち合いの結果、ばっさりやられるわけですが、その前の落ちも予想通り。ラスト、斬られる前に変な間があったのでまた血を吐くのかと思ってドキドキしました(爆笑)しかし、「浪人さん」とかいって名前も素性もわからない英樹を強いから、というだけであんなヤバい仕事に誘う親分さんもどうかと思います。危機管理がなってません。アバウトすぎるんですよ、この人たちの計画は。でも親分役の人はよい役者さんだったと思います。あと、楽しみにしていたのに般若のお面も数え歌も「許せん!」もありませんでした。悲しいから来週も見てしまおうかしら。
  清水さんの役は、甲州路の宿場を仕切る親分のところにいる浪人の「先生」、丸目十内。御用金襲撃の立案者。70年代-80年代時代劇における清水紘治のテンプレみたいな役で、シャープな顔立ちとニヒルな風情が素敵でした、萌え。今回は着流しではなくて袴姿にばさっと垂れた前髪の浪人髷。えーと、時代劇の範疇におさまる髪型というよりは、大昔の少年漫画のクール系のキャラみたいな感じの(←わかりにくい喩え)。そういえば、清水さんは浪人役が多いのですが、いわゆる浪人風の、つまり今回でいえば高橋英樹の桃太郎のような前髪のツンツン立った髪型というのはあまりないですね。総髪の髷とか、「影の軍団」や今回のように前髪がばさばさとか。私はツンツン前髪は苦手なので大変ありがたいです(笑)清水紘治のテンプレみたいな役、と書きましたがいつものように手をつけられないぐらいやさぐれているということはなく、「クールな」でおさまるぐらいのキャラクターでした。そのくせ炒り豆が大好物らしいのがちょっと可愛らしかったですが。女に「亭主の仇」と狙われていたり、その女が実は×××だったり、絡むにせよ、つるむにせよ徹底的に相手が女なのが清水紘治っぽいなぁ、と思いました。清水さんがかっこよかったので大満足です(笑)

「モラルリスク調査員」
   何が理由か知りませんが、3年近くお蔵入りしていたドラマ。和歌山地裁で林真須美に死刑判決が出たのが2002年12月ですが、そのせいでしょうか。それとも水野真紀の代議士との結婚の方か?まぁ、それはそうとして、清水さんの役は人を殺すより自傷で金を騙し取る妙なところで良心的な(?)保険金詐欺夫婦の夫でした。えーと、あまり突っ込む気力も起こらないようなそんなドラマでしたが、身代わりになったり、強請ったり、怪我したり、フェイントかけたり、セクハラしたり、でも最後には大型冷凍庫に転がっていたりと典型的な小悪党の役でございました。敢えて見所を挙げると、船に乗り込む妻に手を振るシーンがかわいかったと思います。かなり頑張って見所を挙げてみたのですが如何でしょうか。
   なんとなく保険の調査員のイメージダウンに繋がるドラマのように思いましたが、私の気のせいでしょうか(笑)

「破れ傘刀舟悪人狩り」(未見)
現在、お昼のテレ東で再放送中。私は時々話数をチェックしながら清水紘治がゲスト出演する回を待ち構えていたのだが、いきなり再放送打ち切りになってしまった。

湯けむりドクター華岡万里子の温泉事件簿5 信州・龍神ヶ池伝説殺人事件
   典型的なヘボ2サスでした。なんというかこう…ストーリーの骨子がヘボい。ラスト30分の話のたたみ方にはびっくりした、普通に。最初の殺人の動機が衝動的すぎたし。警察は仕事しないし(笑)あと絵ヅラ的にすごい爆笑シーンが計3回ぐらい出てきて笑えました。さて、番組データのあらすじ欄で既に死体になっている清水さんの役は、長野の山間部にダムを建設しようとする建設会社の社長でした。貧乏な片親家庭に育って逆玉でのし上がったとか(清水紘治が演じる役としては)レアケース。でもドラマの中ではいつもの清水さんなのであまり目新しさはありませんでした。
   萌えたところ?……自分と同じ境遇の野村宏信を拾って目をかけて、娘婿にする清水さんとか?(疑問形か) いや、個人的には社長の娘の「『柊ってお父さんに似てるでしょ』ってお母さん笑ってた」というセリフがこのドラマで一番いいセリフだったのですが、こう書くとどういうシーンなのか全然わからんな(笑)えーと、社長の娘がダムの建設は中止して欲しい、ダムの建設予定地は母親の遺言で遺骨を柊の木と共に散骨した場所だとか言い出して、なぜ柊かというと「『柊ってお父さんに似てるでしょ』ってお母さん笑ってた」と言うのです。何これ。社長の奥さん、ドラマに登場しなかったけど超萌える。娘は「お父さんが思ってるよりずっと、お母さんはお父さんのことを愛してた。お父さんの育ったこの場所をお母さんは愛していたのよ」とか言うんですが、ドラマの冒頭で、社長がダムの建設予定地を見下ろす山中で娘婿に、柊の木について「死んだ女房が好きだった。地味でつまらん花だが、案外匂いがいいんだよ」と言うシーンがあり、植物などに興味のなさそうな社長が柊の木に思い入れを見せます。娘やおそらく奥さんが思ってるより社長も奥さんを愛していたという落ちなのです。素敵(え、そうなの)。家同士の結婚とか利害関係のための結婚なのに、どちらかが相手を普通に好きで、でも相手はそれを知らない、という系統の話に萌えます。奥さんの死後にようやく奥さんにデレたと思ったら普段デレてた相手に×××とか、お互いツンツンしていた息子もとい孫に死後にデレられてるとか、どれだけ不遇な人なのよ黒沢社長は、と思うわたくし。なんか全然見当違いなところに全力で妄想を逞しくする私ですが、私は清水紘治のためにこのドラマを見ているのでこれでいいのです。最後になりますが、結婚指輪って普通プラチナではないだろうか。プラチナは硫黄で変色はしないと思うのですが。

「夜歩く」
古谷一行の金田一シリーズ。DVDソフトが無いために、高級CDプレーヤーと成り果てていた我が家のDVDプレーヤーに買い与えられたソフト。「おぉっ、村井国夫と清水紘治が共演している」という実に下らない理由で選ばれた。(原作の怪しい雰囲気が好きだが横溝ベストは何といっても「獄門島」です。映画もいいし。)村井国夫は今ひとつだったが、若い頃の線の細くて神経質そうな清水紘治が大変ワタクシ好みです♪守衛様、素敵〜!この作品で特筆すべきことは34歳まで遡っても私は清水さんが好きだ、という事実が判明したことですね。私はおじさん好きなので30歳前半まで遡るとたいていの人は「・・・今の方がかっこいい」と思いがっかりしてしまうのですが、清水さんは若い頃も素敵です(うっとり)34歳まで遡っても平気というのは某イタリア人オペラ歌手とタイ記録ぐらいでしょうか(←成瀬がいかにオヤジ好きであるかという証明)

世にも奇妙な物語「太平洋は燃えているか」
太平洋戦争末期、太平洋上で消息をたった爆撃機が時空の歪みから21世紀に現われてアメリカに向かう、という話。爆撃機に搭乗している通信兵の孫が呼び出されるところから始まります。清水さんはこの男の子を迎えに来る官僚役です。その後解説役を一手に引き受けるため喋り続けです。おいしいです。しかしどことも知れないところに連れて行かれて清水紘治に「ここがどこだか知らない方があなたの為です(←あくまで紳士的に)」とか言われたら泣いちゃうよな(笑)米軍がパトリオットで迎撃すると知って「ほぉぉ、パトリオットですか」と嬉々として語る軍事評論家や、そのパトリオットの迎撃を急降下で避けた爆撃機に「評論家に何がわかる。気合の問題だ」とこれまた嬉そうな軍高官の描写等が面白かったです。清水さんは一人で最後まで渋いんですけれどもね。めでたしめでたしで終わりそうなところに、これまたタイムトリップしてきたアメリカの爆撃隊が現われるラストは「世にも奇妙な物語」ぽい感じでした。

世にも奇妙な物語「トカゲのしっぽ」
  「黄金の右手」と評された右手を事故で失ったピアニスト。絶望する彼のもとにあらわれた担当医は、トカゲのDNAを注射することでトカゲの再生力を得ることができる、という。培養液につけられて電気ショックを与えられる右腕の傷口。確かに右手は生えてきたけれど…。というような話。清水さんは右手を再生させるだけでは飽き足らず、切断された右手から人間を再生したくなってしまう困ったマッドサイエンティスト役。清水さんのマッドサイエンティストは定番中の定番ですな。

「ラストドライブ」
  「2時間ドラマなのでまた殺されるに違いない、しかし泉ピン子に殺されるのは如何なものか」などというワタクシの思惑を余所に、序盤から刑事役で登場する清水紘治。そうか、その手があったか・・・。時々刑事役をやっているようですが、私にとっては清水紘治の(堅気の)職業と言えば「医者」ですね。刑事はやっぱり石橋蓮司でしょう。刑事のくせに、それが男だとかそれが女だとか妙にやさぐれているあたり、さすが清水様(笑)
  BS-TBSで再見。見どころ、刑事役なので殺したり殺されたりしないところ、刑事役のわりに出番が多いところ、あと(ルックスが)かっこいいところ(笑)この頃の清水さんの髪型が好きらしいですね、私は。泉ピン子の息子(「天下騒乱」の忠輝君だ)に「刑事さんの夫婦関係がどうかは知りませんけどね」と言われて「いや、私の夫婦関係がどうのって話じゃないんですがね」と苦笑していましたが、あのやさぐれた刑事さんがどんな夫なのかはちょっと興味がある(笑)私の虫の居どころが悪かったのか、ピン子の亭主に非常にムカついてしまいました。「こんなオヤジは死んで当然。というか。殺されてしまえ、むしろ。私が許す」とか思ってしまった。別に犯人も私に許されたくはあるまい(笑)

「リング」
出番はそれほど多くないのですが、ワタクシ的にはおいしくてちょっと眩暈気味。いやー、いいですよ、帝大教授、というか貞子父! しかも結核(笑) あぁぁ、完全にツボに嵌ってしまった。やや「魍魎の匣」の美馬坂教授な感じの貞子父ですが、私は決して近親相姦が好きなわけではありません!私の心の琴線に触れるのはそこではないのです、・・・たぶん、と言訳。(ソフォクレスの「オイディプス」とか、清水玲子の「MAGIC」とかは別に萌えないです。他にないかな、ソレ系の話) しかしなぁ、貞子がアレだったとはなぁ、最近流行りなんですか、アレは?(あまり最近でもないですが)

「恋愛結婚の法則」
ピンポイント爆撃でいきなり清水紘治登場の回から見始めたので、どうもストーリーがよくわからん。以前webで情報を漁っていた頃、遠山景織子の豪邸に招待され、父親(清水紘治)にまで紹介されてしまう柳葉、というようなことが書いてあり、前後の文脈から、またお金持ちの鷹揚なお父さんの役かなんかだと思っていたのですが、私の知らない清水紘治の姿がここに!!(笑) そういう意味では(予想外に)非常に見甲斐のあるドラマではありました。しかしこんなに楽しそうな清水さんを見たのは初めてなので、その点ではよかったかなぁ。・・・でも何も「お嫁サンバ」歌って見せなくても。私の心臓を止める気ですか!?(笑) (何か色々な意味で)

蓮丈那智フィールドファイル(1)「凶笑面」
   木村多江演じる民俗学者と助手の素人探偵物。原作つきのシリーズ物のようです。大学の総務課長に西村雅彦を配しているあたり、シリーズ化する気満々のようですが実現するでしょうか。旧家とか鬼神村とか呪われた面とか横溝臭ぷんぷんで、横溝好きとしてはちょっとだけ期待したのですが、どうも脚本がまずいのか何なのか、ただただ話が進むだけ、特に証拠は全く無く、全て憶測だけで進む解決篇はいかがなものか。警察はあれで犯人を逮捕していいのか? 全体のトーンは完全に金田一物の亜流といった感じでした。それよりも私はヒロインの蓮丈の妙な口調(しかも助手に対してだけ)が気になって仕方がありませんでした。声は結構色っぽいイイ声だと思ったんですが、なんか妙な萌えアニメのキャラみたいでした。
   清水紘治は高岡南警察署の流山警部。かっこいいのは名前だけ(笑)素人探偵物の警察なんて、主役を引き立ててなんぼの役ですから・・・。人が派手に死ぬドラマだったので、その度に出てきて結構登場シーンは多かったです。民俗学者と助手が襲われた現場に駆けつけるのも清水さんでしたしね。しかもその後、犯人追いかけて逃がしちゃってるし(笑)部下はどうした、部下は。警部一人に犯人追跡させるなよ。しかし腐っても清水紘治なので、もしかしたら真相がわかったという蓮丈を村人達に突き出しちゃうのかとちょっとだけ疑ったのは内緒です。 今回の見所、最初の事件で現場について車から降りて部下に「おぅ」と手を上げるところ、旧家のお嬢様の事情徴収で上着を脱いでるところ(相変わらずほっそいなぁと萌え)、3人目殺害で、白手袋をはめながら現場に向かうシーン。・・・というか、私って清水さんが手を振るシーンが気違い的に好きだな(笑)ラストの「玲子さんはもう気づいていますよ」に始まる事件解決には直接関わりのない謎解きを延々と黙って聞いてあげる流山警部は親切な人だと思いました。いや、あのタイミングでやるにはいかにも長すぎる話だったのでね(笑)

  映 画

「悪党」
一言で言うと「乙羽信子がコワすぎ」な、高師直が主人公(ちょっと違うか)というシブイ歴史物。というかこの時代が舞台というだけで激シブです。でもオープニングに出てきた足利尊氏の肖像画は今では違う人のものだということになってますが。なんか無性に男っぽい映画に仕上がってますが、あの変態谷崎がこんな男っぽい作品を書くとは思えません。もっとしっとりねちねちとした小説の筈です(未読)。映画化の方向を間違っているのでは・・・。清水さんの役は、岸田今日子の旦那(こいつが作品の男っぽさの70%ぐらいを担っている)の弟です。・・・他にはあまり書くことがありません(爆)あんまり若いのでびっくりしてしまいました、というぐらいです。

「悪徳の栄え」
あまりといえばあんまりなジャケットに、かなり恥ずかしい思いをして借りてきた一本。でも内容は予想よりもずっとブンガクでした。清水紘治の不知火侯爵がかっこよすぎる!!ああいう血の澱んだようなデカダン貴族の役がなんとよく似合うことか。また私はこの人の声がとても好きなので、異様に台詞が多いのもおいしい。
清水紘治の出演映画の中でどれが好きか、といわれたら、私にはこれがベスト1です。だったらどうして、「悪徳の栄え」をページのタイトルに使わないかというと、なんとなくあらぬ誤解を受けそうな気がしたからです。響きも好きな言葉なんですが。

