n-ro121 去年その国で始まったその戦争は,まだ終わっていません。
解説
「去年その国で始まったその戦争」は la milito(,) kiu komencig^is lastjare en la lando のようにいえばよいでしょう。「去年」は lastjare のほか,la lastan jaron あるいは en la lasta jaro を使っていうこともできます。「始まったその戦争」は la milito komencig^inta または la milito komencita というようにいうこともできます。
「国」に regno を使うのは誤りではありませんが,重々しい感じを伴う語なので,ここでは lando のほうがよいでしょう。regno は la konstitucio de la Japana Regno(日本国憲法)のように,国の正式名称に使われます。(la Japana Lando とはいいません。)
「まだ終わっていません」は ankorau~ ne finig^is。fini は「(〜を)終える」という意味ですから,ankorau~ ne finis は誤りです。ここでは ankorau~ ne finig^is, ankorau~ ne estas finita, ankorau~ ne estas finig^inta などのようにいうことができます。estas -inta の形は重苦しく感じられるので,多くの場合 -is で代用されます。ankorau~ ne finig^as は誤りです。finig^i は点動詞なので1回きりの行為については -as の形を取らないと説明することもできますが,次のように説明することもできます。
「まだ終わっていません」の反対は「もう終わりました」ですが,これをエスペラントでは jam finig^is ということができます。中学校の英語のテストに「次の文を否定文にしなさい」というのがありましたが,否定文に変えても時制は変えませんでしたね。例えば She was a nurse は She was not a nurse となりますが,was は was のままでしたね。エスペラントでも同じで,finig^is は肯定文でも否定文でも時制は変わらないのです。ankorau~ dau~ras(まだ続いています)としても,同じような内容を伝えることができます。
訳例
Ankorau~ ne finig^is la milito kiu komencig^is lastjare en la lando.
n-ro122 わたしがこの村に住むようになってから,10年が過ぎました。
解説
「わたしがこの村に住むようになってから」は de kiam mi eklog^is en c^i tiu vilag^o といえばよいでしょう。eklog^is は komencis log^i といっても同じです。「から」はここでは post kiam ではなく de kiam を使っていいます。post kiam は「〜した後(のあるとき)」を,de kiam は「〜してから(ずっと)」を表します。
比較:
Li malsanig^is post kiam li venis al Japanio.
(彼は日本に来てから[来日した後で]病気になりました。)
Li estas malsana de kiam li venis al Japanio.
(彼は日本に来てから[来日直後からずっと]病気です。)
de post は「〜以来」を表しますが,これは二重前置詞ですから mi eklog^is のような節(主語+動詞)の前に付くことはできません。de post の後を名詞形にして de post mia enlog^ig^o(わたしが住みついて以来)のようにしなければなりません。なお,de post は depost と1語にしないで離して書くのがよいでしょう。1語にすると de- にアクセントが置かれるので,それを避けるために2語に書かれるのが普通です。de post は post にアクセントを置いて発音されます。ekde kiam は誤りではありませんが,もともと ekde は,いくつかの意味を持つ de が時を表す用法であることを明示するための便法ですから,kiam と共に使われる de はそのことが明らかであるため,de kiam で十分であって,ekde kiam とする必要はありません。
「10年が過ぎました」は dek jaroj pasis または語順を変えて pasis dek jaroj ということもできますし,jam pasis dek jaroj のように jam を入れてもよいでしょう。
この文は「10年前からこの村に住んでいる」といいかえることもできるので,De antau~ dek jaroj mi log^as en c^i tiu vilag^o としてもよいでしょう。この de antau~ dek jaroj は antau~ を省略して de dek jaroj ということもできます。Depost dek jaroj は誤りです。
訳例
Pasis dek jaroj, de kiam mi eklog^is en tiu c^i vilag^o.
