読者の方から「中山道は『中仙道』が正しいのか? それとも『仲仙道』なのか?」というメールを頂いた。 その昔、と言っても数十年前までは「仲仙道」と書かれていた。 それが手抜きなのか、無知なのか、「中仙道」から「中山道」へと表記方法が変化していった...少なくとも、私はそう思っていた。 江戸時代の五街道のひとつであった中山道は、江戸と京都を結ぶ145里(約570Km)の街道で、途中には69の宿場(板橋は最初の宿場)が設けられていた。 それでは、書き方は「中山道」「中仙道」「仲仙道」のうち、どれが正しいのだろうか? 調査してみると、実は意外と古くに決められていたことが分かった。 徳川幕府は、正徳6年(1716)4月に「五幾七道之中に東山道、山陰道、山陽道いずれも山の字をセンと読み申し候。東山道の内の中筋の道に候故に、古来より中山道と申事に候」との触書を出した。 つまり、読み方は「カナセンドウ」で、書き方は「中山道」が正しい...ということになるらしい。 ところが、この法令は徹底せず、今でも表記方法がバラバラとなっている。 そこで、巣鴨から志村に至るまでの「旧中山道」沿いに、「カナセンドウ」の表記方法を調べてみた。 1.中山道 | |
![]() ![]() 旧中山道(左上)、仲宿商店街(右上)、西巣鴨交差点(下) ![]() 国土交通省が管理する国道17号の歩道橋や道路案内板も中山道だ。 |
![]() 歩道橋(志村の一里塚) ![]() 道路標識(西巣鴨交差点付近) |
2.中仙道 | |
![]() JR板橋駅前にある「いたばしの史跡観光案内」に載っている地図(右)には「(旧)中仙道」と書かれている。 |
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![]() 旧中山道の板橋の下を流れる石神井川。 その川沿いには遊歩道があるが、国道17号で分断されている。 橋のたもとには注意書きがある。 |
![]() 志村付近の国道17号に面した空き地には、レンタカー会社の移転案内板(上)があった。 その地図(下)には中仙道と書かれている。 ![]() |
3.仲仙道 | |
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![]() 旧中山道とJR埼京線が交差する踏切は仲仙道となっている。 群馬県内のJR踏切では中仙道の表記も使われいる…との情報もある。 (2001/09/01)
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