Lights Please....Heavy ConstruKction(2000.12.21)

 あらら、いつの間にやら20世紀もあとわずか、'20世紀の終わりに...'と唄ったのはヒカシューの巻上氏、いやいやそんなことはどーでも良いわい!!!!!!
結局今年はMillennium Crimsonに引き回されて獄門打ち首になりそうな一年でした。
そんなところに止めの一撃、欧州ツアーのライブ音源で構成されたライブアルバム'Heavy ConstruKction'がこの年の瀬に発表されました。
とりあえず駆け込みではありませんが、20世紀最後の'The Room Of Crimson King'は、'Heavy ConstruKction'で幕を閉じようかと思いまして....では。


Heavy ConstruKction さて、このアルバム、今年の5月から7月にかけて行われた欧州ツアーの音源で構成されたものです。
クレジットにもあるように、一夜のショウではなくツアーのベストトラックを集めて、一夜のショウのような曲構成としています。
部分的には複数の同曲のトラックを切り張りした可能性もありそうですが、最近の編集のテクニックっつーのはその辺をかなり感じさせないですから....
ちなみに、CD-1及びCD-2はそんな一夜のライブの模様、CD-3PatPatの機材テクニシャンでもあるBillの二人による編集のインスト集となっています。
加えてCD-2CD-EXTRA仕様で約40分程のRomaでの映像がWindows Media Playerフォーマットで収録されているという、かなりのてんこ盛り作品であります。
いやー、聴き倒すのにこの忙しい年の瀬ですから、かなり時間がかかりました。
さて、内容をちょっと細かく見ていくと、CD-1及びCD-2の収録曲はそれぞれベストトラックを使用しているのでしょう。
聴いていてもかなり安定した演奏が聴けます。
ちなみに、このツアーでは元々80年代以前の曲はセットリストに加えないとされていた(多分、リハやアレンジの問題でしょう。唯一'Three Of A Perfect Pair'が除かれていますけど、これはAdrianのソロですからね....)のも、このCDでも再現されたという訳ですね。
ただ、日本公演のようなこなれた演奏(ついでに遊びも加えて...ちょっと暴走したりとか....)というよりも、どっちかというと安全第一の演奏(??)に終始している感もあり、やはり今後の日本公演も含めたワールドツアーのツアー序盤の雰囲気がそこに感じられます。
まあ、それでも超難曲の'FrakCtured'の完成度なんかは、やはり'よーライブでこんな曲やるわい...'と思わせます。
全体的に'the construkction of light'の各曲は演奏しているほうも新鮮味があるのでしょう、実際演奏自体も良い出来だと思いますが、やはり残念ながらダブルデュオ時代の曲は日本公演もそうですが、どうしても隙間が目立つというか、音の厚みが欠ける気がしますね。
それと、日本公演では気にならなかったのですけど、こうしてCDで聴くとPatの金物が、やっぱクラッシュとリモートハイハットのオープンだけだと、変化に乏しいかな...(日本公演の後半でシンバルが一枚増えたのはそんな関係かな???)
