■ 設計について
低層住宅が整然と並ぶ、既存団地内住宅の建替え計画です。
南北間口に比べ 東西の奥行きが長い整形な敷地で、西面に道路、他の３方は既存の住宅に囲まれています。
西側道路に面して３台の駐車スペースとアプローチ通路、東側に最小限のサービスヤードを確保しています。
その結果、南側に空地を残す余裕はなく、採光・通風上の問題解決のため、台形状のコート(屋根のない居間)を提案しました。
コートの南面に１層半程度の高さの、木製格子とガラスで構成されたスクリーンを建て隣地からの視線に対応し、コートに面してはほぼ全面を開口としています。
居住スペースに連続するプライベートな屋外空間は、日々の生活を豊かにするさまざまな可能性を拡げてくれます。
建物のほぼ中心にあるコートを通して、お互いの様子が見え隠れし、住いの中での生活が いつも家族と共にあることの連帯感や安心感を増幅してくれればと願っています。
内部床は節のある松板、壁・天井は火山灰塗り、質素ながら自然素材のインテリアとしています。
南北は、隣地境界の関係から最小限になっていますが、西アプローチ側は、自転車置場を併設した玄関ポーチと、大屋根妻側の軒を大きくはね出しています。
現代住宅にあっても、かつての日本家屋の深い庇のように、ふところの 深さ・広さ が感じられるような「 たたずまい」をと考えているところです・・・
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