「暗室」
   また、こういうのに……(溜息)これもちょっと借りられないでいる作品。しかし、どうしてこういう借りにくい作品に限って寺田農と共演しているのであろうか?実相寺つながりかと思いきや、アダルトつながりなんですか、もしかして???
   頑張った!私、すごい頑張りました。どのくらい頑張ったかというと……たぶん……「昔の男」ぐらい。「昔の男」のように見ていて辛いということはありませんでしたが、ただ何というか恥ずかしいじゃないですか。さて、私はこの頃の清水さんのエロさ── エロさというか、色気というか ──は犯罪的だと思っているのですが、普通のドラマや映画を見てあれではあからさまな濡れ場を見せられたらどうなることか、と常々考えておりました。実際、行為にいそしんでいるシーンを見ると、意外に大丈夫でした(笑)すごく背筋がもぞもぞするんですけれども、見られました。よし、きっと「曼荼羅」もいける!(笑)
   感想。……感想といわれても…何を書いたらよいというのか。身も蓋もない言い方をすると、事故死した妻は本当は自殺だったのではないかという懐疑の念と、妻が友人と不倫の関係にあったのではないかという妄想を捨てきれない小説家がぐだぐだ過ごしては女性と寝る話です。原作と主演男優で文学っぽくしてはありますが、何はともあれ「エロありき」の映画なわけで。そのわりにはあまり「実用的」ではないような気がしましたけれども。今回、女性の裸をたくさん見ましたが昔の人は体が薄い、体の厚みがないというか。たまたまそういう女優さんが揃っただけかもしれませんが、みんな胸も小さいし、あまり色気を感じませんでした。あと皆さん喘ぎ過ぎ(笑)
   清水紘治演じる小説家の中田が基本的にすっごいダメ男なんですよ(またですか)。清水さんの小説家役ってホント何回目だよ、と思いますけれども。華道の先生のところでお弟子さんに見られておたおたしているところとか、時々急にですます口調になるところなどは可愛かったです。映画のあらすじを見ると、彼が妻に何度も堕胎させているのは、妻と自分の友人の不倫を疑っていたからと読み取れるような書き方がしてありますが、そうではなくて自分の子供が生まれるということ自体を極度に怖れているのだと思います。物語の後半、中田と関係をもったレズビアンの女性が妊娠したと告げた時のうろたえて「産まないでくれよ」と懇願するさまがちょっと可哀想に見えるくらいです。おそらく、そういう生殖を拒みながら性行為に耽溺する中田の歪みが、女性たちを欲情させるのだと思いますが。中田の相手の女性(絡みがある人という意味)は四人登場するのですが、最後まで出てくる暴力的なパトロン持ちの女性があらゆる意味で非常に気持ち悪くて、ちょっと引いてしまいました。秘書(この人とは絡みはなし)もちょっと地雷っぽい人で怖いと思います。ちなみに私が一番そそられたのは華道の先生(笑)カップルが複数出てくるという構図ではなく、中田と女性が1:nという放射状の構図なので、清水さんがほぼ一人で頑張っていて大変そうでした。
   みどころ。清水紘治の上半身、これは「実用的」……というのは冗談で(笑)清水さんの肩と二の腕の筋肉がきれいで見とれました。あと横顔も綺麗でした。髪が乱れていたりすると眩暈がしてしまいそうです。いきなり何を言い出すのかというと、濡れ場シーンのアングルが基本的にいつも同じなのです。なので必然的に視線が同じところに向いてしまうというか。まぁ、上からというわけにはいきませんから横からのショットばかりになるのはしかたがありませんが。えーと、真面目に書くと、主演だけあって清水さんが出ずっぱりである点がすでにみどころ。いつ見ても画面に清水紘治が映っているというこの幸せ。はじめにすごく「頑張って」見た、と書きましたが、見終わった後、自分がかなりハイテンションになっていることに気づきました。「あぁ、私、楽しかったんだなぁ」と後追いで認識(笑)本当に気分が高揚しました。「医龍」10話とかこの映画とか、意外なところですごいテンションがあがってしまう自分がちょっと怖いです。
   一番素敵だった台詞。「鞭で打ってやる」(え…)。直前の「奴隷ごっこしようか」という台詞(女の「中田さんの奴隷になるわ」に対して)がやや間抜け風味で、しばらく鞭打ちをしてみた後「俺は無理そうだ(Sっ気はなさそうだ)」とヘタレてしまうだけに、この台詞の瞬間だけ不知火侯爵みたいでぞくっとしました。でも中田は小説家であって役者ではないので、あそこだけあんなに鮮やかに豹変させなくてもよかったんじゃないのかしら、とも思いました。
   DVDですが、デジタルリマスター版なので私が思っていたより映像は綺麗で大変嬉しかったです。殿山泰司や初井言榮が出演していたのが意外。寺田農は全然意外ではありませんが。この頃の寺田農はびっくりするぐらいイケてないと思いました(失礼)。途中、壮絶に浮いていた小学生がリコーダーを吹きながら川べりを歩くシーンですが、その曲を原語で口ずさむ中田がスノッブです。しかし、考えてみれば私だって知っている曲なら原語で歌うし、それで「スノッブな奴だなぁ」とか言われても困りますよね。

「いこか、もどろか」
例によってヤクザの役。ヤスリでしきりに爪を整えてました(笑)  「もう2,3発喰らったら、脳味噌が豆腐みたいになっちゃうよ?」だって・・・わはは。

「運ちゃん物語」
   「最年少清水さんを見た」記録これにて打ち止め(笑)少なくとも私の手許の資料では1956年のこの映画と「霧の音」が一番古い出演作品、と思っていたらこの年5本も映画に出ているのですね。慌てて「出演作一覧」に追加しました。
   ウェットになりそうな人情物を主役の好演でうまくまとめた良作だと思いますが、私にとっては「12歳の清水紘治を見たよ!」と言うための映画だな。……というか、事前情報なしに見たら絶対わからなかったorz 子供は一人だから「あー、これが清水さんなんだ」とわかりましたけれども、それは「わかった」とは言わない……。ちょっと落ち込みました。しかし言い訳するようですが、清水さんのように彫りの深い顔立ちの人でも子供の頃はあんな風じゃないんですね。あー、本当に全然わからん。…気を取り直して一応、役柄などを書いておこう。主人公のタクシー運転手、源さんが片思いしている同僚の女性の病弱な弟役です。大阪の話のわりに大阪弁を話す人が少ないのがちょっと不思議な映画。清水さんも関西弁ではなかった。元将軍役の役者さんの風格が素敵。

「大阪物語」
   井原西鶴の作品のエピソードを幾つかアレンジして作られた映画のようです。大阪商人の世界の話で「文化が違ーう!」としみじみ感じた映画。でも面白かったです。水呑み百姓から成り上がって両替商になった男が主人公なのですが、この吝い親父を演じる中村鴈治郎がうまいことうまいこと。この人「新・座頭市III」のゲストの時も感心したんだよなぁ。完全に鴈治郎の仁兵衛の独り舞台。唯一の対抗馬は仁兵衛と意気投合する鐙屋の女主人で、この二人の出会いのシーンが一番面白かったです。よそ様の新築の建築現場から落ちている木切れを集めて帰ろうとする二人、お互い相手を家主だと思って最初あわあわするんですが、自分と同じ目的と知ってお互い吝嗇ぶり合戦、「なかなかやりますなぁ」という感じで意気投合します。ここの二人の掛け合いがいい(この時、鐙屋の女主人の連れている丁稚が清水さん…のはず)。予想外にチャラチャラしたいい演技を見せる若き日の勝新太郎がちょろっと出てくるのもよかったです。不満点、物語中盤までぼけぼけした人物という描写をされていた仁兵衛の息子が終盤、別人みたいになってストーリーを動かすキャラになってしまっていること。なんとなく不自然です。あと市川雷蔵売り出し中だったため鴈治郎ではなく雷蔵がトップクレジットになったというようなことを読みましたが、だったらこの息子を雷蔵にやらせればいいのになぁ、と。キャラの比重でいうと、仁兵衛>鐙屋の女主人>仁兵衛息子>鐙屋息子>番頭と仁兵衛娘 なのに番頭と仁兵衛娘をトップクレジットに持ってこられても困る……。ちょっと萌えること、女房・娘にちっとも優しくない仁兵衛がケチ仲間の鐙屋の女主人にはちょっと優しいところ(笑)鐙屋の女主人も最後まで仁兵衛にちょっと優しいところ。
   子役時代の清水さん出演作を見るのは3作目ですが、今回はちょっと難易度が高かった。清水さんの役はどこを見てもただ「丁稚」とあるのですが、丁稚って何人も出てくるんですよ。クレジットに児童劇団であろうと思われる添え書きがある子役の名前は4人出ているのですが「清水紘治」の表記はなく、ちょこっと出てくるだけかなぁと思いつつ、丁稚が出てくるたびにしげしげと見ていました。仁兵衛が近江屋になった時に「これだー!」と思って眺めたのですが近江屋の丁稚は二人ともあんまり可愛くないんですよ(おい)。で、上記の仁兵衛と鐙屋の女主人が出会うシーンに出てくる鐙屋の丁稚が清水さんです。

「おもちゃ」
なんとなく借りてきてしまったが、出番が1シーンしかありませんでした。もうちょっと出てると思ったんですが(苦笑) 北島舞のお客さんが「大学の先生」だというからてっきりそれかと思ったら、そうではなくて倒産男でした。(この大学の先生が面白い役でした。特に講師の割には派手に遊んでますなぁと言われて「親のすねをかじってるんやー♪」と返すシーンが最高に笑えます)しかも妾に金を工面させた挙句に夜逃げという相当なダメぶりなのですが、京都弁が素敵なのとルックス的に大変かわいいので満足です。今回の驚愕ポイントは、「お妾さんて子供産んだりしていいの?」・・・そういうことはしないのかと思ってた・・・。

「影武者」
   パンフレットのキャスト表の並びと、見開きのど真ん中に立つ鎧姿の清水紘治がかっこよかったのでなんとなく衝動借り。これはまぁ、仲代達矢の演技にうなる映画なのだろうな、たぶん。あと印象に残ったのは山崎努の渋い信廉と隆大介の奇矯で覇気のある信長。隆大介はよかったですよ、私としてはこれまでみた映画やドラマの信長役の中で一番らしい感じがしました。あ、あと萩原健一のバカ息子(笑) 清水さんの役は「侍大将:跡部勝資」・・・武田の家臣のことはよくわからん(笑) しかしビデオ2巻目にして判明する事実が、大滝秀治のじいさんを除いて横並びの侍大将の中で、清水紘治の跡部勝資には唯一役が振られているということで、なんか知らんが勝頼付き(もしくは勝頼寄り)の重臣役らしい。ダメな若殿付きの清水紘治・・・なんか「葵」の榊原康政と同じだ・・・(笑) 今回のこれはなかなかおいしくて、勝頼と二人きりのシーンが二つもあるし、勝頼が勝手に城攻めにかかる時にも一緒に出陣してるし、その上、長篠で突撃した第一陣、第ニ陣が壊滅状態になっても、さらに第三陣を突撃させるために人形のように軍配を振り下ろす勝頼を止めようとする役までもらっている。(止めるといっても腕を掴むだけですけどね) これは絶対清水さんじゃなくて山崎の役だと思ったんだがな(笑)
   この映画の合戦のモブシーンで私はいつも「三角三角・・・」と呟きながら清水さんの姿を探していた。清水さんの役の侍大将の兜の前立が三角(=三つ鱗)だから(笑) あとぞろぞろと侍大将がいるシーンではいつも清水さんを探している(←バカ) こうして集団の中から清水さんを探しているうちに気づいたことが、清水紘治は立ち姿の美しい人である、ということ。鎧を身につけると多くの人は肩が前に出るというか、やや前のめりの姿勢になる。そういう人たちの中で、清水さんの立ち姿というのは、まるで舞台における決めのポーズのように綺麗に見えます。・・・もっとも、これは私が清水紘治ファンだからかもしれませんが(笑)
   久々に見たら大滝秀治が怒鳴ってばかりの映画だなぁ、と思いました。あと3時間使わなくてもできたんじゃないか、とか失礼なことを考えたり。清水さん意外に出番多い。いや、別に多くはないのですが。全体の中の長さの中では微々たるものですが、侍大将が山縣(筆頭)と跡部(勝頼派)とその他大勢、という構成なので(笑)ピンのシーン(勝頼と跡部のシーンのこと)が2つもあったし!清水さんの台詞まわしがきわめて舞台風味だなぁ、と思いました。いや、別に清水さんの口調が浮いている、というわけではなく。なぜならば、浮くほどまわりの口調に統一感がないからです。むしろ信廉、勝頼、侍大将連の口調というかトーンが統一されていないのが地味に気になった。これは武田家重臣ではないのですが、なんか素人みたいな台詞回しの人も結構多いなぁ、と……。

「恋するトマト」
  映画館に見に行った時、すごく疲れていた頃で無理やり行った結果、時々意識が飛んでいたような気がする思い出の映画。結婚詐欺にあってマニラでホームレスにまで落ちぶれた大地康雄が一度は離れたはずの農業にふれて活き活きと働く姿の描写などはうまく、いい映画だと思いますがテーマ(農業、結婚)が私の人生とかけ離れすぎているので何ともいいようがない。あらすじをいい加減に把握していったので、富田靖子が結婚詐欺なのかと思って序盤ドキドキしていたのですが勘違いでした。富田靖子が結婚詐欺だったら怖すぎると思います。茨城の農村部には絶対に生息していなさそうな清水さんの役は、マニラのブローカー(笑)もっとヤクザっぽい感じだと思ったのですが、そうでもなく、日本に帰って農業をするので仕事をやめたいという大地康雄をぶん殴って済ませてやるという意外にいい人でした。この最後のシーンの清水さんの演技が好き。あと事務所の外から黙って頭を下げる大地康雄の演技も好き。そういえば、清水さんの英語の台詞を初めて聞いた気がします。中国語は聞いたことがありますが(笑)

「極道の妻たち 地獄の道づれ」
  清水さんはヤクザ役と信じて疑わなかったのでヤクザではなくてびっくりした。草刈正雄がヤクザでびっくりした。宅間伸の浮きっぷりにびっくりした。石橋蓮司と六平直政は役をコンバートしてもいけたと思う。ヤクザに脅されて喋らされた自分の自白テープを警察の取調室で聴くシーンの演技が、さすが清水紘治でした。あ、ちなみに役柄は金貸し業の重役さんでした。なんか一時期ヤクザ役ばかりを演じていて「またヤクザか…」と呟いていた時期があったと思うのですが、これってごく限られた期間だったのかなぁ。一番印象に残ったこと、江波杏子の大迫力。

「さよならドビュッシー」
  ヒロインの幼少時から高校時代までピアノを教える鬼塚先生役。大火傷をおって指もまともに動かせなくなった遥のことをもう指導できない、と断るシーンで登場。「遊びでやっているのではない」のでピアニストになれない生徒には教えないそうです。たぶん出てくるのはここだけだと思っていたのですが(ここは原作で読んだ。鬼塚先生は女でしたけど)、ヒロインと従姉妹の幼少期のピアノレッスンのシーンがあったので私の予想より1シーン多かったです、一瞬ですが(笑)で、この後、延々清水さんの出てこない映画を見続けることになるわけですが、私がクラオタでなかったらどうなっていたことか。清水さんの「一日練習しないと取り戻すのに3日かかる」という台詞にピアノを習っていた頃を思い出して勝手にちょっとしみじみしている間に、イケメンがばりばり「マゼッパ」を弾きだして大爆笑したり。ヒロインの叔父役(山本剛史)のキャラが面白く、役者の演技もとてもよかったのでこの人は見る価値があったと思います。
  この映画で「原作は『このミス』大賞」といいふらすことが既にネタバレだと思うのだがどうでしょう。現に私は映画を見る前に落ちがわかってしまった(笑)ミステリファンがミステリのつもりで見に行くと泣きを見ると思いますよ。この映画はもっとクラオタにアピールすべきだと思います。「絵」としてはちょっと綺麗で印象に残るシーンが幾つかありました。本業がピアニストだというイケメンピアニストはきちんと演技をしていましたが、でも本職のピアニストをキャスティングする必然性はあったかしら、とは思いました。キャラは若い頃のグールド風を狙ったのかなという印象。シリーズ物の探偵役だということなので設定からしてもっと万能タイプかと思ったら変人タイプでした(笑)

