■ 設計について
中心市街地にほど近い区画整理された 低層の住居が連なる一角にあります。
比較的ゆとりのある南北に長い整形な土地で、北側に道路があり残りの３方は、低層アパートや民家に囲まれており、採光・通風上は何らかの工夫が望まれる敷地でした。
示された要望の第１は中庭(コート)を持つ家！
北道路側に、２台の駐車スペースと１台のカーポート、南側に居間、食堂、台所の主生活ゾーン、北側に２層の寝室ゾーン、その間にコートの案で、ゾーン計画・ブロックプランは即決しました。
寝室ゾーンと居間ゾーンをつなぐ廊下は、毎日何往復もの導線、単調さはさけたいものです。
ここではコートを扇状にすることによって、それに沿う通路を徐々に方向と広さ を変化させ、近世ヨーロッパのバロック空間 (※1) に見られる 楽しさを創れないかと考えました。
市街地にありながら、充分な採光や通風、それに至近距離で自然と触れ合える生活の場は、土や木の自然素材のインテリアや、手仕事の跡が残る壁・天井の表情ともあいまって、ご家族の ココロの棲み家 になってくれる事をと願っているところです・・・
※1 バロックといえば装飾、ロココの室内に見られるロカイユ装飾が想い起こされるのですが、空間の構成においても素晴しい建築様式の一つです。 複雑で魅惑的な空間、とりわけ 人をいざなうように漸増する空間、曲面がめくれあがるような高揚感に特徴があります。
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