n-ro123 Karloがエスペラントを学び始めてから,2ヵ月しか経っていません。
解説
「Karloがエスペラントを学び始めてから」は de kiam Karlo komencis lerni Esperanton または de kiam Karlo eklernis Esperanton。
「2ヵ月しか経っていません」は pasis nur du monatoj または nur du monatoj pasis。
「まだ2ヵ月しか」という意味で ankorau~ nur du monatoj というのは誤りです。ankorau~ は「まだ2ヵ月(しか経っていません)」というときの「まだ」という意味で使うことはできません。ankorau~ には「まだ」という意味がありますが,この「まだ」は「まだ〜の状態が続いている」という意味の「まだ」です。ankorau~ には「更にもっと」というときの「もう」という意味もあります。
参考:
Li ankorau~ dormas.(彼はまだ寝ています。)
Mi bezonas ankorau~ kvin najlojn.(釘がもう5本要ります。)
nur は「〜しか...しない」という否定の意味を含む準否定語ですから,nur とともに ne pasis を使うのは誤りです。
Nur du monatoj pasis という語順でもよいのですが,エスペラントでは語順がかなり自由なので,主部(〜は)が長くて,述部(...である,...する)が短い場合には,「述部+主部」という語順が好まれます。例えば,主部が pli ol ducent knabinoj kiuj amas lian muzikon(彼の音楽を愛する200人以上の少女たちが)で,述部が kolektig^is(集まりました)という文の場合,Pli ol ducent knabinoj kiuj amas lian muzikon kolektig^is という語順より Kolektig^is pli ol ducent knabinoj kiuj amas lian muzikon という語順のほうが好まれるでしょう。
de kiam Karlo ... と pasis nur du ... は,どちらを先に置いても意味はほとんど同じですが,De kiam Karlo ... で始めるよりも Pasis nur du ... で始めるほうが,時の経過に重点を置いているということはできるでしょう。
訳例
Pasis nur du monatoj, de kiam Karlo komencis lerni Esperanton.
Pasis nur du monatoj, de kiam Karlo eklernis Esperanton.
n-ro124 まだ3時です。もう1時間ここにいましょう。
解説
「まだ3時です」は,ひとりの方の訳を除いて,ほかの訳は全部 ankorau~ が使ってありました。ここで前回の解説の中の ankorau~ についての説明を思い出してください。そこには次のように述べてあります。
ankorau~ には「まだ」という意味がありますが,この「まだ」は「まだ〜の状態が続いている」という意味の「まだ」です。
そして用例として Li ankorau~ dormas.(彼はまだ寝ています)を挙げておきましたが,そのほか ankorau~ pluvas(まだ降っている), ankorau~ dau~ras(まだ続いている), ankorau~ volas 〜i(まだ〜したいと思っている) などを挙げることができます。これらの例を見ても分かるように,ankorau~ は「以前からの状態のままである」というのが基本的な意味です。
「まだ3時です」というのは,「以前から3時の状態が続いている」という意味ではありませんね。日エスに出ている用例の影響で,日本では estas ankorau~ la tria のようにいう人がいますが,外国ではこれをたいへん奇妙な表現と感じる人が多いでしょう。もっとも母語の影響で日本人のような使い方をする人もいるにはいますが。
エスペラントの学習を始めたときに ankorau~ を「まだ」という意味で覚えるのは仕方がないでしょうが,学習がすこし進んだらエス・エス辞典を使うことをお勧めします。対訳辞書で正確な意味をつかむことには,どうしても限界があります。これまでは PLENA VORTARO DE ESPERANTO とか PLENA ILUSTRITA VORTARO DE ESPERANTO のように,初心者には使いづらい辞書しかありませんでしたが,最近 BAZA ESPERANTA RADIKARO という初心者向けのエス・エス辞書が出ましたので入手されるとよいと思います。(世界エスペラント協会発行ですが,書店で「日本エスペラント学会発行」といえば取り次いでくれます。1000円)
この辞書の ankorau~ の定義 ne nur antau~e, sed ankau~ nun(以前だけでなく,今も) を読めば,「まだ3時です」というときの「まだ」に使えないことが分かりますね。
「まだ3時です」というのは estas nur la tria horo というのがよいでしょう。tria は 3-a のように略記することができます。3-a は 3a のようにハイフンを入れない人もありますが,unua を 1a のように書くと冠詞の la と紛らわしくなりますね。
「もう1時間」は dum ankorau~ unu horo または ankorau~ unu horon のようにいえばよいでしょう。この ankorau~ は「さらに,もっと,もう」というような意味で,ankorau~ には「まだ〜の状態が続いている」という意味のほかに,このような意味があることも前回の解説の中で述べておきました。ankorau~ の代わりに plu または plue を使っていうこともできます。
dum ankorau~ unu horo の dum を por にするのはよくありません。dum を使うか por を使うかは,係わる動詞のアスペクトによって決りますが,ここでは resti(留まっている)という線動詞を使うので,por でなく dum を使います。(dum, por の使い分けについての詳しい説明は,「中級者コーナー」の「動詞の相」にある「アスペクトと期間を表す前置詞 dum,por」をご参照ください。)
なお,時刻をいうときは,主語なしで estas la tria(3時です)のようにいいます。英語の it is three の it is ... を直訳して g^i estas ... というのは誤りです。je la tria は「3時に」という意味ですから,ここでは je を取り去りましょう。
「いましょう」は ni restu というのがよいでしょう。ni を入れずに restu だけにすると,聞き手に向かって「留まっていなさい」あるいは「留まっていてください」という命令文になります。話し手も含めて「〜しましょう」というのは ni 〜u の形を取ります。英語の let's 〜 に対応する形です。
訳例
Estas nur la tria horo. Ni restu c^i tie ankorau~ unu horon.