「東雲楼 女の乱」
   明治後期、北九州の楼閣を舞台にした女(=斎藤慶子)の一代記(正確に言うと一代記ではないんですが)。渡辺美佐子のナレーションが渋すぎでまるで大奥物のようです(?)。「遊郭物」というのは映画の一ジャンルだと考えてよいかと思いますが、私はどうも遊郭物が意外に好きなようです。ある種の様式美を感じるのかもしれません。「吉原炎上」の花魁道中とか。様式美を映像に盛り込むタイプの監督がこういう映画を撮ることが多いということかもしれませんが。
   堕胎する女郎、客でない男との恋、女同士のびんた合戦等遊郭物には幾つか定番シーンがありますが清水さんが登場するのもお約束の一つ、「女郎と無理心中しようとする客」のシーンでした(「吉原炎上」だと確か河原崎長一郎だったかな)。剃刀片手に殆ど裸で売れっ子女郎(=鳥越マリ)を追いかける清水紘治というのは結構、絵的にすごいです。あれはかなり追い詰められてしまっている人間の目です。(笑) でも女将(=かたせ梨乃)の「極道の妻たち」ばりのタンカで心中騒動は収まってめでたしめでたし。九州弁てキツイですよねぇ、響きが。女同士の喧嘩でも迫力あり過ぎです。そういえば、清水さんの九州弁というのはめずらしいですね。しかし冒頭であれほど引っ張って登場したわりに西岡徳馬の出番が少なくて拍子抜け。映画の手法としてあれはどうなんでしょうか?その他の出演者について。当然のように巧い人→津川雅彦。意外にも非常にいい感じだった人→南野陽子(見直してしまった)。どういうわけか津川雅彦を差し置いてトメになっている人→風間トオル(すごい謎だ)。

「新宿少年探偵団」
     ジャニーズJrとか深田恭子とか加藤あいとか、こういう面子の出ている映画を私が見ているというのはどういうことなんでしょうね、一体(苦笑) まぁ、こういう映画に出ている以上、清水さんの役はヤクザだったりするわけもなく、お父さん役ですな、当然。深田恭子の父親で加賀まりこの夫役。加賀まりことの仲は冷え切っていて、なんか忙しいヒトらしい。でもテレビに出る時には仲良し家族を装ってみたりして、というありがちな感じです。
   これを見ていて一瞬本気で「深田恭子になりたいぞ、おい!!」とか思ってしまいましたよ。だって清水さんに「パパ!」とか言って飛びついて「はっはっは」とか言われてるんだもんなぁ。 あと今回の出物、家族写真の中で、Vサインでにっこり笑ってる清水紘治。レアだ。

「新・平家物語 静と義経」(未見)
  義経の少年期を演じているとのこと。少年期の義経って牛若丸っていいません?牛若丸ではなく遮那王だったら萌え。「新・平家」ベースなら時忠と絡む(少年義経も)はずなので、もしそうだったらもっと萌え。

「Wの悲劇」
  私はどういうわけか「楽屋物」が非常に好きなので、この映画も結構好きです。清水紘治は劇中劇「Wの悲劇」で三田佳子の夫役を演じる俳優…って出番少ないですね。一体どうして、こんな出番の少ない映画まで覚えているんでしょうか、私は(笑) ラストの劇中劇のシーンが見せ場です。「私は…もののはずみで動いたことなどないよ。全て計算ずくさ」…いやー、素敵ーっ♪(←馬鹿者)しかし劇中劇の配役ですが、このキャストなら 清水紘治が真犯人に決まってると思うのは私だけ?劇中劇と言えば、ラストシーンで流れる曲がすごく決まっていてかっこいいのですが、知っている曲なのに何なのか思い出せない。誰のレクイエムだったかなぁ、あれ。でも「おじいさまを刺し殺してしまった!」でヴェルレクのディエスイレはないだろう(笑)
  一人清水紘治祭りで再見。劇中劇のラストはフォーレのレクイエムだな(何でこんな事が思い出せなかったのか…)この映画の清水さんは若くてかっこよくて、可愛いです。この頃の清水紘治はニヒルなというかやさぐれているというか、そういうイメージが強かったのだが、この作品の清水さんは「そんなの多数決で決めれば?」とあっけらかんと言ってみたり(発言の前に「ハーイ」って感じで手を上げるのがたまらん)、「午後から台本離してもらうよ」と言われて「えー?」てな身振りをしたりして可愛いです(悦)「可愛い」というのは最近持つようになった感想ですが。やっぱり年取ったのか。…しかし、清水紘治を可愛いと思う中学生というのもどうかと思います。
  テレビで放送するたびに見て書き足しているので、そのうちこの項だけ馬鹿みたいに長くなってしまうのではないかと心配ですが、まぁよしとします。さて今回はずーっと私が「清水紘治=すごい素敵」という印象をもったのはこの映画を見た時だったのかなぁ、という疑問を解決すべくみていたのですが、まぁ見ていてもわからないですよね。日記か何かを探さないと(笑)大阪公演初日の終演後の楽屋で、清水さんが三田村邦彦の髪の毛をわしわしとかきまわしているシーンにときめいた。はしゃいでて可愛い。清水紘治史上初ぐらいに嬉しそうな顔をしているので巻き戻して何回か見てしまいました。嶺田と五代は仲がいいという設定でもあったんだろうか、とか考えるのがファンの気持悪さですね!基本的には嶺田さんは可愛い役だと思いますが(私限定)、オーディションのシーンなどは、清水紘治っぽいアンニュイーな感じだったのでギャップが。

「刑事部屋」(未見)
  田村警部補の息子役…かな?

「デボラがライバル」
清水さんは哲学の教授役。思ったよりも出番多かったですね。「あぶない刑事」の柴野さんみたいにハイテンションに怒鳴っていたりするんだろうなぁ、などと予想していましたが、やっぱり柴野さんでした(笑)  久々にお馬鹿な清水さんを見ました。お馬鹿でもインテリな清水様、素敵(笑)  デボラの答案を見て苦笑するところとか、lovelyです。でも「今年こそ単位下さいね」って哲学が必修科目になってるってことなのだろうか?哲学科なのかなぁ、デボラは。まぁ、こういう役はたまだからいいんですけどね。蛇足:この映画にはチアリーディングのシーンが出てきます。吉川ひなのと篠原ともえが入るチアリーディング・サークルのユニフォームが私が通ってた高校のチアリーディングチームのユニフォーム(の一つ)にそっくりなんですよね。なんとも懐かしいようなヘンな気分になります。

「天国の大罪」(未見)
吉永小百合のヒロイン映画。しかもオマー・シャリフとの大甘ロマンスもの(予想)。こんな映画を見て一体私にどうしろというのだ。・・・というわけで、当然未見。しかしジャケットのキャストの並びからしてわりといい位置につけている可能性がないわけではないかもしれない。(←くどい憶測)清水さんはまたヤクザなのだと思う、たぶん。

「ねじ式映画 私は女優?」
※ 毎度のことながらネタバレあります、ご注意ください。これに触れないと私の場合、感想がかけないので。ただ致命的なネタバレと感じる人がいるかもしれないので注記しておきます。

  「わかりにくい映画だな……」というのが最初の数分を見て抱いた感想。冒頭、「吉田日出子を知っていますか」「吉田日出子は生きたのですか、死んだのですか」という2つの問いが3人の役者に投げかけられる。考え考え、詰まりながら答える一人目の男性。そうじゃなくてもっとこういう観点で答えて下さい、とかダメ出しがあって、もう一度問いと答えが繰り返される。二人目、三人目にも同じ問いが2回ずつ繰り返される。三人目、いきなりカメラに横顔晒して登場するのが清水紘治。前の二人が最初からカメラ目線で画面に登場したのに、清水さんは横向き。ここでもうガツンとやられてしまいました。清水さんの横顔が好きなので。気になったのが「(吉田日出子は)死んだのですか」というのは問いとしておかしくはないのですが「生きたのですか」というのは私から見ると日本語として少しおかしくて、こう問われてたら「生きたのですか、というか、生きてます」と答えると思うけどなぁ、と思いながら問答を聞いていたら、三人目の清水さんの答えが「生きてます」だったので何となくもやもやしていたのがすっきりしました(笑)もっともこれは、清水さんが素で答えた言葉ではなくて、台本の台詞なのかとも思いますが。
  冒頭のこの部分で、つまりダメ出しと撮り直しの部分を見せたところでこの映画が「ドキュメンタリー風に作った映画」であってドキュメント映画ではない、というのがわかるようにできていると思います。ドキュメンタリーですよ、ということを強調すべく故意にそうされたのか、1968年当時にはこれが限界だったのか、いかにも同時録音風の音声が聞き取りにくくて少し疲れました。日比谷公園での集会での劇団側とテレビ局のやりとりとか、おそろく「The Show」だと思われる舞台の稽古の最中の言葉などは聞き取れなくてフラストレーションが……。何となく故意にイライラさせられている、という感じはありました、見ている間中。例えば冒頭で繰り返される「吉田日出子を知っていますか」「吉田日出子は生きたのですか、死んだのですか」という問答の前提が示されていないのが不親切でわかりにくい、とか。議論を延々聞かされているのに、何に対する議論なのかわからないとイライラしてしまうというのは私の性格の問題とは承知しているのですが。たぶん吉田日出子さんが劇団を抜けた、ということだろうと推測はしますけれども、例えば44年後(うわぁ)にこれを「映画」として見る観客にはいきなりこれで始められるのはちょっときついよなぁ、と思います。というか、私が当時のことを全く知らないのです。1968年という時代を知らない、「1968年に撮られたドキュメンタリー映画」に期待されるものというのがわからない。いきなり「ロクイチゴ」と言われても何のことだかわからなかったし、それが6月15日だとわかってからしばらくしてもそれが何の日だかぴんとこなくて、日比谷公園のパフォーマンスも何のパフォーマンスなのかよくわからず、デモのシーンで樺美智子という固有名詞が出たところでようやく理解したという体たらく。web上でこの映画の感想を読んでいたら編集という行為を徹底的に排除しているというようなことを書いている人がいたのですが、私は全く逆のことを感じました。冒頭の2つの問いかけとその答えの別テイクを映画の最初と最後に持ってきているところ、また吉田日出子さんの日比谷公園の集会とデモへの不参加への感想を2日にわたって撮って並べて見せているところ等を見れば、撮影した中から恣意的に監督の選んだシーンの集まりがこの映画だということが強調されているように思いました。同じ問いに対する答えのうち2テイクが採用されているけれども、このうちどちらか一つだけ見せれば全く別の内容に見えるし、もしかしたら5テイク撮ったうちの2テイクを使ったのかもしれない。ということで編集という行為の意味を強調した作りの映画だったのではないか、と私は解釈するのですけれども。
  ここまでが一応映画の感想。ここからが清水紘治ファン的感想(笑)ドキュメンタリー映画ではないので、ここで見られるのは素の清水さんではないと思います、たぶん。というか、これが素の清水さんの言葉だと確証も無く思い込んでしまいたくはないです。なぜかというと、インタビュー形式で物を問われた時の清水さんの答えに時々「おおっ」という感じで共感できるから。「でもこれはきっと台本の台詞なんだよ?」と思いながら映画を見ていました。実際、どこまでが虚構でどこまでが現実で、脚本にはどこまで書いてあるのかということには興味がありますね。おそらく、この映画において清水紘治は「クールな人」という役割を割り振られていて、例えばラストシーンで歌ったり踊ったりしている人達に混ざらないで、少し離れたところで佇んでいる風情とか、9時間の公演が終わったところで冒頭の3人に対してそれぞれ一問一答式の短いインタビューシーンがあり、ここで「(今日この公演で)表現しましたか?」「その表現は自分のものですか?演出家のものですか?」「観客のものですか?自分のものですか?」という問いに対して「表現しました」「自分のものです」ときっぱり答える口調などはクールだなぁ、と思います。このシーンの清水さんが全編通して一番好き。また、吉田日出子さんが日比谷公園でのパフォーマンスに出演しなかったことについてどう考えますか、という問いに対しての「デコが行きたくなかったら行かなくていい。どうも考えません」という答えもクールなんですが、翌日の同じ質問に対しては「自分は出演してこういう面白いことがあった。だからデコが出なかったのは残念だという気がする」と答えて、でも、残念だったけどだからといって行くべきだったとは思わない、と言うあたりもクールだと思いました。公演後の問いかけのシーンでは汗をかいたのか、清水さんがシャツを脱いで上半身裸で映ってまして、……眩暈がしましたよ。「夏の夜の夢」の時にも思いましたが、清水さんって絵に描いたような細マッチョですよね、素敵……。でも目の毒なので早く服着て下さい(笑)カメラ目線で話すショットが多い映画でしたが、正面から撮ったアップのショットを見ると清水さんの顔って全然変わらないなぁと思いました。いや、もちろん44年経って変わってはいるんですけれども、印象も顔立ちもびっくりするぐらい変わらないなぁ、とそう思いました。特に目元のあたりとか。

「裸の十九才」
  暗い。果てしなく暗い。何なのこの鬱映画は。集団就職で上京してきた田舎の少年が都会の生活に擦り切れて荒んで、連続射殺犯になるまでを描くドライな映画だと思ったら、昔の日本風の湿っぽい映画なのね。「楢山節考」かと思った。こういうのホント苦手です。射殺犯の少年の話だと思っていたら、なぜか途中か乙羽信子物語となり、鬱々とした暗ーいトーンに。「乙羽信子の濡れ場とか誰得」などと思いながら、そして、この東北および北海道の寒村パートには清水紘治は出てこないだろう、と思いながらしかたなく見る。だってああいうところに生息してなさそうじゃないですか、清水さんって(笑)1時間20分まで見て、不安になり、先にクレジットを確かめる。「清水紘治」とあったのでしかたなく(笑)原田大二郎が海辺で校歌を歌うシーンまで戻って続きを見る。結局、清水さんの役は、原田大二郎パート新宿時代に登場する怪しいサングラスのやくざっぽい「望月さん」であった。原田大二郎と同棲している頭の弱そうな女性に難癖をつけて、慰謝料をむしりとっていました。ロン毛でサングラスで関西弁で、怪しいことこのうえありませんでした(笑)

「病院坂の首縊りの家」
市川崑の映画の中には幾つかとても好きな作品があります(一番好きなのは「細雪」)。「病院坂・・・」は後味が最高に悪いので、ちょっと・・・という気がしますが、清水さんが出てますから(笑)また途中で殺されてるとか思っていたが、最近見なおしたら、殺されかけているだけでした(ひどい認識違いです)。役は3代続いた写真館の若主人役。前時代的な正装姿で仕事をするのが、ヒッピーみたいな若い助手(草刈正雄)に不評。親父さんは結構野心家。父親のいる清水紘治というのは珍しい気がする。あ、尼子国久は緒形拳がお父さんだったんだ(笑)、そういえば。

