合成&吹き込みロジック解説(1.09d/1.11b)
参考:DIABLOR/cubemain.txt
最終更新日:2004/04/12   >>Cave of Gramarye

注釈

この記事はVersion1.09d、及び1.11bに基づく物です。過去のVersionの挙動に関してはその旨記載します。
また、将来リリースされるパッチにおいて、挙動が変更される可能性もあります。
下記のアルゴリズムはおそらく正しいものと思われます。しかし、独自の実験、考察においても
その試行回数が十分ではあるとは言えません。
アルゴリズムの間違いに付きましては、ご容赦ください。

謝辞

この記事はDIABLOR旧戦略掲示板[2742]キューブ合成とレベル、
及び戦略掲示板[28] キューブ合成とレベル(焼き直し :))(ジュンツーさん投稿)を参考にしています。
また、Diablorの知識集(Chomさん運営)に納められている過去ログをかなりの部分で参考にしました。
お二方に感謝いたします。

参考リンク

■MagicPrefix D2X(1.11b)  ■MagicPrefix D2C(1.11b)
■MagicSuffix D2X(1.11b)  ■MagicSuffix D2C(1.11b)
■Charms(S) Pre&Suf D2X(1.11b)  ■Charms(M) Pre&Suf D2X(1.11b)
■Charms(L) Pre&Suf D2X(1.11b)  ■Jewel Pre&Suf D2X(1.11b)

■Horadric Cube合成表(1.09d)

■Weapon Data D2C/D2X(1.09d)
■Armor Data D2C/D2X(1.09d)
■Item Data D2C/D2X(1.09d)

■合成&吹き込みロジック解説(暫定版) 以前の資料はこちらになります

修飾詞とアイテムによる付与効果の考え方

DiabloIIのアイテムには様々な効果が付与されます。
武器や防具であれば装備した時、ジェムやルーン、ジュエルであればソケットしたアイテムを装備したとき、
チャームであれば持ち物に持っているだけでその効果が発揮されます。
それらの効果はDiabloIIのプログラムの中に何種類も用意されています。
しかしプレイヤーはこれを実際に意識することはありません。
実際にプレイヤーが直接目にするこれらの効果は、以下に分類されます。

1.修飾詞によるランダム効果

これにはマジックアイテム・レアアイテムが当てはまります。
DiabloIIでは、プログラム中の付与効果のうちいくつかに修飾詞という名称を与え、リスト化しています。
この修飾子は前置詞(Prefix)後置詞(Suffix)に分けられています。

マジックアイテムでは、前置詞、後置詞からひとつずつ選び出しベースアイテム名に付加することでアイテム名を決定します。このマジックアイテムは前置詞、後置詞に与えられている効果を持ちます。
修飾詞とプログラム内部の効果は一対一で対応しているとは限りません。複数の内部効果を持つ修飾詞がいくつか存在します。これらの修飾詞が付加された場合、マジックアイテムでも3つ以上の効果を持つことがあります。
レアアイテムでは前置詞、後置詞からそれぞれ1〜3個の効果(最大6個)を選び出し、ベースアイテムに付加します。名称決定法はマジックアイテムとは異なり、レアアイテム前句、レアアイテム後句という名称リストの中からそれぞれひとつずつ選んで決定します。

選ばれる修飾詞の数から考えると、一般的にはマジックアイテムよりレアアイテムの方が有用に思えます。しかし、マジックアイテムにのみ付く修飾詞(Ver1.08より登場)により、レアアイテムではあり得ない性能を持つマジックアイテムができあがる可能性があります。ランダム生成アイテムの効果を狙う場合には、これらの存在も頭に入れる必要があります。

修飾詞には上記マジックアイテム限定の他にも下記の付加条件があります。
これらの条件は、アイテム生成時に常にチェックされています。
カテゴリ
 修飾詞の種類です。同じ種類に属する修飾詞はひとつのアイテムに付くことはありません。
 逆に同じ様な効果でも、カテゴリが違えば同時に付く可能性があります。
修飾詞レベル
 ベースアイテムの持つアイテムレベルがこの値以上であれば、付加される可能性があります。
アイテムタイプ
 ベースアイテムのタイプ(剣や斧、指輪など)が当てはまれば、付加される可能性があります。
拡張版限定
 拡張版のゲームであれば付加される可能性があります。