n-ro125 「もう出かけましょうか」「まだ7時ですよ。8時になったら出かけましょう」
解説
「もう出かけましょうか」は c^u ni ekiru nun? というのがよいでしょう。日本語の「もう」には,いくつかの意味がありますが,ここでは nun を使うのがいちばんぴったりします。国語辞典を引いてみると,辞書によって説明は違いますが,岩波の国語辞典が「今」という意味があることを挙げています。わたしたちは,このようなありふれた日常語を国語辞典で調べることは,ほとんどしないのが普通ですが,ときには普段なにげなく使っている言葉の意味を調べてみるのもいいでしょう。日本語以外の言葉を学ぶと,日本語の理解も深まりますね。jam を使ってもよいでしょう。jam には jam nun という意味があります。早く出かけたくてイライラしながら出発を待っているときには,jam を使うかもしれませんね。「すぐ出かけましょうか」という意味で,tuj も使えますね。
baldau~ にも日本語の「もう」という意味がありますが,この「もう」は,「彼はもう来ると思います」(Mi pensas ke li venos baldau~.)というときの「もう」で,この課題文の場合は不適当です。
「出かけましょうか」は c^u ni ekiru? がよいでしょう。「〜しましょうか」は c^u ni 〜u? というのが普通です。英語の Shall we 〜? に当たる表現です。ekiru だけだと聞き手に対して「出発しなさい」という命令文になります。
「まだ7時ですよ」は estas nur la sepa horo。horo は省略することができます。「7時になるかならない」という意味で nur の代わりに apenau~ を使っても課題文に近い意味になります。estas ankorau~ sabato というように使えるでしょうか,という質問が寄せられましたが,これは正しい表現です。ankorau~ は時刻のように刻々と変化するものついては使うと不自然ですが,曜日のように幅のある時を表す語について使うのは不自然ではありません。時刻の場合,estas ankorau~ la tria というと3時という時刻がずっと続いているようで変ですが,曜日の場合は同じ曜日が24時間続くのですから,深夜0時近くなって estas ankorau~ sabato(まだ土曜日ですよ) というのは不自然ではありません。
「8時になったら出かけましょう」は ni ekiru je la oka (horo)。「8時になったら」は je la oka horo でよいでしょう。horo は省略できますが,je は省略できません。
訳例
"C^u ni ekiru nun?" "Estas nur la sepa horo. Ni ekiru je la oka."
n-ro126 「まもなく委員会が始まりますよ」「すぐ行きます」
解説
「まもなく」は baldau~ がよいでしょう。tuj は「時間をおかずに,ただちに」という意味で,電話で Mi tuj venos(すぐ行きます)といえば,受話器を置いた直後に出かける,あるいは出かける用意に取りかかるという感じです。
「委員会」は寄せられた訳文の大部分には komitato が使われていましたが, komitato は「委員で構成される組織」のことです。「委員会が始まる」というときの「委員会」は「委員で構成される組織の会議」のことですから,ここでは la komitat-kunsido, la komitata kunsido, la kunsido de la komitato のようにいわねばなりません。日本語の「委員会」には「委員で構成される組織」という意味と「その委員が集まって協議する会議」というふたつの意味がありますが,エスペラントではそのふたつを区別して表すことに注意しましょう。何の委員会かということは聞き手には分かっているはずですから,上に挙げた表現のように冠詞を付けていいます。
「始まります」は「委員会」を主語にすれば,komencig^os または「開かれる」という意味の malfermig^os を使っていうことができます。人を主語にして ni komencos, ni malfermos ということもできますが,ni komencas, ni malfermas と -as の形にするのはよくありません。komenci, malfermi は点動詞ですから,繰り返される行為についていうときは -as の形が使われますが,これから行われる1回きりの行為についていうときは -os の形でいいます。
比較:
Ni malfermas la komitat-kunsidon je la dua posttagmeze.
委員会はいつも午後2時に開会します。
Ni malfermos la venontan komitat-kunsidon je la dua posttagmeze postmorgau~.