「曼荼羅」(未見)
「『悪徳の栄え』とこれと一緒に借りれば実相寺マニアを装えるではないか!」と手に取ったが、ジャケットにある「前衛ポルノ」という言葉に二、三歩後ずさり、そのまま棚にそっと戻してきてしまった一品。これとか「暗室」、「マイ・ブルー・ヘヴン」あたりに手を出しかねているあたり、ワタクシもまだまだと言えましょう。でも「マイ・ブルー・ヘヴン」なんて「本物」ですよ、言えやしない、言えやしないよ。クックック。清水紘治のためにAV借りたなんて、誰にも言えやしない。

「野蛮人のように」
  基本的に柴田恭兵ファンか薬師丸ひろこファンのための映画なんでしょうね、当たり前だが。こんなのまで借りるなよ、と少し思いましたけど、私も。ヤクザもこの方がよくやる役の一つ。役がかっこいい、というより、冒頭の組長を射殺して、柴田恭兵を呼びつけておいてから自分の腕を撃ち抜くシーンがとても好きです(笑) 後はなぁ・・・ラスト近くの海岸のシーンとか。薬師丸ひろこの派手な発砲シーンの後、立ち上がって膝の砂払って、微かにニヤッって笑うところがかっこいー!(…何がだよ)
   しかし一時期のTSUTAYAで借りたものリストを見ると、私はどう見ても柴田恭兵ファン薬師丸ひろこファンだ。

「宵闇せまれば」
  実相寺監督の(劇場用)映画監督デビュー作。講義をさぼってアパートの一室でだらだらと暇つぶしをしている学生4人(サミー、ヤナ、マサアキ、紅一点のジュン)。ジュンがお茶を入れようとしたところ、ガスコンロのホースが抜ける。「そのままにしておいて、誰が最後まで残れるか試してみないか」と笑顔で提案するヤナ(これが清水さん)。よし、乗った、というわけでせっかくだから金を賭けよう、と300円ばかり賭けて4人のゲームが始まる。私があらすじを読んで予想していたよりもえらく軽い感じで始まるのですね、理屈上は死の危険があっても誰もそんな危険なところまで頑張るはずがない、という大前提で始まるゲームに見えます。しかし、ああいう我慢較べをするなら、頭の高さを同じにしないと不公平じゃないだろうか。
  しごく観念的かつ実験的な映画で、密室劇に実相寺監督特有の執拗なカメラワーク、息苦しいぐらいの緊張感で話が進んでいくのは見ごたえがある。ただ素直に感想を述べると最後にジュンがとった行動にはイライラさせられた。男性はこういう感想を持たないだろうから敢えて書きますが、男の中に女が一人でちやほやされて甘やかされてるから、ああいう気違いになるんですよ。
  以下、清水さんの演技感想。1969年時点で、私から見て「すごく清水紘治っぽい」演技というのが確立されているのがちょっと意外。もちろん全編それではないんですけれども、ところどころで「んー、清水紘治だわー」と思わせる台詞まわしが出てきてそれが面白かった。1971年の「春の坂道」や1973年の「アイフル大作戦」と比較すると意外かな、と。でも役は清水紘治的ではなかったですね。4人の中で一番軽くてお喋りで、一番笑顔が多い役でした(←注目しているところがおかしい)。ゲームを始めてからは、他の三人が多かれ少なかれ口元を覆う仕草を見せるのに対して、清水さんだけは全くそういうそぶりを見せないのが印象的。ゲームの言いだしっぺのくせにあっけらかんと「廊下にいるよー」と最初に出て行くヤナはちょっと可愛いと思う(笑)←こういうところが清水紘治的でないところ。70年代の刑事ドラマにしきりに犯人役で出ていた頃の清水紘治だと、自分が言い出したゲームで最後まで頑張って、しかも死んじゃいそう(笑)「おーい、死んじまうぞー」とか「大丈夫ですかー」とか外から声をかけるのも可愛い。最後、ガス栓を締めて「おかげで助かった」と笑顔を見せたのも可愛かった。ようするに全般に可愛い気味だったんですよ、清水さんは(え、そうなの)。俳優座の養成所で勝手に吉田日出子さんのお弁当を食べて、えへへとか笑っていた頃の清水さんはヤナのような可愛い系だったのであろうと推察(笑)

「レディ・ジョーカー」
  清水さんが出演と聞いて原作を読んでみましたが、ものすごく面白かったです。しかし、あれだけの長さの小説を2時間にすると本当に上っ面をなぞるだけのものになってしまうんだなぁ。新聞社側と検察側の話をすっぱり切って尚これか、厳しいわ。イメージビデオという意味では悪い出来ではなかったと思います。特に半田役の吉川晃司とヨウちゃん役の加藤晴彦がよかったです。吉川のへらへらと笑うだけで、半田の屈折を表す演技は大変よかったのではないかと。他の人もよかった、合田と物井のキャスト以外は(←いや、そこ一番大事なところ)。合田は本当にいるだけだったなぁ、何もしてないし、新卒デカって感じだったし。合田より國村隼のほうが目立ってたじゃん(笑)物井の渡哲也は完全なるミスキャストでしょう。城山社長役をオファーされて「物井をやりたい」という渡の要望が結局通ったという話。城山役としても完全なるミスキャストだと思いますが。あと辰巳琢郎の役はもっと見るからにボンクラな人だと思ってました。名前がわからんのですが、捜査一課長の人すっげー萌え(笑)長塚京三の城山社長は微妙に違う気がしました。
  原作を読んで副社長二人のキャスト(岸部一徳、清水紘治)に「完璧だ!」と叫んだのですが、実際見てみるとエピソードなど殆どなく、ただのおじさん二人になっていました。でも原作の倉田副社長を清水さんで想像すると鼻血出ます、完璧に。永年、総会屋対策の矢面に立ち続けて、挙句総会屋の黒幕に「土下座した自分を、悔やんでも悔やみ切れない」と吐露する倉田副社長の屈折というのはね、すごい清水さんぽいと思うのです。岸部一徳はもっとユーモラスで飄々としていてもよかったと思いますが。妙に底意地が悪そうで、社長と対立ムードだったのは何故なんでしょう。白井は城山にああいう態度は取らないと思うけど。社長の弟が自殺した時も、清水さんだけ駆けつけていたり(ここの演技が超絶素敵)、社長が脅迫された時の真情を吐露するのも清水さんだったり、日之出のトップが、城山−倉田vs白井という感じに見えるのは何か違うと思います。いや、実際の構図としてはそうですが、見るからにそういう態度を取る白井というのはちょっと違うと思う。
  鑑賞3回目。あくまで原作ファンの感想。あの原作を2時間にまとめるのだから、話が歯抜けになって意味不明なのはしかたない。そこを差し引いても脇にいい役者(かつ原作のイメージにあった役者)を揃えているわりに全体の印象がダメダメなのは、犯人、警察、日之出ビール、三陣営のそれぞれのメインがことごとくミスキャストなのが大きいと思う。この三人のキャストがもっとよければ、雰囲気だけはあったのでイメージビデオとしては成立したのに。警察サイドのメインが國村隼にしか見えない、というのはこの映画の笑いどころのひとつだと思います。演技力の差って酷いですね。あとの二人は演技力不足ではなく単なる配置ミス。裏事情を鑑みれば物井は致し方ないとしても、玉突きで城山社長までミスキャストになってしまったのは残念です。どうして社長役に長塚をもってきたのかなぁ…。長塚の演技が悪いとはいわないが社長役には貫禄不足。社長室でも重役会議でも一番偉い人には見えない。特に副社長二人とのバランスがよくない。2004年時点で常務より下のイメージのない二人(岸部一徳は知りませんが、清水さんは社長役が殆どだと思う)に挟まれると絵ヅラ的に微妙すぎる。ところで、どうして映画の白井さんはあんなに意地悪そうなんだろう。どういう解釈なの、あれは。
  というわけで、完全におじさん鑑賞に徹するべき映画でした。その証拠に3回目なのに各シーンを全然覚えてないという体たらく。日之出のシーンすらあやふや…。病院で倉田さんが報道陣を睨みつけるシーンがあったと思っていたけど気のせいだったとか(笑)みどころ、清水さんの立ち姿。社長室にわらわらとおじさん達がいるシーンとか見とれました(笑)「影武者」でも同じことを思ったのですが、無造作に大人数が立っている場面で「抜けた」感の漂う立ち姿です。……素敵だ。

「レディ!レディ!」
  スカシて気障な台詞を吐きまくる清水様がかっこよすぎ。あの中の一つを耳元でぼそっとやられたら、私は爆死です。桃井かおりとわけありのあやしい男。役名がわからないので、私は勝手に「ビリヤード男」と呼んでいます(笑)ちなみに、私は男の人がビリヤードをする姿が好きですが、それがこの映画を見てからか、それともその前からだったのか判然としないんですよね。
  役名がわかりました。「雲井雄介」だそうです。20年ぶりくらいに謎が解けました! というか、脚本とか見たら書いてあるんでしょうけれども(笑)

 

  OV

「影の交渉人3 ナニワ人情列伝 法廷への階段」
  元検事の交渉人、城崎竜二が主人公のシリーズ物ですが、何を「交渉」してるんだろう?(笑)やっていることは素人探偵モノと変わらないような気がするのですが。部下が元犯罪者集団というのが新しいんだろうな。冒頭の「前回までのあらすじ」が長くてびっくり。竹内力がすごいゴツくなっていて、もっとびっくり。どこの安岡力也かと思った(笑)裏社会モノというのかしら、こういうジャンル。ちょっと……辛かったです(笑)金融物・裏社会物よりは、ヤクザ物のほうがいいかもという新たな自分を発見。
  清水さんの役は「元議員秘書で今は関西建設業界の談合を取り仕切っている黒幕」と非常に説明的なセリフで紹介されていました。まぁ、最近の清水さんらしい役ですね。関西弁はちょっと珍しいですか。ラスト、再三の手を引けという忠告にも係わらず、過去の汚職事件を逮捕にまでもっていった城崎に電話をかけて「君の行く先を見届けたくなったんや」とか言ってました。梅沢富美男と串カツ屋で話したり、竹内力を通天閣に呼び出して話した後、部下に「せっかくだから土手焼きでも食べて帰るか」と言ったり、食べ物がらみが多かったのが珍しかったです。

「最後の馬券師U」
  さるお方がこちらで私に名指しで薦めて下さっている作品(本当は違うのかもしれないが、実質は同じことだと思ふ)。しかし私は競馬のことをよく知らないのであった。そもそも私は「馬券師」という職業を誤解していたようだ(というかそんな職業は知らないが)。私は競馬の予想をして、それを売って金を取る人を馬券師というのかと思ったのだが、この映画を見ていると競馬で食っている人を馬券師というらしい。Vシネマの若人達はなぜ誰も彼も能天気でおバカなのか?そしてVシネマのおっさんたちはなぜ誰も彼もやさぐれているのか?などという疑問を抱きつつ、慣れない競馬物を見るワタクシである。愛だなぁ、愛!(笑)

「新・第三の極道V 裏盃の逆襲」
   このシリーズは関西ヤクザ物なんですね。……清水さんの関西弁、超怖くないですか。関西弁というか、マジ物ヤクザ演技が怖いのだと思いますが。昔よくやっていた時代劇の悪役みたいな怖さと全然違う、普通に迫力で押す感じの怖さというか。普通の映画やドラマでよくヤクザ役を演じている清水さんですが、こういうヤクザ物のヤクザはテンションが違うので、迫力出さないと偉い人役も務まらないということでしょうか。同じ「怖さ」でも色々と引き出しがあるのは役者としての幅の広さだと思います。というか、清水さんは昔の時代劇の悪役みたいなキレた演技ばっかり評価されすぎだと思う。もっとも、私もああいう役が「清水紘治っぽい」と思っているあたり同罪なんですけど(笑)ちなみに世界観としては「ここはヨハネスブルクですか」と言いたくなる殺伐加減。貴重な女性キャラが手榴弾のピン抜いて自爆とかありえん(爆笑)ヤクザだけなく警察も柄が悪く、テンションが高い。大阪府警は訴えてもいいレベル(笑)
   清水さんは「カシラ」とか呼ばれていました。ヤクザ物には疎いわたくしですが、カシラというのは若頭のことだというのは知っているのです、凄いでしょう(笑)もっとも組織の実質No.2だというのは調べてわかったのですけれど。実は録画に失敗して後ろが切れて、おじいちゃん殺し屋の落ちがわかりませんでした。まさか全て解決して最後に清水さん出てくるとかないですよね。

「新・第三の極道VI マフィアの戦慄」
   ミスター服部は「紫の薔薇の人」でした、という話(違う)Part5では清水さんの若頭が怖すぎてびびってしまいましたが、今回は普通気味。発作を起こしてあとは病人モードでしたから。しかしあんなに心臓が弱かったらもうヤクザ稼業とかやっていけない気がするのですが、この後もシリーズに出続けているところをみると、完治したのでしょうか。……狭心症が。「カシラが死んだらワレも殺すぞ」と無体を言う正木さんが怖くてスーパードクターが奇跡を起こしてくれたとしか。入院中なのに映るたびに違う色のガウンを着ている若頭がお洒落すぎて笑う。というか、清水さんのパジャマ姿とか珍しすぎる(笑)
   このシリーズはあれですか、ヒロインポジションぽい女性がひどい目にあう→裏杯仲間になる→次回作で殺される(or死ぬ)というのがお約束なんですか。石原良純の「ですます」口調のインテリヤクザはそれなりだったと思います。正木の部下の整形外科医かわいい(笑)

「新・第三の極道VII 血の裏杯」
   5,6,7,8と見てきたこのシリーズ、順不同で見ていたのでこれが最後になってしまいました。「銀と金 地獄の裏麻雀」を見た時には「何じゃこりゃあ!」と思った中条きよしですがこのシリーズでは普通にかっこいいですね。しかしヤクザ物に慣れていないのでそろそろ辛いです……。4本みて一番面白かったのはやはり若頭が撃たれる回ですかね(笑)わたくしが恵比寿のTSUTAYAを根城にしていた頃、このシリーズのどれかのジャケ裏にビリヤードしてる清水さんの写真があって「絶対これ見なくちゃね」と思っていたのですが、どうせ全部見るつもりだったので、シリーズの何巻だったか覚えていません。今はレンタルもオンラインなのでジャケ写とかは確かめられません(笑)まぁいいです。オールバック清水さん好きなので、頑張って全部見ます。
   このシリーズの清水さんは、奇数回ではちょっと出てきて凄む。偶数回では瀕死になるというルールがあるわけではないでしょうね?(笑)今回は冒頭の法要(にかこつけたその筋の集会かもしれず)で、正木さんと坊主組長が喧嘩上等で凄み合うのを一喝する役。二人がやりあっているのを黙って聞いている間の目を閉じた顔と佇まいが素敵でしたよ、ええ。