2.アイテムの種類・効果の種類による固定効果

これにはユニークアイテムセットアイテムジェム(D2X)・ルーン(D2X)・ルーンワード(D2X)が当てはまります。
これらのアイテムには、プログラムの中の付与効果が直接割り当てられています。
そのため、マジックアイテム、レアアイテムでは存在しないような効果を持つ物が多数存在しています。
特に拡張版に登場する固定効果のアイテムの一部は、最終装備となりうるような強力アイテムです。

3.固定効果と修飾詞による効果の混合

これはクラフトアイテム(D2X)のみが当てはまります。
クラフトアイテムは、ユニーク・セットアイテムのような固定効果を持つアイテムです。この他にレアアイテム同様の修飾詞が付きます。マジックアイテム限定の修飾詞は付かないこと、前置詞、後置詞から1〜3個付くことは同じですが、数は最大4個(1.09d現在)です。1.07及び1.08時代には、より多くの修飾詞が付いたとの情報もありますが、未確認です。
なお、固定効果にはカテゴリが設定されていません。そのため、固定効果と修飾詞による効果が重なることもありえます。(たとえばライフ吸収効果が固定+修飾詞で重なって、高い数値が出る可能性があります)
可能性としてはレアアイテム以上の強いアイテムができる可能性があります。

アイテムに設定されている3つのレベル

出現する全てのアイテムには、アイテムレベル(ilvl)というステータスが設定されています。
アイテムレベルは出現時の他、合成や吹き込みの過程で参照され、付加される修飾詞などの条件として参照されます。しかしアイテムそのものの性能には影響を及ぼしません。
これとは別に、質レベル(qlv)というスタータスもあります。
質レベルはアイテムの種類ごとに設定されています。

●アイテムレベル(ilvl)

各アイテムが持つ内部的な数値です。
ただし、アイテムレベルが高い=強いアイテムではありません。
この数値が高ければ高いほど、合成などの際に効果レベルの高いPrefix/Suffixが付くようになります。

アイテムレベルは次の通りに設定されていると言われています。

  敵から得た物 = 敵のレベル
  宝箱などから得た物 = 各フィールドごとに設定されているレベル(未確認)
  Inbueで得られた物 = キャラクターレベル + 4
  合成から得られた物 = 合成結果のアイテムレベル
  店から買った物 = キャラクターレベル + 5
    (ただし難易度Normalの店はAct毎にアイテムレベルに上限があります)
  Gambleで得た物 = キャラクターレベル+( -5 〜 +4 )
  その他、イベントなどで得たアイテムについては不明。

このアイテムレベルは、合成&Imbue中に計算され、再定義されます。

●質レベル(qlvl)

各アイテムの種類(ベース)ごとに設定されている、内部数値です。
同じ種類のアイテムであれば、RareであってももLowerであっても変わりません。
詳しくは以下を参照してください。

 ■Weapon Data D2C/D2X(1.09d)
 ■Armor Data D2C/D2X(1.09d)
 ■Item Data D2C/D2X(1.09d)

これらの表のlevelカラムの数値を使います。

●Magicレベル(MagicLevel)

魔力を帯びた装備品(と思われているだろう)アイテムがあります。
これらのアイテムにはMagicレベルという内部数値が設定されており、合成・Imbue結果に大きく影響を及ぼします。
Magicレベルは質レベルと同様、各アイテムの種類(ベース)ごとに設定されている、内部数値です。
質レベルと同じ表内のMLvカラムを参照してください。

修飾詞に設定されているレベル

各修飾詞には、修飾子レベル(alvl)というステータスが設定されています。
修飾詞レベルはアイテム出現時、合成や吹き込みの過程でアイテムレベルなどと比較されます。
比較の結果条件を満たしていれば、修飾詞に設定されている効果がマジック、レアアイテムに付与されます。
修飾詞にはこの他に、装備要求レベル(ReqLv)が設定されています。

詳しくは以下を参照してください。

 ■MagicPrefix D2X(1.11b)  ■MagicPrefix D2C(1.11b)
 ■MagicSuffix D2X(1.11b)  ■MagicSuffix D2C(1.11b)

修飾詞レベルはLvとあるカラムを見てください。
装備要求レベルはReqLvとあるカラムを見てください。

●修飾子レベル(alvl)

