絵 闇エルフ

形態:妖精
反応:攻撃的
知能:高
遭遇:森林、丘陵、洞窟、廃墟、地下迷宮
出現:単独



 人間がまだ樹上で生活をしていた頃、森の支配権を奪おうと同属のエルフの王たちに反逆し、追放された一族の末裔はそのまま地下にもぐって独自の文化と怨念とを長いあいだ育んできた。日の当たらない地下での生活によるものか、或いは彼らが信奉するに到った邪悪と混沌の蛇魔人の影響によるものか、その肌はやがて漆黒から灰色に近い褐色に変わっていき、闇エルフという全く新しい種族を生み出している。
 闇エルフは深い闇の森に近い、日の差し込まない洞窟や古代の遺跡を住居にしていることが多く付近を通りがかる者に音もなく忍びよって、毒矢の一閃で確実にしとめる。野生の獣でさえ闇エルフの襲撃には気づくことができず、接近戦ともなれば鞭や鋸刃のあいくちを使いこなす。

 特にエルフの森を追放された一族の末裔である闇エルフたちは、地下にある巨大な空洞を利用した帝国を築いていると言われており、襲撃した村々や旅人から収奪した財宝を蓄え、人間やドワーフを奴隷にしている。おぞましいが洗練された独自の文明を持ち、貴金属や不気味な紋様の刺青で全身をおおい、装飾を凝らした彫刻で飾られた都市に暮らしている。このような帝国は魔法をよくする貴族によって統治され、しんちょうに練り込まれた計画を立てては地上に襲撃部隊を派遣する。襲撃の目的は奴隷や財宝の確保だが、特に森エルフに出会った場合は必ず襲いかかり、手足をちぎってでも殺さずに連れ帰ると、蛇魔人を始めとする邪悪な神々への供物に捧げる。襲撃は度々行われるが、闇の世界に慣れ親しんだ彼らがもはや地上の世界に戻れないことは充分に承知しており、増し続ける憎しみによって地上に暮らす者を殺したり奪ったりしている。


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