課題文n-ro191 わたしは Luizaが来月 日本に来るという知らせを,きのうマサオから受け取りました。

解説
きのう受け取りました: hierau^ mi ricevis または mi hierau^ ricevis。hierau^ の位置は短い文の場合は文末に置いてもよいのですが,この文は比較的長いので文末に置くのは避けましょう。文頭の hierau^ は文中の hierau^ よりも「きのう」が強調された形になりますが,「きのうになって初めて(知らされた)」というように,「きのう」をさらに強調するときは nur hierau^ mi ricevis のようにいいます。
マサオから: de Masao。el Masao は誤りです。el は「〜の中から」という意味なので,ここでは de を使います。英語の from はエスペラントでは de になったり el になったりします。de Masao の位置は ricevis の後がいちばん分かりやすいですね。文末に置くのは避けたほうがよいでしょう。

Luizaが来月 日本に来るという知らせを: la sciigon(,) ke Luiza venos al Japanio en la venonta monato のようにいうことができます。sciigon は informon または novaj^on や mesag^on としてもよいのですが,anoncon は不適当です。anonco は formala au^ oficiala sciigo, skriba sciigo al la publiko という意味です。
「〜という知らせ」は上に挙げた例のように la sciigo(,) ke 〜 の形で表します。ke の前のコンマは付けても付けなくても構いません。この ke のところを kiu や kio にするのは誤りです。sciigo や informo には冠詞を付けましょう。このように名詞の内容を表す形は la fakto ke 〜(〜という事実),la penso ke 〜(〜という考え), la konkludo ke 〜(〜という結論)のように使えるので,おぼえておくと役に立ちます。なお,ke はその内容が示される名詞の直後に置くのが分かりやすいでしょう。英語では語順がエスペラントのように自由でないため,I received the news from Masao that のように,名詞と that が離れることがありますが,エスペラントでは mi ricevis de Masao la sciigon ke という語順のほうが,mi ricevis la sciigon de Masao ke より分かりやすい文になります。(英語では I received from Masao the news that のようにはいわないのが普通です。)

比較:
Ni eltiris la konkludon el la fakto ke la cirkonstancoj ne favoras al ni.(我々は状況が我々にとって不利であるという事実から,その結論を引き出した。)
Ni eltiris el la fakto la konkludon ke ni ne povas ne retiri nian projekton.(我々はその事実から,我々の計画を撤回せざるを得ないという結論を引き出した。)

mi de Masao hierau^ ricevis は文法上の誤りはありませんが,滑らかな文でないという印象を与えます。語順が自由であるといっても,リズムのよい文を書くように心がけましょう。
「来月」は en la venonta monato または venontmonate とします。venonta monato には冠詞を付けましょう。venonta monate と2語に書くのは誤りです。

informig^i は「情報を受け取る」という意味でも使われますが,第一義的には「問い合わせる,照会する」という意味です。

参考: Mi telefone informig^is pri la akcidento c^e la vojag^agentejo.(わたしはその事故について旅行社へ電話で問い合わせました。)

訳例
Hierau^ mi ricevis de Masao la sciigon ke Luiza venos al Japanio en la venonta monato.


課題文n-ro192 彼が会長に立候補するという噂が広まりました。

解説
〜という噂: la famo(,) ke 〜。日エス辞典やエスペラント小辞典の和エスの「うわさ」の最初に onidiro が挙げてあるからでしょうか,onidiro を使った訳が大部分を占めましたが,onidiro には klac^o(悪口)という意味も含んでいるので,使うときは注意が必要です。「うわさ」の意味では famo を使うほうが無難な場合が多いでしょう。famo, onidiro には冠詞を付けます。英語では a rumor that 〜 のように不定冠詞を付けますが,エスペラントでは la を付けるのが普通です。また,ke 以下は 動詞の後に置いてもよいのですが,famo, onidiro の直後に置いて,訳例に挙げたような語順にするのがよいでしょう。この文の主部はla famo ke li kandidatig^os al la prezidanto で,述語動詞は disvastig^is なので,「主部+述部」の語順にすると,「8語の主部+1語の述部」になりますが,このような形は不安定な感じを与えます。これは文体上の問題ですが, 読みやすく,聞き取りやすく,洗練された印象の文を書く基本のひとつなので,初級の段階から心掛けるようにしておくとよいでしょう。

