◆ギャラリープチフォルムはオリジナル版画と有能な新人作家を発掘するので広く知られている。 |
4年前に御堂筋を挟んだ旧ギャラリーから現在の所に移転してきた。オーナーの青柳清孝氏は |
版画への造詣が深く、日本の業界でも名だたる人として活躍されている。 |
◆取材申込の日に、たまたま美術額装の「カナタ」の会長が尋ねて来られ、展覧準備中の作品を |
見られ、「いい作品やね。」「いい作家やね。」「これは伸びるよ。」と言われた言葉が印象的 |
だった。 |
◆青柳社長に申込を気軽に受けて頂き、早速、作家福田氏に連絡して頂いた。当日は夕方からの |
取材になったが、御堂筋の銀杏の葉は黄色く色付き、また慌ただしく落下している。また上の |
タイトルイメージの毎くライトアップされ大阪のメインストリートを幻想的に演出している。 |
◆主人公の福田将裕氏はなんと、中学の教頭先生だった。ギャラリーに着く迄あれやこれやと |
お見合いにならないようにと思い悩んだが、青年のような風貌とダンディな着こなし、立て板に |
水のようなシャベクリに安心と急に親近感を持ちました。 |
◆福田将裕氏は今回の展覧会のテーマから想像できるように、相当な公募マニアである。 |
小学高学年で「独立美術」のジュニア部門で一番の金賞をとったのが手始めに今まで |
国内、海外と片っ端から応募してきたと語る。中でも版画作家としての道を決定付けたのは |
1987年の日仏現代美術展のグランプリを受賞したことだ。最後に2人の候補作が残った時、 |
大賞は展覧会の顔になるので、審査員の皆で何処が良いか述べあうことになり、筑波大学の |
新顔の女性の審査員の言葉「現代美術はインパクトの世界」に皆が賛同し決着がついた。 |
以来、今日迄、賞ハンターとして世評に上る。 |
◆モチーフやテーマとしての宗教への関心は、エジプトのカイロ日本人学校に教師として赴任 |
した5年間の生活体験の中から自然と生まれた。後は現代に至る迄、連想ゲームのように |
発展してきたと語る。普段の新聞の広告チラシの中からもイマジネーションは浮かぶという。 |
現在、氏の作品の中心的な要素を占める、赤のフォルムの表現における技術的な所を |
「企業秘密」と言いながら「サンちゃん」に丁寧に教えてくれました。長年の中に失敗を重ね |
発見をしたり、時間の中で技としての技量を高めることで今の、絵師、刷師としての福田将裕が |
あり、高いレベルの世界と想像します。 |
◆福田将裕氏は夕方から在廊の予定であるが、この27日頃から冬休みに入るのでゆっくり |
歓談されたい方はその頃が良いかと思います。また大作の「3つの十字架」といつまでも |
あきのこない受賞作「Relation
Distance」(リレーション・ディスタンス)、名作の |
「Museumにて」(ミュージアムにて)、「僧院にて」を是非ご鑑賞ください。 |
◆作品の購入について:ハガキサイズの小品は1500円から(受賞作もあり小品といえども |
労作であり、あなどれませんぞ。)27×18cmサイズで6000円、メインの展示作品サイズの |
80×55cmサイズで55,000円とインテリア版画としても購入しやすい価格帯です。(税別) |
◆最後に一句:御堂筋に光のアートいと美しき師走かな。「サンちゃん」 |
取材日:平成12年(2000年)12月20日 |
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