吉備の地、岡山平野の北端近く、周囲は田畑が多く残り、諸所に集落が点在する田園風景の中にあります。
東から北、西へと遠くに稜線が望める大らかな環境にあり、比較的ゆとりのある区画での計画です。
西側に道路、南と北には2階建て隣家があり、開放感とプライバシーの関係から、2階を主生活スペースとする案が採用されました。
2階は、西隅の小さな和室を除き、ほぼワンルームの連続する空間となっています。
広めのテラスと、水平に連続する窓から、どの場所にいても外部との連続性や開放感、自然の息吹や鼓動を身近に感じられる空間になっているように思います。
内部の床は節のある松の厚板、壁・天井は火山灰塗りの自然素材の仕上げとしています。
露出した構造材、地産の松梁が、空間に力を受け止める緊張感と、一方で自然なゆがみが、人工的な空間の硬さを和らげる両義的な効果もたらしているように感じています。
コストを抑える目的もあり、塗装工事は全て建築主直営としていただきました。
ご家族も巻き込んでの作業が、住いづくりの楽しい「想い出」の1ページになり、建物を手入れしながら、愛おしんで使っていただくきっかけになれば、コスト以上の成果ではないかと考えています。
建築種別 | 住宅 |
建築用途 | 専用住宅 |
構造・規模 | 木造 2階建 |
その他 | ■ 自然順応型コンパクトモデル No 1/子育て世代向け プロジェクト |
玄関ポーチ 夕景
ガラススクリーンの向うに階段
2階 居間、正面壁向うに台所・食堂
浴室 壁は青森ヒバ