彼が会長に立候補する: li kandidatig^os al la prezidanto。al は por にすることもできます。kandidati が kandidatig^i の意味に使われることがありますが,kandidatig^i が「候補者になる」という意味であるのに対して,kandidati は本来「候補者である」という意味なので,「立候補する」には kandidatig^i を使うことをお勧めします。kandidatig^as は kandidatig^os とします。-as を使うと反復する行為を表すことになるので,例えば「毎回立候補する」という場合には c^iufoje kandidatig^as のようにいうでしょう。なお,anonci sian kandidatecon という表現は「立候補を表明する」と訳されることが多いのですが,日本語の「立候補を表明する」は,「候補者になる(これからなる)」ことをいうのに対して anonci sian kandidatecon は anonci ke li au^ s^i estas kandidato(候補者であることを発表する)という意味です。 prezidanto には冠詞を付けましょう。無冠詞の prezidanto を使うと,「何かの会の会長」という,話し手や聞き手に関係のない会の話になりますが,ここでは話し手や聞き手が属しているか知っている会の話だと取るのが自然ですから冠詞を付けます。

広まりました: disvastig^is を使っていえばよいでしょう。vastig^is も disvastig^is とほとんど同じです。dis- が付くと「四方八方へ」というのが強調されます。kuris も使っていうこともできます。

訳例
Disvastig^is la famo ke li kandidatig^os al la prezidanto.


課題文n-ro193 その国の大統領が10月末までに日本を訪問するという計画は実現しませんでした。

解説
その国の大統領: la prezidento de la lando。「大統領」は prezidanto を使っていうこともできます。「その国の大統領」は歴代の大統領も含めれば幾人もいることになるので,そのうちのひとりを指すときは無冠詞ですが,ここでは現在の大統領を指すことは明らかなので,冠詞を付けます。「国」は lando, s^tato, regno, nacio のどれを使ってもよいでしょう。

10月末までに: g^is la fino de oktobro。「月末」は monatfino ですが,la monatfino de oktobro というと,「馬から落馬」のような重複した感じを受けるので,月の名前の前に置くときは la fino としましょう。fino は de oktobro で限定されるので,冠詞を付けます。英語と違って月の名前や曜日の名前は小文字を使うのが普通です。月の名前には冠詞を付けません。ただし la longe atendata oktobro(待ちに待った10月)のように修飾語を伴うと冠詞を付けます。

日本を訪問する: vizitos Japanion。これから訪問する(という計画)ですから,vizitas や vizitis ではなく, 未来形の vizitos を使っていいます。viziti は他動詞なので vizitos al Japanio ではなく,vizitos Japanion とします。

という計画: la plano(,) ke または la projekto(,) ke。projekto は細部にわたる計画というよりも構想の段階の計画を指して使うことができますが,その構想を具体化した計画を指しても使うことができます。

実現しませんでした: ne realig^is または ne efektivig^is。この表現は訳例のように文頭に置くほうが引き締まった文体の印象を与えます。

訳例
Ne realig^is la projekto ke la prezidento de la s^tato vizitos Japanion g^is la fino de oktobro.


課題文n-ro194 大会をA市で開催するという決定はもう変更できないのですか。

解説
大会をA市で開催する: ni okazigos la kongreson en la urbo A。ni は oni とすることもできます。「大会」を主語にして la kongreso okazos en la urbo A ということもできます。
A市は la urbo A の形をお勧めします。A urbo のようにいうのはよくありません。

という決定: la decido(,) ke とするのがよいでしょう。s^ang^i の目的語になれば la decidon(,) ke の形になります。ke のところに kiu を使うのは誤りです。この課題文では 動詞の不定形を使って la decido okazigi/organizi(開催するという決定)のようにいうこともできます。ただし la fakto ke(という事実), la famo ke(という噂), la supozo ke(という想像)などは,動詞の不定形は使えないので ke を使って内容を示します。

