絵 粘液獣

形態:怪物
反応:攻撃的
知能:低
遭遇:地下迷宮、市街(下水道)
出現:単独



 数多くある民話や伝承、賢人の記録を見てもこのおぞましい生き物について記された例はほとんど見かけることができないだろうが、仮に記載されていたとしてもその醜悪さを完全に書き記すことは不可能だ。粘液獣は体つきは人間じみているが、大きさはほどにもなる無様な生き物である。外見は落ちくぼんだ目とのような長い鼻を持っているが、全身を浸している汚物や糞尿の中にあって判然としない。

 粘液獣はふつうの人間ならば立ち入っただけで吐き気に襲われて気を失ってしまうような、不潔で不快きわまる汚水だめや下水溝のような場所にねぐらをつくって棲んでおり、汚物の山を長い鼻でかきあげながら怠惰な生活をしている。だがこの生き物の縄張りに立ち入ろうとする物好きな、あるいは命知らずな者は余程警戒する必要がある。
 不機嫌な粘液獣は無礼な侵入者に対しては巨大な腕を振りまわして掴みかかると、その息をまともに吐きかけようとする。そうでなければ興味を示して小さな赤い目を向けるが、この怪物は恐ろしく耳が遠く声が小さいために、近づこうとしてその息を吸い込むことになる。粘液獣の息は強力な猛毒であり、これを少しでも吸い込んだ者は即死する!北方のとある邪悪な主が近年この生き物を買ったが、扱いようがなく城の地下で死の番人をしているという。


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