絵 蛇魔人(マイユール)

形態:妖異
反応:攻撃的
知能:きわめて高
遭遇:魔界
出現:単独



 魔界を統べる三人の王のうち、マイユールは邪悪な他の二人 ― イシュトラシス ― に比べて遥かにおとなしい存在であるとされている。気まぐれに指の先で人間を吹き飛ばしてしまったり、消し炭に変えてしまうよりも、策謀を練って人間同士を争わせたり、殺し合わせたりすることのほうを好む。この邪悪な魔人は伝承によれば、美貌の少年めいた姿をして幾度か人界に現れ、人々を混沌に陥れたとされているが、その正体はヒキガエルに呑みこまれたかのような姿をしている。

 マイユールは地下の洞窟にある闇エルフの帝国で崇拝されており、この呪われた種族に邪悪な祝福と加護を与えている。見返りに闇エルフは特に高貴なエルフを捕らえて生け贄として捧げる。伝承に残るような戦いのおり、マイユールは自ら現界に姿を現したこともあるが、そのときはとある国の幼い王となって近隣の諸国を全て滅ぼし、神々が洪水を起こしてマイユールの国を深く沈めたことによってようやく収まったと言われる。
 だが強大な力を持ち、自然ならざる存在である蛇魔人が現界で力を及ぼすには、黒い宝石をかたどった強力な異界の門をくぐり抜ける必要がある。これを見つけだして砕いてしまえば魔人を奈落の底に追い返すことができるが、この方法を試みる者は砕けた宝石が解き放つ力から自らを守るために、魔法の護符などでよく保護しておかねばならない。


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