次回の委員会はあさっての午後2時に開会します。
(点動詞と -as の形についての詳しい説明は,ここをクリックしてください。)
「すぐ行きます」は mi tuj venos のようにいうのが普通ですが,tuj の位置は文頭または文末でもかまいません。 「行きます」に iros を使うのは誤りです。相手のところに行くのは veni を使っていいます。BAZA ESPERANTA RADIKARO では veni を次のように説明しています。
veni: movi sin(movig^i) al la loko de la parolanto au~ al la loko de la alparolato au~ al interkonsentita loko au~ al priparolata okazaj^o
この課題文の「すぐ行きます」を mi tuj iros というと,相手はびっくりして Kien vi iros? Ne iru kaj venu c^i tien.(どこへ行くのですか。行かないでこちらへ来てください)というかもしれませんね。
Mi tuj alvenos は「すぐ着きます」という意味なので,この課題文の「すぐ行きます」(すぐ出かけます)と同じではありません。Li baldau~ venos.(彼はまもなく来ます)というときの veni は alveni の意味で,このように veni は alveni の意味で使われることはありますが,alveni を veni の意味で使うことはできません。
訳例
"Baldau~ komencig^os la komitat-kunsido." "Mi tuj venos"
n-ro127 「委員会は2時からでしたね」「いや,1時からです。ほかの皆さんはもうお揃いです。すぐおいでください」
解説
「2時からでしたね」は 「2時に始まるのですね」という意味ですから,komencig^os je la dua, c^u ne? といえばよいでしょう。「開会する」という意味で malfermig^os を使うこともできます。日本語の「から」に引かれて de la dua とするのはよくありません。このことについては,課題文n-ro1 に詳しく説明してありますから,その説明をご覧ください。(ここをクリックすると,その説明にジャンプします。)
時刻には je la dua (horo) のように冠詞を付けましょう。je の代わりに en を使うのはよくありません。en la dua は「2日に」(en la dua tago) という意味に理解されます。日付は en または目的格,時刻は je で表すという習慣が確立しているので,tago, horo を省略することができるのです。
komencig^os je la dua の代わりに estos je la dua を使うのはよくありません。estos de la dua とすれば「2時からある」という意味で使えますが,ここでは komencig^os je la dua とするのがよいでしょう。
「いや,1時からです」は Ne, g^i komencig^os je la unua といえば,丁寧な言い方ですが,単に Ne, je la unua というだけでもよいでしょう。Ne, ne je la dua, sed je la unua のように,相手の誤りを訂正してから正しい開会時刻を伝えるのもいいですね。「委員会」を指すときに g^i を使っていうことはできますが,tio を使うのは誤りです。tio は目の前にあるもとを指して Kio estas tio?(それは何ですか)のように使われることはありますが,それ以外は「そのこと」を指して使われます。
比較:
C^i tio estas publika sekreto. Mi g^in scias.
これは公然の秘密です。わたしはそれ(その秘密の内容)を知っています。
C^i tio estas publika sekreto. Mi scias tion.
これは公然の秘密です。わたしはそのこと(それが公然の秘密であるということ)を知っています。
「ほかの皆さんはもうお揃いです」は,いろいろな言い方ができます。「ほかの皆さん」は la aliaj komitatanoj といえます。la aliaj ... といえば「ほかのすべての」を指すことができます。冠詞を付けないで aliaj ... とすると,「すべての」という意味を表すことができません。c^iuj membroj krom vi や escepte vin c^iuj ということもできます。ただし,krom s-ro A(Aさん以外は)というように第三者についていうのは自然ですが,まだ到着していない人に向かって話していて,「あなた以外は」ということは自明のことなので,krom vi や escepte vin に力点を置いていうと,聞き手は非難されているように感じるかもしれません。
「お揃いです」は jam venis,jam kolektig^is などのようにもいえるほか,訳例に挙げたようにいうこともできます。
訳例
"La komitat-kunsido komencig^os je la dua, c^u ne?"