どうも、金物金物したフェイドの短い金属音だけだと変に耳につくような....V-Drumでの金物系の音が意外と周囲に埋もれやすいのもありますね、これ。
さて、今回の日本公演もそうでしたけど、やっぱ目玉は'Lark's Tongues In Aspic: Part Four/Coda: I Have A Dream'から'Heroes'までの流れでしょうか??(ご存じのように日本公演は猫の目セットリストでしたんで、同じ流れにはならなかったわけですが....)
特に、アンコールでのAdrianのエレアコソロでの'Three Of A Perfect Pair'は、意表をつかれて楽しかったですし(でも、日本人はコーラスしてくれない....私は唄ったが....)、'The Deception Of The Thrush'もこのころは未だTreyのソロが完全に決まっていないのが逆に新鮮だったり...(でもTrey日本公演中にこのソロを格段に進歩させたと思いますよ)
'Heroes'は、それほど曲調を変えられるものでもありませんから日本公演の時と比べてもそんな変わりは無いですけど、ただ観客の盛り上がりは凄いですね、やっぱ(これに対抗出来たのは日本だと横浜公演ぐらい??)。
ちなみに、個人的には変態(?)アレンジの'Cage'も好きなんすけど....
さて、映像のほうですけど、実は演奏としてはこっちの一公演で作ったもののほうがノリが変わらなくて良いような気もします。
演奏としては一応クライマックスの部分の映像で構成されていますが、おもしろいのは観客のカメラのフラッシュに過激な反応を示したFripp翁の姿では無いでしょうか??
ツアー中何度か、カメラのフラッシュに怒ってステージを放棄したと伝えられていますが、このRomaでも一端ステージを後にしています(後で帰ってくるんですけど)。
ちなみに、映像の最後を良く見るとスタッフがフラッシュを焚いた張本人のそばに集まっているようにも見えますが。
そんな事件の様子が(Romaよりも険悪な状況だったのでしょう)CD-3のオーラスにそっくり収まっているのもなかなかおもしろい趣向だと思います。
ただ、このCD-3、何故か12トラック目の頭(というか11トラックの最後??)でCDのタイムカウンタがビタっと止まるのは何故なんでしょ??(あ、筆者のプレイヤーのせいでは無いようです、これ...)
さて、そんなCD-3ですが、所謂'Projeckt XX'名義としたほうが良いようなPatBillによる編集が施されてはいますが、基本的にはライブの音を差ほど加工はしてないように思えます。
(まあ、今はPro Toolsを使いますから、何をやっても不思議は無いんですけど....)
個人的にはこのCD-3が一番気に入っていたりして....
まあ、ホントはインプロナンバーは全曲聴くほうが良いのでしょうが、こんな風なカットアップやコラージュで構成された編集もまんざら悪いものでは無いと思うのですね。
感覚的にはDJスタイルとかじゃなくて、昔のFaustとかZappaのノリに近いように思えたりして....
まあ、とにかくタイトルどうり、ヘビーな作品であることは間違いありませんな、これ。
でもね、カメラ騒ぎネタの曲、さんまじゃないんだから、'Lights Please'つータイトルはねー、日本人はどうしても笑っちゃいそうな気もしたりして...


