赤ワインが体にいいわけ

(この記事は、米国LPI社のヘルス・リサーチ・レビューという健康新情報紙を翻訳したものです。)


 英国の研究者たちが、赤ワインが他のアルコール飲料とは違って心臓病から体を守るのに役立つことを示すさらなる証拠を発見しました。なんでも、赤ワインのいろいろな成分がどのように抗酸化剤として働き、動脈内壁に脂肪がくっついて詰まるのを防ぐ役に立つのかについて、詳しい情報が得られたそうです。「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」に掲載された彼らの執筆記事によれば、そのままの状態の赤ワインがいちばん効き目が強いのですが、ポリフェノールという名で呼ばれている成分が入ったカプセルでも、効き目があったそうです。「ボランティアたちに与えたところ、白ワインはそうでないのに赤ワインは抗酸化作用を示しました。この違いは、赤ワインにはふんだんにあって白ワインにはない、ワイン・ポリフェノール群のせいだと思われます」英国ケンブリッジにあるパップワース・ホスピタルの同僚医師、シャイジャ・ニディカーとアラン・ハワードはそう述べています。

 彼らの研究では、健康的でタバコを吸わない35歳から65歳までの30人をグルー分けし、そのそれぞれに、カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインをハーフ・ボトル、ポリフェノール群を溶かし込んだフレンチの白いテーブル・ワインをグラス1杯、もしくはポリフェノール群のカプセルを、毎日1回、2週間にわたって飲んでもらったそうです。それに対し”コントロール・グループ”のほうには、ウォッカ10%入りのドリンクやレモンのソフトドリンクを飲んでもらいました。ポリフェノール群というのは、カテキン群、OPC群、ケルセチン、リスベラトロースなどの成分を含みます。これらは、ブドウの皮と種から見つかった成分です。ブドウの皮は、赤ワインを作るときには使われますが、白ワインを作るときには工程の最初のほうで取り除かれてしまいます。その結果、価値ある成分であるポリフェノール群は、赤ワインには含まれるのに、白ワインには含まれないことになってしまうのです。

 「我々の研究では、ボランティアに飲んでもらった赤ワインは抗酸化作用を発揮しました」ハワードとニディカーのチームはこう記しました。「白ワインはそうではありませんが、赤ワインには、ポリフェノール群がふんだんに含まれていて、人間のLDL(低密度リポ蛋白)、つまり動脈の血管を詰まらせる悪玉コレステロールが酸化するのを防ぐのです。」OPC類を含むポリフェノール群の血中濃度は、赤ワインを飲んでもらったケースでは38%まで、カプセルの場合は28%まで、そして赤ワイン由来のポリフェノールを溶かし込んだ白ワインを飲んでもらったケースでは27%まで上昇しました。

 抗酸化作用の度合いは、血液中の脂肪が酸化したときにできる副産物プラズマ・リピッド・ペロキサイド群の量を観察することで計測したそうです。ペロキサイド群は、赤ワインを飲んだケースでは32.7%、カプセルでは29%、ポリフェノール入り白ワインでは28%、減少しました。けれどもウォッカ入りドリンクではまったく減少しませんでした。このことが示しているのは、赤ワインの成分のうち体にいいのはアルコールではない、ということです。ジャック・マスケリエ博士がボルドー大学にいたときまとめた膨大な研究でも、赤ワインの成分のうち強力な心臓保護効果を発揮するのは、アルコールではなくてOPC群だ、ということが書き記されています。

 いくつかの研究によれば、どんなアルコールでも控え目に飲む分には、心臓病を防ぐ役に立ち、おそらくは癌も防げるということです。控え目というのは、1日あたり1杯か2杯まで、ということです。そうはいっても、赤ワインに含まれているOPC群やその他のポリフェノール群のほうがそれよりずっと高い価値がある、ということは、言うまでもないでしょう。ハーバード・スクール・オブ・パブリック・ヘルスが発行したリポートによれば、1日あたり2杯から5杯のアルコール飲料を飲む女性は、飲まない人にくらべて、乳癌を発症するリスクが41%も高いのだそうです。

(アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション 第68巻より)



赤ワインに含まれる、その他の注目成分

 ・リスベラトロース

 ・リザーバトロル




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