絵 吸血鬼(上位)

形態:不死
反応:攻撃的
知能:高
遭遇:廃墟、地下迷宮、市街
出現:単独



 おぞましい不死の怪物の中でも、吸血鬼は最も強大で恐ろしい存在であるとされている。たいていの怪物は強大な力を持つ術者や魔人によって生み出されるが、吸血鬼を代表するいくつかの存在は自らが望んで不死の怪物となるのだ! 吸血鬼の外見は生前と変わらない姿をしているが、皮膚は青ざめて瞳が赤く、鋭い鉤爪と長い二本の牙を持っている。陽光に弱いためにふだんは致命的な光を避けて日の届かない地下室に姿を隠しているが、夜になると起き出して、時にはコウモリ、または霧に姿を変えて周囲を徘徊することもある。
 人間のあたたかい血を常食とし、催眠効果のある強力な視線で相手を動けなくしてから、犠牲者の首すじに咬みついて血を吸い取る。血を吸われた犠牲者もまた吸血鬼となって主人の命令に従うようになるが、特に気に入った相手には三日続けて三回に分けて血を吸うことによって、肉体を崩壊させずに不死の怪物として自らに仕えさせる。

 吸血鬼を殺すにはふつうの武器では効果がなく、傷はすぐに塞がってしまうし、切り落とした四肢も生えてきてしまう。十字架のような聖印や大蒜はこの怪物を一時的に怯ませる効果を持っているが、あまり長い効果は期待できない。銀でできた武器か祝福された聖水は怪物の皮膚を焼き、日の光を浴びれば一瞬にして塵と化してしまうが、夜になれば元に戻ってしまい自分を倒した者に復讐に訪れる。吸血鬼を倒す最上の方法は、隠されている力の源である盛り土を見つけることだ。たいていは墓所のかび臭い納骨堂にある棺おけの中に敷き詰められていて、昼間その上で眠っている間に心臓を木の杭でぬいとめてから土を撒き散らしてしまい、頭を切り落として何もかも焼いてしまえば二度と復活することはない。


他の項目を見る