もう変更できないのですか: c^u ni jam ne povas s^ang^i。ni は oni にしてもよいでしょう。la decido を主語にして c^u jam ne estas s^ang^ebla または c^u jam ne s^ang^eblas ということもできます。c^u jam ne povas s^ang^i la decidon は主語が欠けているので jam の前に ni を入れましょう。発話の時点における変更の可能性を尋ねているのですから,povos でなく povas としましょう。

訳例
C^u ni jam ne povas s^ang^i la decidon ke ni okazigos la kongreson en la urbo A?
C^u jam ne s^ang^eblas la decido ke ni okazigos la kongreson en la urbo A?


課題文n-ro195 ハルオが年内に日本に帰ってくる可能性は極めて低い。

解説
ハルオが日本に帰ってくる可能性: la ebleco(,) ke Haruo revenos al Japanio。revenos al Japanio は revenos Japanion としても同じです。「日本」は Japanujo といういい方もあります。al Japanion は誤りです。al の後に対格(-n)が置かれることはありません。s^anco は英語やフランス語の chance と違って ebleco de sukceso という狭い意味で使われるのが普通なので,ここでは s^anco ではなく ebleco を使うのがよいでしょう。Tio estas tre malgranda la ebleco ke Haruo revenas ... は Tio を削除し,revenas は revenos とします。revenas は,例えば Li revenas hejmen unu fojon c^iujare.(毎年1回帰省する)というような反復される行為についていうときはよいのですが,ここでは -os を使っていいましょう。

年内に: en c^i tiu jaro, dum c^i tiu jaro, g^is la jarfino, g^is la fino de la kuranta jaro などのようにいえばよいでしょう。jarfino には冠詞を付けます。無冠詞の jarfino は「ある年の末」という意味になるので,「今年の」ということを暗示するには la jarfino としなければなりません。これは「週末」,「月末」などにも共通していえることですが,冠詞を付けることで,話をしている時点の「この週末」,「この月末」を表すことができます。dum la resto de nuna jaro の nuna jaro は la nuna jaro としましょう。interne de は「〜の内部で」という空間的な意味を表す表現ですから,ここでは使うことができません。(英語の inside は空間的だけでなく時間的な意味でも使われることがありますが,それと混同しないように注意してください。)

極めて低い: la ebleco を修飾する場合は estas tre malgranda というのがよいでしょう。tre malmulta も使えますが,tre malalta のようにはいいません。「(可能性が)低い」というのは日本語の表現なので,直訳して malalta を使うのはよくありません。Preskau^ ne estas la ebleco ke Haruo revenos ...(ハルオが帰ってくる可能性はほとんどない)というように表現することもできます。

訳例
Tre malgranda estas la ebleco ke Haruo revenos al Japanio g^is la jarfino.
Preskau^ ne estas la ebleco ke Haruo revenos Japanion g^is la fino de c^i tiu jaro.


課題文n-ro196 Ottoは Adamoが彼の金を盗んだという疑いを持っているようです。

解説
Adamoが彼の金を盗んだ: Adamo s^telis lian monon。liajn monojn のようにはいいません。mono は複数形では使わないとおぼえておきましょう。

〜という疑いを持っている: havas la suspekton(,) ke 〜 または suspekti(,) ke 〜 のようにいえばよいでしょう。dubon や dubi を使うのはここでは誤りです。「〜したのではないか」とある人に疑いをかけるのは suspekto, suspekti を使っていいます。dubo, dubi を使うと「〜したという事実を疑う」つまり「〜しなかったと思う」という意味になるので,この課題文と反対の意味になります。

比較:
Mi suspektas ke li mensogas.(わたしは彼が嘘をついていると思う)
Mi dubas ke li mensogas.(わたしは彼が嘘をついているとは思わない)