「新・第三の極道 腐敗官僚VS裏盃の軍団」
   なんかね、ヤクザ物で偉い人やってる清水さんって、襲われたり撃たれたりばっかりじゃないですか?というのはともかく。今回のみどころ。襲撃されて「何じゃ、おんどれ!」と凄もうとして、部下に引き倒されるようにして伏せるところ。エレベーターの中から出てきた襲撃犯に撃たれて、その後そいつをボコるところ。そうですよね「なすすべもなく撃たれました」ではカシラの面子が立つまい。久々に(?)清水さんのアクションシーン(?)を見ました。撃たれた時の動きがすごい清水さんっぽかった(笑)で、最大の見どころは、大暴れの結果、前髪が乱れてるところ!(爆笑)清水さんの前髪が乱れているシーンが好きすぎる自分に失笑です。毎回「心臓止まる…!」とか「……鼻血出そう」とか思っています。馬鹿すぎます。これまで見た「新・第三の極道」3本のうち2本で瀕死になっている清水さんですが、次回はまた何事もなかったような顔で復活しているのでしょうか。

「新・第三の極道 IX 裏盃 流血の掟」
「新・第三の極道 X 弔いの銃弾」

   Part5から2本ずつ組で見てきた「新・第三の極道」シリーズですが(だってスカパーがそういう放送の仕方するから)、「弔いの銃弾」の落ちがショック過ぎて「流血の掟」のストーリーが吹っ飛んだので2本まとめて感想書きます。それに奇数回はちょっと出てきて凄む回なので。えーと確か、2回とも幹部会(?)だったと思います(←すごいいい加減だな、おい)。しかし、服部さん(若頭)って正木を庇いすぎて絶対一部の反感買ってるよなぁ、と思うわたくし。冒頭の幹部会の正木の関西弁がすごい下品だったのは、岸部組の人に喧嘩を売っていたからなんですかね?
   清水さん演じる若頭は、二回に一回は瀕死になっているので(笑)今回も瀕死になる回だと思っていたら、なんと10作目にして死んでしまいました。メインの役だと思っていたのにすごいショックです。でも確かに11以降シリーズが続いているのに清水さん出てないんですよね。あのポジションの役で出なくなるってことは死んじゃうのかしらとは薄々思っていたのですが…。というか寧ろ、あんな死に方しちゃうの、というほうがショック。あんな三下の電話でろくに部下も連れずに出かけて、つかまってXXXなんて、不覚を取ったとしかいいようがないというのが、ちょっと悔しいんですけれども(笑)服部さんてその程度の人なのかよ、というがっかり感が。しかし、同じかそれ以上の醜態を晒している正木はあんなに簡単に復活しているのに……。主人公補正がかかっていない若頭は復活できないのか。いつも瀕死になっても次回そ知らぬ顔で復活しているのになぁ。若頭は「こんなザマ晒して生きていけるか」と言って自殺するのかと思ったら違いました。まぁ、ほぼ同じなんですけど。正木の「わしが守りまんがな!」にはうっかり萌えた。シリーズ最高に萌えた(笑)それにしても、あの後、正木は藤堂組の人にどう説明するんだろう。若頭を助けに行ったけど、助けられませんでした。でも仇は俺が取りましたって言うの?
   シリーズ最後だからか、いつもスーツ姿の若頭が(いや、ガウンとかあったけどー)、和服やらノーネクタイのシャツ姿やら披露して下さいました。とテンションを上げてみようと思いましたがやっぱり無理。でも最後のネクタイずるずるのシャツ姿の腰が細くてちょっとテンション上がったのは内緒です。6作も見てきたので、「そうかー、私、もうこのシリーズ見なくていいんだなぁ」と感慨にふけってしまいました。いや、1から4までは見ますが。なんか、最後死んじゃうってわかるとテンション下がるなぁ。やっぱり順番にみればよかったです。

「XX 美しき狩人」
  ・・・ついに借りてしまいました、初のH系Vシネマ。ヤクザ系のも沢山あるのですが、これを借りたのは、ある方から話を伺ってわりといい役が振られていることを知っていたからです。役、いい役ですねぇ、表の顔は盲目の神父、その実、暗殺請負集団の総元締め。おまけに主人公の「殺人兵器」紫苑を育てた男!紫苑ちゃんとすぐHぽい雰囲気になるのがなんか・・・。「雰囲気になる」だけで別にするわけではないところがポイントなのですが(笑) このまましちゃうのか?!というシーンが一度あったのですが、いきなりワルツ踊っちゃうんです、ここで。素敵っ♪ なぜワルツ。そして何故「美しく青きドナウ」(笑)
  盲目の役なので、清水さんは普段は目を閉じています。サングラス越しに透ける目も素敵なんですが、目を閉じている時に、彫りの深い清水さんの顔の目許にできる陰影がすごく綺麗で、私としては煩悩をかきたてられるショットなのでした(笑) ラストはやはりナイフ!清水さんはやはり拳銃とかじゃなくてナイフですね、どうも。香水の匂いで紫苑ちゃんに居場所がわかって撃たれてしまう清水さんですが、確かに香水とかコロンとかつけてそうな感じはする。
  と、このように、清水さんだけに注目してみるとかなり面白かったのですが、全体としてはどうなんでしょうねぇ。脇の人とかセリフかなり棒読みだし(笑) ジャケットであおってあるほどHじゃないし。・・・普通の人は何を期待して見るのだろうか、これ。謎だ。

「難波金融伝 ミナミの帝王18 騙しの方程式」
  なつかしいにおいがする 撃ち殺される男のにおい 殴られる女のにおい 脅される老人のにおい ヤクザのにおい Vシネのにおい
というわけで久々にVシネだ─────!(笑)しかもわたくしの一番苦手な金融物でございます。じゃあ、麻雀物は得意なのか、とか競馬物はイケるのかとか、ヤクザ物は好物か、とか言われると困るんですけれども。あいかわらずVシネの竹内力を見ると驚愕する。竹内力って「101回目のプロポーズ」しか知らなかったし(爆笑)レコーダーが勝手に録画してくれたんですが、確認するまで完全に「影の交渉人3 ナニワ人情列伝 法廷への階段」と混同してました。清水さんは大手サラ金(でも一代でなりあがり)のクロベ社長。ようするに阿漕なことをやって主人公にやっつけられる悪役ですな。

「本気!2」
  まだチンピラっぽい風情のマジさんが可愛いシリーズ第一弾(2とありますが序章を入れて全30作ということはこれが第1作……のはず)。平河内さんとマジさんの出会い編はないんですか。どうしてマジがあんなに組長好き好きなのか知りたかったのに。4以降と違うところ。平河内組長がタバコをシガレットホルダーで吸っているところ。そういう設定は安易に変えないで欲しいなぁ。渚組の事務所がダークカラーが基調で色々とデコラティブ(笑)3以降はもっと白っぽい部屋だったし、飾り物も減っていたはず。ゲスト敵ボスは中尾彬。小物感溢れる大物演技がいかす(笑)風の総長の「ですます」口調が素敵。染谷さん(本田博太郎)、おっちゃんに見せた優しさがかっこいいぜ、こんちくしょう。いい役者だなぁ。
  一挙放送でこうして見ると、さらっと演じわけていますがシリーズ前半・現役時代と後半・伊豆療養モードの清水さんの演技の違いというのは見どころだと思います。19のように両方が混在していてもスイッチが入ったみたいに切り替わるところも含めて。

「本気!3」
  マジと赤目さんの出会い編。幹部候補生ということで風組に行儀見習いに出されるマジさん。冒頭ですねてるのがかわいいよ(爆笑)今でこそマジの後見人ムードな赤目さんですが、赤目組で預かったマジをしごく今回はすごいスパルタ。スパルタというか序盤、悪役かという勢い。というわけで、結局、20→4→19→5→30→2→3→6→序章 という順番でこのシリーズを見たわけですが(最低だ)今回は平河内さんがいかに甘々な組長であるかを実感させる回でした(笑)本当に甘いですよね、平河内組長は。しかし、誰かに較べて甘々な清水さんてどうなの(笑)その赤目さんもラストは「あー、またマジに『お父さん』が増えちゃったよ」という展開です。じゃあ、平河内さんはお母さんでいいよ、もう(爆笑)シリーズ序盤は赤目さんと平河内さんのヤクザ訛り(?)が激しいな。
  今回のみどころ。「でも…俺は生涯、おやっさんの子分ですから!」と組長好き好きビームを発するマジさんに「わかってるよ……早く行け」と返す組長、その後「いつまでもガキの気分の抜けねぇ野郎だ」と肩を揺らして笑うところ。シブい、素敵。先代組長の7回忌、総長のお供で渚に来たマジの胸をどつく時の嬉しそうな顔。あとは染谷さんがツンデレでかっこよすぎて卑怯だと思いました。

「本気!4 抗争編」
  渚組組長の平河内役。主人公を見込んでる組のトップということで、ポジションとしては「第三の極道」と同じですな。服部さんは若頭だけど組長はほぼ出てこないのだから。平河内のほうがなんか「お父さん」っぽいですけどね(笑)やっぱり現役時代の平河内組長はかっこいいなぁ!(←引退ムードの骨肉編から入った者の戯言)マジの組長好き好きビームは骨肉編のほうがすごかったです。しかし「第三の極道」でも書きましたが、ヤクザの偉い人やってる清水さんは撃たれてばっかりだなぁ。
  主人公、本気(マジ)の属する渚組と、渚組の上部組織の系列から離れた集優会の抗争がメインの「抗争編」。ほのぼの系ヤクザのマジさんは、「堅気さんに迷惑かけるな」「渚の町を守ることを考えろ」と我慢に我慢を重ねるが、最後には卑怯な相手にブチ切れて殴りこみ。これがこのシリーズのお約束です。お互い相手に手を出させようとチンピラクラスで挑発しあってチキンレース、ヤクザの抗争というのはこんなことをしているのだろうか?(そんなわけはない)すごい勢いで人が死ぬし、ものすごく殺伐としているのですが根が人情物というかウェットなのが、なんとなく「ほのぼの」と思わせる所以。しかし、拳銃の撃ち合いより殴り合いのほうが何となくイヤな私は「第三の極道」より「本気!」のほうがちょっと苦手だったりします。
  「静かなるドン リターンズ」で清水さんの部下の青龍さんだった人が、渚組の暴れ者の理事長でまた部下役を演じていました。ヤクザ系って結構出演者かぶってますよね…。最初はマジを敵視して暴れまくっていたのですが、マジが身を挺して集優会の狙撃から守ったことを知ってあっさり改心するあたり、意外にいい人です。「本気!」は基本的にほのぼのヤクザ物なので(笑)今回一番黒かった人は集優会幹部の長谷川初範(この人なんか好き、構いたくなる(笑))、葉巻がトレードマーク。「尾藤」らしいのですが、何度聞いても「ヴィトー」と呼ばれているように聞こえて笑ってしまう(笑)「浅羽ぁー、よくやった!」と手を広げて満面の笑みを見せたのが長谷川のベストショット。惚れてまうやろ(爆笑)まぁ、その後その部下を始末するんですけどね!このシーンが大好き(笑)
  清水さんはかっこいいシーンばかりだったので全てがベストショット!箱の底を弾いて煙草を取り出すシーンすらかっこいいです…。(←馬鹿)清水さんのスーツ姿と白衣のかっこよさは鉄板。

「本気!5 死闘篇」
  別名、平河内組長どん底編(笑)ここからマジに跡目を譲りたい組長と「それは筋が違います、なんで俺みたいな若造が…」なマジのやりとりが延々くりかえされるわけだ。完結まで(笑)しかし平河内さんが撃たれたのは胸だったと思うのだが、下半身不随はともかく脳の障害というのはどういうことなのか。というか、この状態から結局復帰してしまう平河内さんの身体は一体どうなっているのであろうか。
  今回のみどころ。あいかわらずいい親分な感じでマジさんと思い出話をしたりするシーンと、記憶が過去に飛んですっごいヤバげに錯乱するシーンの落差(笑)入院中の組長がこっそりタバコを吸いたがるシーンはすごい可愛かったと思います。「第三の極道」でもなかったっけ、こういうシーン。というか、ヤクザ映画の清水さん入院しすぎ(笑)

「本気!6 烈火篇」
  引退した平河内さんがいつ出てくるのか心配しながら見ました。このまま出てこないんじゃないかしら、とかね。…………申し訳にワンシーン出すなら、いっそ出さないほうが構成上きれいだったと思います。赤目さんに伝言でもさせればいいじゃん。御子神が人相の悪い徳永二男にしか見えない。大杉漣が若くてびっくりした。すぐニヤニヤするインテリヤクザで可愛かったです。肉弾戦は苦手そうなので最後は絶対拳銃だと思ったのに、いきなりドスを出してくる漣ちゃんに驚き。まあ、あんまりアクションシーンではありませんでしたが。子組の子分3人のひゃっほうな感じの殴り込みが楽しそうでいかす。特に新二君(笑)そういえば忘木さんて結構好きだったんですけどいなくなっちゃいました?このシリーズはすぐ人がフェードアウトするから困る。

「本気!19 郷愁編」
  悪役にエンケンこと遠藤憲一を迎えて絶好調のシリーズ19作目。しかし、出ている役者のファン以外で「本気!」シリーズを10何本も20何本も見る人ってどういう人なんだろう……。いや、今回もエンケンとかヒットマン氏とか確かにいいですよ?いいんですけど…このシリーズってなんというか、こう……展開がいつも同じなんですもん(ボソ)悪役にいい役者をもってきて陳腐になるのを避けてはいますが、シリーズ通しで見ている人ってどういう人なのか若干疑問だわ。
  「オヤジはもう車椅子なしでは歩けねぇんだ…」とか言われていたわりに、意外にあっさり復活する平河内さんすげー(笑)しかしながら「気分はもう引退」な組長は、後はもうマジに任せる、渚の町には戻らない、の一点張りです。ことほど左様に組長のマジさんへの信頼は厚いのですが、でも結局、組の中では納得しない人がいるわけで、だったら皆が納得する実績ができるまで地ならしをするのも組長の役目なんじゃないかなぁと思わないでもないです。まぁ、話のパターン上、もめないと話にならないというのはわかりますが。
  萌えたところ、迫水さん(エンケン)の「恐いのは赤目でもマジでもねぇ、平河内のオヤジなんだよ。殺るんだったらオヤジからだ…」(笑)今回は一瞬だけ組長の現役復帰モードがあったのですが、エンケンが「風の草書(←どういう字なのか調べた(笑))様々だな」と吐き捨てて手を引くんですよ。でも草書云々ではなくて、結局、平河内に「俺の言うことが聞けんのか!」と言われたら逆らえないんだねー、と思うと萌え(笑)いや、一応組長至上主義で見ていますから(笑)

「本気!20 骨肉編」
  実を言うと清水さんは2-6,19と出演しているので2から見るのが筋なのですが、守峰様の熱烈お奨めを受けましていきなり20作目を見てみました。ヤクザ映画ってなんか独特で、慣れないと見るのが難しいですね。特に人があんまり死ぬので驚きました。平均したら20分に一度ぐらい?横溝作品以上です。あとラストの対決が日本刀(!)だったのには驚愕です。「骨肉編」ということで組同士の抗争ではなく身内内の抗争なわけですが、大ボスも中ボスもよい役者さんでストーリーが薄っぺらにならなかったのがよい感じでした。
  清水さんの役は当然ヤクザです、勿論組長です。ここまでは珍しくありません。しかし、このシリーズの清水さんは愛されまくりなのです。主人公のマジは「おやっさんが」「おやっさんが」と組長ラブラブだし(違)今作のヒロイン(?)歩ちゃんも「平河内のお父さん」とか言って仔犬みたいになついていてすごい可愛いんです!女の子といい雰囲気で腕組んで歩く清水紘治なんて眼福眼福・・・といいますか、むしろ「うわー生きててよかった!」(笑) 「かっこいい」清水紘治というのは何度も見ているんですが、得てして幸せではない。今回の平河内組長はみんなに愛されているだけではなく、その周りの人達への愛情を感じさせる静かで柔らかい表情が非常に印象的でした。ところで組長が目下の者にお茶を入れてやる、というシーンは「三匹の竜2」でも見ましたが、どうしてあんなにかわいいんでしょうかね(笑)

