撮影:伊部 功 氏
最近幾度か道もない山中に建築を計画する機会が与えられた。
全く人の気配の無い森の斜面にフラットなステージが組まれる、屋根も壁もない、ただそれだけのことでなにか建築の持つ安心感のようなものを感じた。・・・(中略)
敷地は西中国山地国定公園にもほど近い山麓、標高650M、斜度約30%の急勾配で東に下がる。
周囲は杉の人工林の中にブナ、ナラ等のの落葉樹が点在し、夏は群青、冬は白一色の世界となる恵まれた環境であると同時に積雪2Mを超える厳しい自然でもある。
南正面からのアプローチ、斜面の関係から谷側を一部二層とし階下を機械室・ユーティリティー・工作室、上階を主生活スペースとしている。
台所と食堂を対面カウンターのオープン形式、居間を含めたワンルームとし空間的広がりと視覚的一体感を持たせた。
リビングゾーンを谷側に個室を山側に配し、その間の廊下を北面まで延長することにより将来の個室の増設に備えている。
正面南側にはアプローチを兼ねたテラスを配置し2階レベルのサーキュレーションと囲われたフラットな屋外スペースを確保した。
中庭の植込みは積雪の処理と、出来うる限り自然を引寄せたいとの意図で残されている。
植樹は山紅葉を主に、五月、ツツジ等で夏冬に加え春および秋の色彩を添え四季感を増幅したいと考えた。
*** 住宅建築 No204 山荘・別荘特集 原稿より抜粋
建築種別 | 住宅 |
建築用途 | 山荘 |
構造・規模 | 木造 2階建て |
その他 | 住宅建築 第204号(建築資料研究社)山荘・別荘特集掲載 |
◇ homify特集記事/自然と共に暮らすための家 |
アプローチ・外観 夕景
玄関 風除室
居間・食堂
ポーチ・テラス
テラス 夕景