吉井川の支流、鏡川(香々美川)が中国山地から抜け出し、津山盆地にかかろうとするあたり、北に山のスカイライン、南に緩やかに下る田園地帯の一画です。
旧家屋の比較的新しい部分(二間続きの座敷)を残しての建替工事です。
南北軸にそった旧座敷棟配置に、増築部分を東西軸として接続、L字型の構成としています。
増築部の南壁面を10度東にふり、既設棟と100度でつながる平面とし、接続部 入り隅の窮屈さをやわらげるとともに、室内から南の庭への広がりを感じられる構成を提案しました。
北東側道路と敷地の高低差を利用し、玄関はブリッジのアプローチを経て2階への階段の中間踊場に設けています。
半階下がって主生活スペース、半階上がったロフトは、南側の吹抜けで下階とつながる、ほぼワンルームの空間となっています。
風通しの良さとともに、住まわれるご家族が、お互いの気配を感じあえる感覚的にも風通しの良い住いになればと願っています。
緩勾配屋根の庇を深く出し、大らかな田園風景の中にあって、周辺の旧来の家屋同様に、「屋根の庇護の下にある住いの安心感のような感覚」の連続性が得られればと考えています。
内部は床にムクのフローリング、壁・天井は火山灰をラフに塗り、自然素材のソフトな陰翳の内装が人を包む感覚でまとめています。
建築種別 | 住宅 |
建築用途 | 専用住宅 |
構造・規模 | 木造 2階建て |
その他 | 増改築工事 |
玄関アプローチ ブリッジ
増築部 東南外観
階段踊場に玄関 シャンデリアは旧家既存品
2fロフトから玄関ホール
車庫棟間の庭、既存石と雑で植栽
増築部 夕景