"Ne, je la unua. La aliaj membroj jam estas c^i tie. Bonvolu tuj veni."
n-ro128明日はこの部屋は使えません。10時からここで理事会が開かれるので。
解説
「明日はこの部屋は使えません」は oni ne povos uzi c^i tiun c^ambron morgau~。oni は vi にすることができますし,morgau~ は文頭に置くこともできます。未来のことなので povas でなく,povos としましょう。「この部屋は空いていません」という意味で,morgau~ ne vakos c^i tiu c^ambro のようにいうこともできます。
「10時から」は de la deka horo。horo は省略することができますし,deka は 10-a または 10a と書くこともできます。malfermig^os とともに使うときは je la deka となります。
「理事会」は,ここでは「理事が集まって協議する会議」のことですから,direkcio や direktoraro, direktantaro でなく,kunsido de la direkcio のように kunsido を使っていわなければなりません。ここで冠詞の使い方に注意してください。聞き手にとって「会議」は初めての情報ですから無冠詞になります。これを la kunsido とすると,「あなたもご存知の会議」という意味になります。「理事会」は聞き手にとってどの団体の理事会であるかが分かっているはずなので,direkcio(direktoraro, direktantaro) には冠詞を付けます。例えば日本エスペラント学会(JEI)の建物の中での会話とすれば,「理事会」はJEIの理事会を指しています。もし外部の団体に会議室を貸す場合なら,「○○協会の理事会」のように言うでしょう。direkci-kunsido や direkcia kunsido などのようにいうこともできますが,この場合も無冠詞になります。direkci-kunsido や direkcia kunsido は文脈によって kunsido de la direkcio, kunsido de direkcio のどちらかの意味にとるのが普通です。la direkcia kunsido とすると,冠詞は kunsido にかかるので la kunsido de la direkcio の意味に取られます。la redakci-kunsido の冠詞も「会議」を特定するすることになります。
「開かれるので」の「ので」は c^ar を使っていうことができますが,理由を別の文であとつけるだけで済ませることもあります。
ふたつの文にして C^ar ... と c^ar で始めるのはお勧めできません。C^ar で始める文は次のように,Kial(なぜ)という質問に対して答えるときだけにしておくのがよいでしょう。
参考:
Kial vi ne partoprenis en la kongreso?
なぜ大会に参加しなかったのですか。
C^ar tiam mi estis malsana.
あのとき病気だったんです。
「開かれる」は malfermig^os ですが,ここでは「10時から(ずっと)開かれている」という意味なので,oni havos を使っていうほうが自然でしょう。
訳例
Morgau~ vi ne povos uzi c^i tiun c^ambron, c^ar de la deka c^i tie oni havos kunsidon de la direkcio.
n-ro129 彼の正確な到着時刻を誰も知りません。
解説
「彼の正確な到着時刻を」は la precizan horon de lia alveno というのが,よいでしょう。la precizan horon kiam li alvenos ということもできます。
「正確な」にはいくつかの訳が寄せられましたが,akurata, certa, ekzakta, korekta, justa はここでは不適当です。それぞれの語義を見てみましょう。カッコ内は用例。
akurata: je la difinita horo(akurata alveno 時間きっかりの到着)
certa: senduba(certa fakto 確かな事実)
ekzakta: science g^usta kaj preciza(ekzakta difino 厳密な定義)
korekta: senerara(korekta esprimo 正しい表現)
justa: faranta egale bone al c^iuj homoj(justa jug^o 公平な判断)
preciza: g^usta ec^ en malgrandaj detaloj(preciza adreso 正確な住所)
なお,このような類義語については拙著『作文のためのエスペラント類義語集』を参照してください。
「誰も知りません」は neniu scias。konis を使うのは,ここではよくありません。ある情報を知っているという意味の「知っている」には scii を使っていいます。詳しくは上記の類義語集を参照してください。
訳例
Neniu scias la precizan horon de lia alveno.
n-ro130 この川はアマゾン(Amazono)川の支流です。
解説
「この川」は c^i tiu(tiu c^i) rivero。いくつか並んでいる川の名前のひとつを指していうときは,c^i tiu だけでいうこともできます。「これは」いう感じですね。いくつかの中から選ぶのでなく,ただひとつ示されている川の名前または写真などを指していうときは c^i tio を使っていうのが普通です。英語の this がエスペラントでは c^i tio になったり,c^itiu になったりします。
「支流」は brako または branc^o。riverbranc^o は誤りではありませんが,c^i tiu rivero estas ... の後では riverbranc^o を使わないのが普通です。。brako または branc^o に冠詞を付けるのは誤りです。ここでは unu el la brakoj(branc^oj) de la rivero Amazono(アマゾン川の支流のひとつ)という意味で,ある特定の支流を指しているのではないからです。
「アマゾン川」は la rivero Amazono ということができますが,ここでは「この川は」という文頭で rivero が出てくるので,Amazono だけで十分です。民族語の影響で,川の名前には冠詞を付ける人もいますが,もちろん付けなくても構いません。ただし,rivero Amazono は la rivero Amazono とするのがよいでしょう。
訳例
C^i tiu rivero estas brako de Amazono.