「本気!序章」
  どうして20まで話を進めて突如「序章」が作られたのか、すごい謎。まぁ、私としては平河内代行が組長になる過程、が舞台だったので面白かったです。アプコンだったらしく画像がすごく汚かった……清水さんの出番多かったのに悲しい。渚組に入ったばかりのマジのチンピラっぽさというか、お馬鹿なお兄ちゃん要素を残した風情を石橋保が演じていたのがよかったです。指を詰めようとしてうまくいかず「病院に連れていけ」と言われての「俺、まだ途中なんすけど!」とかね。「帯広で拾ってきた」という台詞があっただけで代行の平河内とマジの出会い編というのは結局描写されなかったのは残念。骨肉編の歩ちゃんもそうですが、少年少女(?)をつい拾って懐かれてしまう清水さんとか萌え過ぎるんですが。
 完結編で赤目さんが暗躍していたのは平河内さんをどうしても組に戻したいからだったのねーと実感できる回。総長に「相変わらず欲がない」と言われる、何となく控えめというか謙虚というか、押しの強いところのない平河内代行にやきもきして「お前そんなんじゃダメだろ。俺に任せとけ」とばかりに出張ってくる赤目さんが笑える。本編でマジを助けるように、今回は平河内のために動きまくる赤目さん。「おめえに人徳がないとは言わせねぇ」とか、総長の前で菊池組の言い分を通そうとする小谷を怒鳴りつけたりとか、赤目さんが平河内さんをこんなに好き好きとは知らなかった(笑)ストーカーのごとくマジを助けて歩いているのも、もちろん預かって以降は本人も目をかけているのでしょうけれど、「陰ながら俺も手助けするぜ」というところに端を発しているわけね(これは後付けっぽいですが)。
 今回の見どころ。総長がマジを見込んでいる→若死にしなきゃ大物になるだろう→輝きのある者は若死にしがちだがな、という流れで「マジは俺がそうはさせねえ」という平河内に「陰ながら俺も手助けするぜ」という赤目さん。そんな赤目さんに感謝の意を込めてグラスを掲げるシーンの雰囲気が素敵でした。菊池組に狙撃された時に自分を庇って撃たれた部下を気遣う平河内組長萌え。
 今回の悪役、吉川元春こと小谷さん(松重豊)の眉間に皺寄せた演技が…不満顔の三白眼が…(笑)アクション派かと思ったのですが、最後は拳銃。どうも最後の対決の武器は読めないなぁ。山形の兄貴の役者さんは味のあるいい演技をする人ですね。あと市川病院の先生が相変わらずツンデレ。
 めでたく清水さん出演分を全て見終わったのでシリーズまとめ。ストーリーがよかったのは郷愁編(19)か骨肉編(20)かなぁ。集優会や序章の小谷のように一方的に悪くて憎たらしいだけの悪役よりも、悪役側にもそれなりの思いがある展開のほうが好きです。といいつつマイフェイバリット悪役は一方的に悪な抗争篇の長谷川初範(笑)平河内襲撃の指示を出した張本人なのに尾藤さんをこよなく愛すわたくし。次点、骨肉編の須藤正裕。本田博太郎は素敵でしたが、染谷は悪役じゃなくて「おいしい枠」の人なので除外。マジの子分の新二君は表情に華があっていいと思います。あと別格は骨肉編の歩ちゃん。「平河内のお父さん」「平河内のお父さん」と組長好き好き過ぎる歩ちゃんが好きだ(笑)

「本気!30 望郷編」
  シリーズ完結編。或いは赤目さん暗躍編(笑)今回すごい勢いで出張っていた赤目さん。平河内を組に戻したくて、マジと平河内さんにお互いの言い分を伝える時に微妙に捏造して煽っていたような気がするのだが、気のせいかしら。ところで赤目さんは素はシブめなのにサングラスをかけると何ゆえにチンピラっぽく見えてしまうのか。冒頭からマジさんの組長好き好きモード全開。平河内組長は愛されてるなぁ(笑)展開はいつもの展開、今回の悪役(組長の甥)は「静かなるドン」の沖田さんか?ラスト、身内を切る非情さを見せる組長がシブいです。平河内組長が復帰して完、という展開を全く予想していなかったので、いつ組長が殺されるかとドキドキしながら見ていました、最後まで(爆笑)こういうポジションで出てくると「殺されて退場」以外なさそうで心臓に悪いですわ。実際、服部さん(「新・第三の極道」)は死んでるしなぁ。結局、作品世界内の時系列で組長が撃たれてから復帰するまで、どのくらい経っているという設定なんだろうか…。
  引退モードの平河内組長のスタイルが、なぜかノーネクタイからアスコットタイになったのが萌え。清水さんはアスコットタイも似合うと思います。淺川教授とか!で、萌えるのですが、そういう設定はころころ変えないほうがいいと思いますよ。

  舞 台

「あらかじめ失われた恋人たちよ―劇篇 」
  岸田今日子、吉行和子共演というだけでも私としては大変興味深いところだが、清水紘治主演とあってはもはやどうにもなるまい。しかし、こういうのを見ていると、「あぁ、この人は舞台の人なんだなぁ」と思う。「Wの悲劇」の中の劇中劇ですら、舞台の似合う人なんだなぁ、と私は思ったのだが。
  これを見ていると、私の好きな清水さんというのは「すごくダメ」「すごく怖い」(これは色々な意味で)かどちらかのような気がします。今回の「男」はいい加減でダメそうなところとか、垣間見せる変に子供っぽいところがとてもキュートでした(爆) おにぎりをぽろぽろこぼしながら食べているのを岸田今日子に注意されて、ぶつぶつ言うシーンとかおいしかったです。

「雨のハムレット」(未見)
  俳優座→自由劇場 なだけあって清水さんは舞台によく出てらしたようです。観たかったなぁ、清水さんの舞台(最近はやってないみたいですが。もっとも最近というのは、私がファンになってから=ここ半年ぐらいという意味ですけれども(笑))しかも「雨のハムレット」は一人舞台。清水紘治の一人舞台なんてそんなオイシイことがあっていいのでしょうか。あぁ、どうして観に行かなかったんだ、私!ばかばかばか・・・って、しかたないか、私が清水紘治に構い出したのってこの(1987年)4,5年後なんだから。

「アンナ・カレーニナ」
  清水紘治が出演していたのでイヤイヤながら(笑)観に行きましたが、私は本当にこの話が嫌いです。何が嫌いかというと、「悩む不倫妻物」という文学的テーマがそもそも嫌い。中学生の時に原作を読んだ時にもヒロインの性格に苛つき腹立たしい思いをして、結局途中で読むのをやめたぐらいなので、清水さんが夫役だから云々ではなく、単にストーリー自体が嫌いということです。アンナとブロンスキーが社交界でつまはじきになるシーンまで読めば少しは溜飲が下がったでしょうに(笑)「クレーヴの奥方」とか「ドルジェル伯の舞踏会」とかオペラの「マリーノ・ファリエロ」(原作バイロン)とか、不倫妻物メロドラマというのはありがちなテーマですが、不愉快というか、いたたまれないというか、生理的な嫌悪感を抑えられません。特にこの手の話で一番いやなのは、夫が妻を許すという展開。もちろん「許せん、殺す!」とかいう夫では文学にならないので作者の都合上そうなるのはわかるのですが、納得がいきません。どうも、私の腹立ちポイントはいかに対外的に恥をかかされるか、ということらしいです。というわけで、カレーニンの台詞で一番印象に残った台詞は「名誉は汚させない。体面は守る」。これだけ書くとありきたりのようですが、あの状況でこの台詞というのが素敵なのです。というか、それが一番大事なことじゃないんですか、人間にとって。アンナが夫は恐ろしい、ひどい人だと繰り返しますが、そこが全然理解できません。そういえば、原作を読んだ時にもカレーニンに一番肩入れして読んでいたなぁ……。また、アンナはいつでも、誰に対しても「私は不幸」「私がどんなに不幸なのか、あなたにはわからない」と当り散らしますが、あまりにも自分勝手というか、このふるまいは正直いって精神病理学の範疇ではないかと思います。その証拠にカレーニンに対する態度もブロンスキーに対する態度も結局同じになっていくわけで、ただの被害妄想なんじゃありませんか?現代人にとってこの小説のテーマって何か意味があるんだろうか。全くもって普遍的なテーマではないと思うのですが。
 これだけではあんまりなので、舞台女優、栗原小巻の凄さを思い知った一瞬、について触れておきます。私は今回、完全に清水紘治を観に行ったので、舞台上で誰が何をしていようと、清水さんのカレーニンが舞台に立っている限りはそちらを見ています。例えば、照明から外れて暗がりに立っていても清水さんが舞台にいれば清水さんを見ていました。ですが、第二部が始まってしばらくしたところで栗原小巻の気違い演技狂乱の態があまりに凄かったので、一瞬清水さんから目を離してしまいました、一度だけ。栗原小巻、恐るべし。その後は気を引き締めて臨んだのでそういうことは起こりませんでしたが(笑)アンナという人は、私のイメージでは「ヴィヴィアン・リーが演じたらぴったりな女性」です。確か実際に演じていたはずですが、勿論映画を見る気は毛頭ありません。美人で、わがままで直情的で、感情でしか物事を考えられない、頭の芯から女性的な人。失礼ながら、栗原小巻さんでは気の強さが際立ち若干脆さに不足がある気がする。トゥベルスカヤの米倉紀之子、レーヴィンの加藤佳男が実に良い演技でありました。演技がよかったのか、キャストがよかったのかは私にはわかりませんが、実に役柄にはまっていました。舞台は一切幕を下ろさないで展開されたので、暗転での場面転換が大変そうだったのが印象に残りました。
 本題です。清水さんのカレーニンについて語りたいと思います。話の展開には苛々しっぱなしでしたが、テンションはすごくあがりました。だって清水さんかっこよかったんですもん(笑)清水さんのかっこよさであのストーリーを乗り切れるほどにかっこよかったです。…いや、本当はちょっと辛かったです(笑)プログラムのカレーニンに扮した清水さんの写真を見て最初に思ったこと。「……氏政様っぽい……?」(笑)氏政様というのは「江」ゲスト出演の北条のご隠居のことで、口髯と顎鬚が氏政様っぽいかなぁ、と。カレーニン役のルックスは大変素敵でした。私はどうも清水さんの髯が好きみたいです(笑)えー、素敵。かっこよすぎ。席がほぼ最前列だったので清水さんを間近で見られて眩暈がしそうでした。というか衣装も素敵。特に上着を脱いだベスト姿がものすごく素敵でした!(←落ち着け)今回、主に舞台に向かって左手で清水さんが演技をなさることが多かったのですが、ラッキーなことに私はその前あたりに席があたっていました。神様ありがとう!本当に幸せでした。今年の運を新年早々使い果たした感じです(笑)カーテンコールも清水さんがちょうど目の前でしたし。そういえば、カーテンコールがあっさり済んだのでちょっとびっくりしました。
 役者・清水紘治としては前半が見せ場という気は致しました。後半、あんな身勝手な女にあそこまで敢えて寛大さを示す必要はないんじゃないの、という思いも込めて(笑)やはりキリスト教徒ではない私には、頭では理解できても感覚的に納得がいかないのはこういうところ。冗談はさておき、後半との落差を見せるという意味でも、前半の演技は重要だったと思います。柄としても清水さんによく似合っていましたし。台詞まわしの素晴らしさも含めて痺れました。

「天井桟敷の人々」(未見)
  以前、「パントマイム:錦織一清」以外のキャストが知りたい、と書いたところ、役者:近藤正臣、悪党詩人:清水紘治、パトロン:江守徹です、と教えていただきました。多謝。おお、清水さん一番かっこいい役じゃん(激しく主観的見解)。いい面子だなぁ、観たかったなぁ。江守氏は演出も担当だそうです。