エスペラント小辞典では dubi の項で「肯定文では dubi c^u, 否定文では dubi ke」のような説明がありますが,肯定文でも強い疑いの気持ちを表すときは dubi ke の形をとることがあります。
なお,dubi, suspekti をどちらも「疑う」という訳語でおぼえていると,上に挙げた比較の例文のように,まったく反対の意味になるので注意することが必要です。
このような違いは日エス辞典では分からないので,PLENA ILUSTRITA VORTARO DE ESPERANTO(PIV)や PLENA VORTARO DE ESPERANTO(PV)などのエス・エス辞典か類義語集で調べる必要があります。(『作文のためのエスペラント類義語集』については
ここをクリックしてください。「内容見本」はここをクリック。)

ようです: 下の訳例のように s^ajnas か s^ajne を使っていうのがよいでしょう。

訳例
Otto s^ajnas havi la suspekton ke Adamo s^telis lian monon.
Otto s^ajne suspektas ke Adamo s^telis lian monon.
Otto s^ajnas suspekti ke Adamo s^telis lian monon.
S^ajnas ke Otto suspektas ke Adamo s^telis lian monon.


課題文n-ro197 わたしは,先ず市場調査をすべきだという彼の意見に賛成です。

解説
わたしは〜に賛成です: mi aprobas 〜n または mi estas por 〜 のようにいうことが できます。aprobi は他動詞なので aprobas por 〜 の形でなく,aprobas 〜n の形で 使いましょう。aprobi は「よいと認めて,それを受け入れるべきだと表明する」ことで す。konsenti は konsenti kun iu(ある人と意見が一致する), konsenti pri io(あること に同意する)などの形で使うのが普通なので,konsentas kun を使うのなら mi konsentas kun lia opinio ke 〜 ではなく,mi konsentas kun li(,) ke 〜 とするのがよ いでしょう。konsenti por の形は使われません。mi jesas al 〜 の jesi は diri jes という意味なので,「〜を承諾する」というときのいい方です。

先ず: antau^ c^io または unue か komence を使っていえばよいでしょう。unue と komence はいつでも置き換えることができるわけではありませんが,ここではどち らを使っても同じです。

市場調査をすべきだ: ni devas esplori la merkaton。merkato は「対象とされる人た ちの購買力,あるいはある商品を必要とする消費者の購買力」 を指す語で,ここで は冠詞を付けましょう。調査の対象は当然限定されるからです。無冠詞の merkato は数多くある merkato のうちのどれかひとつを指しますが,そのような漠然とした対 象を調査するということはあり得ません。merkatado は「生産者から消費者への商 品の流通における活動のすべて」を指す語ですが,この語は新しいPIV(PLENA ILUSTRITA VORTARO DE ESPERANTO)には出ていますが,わたしの手もとにある ほかの辞書には出ていないので,まだ一般には知られていない新語であると思わ れます。「市場(しじょう)」に bazaro は使えません。bazaro は「市場(いちば)」です。
「調査」はここでは enketo, enketi ではなく esploro, esplori を使います。esplori は 他動詞ですから esplori pri 〜 の形でなく,esplori 〜n の形で使いましょう。名詞 形では esploro pri 〜 となります。「〜すべきだ」は ni devas 〜i または「市場調査」 を主語にして estas farenda ということもできます。ni necesas fari は誤りで ni bezonas fari としなければなりません。necesas を使うのなら necesas por ni fari の ようにいいます。

という彼の意見: lia opinio(,) ke ですが,aprobi の目的語になると,lian opinion(,) ke となります。

訳例
Mi aprobas lian opinion ke antau^ c^io ni devas esplori la merkaton.


課題文n-ro198 これは宇宙が膨張を続けているというガモフ(Gamow)の理論につ いての本です。

解説
これは: 目の前にある1冊の本をについて「これは」というときは,c^i tio を使って言うのがよいでしょう。一般に物を指すときは c^i tio, 人を指すときは c^i tiu(この人は)を使いますが,いくつがある物の中で,ほかの物と区別して「これは」いうときには c^ i tiu を使います。c^i tio の代わりに g^i を使う人もいますが,これはお勧めできません。

宇宙が膨張を続けている: la universo dau^rigas la ekspansion のようにいうことができます。「膨張」には dilato を使うこともできますが,この語は専門用語ですから知らない人も多いでしょう。universo と ekspansion には冠詞を付けます。sian ekspansion としてもよいでしょう。「宇宙」は, ここでは kosmo ではなく universo を使います。kosmo は「秩序と調和のある体系としてとらえた宇宙」のことで kaoso(天地創造前の混沌)の反対語です。

