少し変形した11M 角の敷地での計画です。
周囲は民家などの建物に取り囲まれ、1階レベルでは眺望はもちろん、採光や通風も充分には望めない状況でした。
そのような状況でたどりついた、2階を主な生活空間とする案です。
敷地東南隅 (アプローチ通路側) に1/4 円状の外部吹き放しの空間を確保し、その部分を1階はエントランスポーチ、2階にはテラスを設け、室内からわずかに残された景観を享受し得る方角への外部へとつながる緩衝地帯としています。
2階主生活レベルでの最大の問題点は、土・自然との距離。 ここでは1階ポーチに大きな樹木を植え、2階レベルのテラスから直接触れられるくらいに自然を引寄せる努力をしています。
外部は全体をガルバリューム鋼板波板の無機質な装いの中に、吹き放し部分の外壁のみを土壁とし、貝殻のごとく硬く囲われた中から、内部のやわらかさがポッカリ現れ出たような構成が、この場にはふさわしくイメージされました。
内部床は、仮設足場用杉板、枠・扉・造作材も地杉の厚板、壁・天井は火山灰塗り、コストを考慮しての選択でしたが、質素で素朴でありながらも、和の空間にただようような、落着きと包容力ある空間が出来上がったように感じています。
建築種別 | 住宅 |
建築用途 | 専用住宅 |
構造・規模 | 木造 2階建て |
その他 | ◇ homify特集記事/自然を身近に感じられるエントランスコートのある家 |
南面夕景、外装はガルバリューム鋼板波板
台所・食堂
居間、屋根勾配にそった、ゆるやかな天井に包まれて
隠れ小部屋的3帖和室、吊押入と床の間で空間にゆとり