絵 蛇魔人(シス)

形態:妖異
反応:攻撃的
知能:きわめて高
遭遇:魔界
出現:単独



 魔界と呼ばれている、奈落の底には不浄な三人の蛇魔人が居を構えており世界の邪悪を統べている。イシュトラマイユールそしてシスといい、賢人の伝承の中で語られるところでは、シスはの頭部に美しい巨人の女の胴体を持ち、革状の翼がはえていて腕は六本あるとされている。もう少しおとなしい姿で語られるときには、蛇の頭に四本の腕を持つ巨人の姿をとることもある。
 シスは魔界にある三人の王の中で最も強大な存在であるとされており、卑小な人間に直接の興味を持つよりも、専ら自らを崇拝する砂漠地帯の蛇人に邪悪な祝福を与えることに無限の時を費やしているかに見える。蛇人は魔人の助けを得て無秩序と混沌を象徴する怪物や毒物、悪疫を作り出し、いずれ世界を死と腐敗と疫病の三神の手に帰すべく策動を続けている。

 蛇魔人は定命の者であれば目にしただけで正気を失うといわれる、奈落の底にある鋼鉄の鱗の城に住んでおり、ときとして気まぐれに部下や地上の生き物をつかまえては、内臓を吸い出してすすることに無上の喜びを感じる。腕のひとふりでたいていの生き物はまとめて吹き飛ばされてしまうが、なるべく苦痛と恐怖を感じさせるおぞましい方法を好む。もしもこの魔界の王と戦うことになれば ― 倒すことは不可能だが ― 魔人の邪な存在そのものが善に与する者から自動的に力を奪い去り、一本が魔法の短剣よりも鋭い鉤爪で無残にひきさいてしまう。


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