というガモフ(Gamow)の理論についての本: libro pri la teorio de Gamow(,) ke のようにいうのが普通です。libro に冠詞を付けるのはよくありません。既に話題にしたことがある本であれば la libro といいますが,そのときは日本語では「これが」というでしょう。「これは」というふうに切り出したのは,初めて話題にする本であることを暗示しています。

訳例
C^i tio estas libro pri la teorio de Gamow, ke la universo dau^rigas la ekspansion.


課題文n-ro199 Anna は,何か新しいことを始めたいという自分の考えについて話しました。

解説
Anna は ---という自分の考えについて話しました: Anna parolis pri sia penso(,) ke ---。penso の代わりに ideo を使ってもよいのですが,opinio はここでは不適当です。pri sia penso の sia を s^ia とするのは誤りです。s^ia を使うと Anna 自身の考えではなくほかの女性の考えを指すことになります。parolis sian penson のようにはいわないのが普通です。paroli は paroli pri の形で使う,とおぼえておきましょう。diris pri は誤りです。diris sian penson としなければなりません。

何か新しいことを始めたい: s^i deziras(volas) komenci ion novan。deziri は心の中に思い描いていることを実現しようと望むことをいい,voli は何かを実現させようと努力する意思があることをいいます。deziriが「気持ち」に力点を置いているのに対して,voliは「意志」に力点を置いている,といってもよいでしょう。「何か新しいことを」は ion novan とするのがよいでしょう。ian novan aferon ということもできます。io に形容詞を付けるときは io の後に置くのが普通で,ここでは -n を付けて ion novan の形になります。komencig^i は「始まる」という自動詞ですから,ここでは他動詞の komenci(始める) を使います。「始めたい」と思っているのは現在のことなので,volos ではなく volas としなければなりません。deziras, volas のところに intencas を使ってもよいでしょう。

訳例
Anna parolis pri sia penso ke s^i deziras komenci ion novan.


課題文n-ro200 彼らがそこで何も疑わしいものを見つけなかったという事実は,誰も否定することはできません。

解説
彼らがそこで何も疑わしいものを見つけなかった: ili tie trovis nenion suspektindan。tie の位置は ili の前でも trovis の後でも suspektindan の後でもかまいませんが,en tie のようにはいわないのが普通です。英語では It's cold in here. ということはできますが,これをエスペラントでいえば Estas malvarme c^i tie. となって,en c^i tie とはいいません。nenion suspektindan を ili の前に置くことはできますが,suspektindan nenion としたり nenion と suspektindan の間に trovis を入れるのはよくありません。dubindan を使った訳が半分以上ありましたが,ここでは suspektindan を使っていいます。dubi と suspekti はまったく意味が違うので注意してください。

比較:
* Mi dubas c^u li estas trompanto.わたしは彼が詐欺師であるかどうか疑わしいと思っている。(詐欺師ではないような気がする。)
* Mi suspektas ke li estas trompanto.わたしは彼が詐欺師ではないかと疑っている。(確証はないが,どうもそのように思える。)

dubi と suspekti については,課題文n-ro196 でも取り上げていますので,ここをクリックしてご参照ください

「何も見つけなかった」は trovis nenion であって,これを ne trovis nenion とすると「見つけなかったものは何もない(全部見つけた)」という逆の意味になります。

---という事実は: ここでは nei(否定する)の目的語ですから,「という事実を」と考えて la fakton(,) ke --- とします。ke の前のコンマは付ける人と付けない人があります。
誰も否定することはできません: neniu povas nei。nei には「否定する」いう意味のほかに「neという」もあるので,「否定する」という意味であることをはっきりさせるために negi という形を使うこともありますが,ここではどちらの意味であるかについて迷うような文脈ではないので,nei を使っても誤解されることはありません。

訳例
Neniu povas nei la fakton, ke ili tie trovis nenion suspektindan.