The Best Of MuzikLaden Double Feature T-Rex/Roxy Music さて、ちょっとオマケというわけではありませんが、最近発売されたDVDソフトでおもしろい発見があったので、そいつを紹介しておきましょう。
'80年代中盤にLDやビデオでPIONEERさんから、独国のRadio Bremen60年代中盤から70年代末にかけてTV放送していた'Beat Club'と'MuzikLaden'のソースを収録したコンテンツが出ていました。
このソースをミュージシャンやグループ単位で集めて構成したものがDVDで最近シリーズ化されているのですけど、当初は既に公開済みの映像のみで構成するのかなと思っていたら、何と、そうゆう作品以外に日本では未公開(というか先のシリーズに使用されなかったもの)のものと組み合わせたものもリリースされているのです。
で、今回紹介するのは、'T-Rex'と'Roxy Music'のものなのですけど、正直'T-Rex'のほうは殆ど何らかの形でビデオ化されていると思われるものが殆どなのですけど、'Roxy Music'の方は全6曲の内、筆者の知る限り2曲(先のPIONEERさんの'Beat Club'シリーズで既発済み)を除けば殆ど見たことの無いものばかりなのでした。
どちらも、スタジオライブ形式で収録されたもののようで('T-Rex'でスタジオライブというのはかなり冒険しているとも思えますが....あ、但しカブセは行ってるみたいっすね、VocalとかGuitarとか...)、かなりおもしろいっす。
で、どちらといえば面白いのは絶対に'Roxy Music'の勝ち!!!!
なんてったって動くは唄うは、そしてEMSVCS3をいじくり倒すEnoがもー最高。
しっかりと、VCS3の特徴の一つであったプロポをいじくり倒すソロも、しっかりと収められています。
笑ったのは着ている衣装でして色は黒なんだけど、なんかその昔、やっぱ'Beat Club'シリーズに収録されたCrimsonJamieの衣装そっくりじゃないっすか、これ。
うーん、同じ事務所のEGに所属してたからって、まさかお古を染めたんじゃーないだろーな??などというくだらない事が頭をよぎってしまいます。
まあ、この時代のしかもモノシンセを専門でライブで担当するってのも凄い発想(元々はSaxAndyが弾くシンセのプログラミングを担当する筈だったわけですけど...結局AndySax吹いていない時はFARFISAのオルガンを弾いている訳ですが....あ、多分Professional Duoですね、これ)だけど、あんだけステージ映えすれば、もうやったもん勝ちでしょう、これは。
Enoの人気が上がりすぎて、嫉妬したBryanEnoを首にしたってのも、あながち嘘では無いでしょうね。
さてさて、実はこのソフト、ホントの隠し球は一番最後のトラック'All I Want Is You'なのです。
なんとこの曲でBassを弾いているのが、'Red'で解散したCrimsonJohn Wettonその人なんですね、これ。
で、さすがにCrimsonでは無いのでおとなしいかと言えば、ところどころでコード弾きはやるはと相変わらずの弾き方だったりして。
あ、バックコーラスもやってます、ちゃんと。
でもねー、これより凄いのが、同じくこのトラックでKeyboardを弾いている若いにーちゃんでしょう。
そう、あのEddie Jobsonなのです。
いやー、若いなー、ちなみに使用している楽器はMellotronHonnerのクラビでして、その上にシンセを乗せてるんですけど、これがどーも日本のRoland製のようでして(多分SH-1000SH-2000のプリセットものでしょう)、これにはびっくりしちゃいました。
でも、考えてみるとBryanEddieを重宝したのも判りますね。
何せ、Roxyの場合Eno時代を考えるとEnoAndyBryanと鍵盤楽器を担当するのが三人もいながら、まともに弾けるのがBryanだけだったわけですから、そりゃEddieがいれば鍵盤任せきって、ボーカルに専念出来るというものでしょう。
(と言いながら、この時期もしつこくFARFISAのオルガンを弾いているAndyだったりして...)
しかし、Bryanの衣装と動きには笑っちゃいますね、これ。
昔、山上たつひこの'がきデカ'がRoxyBryanのノリと良く言われましたが、この映像を見ると良く判ります。
ホント、がきデカ状態のBryanは、笑えますわ、これ(^^)。
だけど、こんな映像ソフトが出せるんなら、是非Jamie在籍時のCrimsonの映像を出して欲しいっすね。
何せ、あのLD/Videoで出ていた'Beat Club'シリーズには'Lark's Tongues In Aspic Part I'しか収録されていなかったので、映像はこれしか残っていないのかな???と思っていたらDGMのリリースで、実際には40分強の音源が残っていた事が完全に証明され、しかもそれがTV用のビデオ音源から作られた訳ですから、これなら映像も残っていると考えるのも不思議じゃありませんよね??
それと、'Beat Club'と'MuzikLaden'という番組、複数のアーティストのビデオを放映していた番組かとも思われていましたけど、今回のRoxyのように30分番組を1バンドで、ほぼ一本構成出来る映像がある訳ですから、Crimsonの場合も1時間番組を一本構成出来る音源があるということは一本分の放映映像が残っている可能性は十分あるでしょう。
ただ、それのリリースをFripp翁が認めるかどうかってのもありますけど....
DGMのクラブリリースでDVDって手もあると思うんだけどな....
(ついでに、Jamie脱退直後のMaqueeライブの映像とカップリングでね??あ、Maqueeの映像はホントに撮られたのかな???プレスリリースは存在する筈なんだけど、物はどうかな??)


 さて、本年の'The Room Of Crimson King'の更新は、今回が最後です。
いやはや、冒頭にも書きましたように、ホントMillennium Crimsonに引き回されて獄門打ち首になりそうな一年でした。
でも、来年も21世紀が来たーっつって、Crimsonはツアーしそうだし、Tonyがそれに加わりそうだし、またまたCrimsonをおっかけなきゃならない一年になりそうですね。
というところで、'The Room Of Crimson King'は今年はここまで。
じゃ、チャオ(^^)/。

To Crimson