修飾子(Affix)Prefix/Suffixごとに設定されている内部数値です。
同じ修飾詞でも、アイテム種別の違い(ArmorやBootsなど)よって設定されているレベルが異なる場合があります。
代表的なところで、King'sが56、武器に付く各クラスのSkill+2が50です。

●装備要求レベル(ReqLv)

修飾子(Affix)Prefix/Suffixごとに設定されている内部数値です。
このレベルを満たしていないキャラクターは、該当修飾詞のついたアイテムを装備することができません。
なお、このレベルはアイテム出現の際には参照されません。

合成・Imbue時の計算法

合成・Imbueはほぼ同じロジックで計算され、アイテムが生成されます。
合成方法により異なるのは、新アイテムレベル生成時のパラメータです。
一般的に、Imbueの方が合成よりも高い修飾詞レベルの効果が付く可能性があると思います。
ただし、Imbueは1キャラクターにつき最大3回しか行えないのはご存じの通りです。

具体的には以下の手順で計算が行われます。

1.まず、アイテムレベルが計算されます。
 以下に主な合成法の計算方法をあげておきます。

※3C-Gem + 1Sword -> Magic/Socket Sword
 この場合、新しいアイテムレベルは30固定になります。
 新ilvl = 30

※3P-Gem + 1MagicItem -> 1MagicItem
 この場合、新しいアイテムレベルは元のアイテムレベルと等しくなります。
 新ilvl = ilvl

※6P-Skull + 1RareItem -> 1RareItem
 この場合、新しいアイテムレベルは下記計算結果の通りになります。
 新ilvl = int( CLv x 0.4 ) + int( ilvl x 0.4 )
 この合成では、合成を繰り返すとアイテムレベルは下がっていきます。

※1P-Skull + 1RareItem + 1SOJ -> 1RareItem
 この場合、新しいアイテムレベルは下記計算結果の通りになります。
 新ilvl = int( CLv x 0.66 ) + int( ilvl x 0.66 )
 この合成の場合、合成を繰り返すとアイテムレベルは急激に上がっていきます。

※クラフト全般
 この場合、新しいアイテムレベルは下記計算結果の通りになります。
 新ilvl = int( CLv x 0.5 ) + int( ilvl x 0.5 )

※3Ring -> Magic Amulet または 3Amulet -> Magic Ring
 この場合、新しいアイテムレベルは下記計算結果の通りになります。
 新ilvl = int( CLv x 0.75 )

※Imbueの場合
 新しいアイテムレベルはキャラクターレベル+4です。
 新ilvl = CLv + 4

 計算を行った後、結果が99を越えた場合は、99にします。
 新しいアイテムには上記計算結果のアイテムレベルが設定されます。


2.次にアイテムレベルと質レベルを比較します。
 ベースとなったアイテムの質レベルを求めて、以下の条件に照らし合わせます。
 ここで質レベルと新しいアイテムレベルを比較。
 以後の計算ではどちらか高い方をアイテムレベルとして使います。


3.次に効果レベルを求めます。
・アイテムレベル < ( 99 - 質レベル ÷ 2 )の場合
 効果レベル = ( アイテムレベル - 質レベル ÷ 2 )となります。
・それ以外
 効果レベル = ( アイテムレベル X 2 - 99 )となります。

※MagicLevelが設定されているアイテムは、この計算とは異なった計算をします。
 (D2Cではスタッフとワンド、D2Xではオーブやサークレット類です)
 この場合の計算は、
 効果レベル = アイテムレベル + MagicLevel となります。


4.求まった効果レベル以下のPrefix/Suffixが付きます。
 レアアイテムには、Prefix/Suffixはそれぞれ3つ、合計6つまで付きます。


■例題:キャラクターレベル74・G-Bow(質レベル = 52)を使った場合
●合成法:Imbue
●条件 :CLv = 74 / ilvl = 不問 / 素材 = G-Bow(52)
1.新アイテムレベルは、74 + 4 = 78
2.質レベル52より78の方が高いので、以後の計算では78を使用。
3.( 99 - 52 ÷ 2 ) = 73で78 < 73が成り立たないので、
 効果レベル = ( 78 × 2 − 99 ) = 57となります。
4.効果レベル57までのPrefix/Suffixが付きますので、
 King'sが付き、of Perfection(DEX+20・59)が付かないことになります。