「秘密の花園」
 下北沢本多劇場の柿落とし公演だそうです。NHKで放映されたらしいが、ワタクシは当然見ていない(涙)。
  ようやく見ました。1982年、下北沢本多劇場のこけら落とし公演です。「ひたり込んで観るぞー」と意気込んで時間を取れそうな週末に見た訳ですが、正直に感想を述べると「……ごめん。すごい無理でした」。シュールなアングラぶりに戸惑い、日暮里へのノスタルジーも理解できず、全体を覆う何ともいえない湿っぽさも好きになれなければ、ブラームスの弦楽六重奏第1番も気に入らない。そもそもニューヨークまで行って、ホテルの部屋に引きこもって「日暮里の女」なんていうタイトルでこんなじめじめしたお芝居を書く人の作品を私が好きになれるわけがない。
  「秘密の花園」という作品における清水紘治が魅力的であることはよくわかる。この作品を成立させるには緑魔子という女優のエキセントリックさと柄本明の奇妙なキャラクターが必要であったこともわかる。でも私にわかるのはそこまでで、おそらくあとは何一つわからない。好きになれないのはともかく、「理解できない」のは屈辱だし、ドラマや映画はともかく舞台と言う分野で好きになれない作品があるというのは忸怩たるものがあるというか、いたたまれないというか、もはやそういうレベルの話ではなく、むしろ「ファンサイトとかもうやめるべき?」と思うくらい落ち込んだ。この敗北感は一体……。
  まぁ、やめるべきかと思ったけれどやめる気はないので(←日本語がおかしいぞ)「どうせ私はテレビと映画の清水紘治しか知らないダメなファンですよ」と開き直って続けていくしかありません。もともと70年代・80年代の舞台を見ていないというのは、私が清水紘治のファンになった当初から抱えている解消しようのない劣等感で、以前書いたことがありますが「雨のハムレット」や「天井桟敷の人々」を見られるならそれぞれ5年ずつ(何なら10年ずつでもいい)寿命を縮めても悔いはありませんが、何を言っても今更昔の舞台を見られることはないのですから、死ぬまでこの劣等感を抱えて生きていくしかありません。
  全然「秘密の花園」のことを書いていないので本題に戻ります。この劇のあらすじを書くことには意味はないと思うので、まずは感想を書くのに必要な人物配置だけ(笑)   主人公、アキヨシ(柄本明)は若いサラリーマン。日暮里のアパートの一室にすむ女、いちよ(緑魔子)のもとに2年間通いつめながら肉体関係をもつに至っていない。いちよの夫でアキヨシから金をせびって暮らしているらしい大貫(清水紘治)。アキヨシの姉・もろは(緑魔子二役)。謎の日暮里の殿。殿の甥のかじか。関西への転勤、縁談など様々な要因でいちよとの関係を続けていけなくなることに苦悩するアキヨシは……というような話ですが、この芝居のあらすじを書くことに意味があるのかというと全くありませんね(きっぱり)。考えてみると、湿っぽい純日本風の「夏と冬の奏鳴曲」(麻耶雄嵩)という気がしないでもない。全体を通してのわけのわからなさ、不条理さ、「あの話はどうなったんだよ」という話の欠片の放置ぶり、一人の男と同じ顔をした二人の女。つまり、私が「秘密の花園」を苦手な一番の理由は不条理よりも雰囲気なんでしょうね。
  主題はアキヨシといちよ・もろはの三角関係ですが、しょせんこれは恋愛なので私はあまりここには興味はなく、もっぱらアキヨシと大貫の奇妙な関係に惹かれます。これはおそらく清水紘治が大貫役を演じていたからという理由ではなく、本で読んでも他のキャストで見ても同じだったと思います。大貫はおそらく屈折した感情の末にアキヨシに好意を抱いており、秋吉はどちらかというとすっぽ抜けた無邪気さで大貫に好意を持っています。それを見てとれる描写はそこ此処に散見され、たとえば一幕でいちよは銭湯に行ってアキヨシにいい格好の菖蒲の葉を持ってこようと思ったのに、二軒も三軒も大貫が先回りして菖蒲の葉を全て持っていってしまった後だったと腹を立てますが、「どうしてそんなことをするんですか」とアキヨシに責められた大貫は「アキちゃん、僕はあらゆる子を犠牲にしてもあんたにいいのを渡したかったの」と妙な理屈をこねます。第二幕では、ボートの中でアキヨシが「こうしている間に僕はいつか、いちよさんと一緒になるのかもしれません」と言い(いちよは死んだんじゃないのかよ、と虚しく空を切る私の突っ込み)、大貫は間抜けなことに「そうですねえ」と返します。しばらく間抜けな問答が続くうち、アキヨシは自分は妾を一人持つような気がすると言い出し、「おかまの妾を、大貫さんによく似たおかまの妾を」持つような気がする、だからボートに上がってきて欲しかった、と言います。これはいちよと二人で暮らすことを想像したアキヨシが、大貫がいないのは寂しいから大貫に似た人を探してそばに置きたい、と言っているように聞こえます。さらに話が進んで、「ボートに乗って二人で云々」と、いちよだかもろはだかわからない女が言い出すと、わざわざアキヨシは「大貫さんもね」と割り込むのです。
  深読みすると姉と同じ顔のいちよと男と女として一対一で相対することをアキヨシは避けているのかもしれませんね。さらに言えば、いちよに夫がいることによって、いちよともろはを差別化しているというか、大貫という夫がいる限り、アキヨシの会っているいちよは姉のもろはではないと安心できる。だからこそ大貫はアキヨシにとって好もしい存在なのかもしれません。
  一方、大貫はアキヨシといちよをボートに乗せて、自分はそのへりにつかまらせてもらえればいい、と言いますが、それは裏を返せば「それでもいいからいちよの傍にいたい」ということだと考えられます。その大貫が最後にああいう行動を取った理由が私にはよくわかりません。わかりませんが、もう一度最初からこの芝居をみたら、一幕の男子校ノリではしゃいでいる大貫とアキヨシのシーンでは笑いながら悲しくなりそう。大貫の飄々としたおかしさと、その裏に隠した哀しさと、いちはへの愛情とアキヨシへの好意を思うと胸が痛くなると思います。いや、泣くのか笑うのかどっちよ?
  それにしても、清水さんが「あらかじめ失われた恋人たちよ―劇篇」(長い)の主人公みたいなしょうもない男の人で笑った。「お金を貢いでくれたお礼です」じゃないだろ!ニヒルの「ニ」の字もありゃしないんですよ。DVDのジャケ写を見て期待したような妖しげな役ではありませんでした。全然。82年の清水紘治っていったら、やさぐれててニヒルで最高にかっこよかったはずなのに、どうしてこんなにダメ男なんだ(笑)
  一番萌えたところ。第二幕で大貫が「わんわん、お願いします」と言うところ。うわぁ、何コレ。胸がときめいたわ。40歳ぐらいまでの清水さんには時々足蹴にしてやりたくなるような可愛さがあるので(おい)こんなことを言われると眩暈がします。最近の清水さんは偉そうなので足蹴にするどころではありませんが。そういえば、×××する前に清水さんが、スミレの花が何とかいう歌を歌っていましたが、あれは何の歌でしょうか。登場の時に担いできたレコードと同じ歌のようですが。
  主に第一幕で大筋と関係ない些細なやりとりで何度かくすっと笑わされたのはものすごく不本意です。「それ、何ですか。その一本」「やっぱりこれ、目立ってる?」「ダントツです」(←ここの柄本がおかしすぎる)「夕泣き丸っていうの」とか。

 そ の 他

青春アドベンチャー「アクアリウムの夜」
   なかなか面白く聴きました。もともとオカルト好きなので、こういう話は嫌いではありません。喫茶店のお姉さんと司書のお姉さんの話はあれっきりなのかよ、とか、終盤で謎の核心を突然べらべらしゃべりだすヒロインは主人公の夢だったのか、現実だったのか、現実だとしたらヒロインは何かにとり憑かれてでもいるのか、とか、謎がほとんど全て投げっぱなしで「え、これで終わっちゃうの?」という感が強いのですが、面白く聴きました。ラストにラジオドラマらしい仕込みをしているところもいいと思います。それにしてもラジオドラマというのは面白い。何が面白いかというと「声だけ」の演技を堪能できるところ。表情、身振り手振り無しにドラマを成立させるプロの技に感嘆。
   今回の見どころ、というか聴きどころ。見世物小屋の出し物をすごいハイテンションで仕切る清水さんとか、自伝の地の文をノリノリで語る清水さんとか。とにかく怪しさ爆発なところ(笑)

FMシアター「ありがとう」
   ドラマでは清水さんが絶対やらないような役でしたな。色々な意味で。ああいうもっそりとした演技というのは珍しいのでレア物ゲットな気分です。どうしても容貌によって演じる役に縛りがある実写物とは違って、ある意味ではラジオドラマには無限の可能性がある。ストーリーは第一段階落ちが予想通りだし、暗い。いい話かもしれませんが、清水紘治出演作でなければあえてこれを聴こうとは思わないかも。刑務官の娘の麦さんがパパ大好き過ぎて可愛い。大好きなパパを気に入って指名したというだけで三郎を好き好きになってしまいそうな麦さんが可愛すぎる。別に父親に萌えていなくても私のファザコン娘好きは発動するという意外な事実。

オペラ「金閣寺」(未聴)
   サントリー主催の「作曲家の個展 1982 黛敏郎」(1982年10月18日 東京文化会館公演)でオペラ「金閣寺」からの抜粋がコンサート形式で演奏(日本初演)され、その際の語りが清水紘治とのこと。初演なら録音されているのではないかと思ったのですが、残念ながらCDにはなっていないようです。NHKの「芸術劇場」で1983年2月6日に(おそらく一部と思われますが)放送されています(http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200998302060130059/) ここで検索して引っかかるということは、NHKアーカイブスに保存されているということであり、しかしながら保存されているからといって公開されているわけではありません。保存されていないよりは遥かにましだとは思いますが。……現音好きの人とか普通に録画保存しているような気もします。

朗読会 あなたのこころに vol.5「銀河鉄道の夜」
   私が昔読んだ「銀河鉄道の夜」はいわゆる第4版らしいのですが、今回はちくま文庫収録の第3版がベース(ラストは4版を持ってきているようです)、ということで、わたくしの知っている「銀河鉄道の夜」とはかなり乖離がありました。一粒で二度おいしいとはこのことです(?)。今回の朗読では、学校の授業と活版印刷工場のシーンがばっさりなくなって、ジョヴァンニの母親の登場シーンもなく、「ケンタウルス祭の夜」から始まります。一番衝撃的なのが、ジョヴァンニとカンパネルラが友達ではないという設定です。ジョヴァンニは「カンパネルラと友達だったらどんなにいいだろう」と考えている非常に可哀想な子なんですよ。友達と不思議な列車に乗って旅をするのと、「友達になりたかった人」と旅をするのは全く意味合いが異なります。宮沢賢治が何を考えて、第4版でジョヴァンニとカンパネルラを友人同士の設定に変えたのかは知りませんが、第3版の設定だと、ジョヴァンニが哀れすぎていたたまれない感じを受けます。ともかく全体に第3版のジョヴァンニは可哀想な印象が強いように思いました。
   さて、清水さんの朗読。これまでで一番児童文学っぽかったなぁ、と。子供がこれだけメインになる作品は今回が初めて、というのが大きいような気がしますが。役者ってすごいなぁと思いました。銀河鉄道の中でハイテンションなジョヴァンニと所々妙な感じのカンパネルラの対比とか。浮かれ気味なジョヴァンニかわいい、とか(笑)それでも例によって私が一番いい、と思ったのは全く的外れな感じのセリフなんですけれども。私は「銀河鉄道の夜」の登場人物の中でカンパネルラの父親が好きなんですよ(いきなり大暴投)。ラスト近く、カンパネルラが川に落ちて皆が彼を探している中、父親がきっぱりこう言った、というシーンがあります。「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから」。息子を探してくれている周囲の人に聞かせるための、そして自分を納得させるための言葉だと思います。理系の学者っぽい言葉だなぁとも感じます。冷静だからこそ深い悲しみを感じる言葉です。その後、少々奇異に見えるほど丁寧にジョバンニに話しかけながら、「堅く時計を握ったまま」川をじっと見る様子には、人前では絶対に取り乱さない育ちのよい紳士の深い悲しみを感じます。この父親の「あした放課後みなさんとうちへ遊びに来てくださいね」という言葉にはぐっときました。これは本で読むよりもずっと重い、いい台詞になっていたと思います。あともう一つ、賛美歌の320番がギターで爪弾かれたシーンでは不覚にも涙腺を少々刺激されてしまいました。泣きませんけどね(笑)というか、これは元エピソードが卑怯だと思います。沈みゆくタイタニック号の上で演奏を続けた楽団が最後にこの賛美歌320番を演奏した、といわれている曲です。ミッションスクールに通っていたので賛美歌は懐かしいし、賛美歌ネタには弱いのです。
   あとすごく下らない、清水紘治ファン的視点の感想。海岸で発掘の指揮をとっている「学者らしい人」が「蒼い霧」の浅川教授っぽいなぁ(笑)
   今回は冒頭に汽車の音のSEなども入って、これまでより若干「演劇」に近づいた形のように感じました。回を重ねていくと限りなく演劇に近い朗読になっていくんじゃないかなぁと思ったのですが、予想通り。次回は二木てるみさんを迎えて宮本輝の「錦繍」だそうです。

朗読会 あなたのこころに vol.6 「くるみ割り人形」(2016.12.23) 日比谷コンベンションホール
   季節感満載のクリスマス・イベント的な朗読会でした。会場(日比谷図書館)を出てすぐの日比谷公園でもクリスマスのイベントが開催されており、こういうのも楽しいものです。チャイコフスキー作曲のバレエで有名なクリスマスの定番「くるみ割り人形」ですが、今回朗読されたのは原作のE.T.A.ホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」です。「語り」が非常に重要視された物語なので、朗読会にかけるにはふさわしい作品だったと思います。現実世界と幻想世界の境界を曖昧にしながら橋渡しするドロッセルマイヤーというキャラクターも清水紘治的だったといえましょう。「怪奇大作戦 セカンドファイル」「ウルトラマンダイナ」の『怪獣戯曲』、「轟轟戦隊ボウケンジャー」の『火竜(サラマンダー)のウロコ』、その意思・望みが異世界と現実世界を繋げてしまう、あるいは現実世界を変えてしまうといったこれまで演じてきた役に通じるものがあるような気がします。ドロッセルマイヤーの語る「かたい胡桃の物語」は表現豊かに語られて聞きものだったのですが、個人的にはハンスの妹の4人の王女を4人分の声色を使って表現するシーンにくすりとさせられました。毎回、清水さんとギターの佐藤紀雄さんの二人メンバーだった朗読会ですが、今回は朗読もギターも若手ゲストが参加しました。女優の桂ゆめさんのマリーは可愛かったですが、私が一番よかったと思ったのは「かたい胡桃の物語」の中の鼠の女王のすごく意地悪そうな声、最高でしたよ(笑)
   始めは全体の構成がよくわからず、現実世界のほうにかなり比重が置かれていて「お菓子の国」部分はあまり多くないのだろうと思いながら聴いていました。なぜならば、序盤からバレエ第二幕の音楽ががんがん使われていて残りの曲ががほとんど無くなっていたから(笑)組曲からの抜粋だったので私の好きな「スペインの踊り」が入らなかったのは残念でした。バレエに較べるとホフマンの原作は、現実世界と幻想世界のねじれを解消せずに無理やり繋げてしまっている感があり、時系列の問題とか、ハンスは実在するのに国王やピルリパート姫は実在しないのかとか、ハンスはどうやってどこかの王子になったのかとか、気になるところが多々ありました。
   ピルリパート姫の立ち位置というのが、喉に刺さった魚の骨のように私の気持にひっかかったままです。「かたい胡桃の物語」の王女はともかく、お人形のピルリパート姫って必要なんだろうか(というか、どうして人形になってるんだ…)。確かにマリーはいい子だし、ピルリパート姫は性格がよくないのかもしれません。でも二人をああいう形で比べるのはフェアではないでしょう。目の前で美少年が醜い姿に変わるのを見たピルリパート姫と、もともと醜いくるみ割り人形を気に入って好きになったマリーでは状況が全く違いませんか?まぁ、そう思わせないために(=決定的にピルリパートを悪にするために)鼠の王に使いを出すシーンが必要になったのだと思いますが、ああいうシーンが必要になっていること自体、ピルリパート姫という人物をマリーの鏡像としてきちんと描けていない証左だと思うのです。ピルリパート姫にも、彼女と同じくらい美しく、同じくらい性格の悪い、でも罵りあいながらも心が通じる、そんな王子様が現れることをわたくしは願ってやみません(笑)
   朗読会の途中で、今回聴いたホフマンの原作に非常に近い形にアレンジされたバレエの舞台をテレビで見たことがあるのを思い出しました。隻眼のドロッセルマイヤーが非常に華のあるスマートなダンサーだったのが印象に残っています。昔の日記を見てみたらマーク・モリス・ダンス・グループの「ハードナット」という作品でした。アメリカンポップアートな舞台と衣装でいわゆる現代アレンジかと思いきや、がっちり原作が基になっていたのね、と感心。
   もうひとつの朗読作品は、古びたオルガンの語りで進む「俺はオルガン」という製作の大塚汎さんの小品。「マイルス・デイヴィスの自伝が…」とかいっているので外国の話だと思って聞いていたら日本の話でした(笑)ある賛美歌が非常に重要なモチーフとして出てきます。「銀河鉄道の夜」の感想にも書きましたが、私は賛美歌ネタには弱いし懐かしいのです。
   次回は「星の王子さま」を新解釈で、とのことです。

クロスオーバーイレブン(未聴)
NHK-FMで現在も放送されている音楽番組。(註:この後、2001年3月に番組が終了したため、5代目の津嘉山正種が最後のDJとのこと。)勿論音楽だけを流しているわけではなくDJが語りを入れるのだろうが、このDJが初代・石橋蓮司、2代目・清水紘治というすごい人選だ。ちなみに現在は津嘉山正種が5代目DJだそうです。清水さんのナレーションで進むラジオ番組!考え様によっては、清水さんが今やっていなくてよかったともいえる。何故ならば、今、清水さんがDJを務めていたら、私は月−木 45分の番組を毎回、エアチェックしつづけるに違いないから。