例題

具体的な計算方法は、以下の例題を参照してください。

■Case1:低レベルImbueの場合(1.06以前の適正値付近)

●合成法:Imbue
●条件 :CLv = 35 / ilvl = 不問 / 素材 = Rune Bow(49)
1.新ilvl = 39
2.質レベル49より39の方が低いので、以後の計算では49を使用。
3.( 99 − 49 ÷ 2 ) = 75で49 < 75が成り立つので、
 効果レベル = ( 49 − 49 ÷ 2 ) = 25となります。


■Case2:高レベルImbueの場合(おそらく現在の適正値)

●合成法:Imbue
●条件 :CLv = 75 / ilvl = 不問 / 素材 = Rune Bow(49)
1.新ilvl = 79
2.質レベル49より79の方が高いので、以後の計算では79を使用。
3.( 99 − 49 ÷ 2 ) = 75で79 < 75が成り立たないので、
 効果レベル = ( 79 × 2 − 99 ) = 59となります。


■Case3:Rare+6P-Skull合成(低レベル)

●合成法:6P-Skull
●条件 :CLv = 35 / ilvl = 39 / 素材 = Rune Bow(49)
1.新ilvl = int( 35 x 0.4 ) + int( 39 x 0.4 ) = 29
2.質レベル49より29の方が低いので、以後の計算では49を使用。
3.( 99 − 49 ÷ 2 ) = 75で49 < 75が成り立つので、
 効果レベル = ( 49 − 49 ÷ 2 ) = 25となります。


■Case4:Rare+6P-Skull合成(高レベル)

●合成法:6P-Skull
●条件 :CLv = 99 / ilvl = 90 / 素材 = Rune Bow(49)
1.新ilvl = int( 99 x 0.4 ) + int( 90 x 0.4 ) = 75
2.質レベル49より75の方が高いので、以後の計算では75を使用。
3.( 99 − 49 ÷ 2 ) = 75で75 < 75が成り立たないので、
 効果レベル = ( 75 × 2 − 99 ) = 51となります。


■Case5:Rare+6P-Skull合成(Ring&Amuletなど)

●合成法:6P-Skull
●条件 :CLv = 99 / ilvl = 90 / 素材 = Ring(1)
1.新ilvl = int( 99 x 0.4 ) + int( 90 x 0.4 ) = 75
2.質レベル1より75の方が高いので、以後の計算では75を使用。
3.( 99 − 1 ÷ 2 ) = 99で75 < 99が成り立つので、
 効果レベル = ( 75 − 1 ÷ 2 ) = 75となります。


■Case6:Rare+P-Skull+SoJ合成

●合成法:P-Skull+SoJ
●条件 :CLv = 99 / ilvl = 90 / 素材 = Rune Bow(49)
1.新ilvl = int( 99 x 0.66 ) + int( 90 x 0.66 ) = 124
 ただし、新ilvlの最高値は99のため、新ilvl = 99
2.質レベル49より99の方が高いので、以後の計算では99を使用。
3.( 99 − 49 ÷ 2 ) = 75で99 < 75が成り立たないので、
 効果レベル = ( 99 × 2 − 99 ) = 99となります。


■Case7:Rare+1P-Skull+SoJ合成(Ring&Amuletなど)
●合成法:P-Skull+SoJ
●条件 :CLv = 99 / ilvl = 90 / 素材 = Ring(1)
1.新ilvl = int( 99 x 0.66 ) + int( 90 x 0.66 ) = 124
 ただし、新ilvlの最高値は99のため、新ilvl = 99
2.質レベル49より99の方が高いので、以後の計算では99を使用。
3.( 99 − 1 ÷ 2 ) = 99で99 < 99が成り立たないので、
 効果レベル = ( 75 − 1 ÷ 2 ) = 75となります。

※仮に新ilvl = 98だった場合、98 < 99が成り立つので、
 効果レベル = ( 98 × 2 − 99 ) = 97となります。


更新履歴  ご意見、ご要望はこちらまでお願いします
2007/04/12 ロジックは変更無い模様です。参考文献へのリンクを修正(1.11b対応)
2003/10/22 正式版(β)掲載
Copyright (C) 2002〜2003 いーづ <Cave of Gramarye>