青春アドベンチャー「三匹のおっさん」
   大手かどうかは知りませんがゼネコンを定年退職した清田清一さん・60歳が、幼馴染の二人(こちらは自営業)と夜回りを始めて、町の事件を解決したり、孫と心を通わせたり、という話。おっちゃん三人がメインかと思ったら、そこは「青春」アドベンチャーで、キヨさんの孫とノリさんの娘の高校生カップルが結構メインになったりしてそこはちょっと残念でしたがしかたない。清水さんの役は語り手の祐希の祖父のキヨさんで、三人の中では一番メインの役だったかなぁと思います。キヨさんが剣道の達人というのは、ちょっと時代劇の清水紘治っぽくて萌えました(笑)しかし高校生の孫のいるおじいさんとしては60歳って若くないですか?というか、嘱託の仕事をしているとはいえ、60歳で定年退職して悠々自適というのがすでにファンタジーだと思う昨今のこの世相。
   ラジオドラマの時には、清水紘治の演じる役をまんま清水さんのルックスで想像することは少ないのですけれども、今回はつい、キヨさんとシゲさんを清水紘治と石田太郎で想像してしまいました。雑で照れ屋な、「空気でわかれよ」ってタイプのシゲさん萌え(笑)かわいさの順で言うとシゲさん>ノリさん>キヨさん、かなぁ。キヨさんはクールでかっこいいんですが。三人の中でかっこよさ担当はキヨさん、と思っているのは私だけでいいです。今回の聞きどころ、ドラマでは珍しい清水紘治の高笑い(笑)

「シャーロックホームズの冒険」第33話 高名の依頼人
   とりあえず、画面を見ての私の感想。「違う。こんなの清水さんじゃない」(←「警部補 古畑任三郎」の坂東八十助風に) 当然ですね、吹き替えなんですから(笑)しかし、ああいったややニブそうなおじさんの顔から清水紘治の声がすると盛大に違和感が……。もっとシャープな悪役面の役者さんを(勝手に)想像していたので。しかも、ニュースが伸びたせいか、最後が切れており、結末がわかりません。グルーナー男爵がホームズに銃を向けて「物盗りだと思って撃った、警察にはそう言えばいい」……ここでぷっつり切れているのです、録画が。そうですか、脳内劇場ではグルーナー男爵の勝ち逃げってことで(苦笑)

「新海底軍艦」メモリーオブオーシャン
   ふ…不覚。「新海底軍艦」って全二巻なのね。「メモリーオブオーシャン」ってサブタイトルかと思いました、「vol.2」とかなんとかつけて下さいよ!廃盤ビデオなのでわざわざレンタル落ちを手に入れたのに、冒頭で「第二話」とか出てきて「???」ですよ。amazonで中古を売っていますが、第一巻(滅亡へのゼロアワー)に清水さんってどのくらい出てくるんだろう…。amazon.co.jpによると「新海底軍艦 ー 鋼鉄の鼓動」というイメージアルバムにも清水さんは出演しているようです。「出番は少ないが存在感のある性格俳優清水紘治の演技。」と「CDジャーナル」にある以上、出ているんでしょうな。廃盤のようなので中古で手に入れますか、これも…。
   清水さんは、アネットとかいう地底人がどのような経緯でここにいるのか、ということを説明する役なので長台詞があり、おいしかったです。塩沢兼人のなれの果てにしては重々しすぎる気もしますが(笑)私が知る限り、清水さんのアニメ出演はこれ一作で、どういう経緯で清水さんが出演しているのかなぁと思っていたのですが、設定の元ネタである「海底軍艦」が特撮作品だからでしょうかね。いや、特撮畑で人気者なので(笑)    ちなみに一番かっこよかったのはオープニング!(爆笑)ワルシャワフィルですってよ。この頃のOVAはやたらと東欧のオケに演奏をさせていたものだなぁ…。

長谷雄卿絵巻による音楽物語「朱雀門」
   鈴木静一によるマンドリンオーケストラとナレーションによる音楽物語。プロコフィエフの「ピーターと狼」のようなものと考えていただければよいかと。あらすじとしては、青年公卿・紀長谷雄はある日、怪しい男に双六の勝負を持ちかけられる。男に連れて行かれた朱雀門の楼上の暗がりで灯りをもってきたのは絶世の美女。男はこの女を賭けるという。勝負のさなか、男はその正体をあらわす、鬼の姿であった。ひるまずに打つ長谷雄は見事勝負に勝って、渚という名の美女を得た。鬼の出した条件は一つ、百日を過ぎるまで渚と契りを結ばないこと。長谷雄の屋敷で暮らすことになった渚。しかし、ある夜、雷におびえて膝にすがってきた渚に、長谷雄はついに禁断を犯してしまう。水のように溶けて消えてしまう女の身体。呆然と立ちすくむ長谷雄を鬼があざ笑う。渚は死人の中からよいところだけを選りすぐって作り上げた女だった、あと二十日待てれば彼女は現身の人間として永遠の命を得られたものを、と。もう一度彼女を返してくれという長谷雄の願いもむなしく、鬼の声は消える。失意のまま街をさまよう長谷雄が暗がりの中、朱雀門を見つめて終曲。
   この音楽物語の初演(1969年)の際に、語りを務めたのが清水さんで、長谷雄、鬼、語りの3役(渚は殆ど話さないので)を演じています。声が若すぎて本当にびっくり、なんか別の人みたい(笑)今より声が高いですね。とにかく、すごくよく訓練された人の発声だなぁ、というのが第一印象。発声がおそろしくクリア。きれい過ぎてちょっと不自然なくらい(笑)派手に声色を使いわけるわけでもなく、3役をきっちり演じわけているのはさすがです。でも長谷雄の声がすごいハンサム声なんですよ、素敵。基本的に語りはクールで、淡々としていながらドラマティックな表現は、若き清水紘治の力量に惚れちゃうところですね。渚が消えてしまうところの描写はとても綺麗で切ないシーンなのですが、渚は長谷雄のことが好きだったのか、それとも消えていく自分が悲しかったのか。描写からすると長谷雄のことを好きだったように思えるのですが、そもそも渚の正体を考えると人らしい感情を普通にもった女性だったのかどうか、ちょっと疑問に思いまして。
   最初と最後に鳴り響く朱雀門のテーマがとにかくかっこいい曲です。和風に聞こえますが、ところどころイタリアっぽい旋律があったりして、和音階で書かれているわけではないのが、私が「かっこいい」「素敵」と思う理由だと思います。…和音階がすごい苦手なんです、特に陰音階。日本古来の音楽は雅楽以外、みんな苦手です(苦笑)

「大臣」
あぁぁ、ついに買ってしまった。実は私は清水紘治の声がとても好きです。威張って言うことでもないのだが、ワタクシは声フェチなので、村井国夫朗読のカセットブックが出ていたら、絶対に買うだろう。細川俊之のもたぶん買う。当然ながら、清水紘治朗読のカセットブックがあれば買う。でもこのカセットブックは三島由紀夫の生朗読というありがたーい録音が入っているので、普通はこっち目当てに買うのだろう。延々40分ぐらい清水紘治の朗読が入っているので、かなりおいしいです。(ワタクシ限定)

「小さな三文音楽」(2015.10.03 アンサンブノレ・ノマド第54回定期演奏会)
   東京オペラシティのリサイタル・ホールでの演奏会でした。清水さんのおかげで東京オペラシティの全ホールを制覇です(笑)朗読付きの「小さな三文音楽」というのがどういう形なのかイメージがわかなかったのですが、ちょっとしたお芝居を見たような感じですごく楽しかったです。おそらく清水さんも楽しんでいらしたのではないかと思います。朗読に使われたのはベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」(光文社古典新訳文庫 訳:谷川 道子訳)。これを事前に知っていたら、読んでから行ったのですけれども、今回は音楽だけの予習でのぞみました。…スコアも見つけたのですがそちらまでは手が回らず。朗読→音楽→朗読→音楽と繋いでいく形なのかと思ったのですが、そうではなく音楽にかぶせて朗読が入る形で、楽譜上と台詞が(総譜上)関係づけられていない朗読ってとても難しいんじゃないかなぁと思いながら聴いていました。序曲の間の「あらすじ」の次の朗読が歌で始まったので、「え、清水さん歌うんですか!?ミュージカル?」とか動揺してしまいました。ははは…。実際には歌はほんの一部で、あとアンコールで少々。個人的には一番面白かったのは、6曲目の「タンゴ・バラード(ひものバラード)」。清水さんは語りだったりメッキー・メッサーだったり、ポリーだったりするんですけれども、今回の朗読は非常に演劇的だった感じ、ですかね。比較対象がないのでなんとも言えませんが。
   ストーリーとしては、国王の恩赦があるほうが「ありきたり」だと思ってしまう私はひねくれ者なのだろうな…。でも「フィクションのうえでは」こちらの結末のほうがありきたりではないですか?「泥棒かささぎ」とか(←ありきたりの例に出すのが「泥棒かささぎ」なのはいかがなものか)。メッキー・メッサーのような極悪人でさえ処刑前に、自分の魂が救われるよう神に祈ってほしい、という言葉が出てくるのがキリスト教の不思議さよ!と思いました。うん、これは本当に不思議。
   自由席ならではの悩みですが、清水さんの立ち位置が上手側か下手側か、それとも中央かわからず、大はずれを恐れて中央ブロックの真ん中あたりに座る自分が情けない(笑)ちなみに清水さんが実際立ったのは上手側でした。一曲目が「小さな三文音楽」だったら、たぶんわかったはず。シェーンベルクの後に聴く、ヴァイルは楽勝過ぎでしたが、当初の危惧通り「月に憑かれたピエロ」のハードルが高すぎたことを最後に付記しておきます。

ラジオ図書館「忍法関ヶ原」
   ほぼ大塚周夫と清水紘治の二人芝居劇場。ニヤニヤしながら普通に聴けましたね、意外に。というか、これはすごい楽しかったです(笑)周夫のエロ親父とか、清水さんの四人衆リーダー格とか美青年とか。通勤電車で聴いていたので、エロシーンの声にびびってボリュームを下げたり(爆笑)、主演二人の演技力に頼って役柄をコンバートできるか考え込んだり。周夫の国友鉄算はありだが、清水さんのエロ親父は有りや無しや?とか。……いや、無しだろう、それは。語りで描写された国友鉄算の容貌はちょっと清水さんぽくてにんまりしました。
   「忍法小塚原」は血仙蟲っぽい何かが登場するちょっと「無限の住人」的なお話。清水さんの美青年の天然ボケっぷりに萌え。「わしは伊賀者じゃ」「…は?」「わしは伊賀者なのじゃ」「……は?」というやりとりの間が最高に笑える。清水さん、可愛いよ!本当なら首を切ってすげ替えてみたがる処刑人なんて役は"The 清水紘治"な役で、どうしてこちらが清水さんでないのか不思議なくらいですが、考えてみるとマッドサイエンティストな先生=清水紘治、弟子の美青年=周夫になってしまうのでこれはないか。弟子の美青年=清水紘治はいいのかと言われたら、いいに決まってるじゃないですか!(笑)

FMシアター「花の独身」
   面倒見がよくて人恋しくて、女遊びの派手だった歯科医、70歳過ぎの清水さんてどうよ?(笑)医者役は多いですが、歯医者というのは珍しいような気がします。後半のかっこつけぶりが限りなく清水紘治ぽくて萌え。関西弁が超かわいかったです。従兄弟に「ゆきちゃん」「ゆきちゃん」ってかわいいんですよ、こんちくしょう!あのアクセントで「ぼく、さびしがりやし」とか言われると眩暈するからやめてください。

ビデオ教材(未見)
   どこからこんなネタを仕入れてくるのかと、さるお方に呆れられたのだが、見つけてしまったものは仕方がない(笑) ドラマ仕立てになったOJT用のビデオらしいのだが、これもまた村井国夫と共演(笑) 江守徹とかも出ていて、一体どんなドラマが繰り広げられているのか是非見てみたい気もするが、5本組で12万もするのでそうもいかない。清水さんはなんと2本というか2シリーズに出演・・・謎だ。
   いつのまにか「目標はいかにして設定すべきか 」のほうのダイジェストがサイトにアップされて見られるようになっていたので (http://www.shainkyouiku.jp/video/video-goal.html)張り切って見てみました。清水さんは社長役みたいですね。ちなみに主人公は専務取締役・営業本部長の峰岸徹、峰岸にアドヴァイスをする教育コンサルタントに江守徹。どうしてこんな無駄に豪華な面子なんだ(笑)しかも本編127分とまるっきり映画並みのボリュームです。

「ブラックジャック」(未聴)
「ブラックジャック」のカセットブックでドクター・キリコをやっているという話をどこかで読みました。謎です。
→補足:清水さんのドクター・キリコは1977年版と1993年版と2バージョンあるようです。……そんなに清水さんてドクター・キリコかなぁ?まぁ、白衣着て「…くっくっく」とか笑わせたら日本一だと思いますが。カセットブックになっているのは93年の時任三郎版。

ラジオ図書館「屋根裏の散歩者」(横光晃脚色版)
   これを聴いたら「大臣」のカセットブックとかラジオドラマを、あまり繰り返し何度も聴いていない理由を思い出しました。「清水さんの声が素敵過ぎて脳が溶ける」と思ったからだ(笑)こんなの聴いてたら頭悪くなっちゃいそう、と本気で思ったんだった。「一生を捧げるに足る職業はどこにある。それともそんなものはないのか。ないのなら働くこともない。何もすることはない。何も。しかし、面白くないねぇ」に始まる独白(語りの合いの手が入るので厳密には独白ではないのですが)で、危うくへなへなと崩れ落ちてしまうところでした、通勤電車の中で。こんなの聴いてたら頭が色ボケになって仕事なんてできない。もう本当に背筋がぞくぞくするくらい素敵です。「仕事なんてできない」といいながら聴くのをやめる事ができない私の意志の弱さよ…。独白以外の明智や遠藤と話している時の普通の人っぽい喋りがまたいい感じで、何度でも聴けそうですがアホになりそうなので自重。
   三郎が「いつも節穴の真下で口開けて寝てるわけないだろ、俺のバカバカバカ」となるところが可愛すぎて萌えた。明智に×××されてあっさり白状しちゃうところも津川版より可愛い。あと「ラメちゃんたら ギッチョンチョンの パーイのパイのパーイ ♪」とか歌わないで下さい!心臓止まるから(笑)気になったから何の歌か調べちゃった。「東京節」というのですね。

ラジオ図書館「屋根裏の散歩者」(津川泉脚色版)
   同じ枠で「屋根裏の散歩者」、三郎役も同じだったので「3番テーブルの客」みたいな聴き比べ企画なのかと思ったのですが、90年と94年ということで企画物ではないのですね。にしてはどちらも清水紘治が郷田三郎役なのはどういうわけか。横光版については「清水さん素敵、かわいい」とか馬鹿丸出しの感想を書いてしまいましたが、こうして聴き較べてみると、普通に横光版のほうが面白いな。一番の理由は「郷田三郎はあなたです」という仕掛けがラジオドラマという媒体ではうまく機能していないと思うから。たぶんエロシーンが長いところ以外全て横光版のほうが好き。